悪役令嬢と名高い私ですが、巷で人気の『光の賢者様』の正体は私です

サトウミ

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秘密を吐きたくない

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とある休日の午後。
俺は派閥の貴族令息達と一緒に、親睦を兼ねて武術の稽古をしていた。

今日も王都のあちこちから怒りの感情が溢れ出ている。

(このクソ忙しい時に消えやがってアイツ! 戻ってきたら殴り飛ばしてやる!)

(ここの本屋、男爵令嬢の午後だんごごの新刊が置いてないとか、あり得ないんだけど! 折角、限られた時間で店に来たのに!)

(これ以上値下げできるかっつうの! こっちは原価ギリギリの値段で売ってやってんのに! 文句があるなら別の店に行けよ!)

俺は有象無象の怒りを無視して、稽古を続ける。

どの怒りもそれなりに強いが、わざわざ武術の稽古を打ち切ってまで悪魔憑きにするレベルではなかったからだ。
それにしても人間とは面白い生き物だ。
これだけ毎日のように悪魔憑きが現れるにも関わらず、誰も怒ることをやめないのだからな。

木剣がぶつかる音が止み、そろそろ稽古を終えようとしていたその時、面白い怒りの感情を見つけた。

(あの野郎、おジャズのことを馬鹿にしやがって! 本当なら水の賢者はレディーナ様じゃなくておジャズだったんだ!)

この怒りは、王都の酒屋にいるジャズの叔父か?
それより、ジャズが水の賢者というのは、どういうことだ?

(おジャズが水の賢者をやめたのは俺らが正体を知ったせいだからであって、アイツが弱いわけじゃねえのに! 水の賢者としての実力なら、絶対にレディーナ様よりアクアマンの方が上に決まってる!)

アイツ、水の賢者をやっていたのか?!
そういえば水の賢者が今の女になる前、すごく短い期間だったが男の賢者が戦っていたな。
いま思い返せば、あの男は背も高くて光の賢者に惚れていたから、ジャズであれば合点がいく。

この情報は、賢者が変わる前に知りたかった。
今更ジャズを殺しても、賢者を辞めてしまったのであれば無意味だ。
だけど、この男の怒りのベクトルは利用できそうだ。
俺は武術の稽古を終えると、急ぎ足でトイレの個室に入り、ジャズの叔父に念話で話しかけた。

(アーム・スウィング。貴様、アクアマンが再び水の賢者として活躍するのを見たくないか?)
(なっ! 誰だテメェ!)

(貴様達人間が『悪魔王』と呼ぶ存在だ。)
(悪魔王? テメェが?)

(今の水の賢者を倒せば、アクアマンが再び賢者になるかもしれないぞ?)
(テメェ、俺を悪魔憑きにするつもりだろ! 誰がテメェの話なんざ聞くか!)

(まぁ、落ち着け。貴様はアクアマンが馬鹿にされたままで悔しくないのか? 『アクアマンは弱かったらか賢者を辞めた』と言われっぱなしでも良いのか?)
(それは...良くないに決まってんだろ!)

(俺の加護があれば、今の水の賢者を倒して、再びアクアマンを表舞台に出すことができる。悪魔憑きになった貴様をアクアマンが倒せば、皆が『水の賢者に相応しいのはアクアマンだ』と気づくだろう。)
(確かに、それは悪くねぇな。)

(その上、今の水の賢者の正体も明らかになれば、あの女は二度と賢者になれなくなるだろうな。)
(...良いじゃねえか、ソレ!)

(貴様が望めば、俺が怒りの加護とともに、貴様の望む力を授けてやろう。)
(あぁ、力を貸せ!)

よし。
この状況で加護を与えれば、こいつは賢者の正体を暴くことに特化した能力を得るだろう。

(その代わり、この国の世界樹を奪い取って俺に差し出すのだ。)
(いいから、さっさと力を貸しやがれ!)

俺はお望み通り、アーム・スウィングに怒りの加護を与えた。
するとアームの服装は赤く変色し、無数の黒いジョッキを担いでいるような姿へと変わった。

今回、この男が得た能力は『ジョッキの中の飲み物を飲ませると相手の秘密を吐かせることができる力』か。
正体を暴くのに打ってつけの能力だ。
今回、コイツには賢者どもの正体を暴くことに専念してもらおう。

(さぁ行け、アーム・スウィング! 賢者どもの正体を暴くのだ!)
アームは酒屋にいた客にジョッキ攻撃を喰らわせながら、賢者を探すために店の外へと出た。

◆◆◆

「ねぇフィーネ! あーんしてよ、あーん!」
「もぅ、レディーナったら甘えん坊ね。」

夕日の赤い日差しが入る、カフェ『ココル』。
俺とフィーネは再び窓辺の席で、優雅なティータイムを過ごしていた。
夕日に照らされてか、それともあーんするのが小恥ずかしいからか、フィーネの顔は少し赤くなっていた。

色々あったけど、叔父さんの手伝いも終わったし、ジャズの姿でも会うことができたし、一件落着だな。
ジャズの姿でフィーネと話してみたが、案外、好感触だった。
レディーナこっちの姿でアピールしていたのが、うまく働いたのかもな。

フィーネとジャズおれの繋がりを強くするためにも、せめてジャズの姿で遊ぶ約束ができるくらいにはなりたい。
そのために、俺はまたレディーナこっちの姿でジャズおれをアピールすることにした。

「そういえばさ、フィーネってジャズに会ったことあるんだっけ?」
俺は素知らぬ顔で、フィーネに尋ねてみる。
するとフィーネは意表を突かれたように、目を丸くした。

「...えぇ。実は、ついさっき会ったばかりなの。」
「えっ?! 嘘!」
うん、知ってる。
とは言わず、あえて大袈裟に驚いたフリをした。

「で、どうだった? ジャズのこと、どう思う?」
「レディーナの言う通りだったわ。強くて、優しくて、頼もしい人だった。」

へへへ。
フィーネに褒められて、うっかり顔がにやけそうになったぜ。

「でしょ! ジャズって素敵だよね!」
「えぇ。それに、知ってる? 前に水の賢者をしていた『アクアマン』って人。彼の正体って、実はジャズだったの。」

「嘘?!」
「本人から聞いたわ。私、彼と一緒に悪魔憑きと戦ったことがあるけど、頼りになる人だったわ。最初から怯んだり怖気付いたりせずに戦う彼は、とっても格好よかった。」

嬉しいけど、それ以上褒めるのはやめてくれ。
ニヤニヤが止まらなくなるだろ!

「貴女が好きになる気持ちも分かるわ。」
「でしょ? でしょ?」

...ん?
レディーナおれが好きになる気持ち?
どこか引っかかる言い方だ。

「そうそう! ジャズは今、あそこの酒屋で叔父さんのお手伝いをしているの! 一緒に会いに行きましょうよ。」
「えぇ?!」

無理だろ!
突然訪れた絶対絶対の大ピンチに、俺は目を泳がせて慌てふためいた。

「あんな酒臭い店に行くなんて嫌だよ! ここでゆっくりしようよ!」
「まぁ、そんなこと言わないで。実は私、貴女が帰ってくるまでジャズと一緒にあの店のお手伝いをしていたのよ? お客さんも、お店の人も、みんないい人だったわ。」

「それでも、フィーネと一緒にカフェにいる方がいい! あんな店にいたら、折角のフィーネとの女子会デートが台無しだよ!」

「そんなことないわ。叔父さんの出してくれるメニューは美味しいし、貴女と一緒ならどこにいたって楽しいもの。」
いつもなら、フィーネが満面の笑みでそう言ってくれるだけで嬉しいのに、今はその笑顔に若干、圧を感じる。

「だけど...だけど...。」
言い訳が思いつかず、狼狽する。

まずい。
このまま酒屋に行く流れになったら、ジャズおれが店にいないことに気づかれ、ジャズおれを探す流れになる。
それだけならまだしも『レディーナがいる時だけジャズおれに会えない』という事に気づかれたら、正体がバレかねない。

「レディーナの気持ちは分かるわ。ジャズと会うのって、少し緊張するわよね?」
「え?」

フィーネって、俺と会う時、緊張していたのか?
全然、そんな風には見えなかった。
そういえば、たまに『お前は背が高くてガタイがいいから威圧的に感じる』って言われたことがあった。
フィーネもそう感じていたのかと思うと、少し凹んだ。

「でも大丈夫。私も一緒についていってあげるから。」

いやいや。
全然、大丈夫じゃない!

だけどフィーネの意思は固い。
俺の手を掴んで、半ば強引にカフェから出ようとする。

「フィーネ、本当に待って! 私はまだカフェに居たいよ!」
「まぁまぁ。カフェなら、またいつでも一緒に行けばいいでしょ?」

フィーネは俺の話に聞く耳を持たず、勝手に会計を済ませて店の外へと連れ出した。

一歩、また一歩。
確実に酒屋へと近づいていく。
俺は、まるで処刑台へ連れて行かれるかのような、焦りと絶望に苛まれている。

誤魔化す方法が思いつかない以上、俺にはなす術がない。
お願いだ、何でもいいから奇跡が起きてくれ!

心の中で強く願いながら、すぐ近くに迫った酒屋の扉を見た、その時だった。

酒屋の扉が勢いよく開いたと思ったら、沢山の黒いジョッキを背負った叔父さんが中から出てきた。
あの姿は、どう見ても悪魔憑きになっている。

あぁ、助かった。
ありがとう、叔父さん。
ありがとう、悪魔王。

これでフィーネもジャズおれのことは置いておいて戦うしかないはずだ。

「あの人、ジャズの叔父さんだわ! レディーナ、急いで悪魔祓いするわよ!」
「了解!」

ジョッキを担いだ巨体が、亀のような足取りで、のっそりとこっちに近づいてくる。
無数のジョッキの中には、ケチャップのように赤くてドロドロとした液体が入っていた。

「水の賢者に相応しいのは、アクアマンだぁー!」
悪魔憑きになった叔父さんの叫びと共に、背負っていた無数の黒いジョッキが一斉に飛び出す。

「うわっ、危ない!」

俺はフィーネの手を引き、間一髪でジョッキの雨を避ける。
だけどジョッキは地面にぶつかる前に、奇妙な軌道で再び宙を舞い、俺達を狙ってきた。
ジョッキの弾幕はしつこく、何度かわしても追いかけてくる。

「うら若きレディに、汚ねぇモンぶっかけてくんじゃねえよ!」
「飲め、飲め! 賢者様達への祝杯だぁ!」

避けたジョッキの幾つかが、通行人に当たる。
ジョッキ攻撃を喰らった通行人は、ジョッキを飲み干すようにグビグビと中の液体を強引に飲まされる。
そして飲んだ液体を吐き出すように、大声で叫び出した。

「俺は週二でギルドの受付嬢と不倫してるー!」
「私のお腹の中にいる子は、旦那の子どもじゃなーい!」

ジョッキを飲まされた通行人達は次々に、ある者は泣きながら、またある者は恍惚とした顔で自分の秘密を叫び出す。

「なんだよ、アレ。」
「ジョッキの液体を飲んじゃったら、秘密を言わされるみたい! レディーナ、気をつけて!」

やってくれたな、悪魔王!
やってくれたな、叔父さん!
あのジョッキ、絶対喰らうわけにはいかない。
俺がジャズだって吐いてしまったら、フィーネに幻滅されるどころか社会的に死ぬ。

俺とフィーネは宙を舞うジョッキを避け続ける。
だが、いくら避けても数が減らない。まるで無限に湧き出してくるかのようなジョッキの雨に、じりじりと押されていく。

「全部避けるなんて、ちょこざいな! いい加減、飲んでくださいよおぉ!」

叔父さんが高らかに叫びながら、特大サイズのジョッキを頭上に掲げた。
それはさっきまでの黒いジョッキよりも一回り大きく、禍々しい赤黒い光を放っている。
アレは絶対ヤバいやつだ!

「避けろフィーネ!」

俺が叫ぶよりも早く、その特大ジョッキが、地響きを立てながらフィーネに向かって一直線に飛んでいった。
フィーネは即座に回避しようと身を翻す。
だけど目前に迫ってきていた別のジョッキに気を取られ、バランスを崩した。

「きゃっ!」

フィーネはまるで吸い込まれるように、特大ジョッキの中に入り込んでしまった。

「フィーネッ!!」

俺は全速力で駆け寄るが、間に合わない。
フィーネは全身、赤黒い色に染まった。
ジョッキの中からのそのそと出てきたフィーネは、まるで酔い潰れたかのように、口を塞いで項垂れていた。

「うっ……っぷ……!」

フィーネはジョッキに入る前に、咄嗟に口を塞いでいたものの、やっぱり飲み込んでしまったようだ。
モロにあの液体の中へダイブしてしまったんだ。避けようと思っても避けられるはずがない。
フィーネはぐらり、と身体が揺れながら、ふらふらと数歩後退する。

「フィーネ、大丈夫!?」

俺は慌てて彼女の身体を支える。
フィーネは顔をしかめて口を塞いでいたが、やがて堪えきれないように口を開いた。

「……私、実は……ウイン様のことが……大好きなのっ!」

それを言い残して、フィーネは力尽きた様に倒れた。

あぁ。知ってる。
フィーネは秘密のつもりだろうけど、こんなに近くにいるんだ。
お前がウインのことを好きだなんて、嫌でも気づくさ。
一人で勝手にフラれた気分になって、落ち込む。

「へへっ! 隙あり!」
「なっ!」

フィーネの言葉がショックで、背後からジョッキが近づいてきていることに気づかなかった。
慌てて振り向くと、背後から来たジョッキがダイレクトに顔面にぶつかる。

...やっちまった!
俺は慌てて飲んでしまった液体を吐こうとする。
だけどコレを吐いてしまったら、秘密も一緒に吐き出してしまいそうな予感がして、間一髪で吐き出すのをやめた。

「さぁさぁ! レディーナ様、アンタの正体を言うんだ!」

言ってたまるか!
絶対に、正体だけは口が裂けても言えねぇ。
だけど段々と喉が気持ち悪くなってきて、さっき口に入れた液体を吐き出したい衝動に駆られる。

こうなったら、マジで吐いちまう前に叔父さんを悪魔祓いして効果を無効化するしかない。

「我慢したって無駄だぁ! さっさと吐いちまえ!」
叔父さんは嬉々として、さらにジョッキを空中に放り投げる。
無限に湧くかのようなジョッキの雨が、再び俺たちを包囲する。

しゃらくせえ!
俺は目の前から来るジョッキを片っ端から殴り飛ばしながら、一直線に叔父さんに近づいた。

「それなら、コイツはどうだ!」
すると叔父さんは、フィーネに当てた特大ジョッキを再び出して、俺に飛ばしてきた。
それも力づくで投げ飛ばそうとした...が、限界が来た。

猛烈な吐き気のせいで特大ジョッキに力負けし、地面に叩きつけられた。

駄目だ。
吐いちまう。
せめて俺の正体以外の秘密を吐いて誤魔化さねぇと。
俺は必死に記憶を巡らせて、吐いてもいい秘密を探した。

...そうだ!
アレだったら大丈夫だ。
俺はキャリーを犠牲にして、その秘密を口から出した。

「男爵令嬢の午後に出てくる悪役令嬢は、ロザリア・フォルティーナがモデルだー!」

あぁ、スッキリした。
秘密を吐き出した途端、さっきまでの吐き気が一気におさまった。
これで思う存分、叔父さんを悪魔祓いできる。

「さっさと元に戻れ!」
俺は勢いよく飛びかかり、叔父さんの腹を蹴飛ばす。
叔父さんは無事に悪魔祓いされ、黒いジョッキはなくなり、いつもの姿へと戻った。

「......ぅ...ん...。」
叔父さんが倒れたと同時に、フィーネはその場でゆっくりと立ち上がった。

「フィーネ、大丈夫?」
俺はフィーネのもとへと近づいて、様子を伺う。

「えぇ、何とか。ウイン様がいなくて良かったわ。あんなこと、もし聞かれていたら緊張して二度と会えなくなっていたもの。」

頬を赤くして恥ずかしがる彼女を見ていると、ウインが恨めしく感じる。
フィーネにこんな顔をさせるなんて、羨ましい奴だ。
俺がアクアマンのままだったら、そのポジションに俺がなっていたかもしれないのに。

「レディーナ、倒してくれてありがとう。それじゃあ、街を元に戻しましょう!」
「うん!」

俺達は手を重ねて、精霊の力を込める。
その手を天へと上げて精霊の力を放つと、酒屋も通行人達も元通りに戻った。

「今日も一見落着だな。」
気づけば日が暮れていた。
さすがに、もう帰る時間だ。

「もう遅いし、今日は帰ろっか。」
「えぇ、そうね。酒屋にいるジャズに会わせてあげたかったけど、残念だわ。また今度にしましょう。」
「あぁ、残念だね。」

その言葉とは裏腹に、俺は絶体絶命な状況を回避できて安堵する。

「それよりレディーナ、さっき言っていたことって...?」
「えっ?」

「ほら、男爵令嬢の午後だんごごの悪役令嬢がどうとか言ってたでしょ?」
「あぁ~、アレ?」

悪役令嬢のモデルの件、どうやって誤魔化す?
あの時、正体を吐かずに済んだのは良かったけど、こっちも微妙に厄介だ。
あの小説の制作秘話を知る人物なんて、限られている。
そこから俺の正体に辿り着かないとも限らない。

「アレね、知り合いが男爵令嬢の午後だんごごの作者の知り合いらしくて、こっそり聞いちゃったんだ。」
俺は苦し紛れの嘘で誤魔化す。
『本人に直接聞いた』と言うよりかはマシだろ。

「そう。」
フィーネは納得したようで、それ以上追及してこなかった。

「あの時、お互い正体を喋らずに済んで良かったわね。」
「うん!」

「もし喋っていたら、貴女という最高の友達と会えなくなるところだったもの。」
「私も、最高の友達フィーネを失わなくて良かった。」

最高の友達、か。
今はそれで構わない。
だけどいつか『最高の彼氏』にまで登り詰めてやる。

そんなことを考えながらフィーネを見送ると、俺は隠れて変身を解除し、倒れている叔父さんを担いで酒屋へと戻った。
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