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ロザリアの命令
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カフェでフィーネ様達と会話した後。
僕とアンサムは学校の近くにある、国で一番大きい書店に来ていた。
前まで読んでいた小説も昨日読み終わったし、新しい小説でも探そう。
僕はまだ見ぬ小説を求めて、新作コーナーへとやってきた。
本棚に置かれている新作小説を流し見しながら、背表紙のタイトルだけで面白そうかを判断する。
惹かれるタイトルが無いな、と思った矢先に、少しだけ興味を惹かれるタイトルの小説を見つけた。
「『秘匿の勇者達』か。」
どんな内容だろう。ファンタジーかな?
手にとって中を見ようとしたその時、アンサムが露骨に怪訝な顔をした。
「それ、本当に読むのですか?」
「え? 駄目?」
「だってそれ、ロマンス小説ですよ?」
そうなの?!
タイトル的に、素性を隠した勇者パーティが戦う冒険ものかと思っていた。
男性向けの作品だと思っていたから、手に取ったのが少し恥ずかしくなった。
「さ、流石に男の僕がロマンス小説を読むのは勇気がいるなぁ...。」
僕はそっと、小説を本棚に戻す。
「アンサムは何か気になる小説はある?」
「俺はこの前、気になる新作はチェックしましたので今はありません。」
「そっか。確かさっき、カフェで新作小説を読んでいたよね。それも新作コーナーにあるの?」
「さぁ、どうでしょう?」
やっぱり教えてくれない。
アンサムが読んでいた小説、賢者達がモデルらしいから読んでみたかったな。
「ところで、今はどんなジャンルの本を探しているのですか? よろしければ一緒に探しますよ。」
「ありがとう。今は冒険ものが読みたい気分かな。」
「冒険ものでしたら、新作だと、この辺の小説が該当しますね。」
「そうなんだ。」
アンサムが指差した所にあった小説を、本棚から取り出し開こうとしたその時。
「悪魔憑きだぁ! アスタリア魔導学園に悪魔憑きが出たぞ!」
書店の外から、半狂乱で叫ぶ人の声が聞こえてきた。
外は、悪魔憑きから逃げる人々で騒然としている。
書店の中も、さっきの声が響いてきた途端、パニック状態へ陥っていた。
「学校に悪魔憑き、だって?!」
確か今日は、学校で悪魔祓い講習があったはずだ。
またロザリア嬢がアベル兄上に逆恨みしたのかな?
とにかく、変身して悪魔祓いしに行かないと!
「殿下、急いで逃げましょう!」
だけどアンサムは僕を守るように、手を取って一緒に逃げようとする。
このままじゃ変身できない。
何か理由をつけて離れないと。
「アンサムは先に逃げて! 僕は学校へ行く!」
「何を言っているのですか? 悪魔憑きが出たのは学校ですよ?」
「その学校にアベル兄上がいるんだ! 兄上が心配だから行ってくるよ!」
「アベル殿下ならきっと大丈夫ですよ。」
アンサムは、僕の手を強く握って離さない。
「悪魔憑きになったのがロザリア嬢だったら、アベル兄上が危ない!」
「それなら、好都......。」
「こうつ?」
「...いえ、交通状況を確認してください。今、学校へ向かおうと思っても悪魔憑き騒動で道が混雑しているのではないでしょうか?」
「だったら路地裏なら人がいないんじゃないかな。」
「大通りでも路地裏でも、悪魔憑きに近づくのは危険です!」
駄目だ、アンサムは頑なに引き留めてくる。
こうしている間にも悪魔憑きの被害が拡大しているというのに、賢者の僕が戦えないのは大問題だ。
「...ごめん、アンサム!」
「あっ! お待ちください!」
僕はアンサムの腕を強引に引き剥がすと、彼から逃げるように書店の外へ出る。
そして変身するタイミングを見計らいながら、一直線に学校へと向かった。
だけど、そんな僕を追いかけるように、アンサムもついてくる。
結局、アンサムを途中で撒くことができず、一緒に学校へ行くことになった。
僕達は全速力で駆けつけると、数分で学校に着いた。
校内は悪魔憑き騒動で混沌としていて、校門には悪魔憑きから逃げる人々の姿があった。
逃げようとする人々の中には、クラスメイトのキャリー・シェリルさんもいた。
そういえばキャリーさんも前に悪魔憑きになっていたから、恐らく彼女も悪魔憑き講習を受けにきたのだろう。
僕は肩で息をしながら、彼女に話しかけた。
「ねぇ、キャリーさん。」
「ひゃっ! えっ、カイル殿下?!」
唐突に話しかけたからか、彼女は小動物のようにビクッと驚き、一瞬警戒した。
「悪魔憑きになったのは誰? アベル兄上は?」
「あ、アベル先生はロザリア様が悪魔憑きになってすぐに消えたから、どこにいるか知りません。」
「そんな...兄上がロザリア嬢に」
「あ! 消えたというのは逃げたという意味なので、ロザリア様に何かされたわけではありません。...今はどうかは、わかりませんが。」
それを聞いて安心した。
兄上のことだから、きっと今も安全な場所に避難しているのだろう。
「チッ! ほら、言った通りじゃないですか。あの人はゴキブリ並みにしぶといんですから、心配するだけ無駄です。ロザリア嬢に見つかる前に逃げましょう。」
アンサムは僕に振り回されたことで、かなり不機嫌になっている。
兄上が無事なのは良かったけど、今度は彼の目を盗んで変身するタイミングを見つけないと。
「まぁ。その声、もしかしてカイル殿下ですか?」
しまった。
この声、ロザリア嬢だ。
変身する前に、見つかってしまった。
ロザリア嬢は中庭の方から、僕に向かって一直線に走ってきた。
悪魔憑きとなった彼女は、いつもの姿とは少し違って、黒くて長い鞭を手に持っていた。
「お会いしたかったです、殿下♪ 休日に会えるなんて、これも運命でしょうか。」
微笑みながら猫撫で声で話しかける、ロザリア嬢。
彼女の神経を逆撫でしないよう、僕達はゆっくりと後退りをする。
「や、やぁ。ロザリア嬢。今日は、どうして悪魔憑きになってしまったんだい?」
「聞いてくださいよ殿下! あの穢らわしい王子が、また私にお説教してきたんです。生意気にも『怒ってばかりだとカイル殿下に嫌われるぞ』って言ってきたんです!」
「先生はそんなこと、言っていません。『誰にでも寛容で優しくしていた方がカイル殿下に好かれるよ』って言っていました。」
アベル兄上はロザリア嬢を怒らせないように、優しい言い方をしたんだろう。
だけどロザリア嬢はそれを『遠回しな嫌味』だと受け取ってしまったようだ。
「薄汚い平民はお黙りっ!」
「ひゃっ!」
キャリーさんはさっきの説明でロザリア嬢の機嫌を損ねてしまい、勢いよく鞭で打たれてしまった。
「貴女はそのまま床で寝ていなさい!」
するとキャリーさんは目が虚になり、その場にぱたりと倒れ込んだ。
「キャリーさんっ!」
僕は思わず駆け寄りかけたけれど、アンサムが腕を伸ばして制止してくる。
「駄目です殿下! 今は無闇に近づかないほうが……!」
見ると、キャリーさんは倒れたまま動かない。
しかし微かに胸が上下していて、意識を失っているだけのようだった。
「よかった……でも、どうして……」
「恐らく、あの鞭の能力によるものではないでしょうか? 恐らくキャリー・シェリルが気絶したのは、物理的な力とは別の力によるものでしょう。」
「ハッ! アンサム、貴方インテリぶってるクセに私の能力がわからないの? これはね、叩いた相手を私の奴隷にする能力なの。例えば...こんな風にねっ!」
危ない!
ロザリア嬢はアンサム目掛けて鞭で殴ろうとした。
それに気づいた僕は、咄嗟にロザリア嬢の前に出てアンサムを庇った。
彼女の振り翳した鞭は、『バチン』という音とともに勢いよく僕に当たる。
...これで僕も、彼女の命令に逆らえなくなった。
「あっ、カイル殿下! 申し訳ありません!」
僕に当ててしまったロザリア嬢は、先程とは打って変わって、狼狽して僕に平謝りする。
「殿下...! 俺のせいで...」
「気にしないで。それより、早く逃げて!」
「ですが」
「いいから早く!」
アンサムはバツの悪そうな顔で軽く頭を下げると、猛スピードでその場から逃げていった。
「カイル殿下、大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」
「うん、まぁ...。」
悪魔憑きになったロザリア嬢と会うのは賢者に変身している時ばかりだからか、彼女に敵対心を持たれていないことに違和感と戸惑いがある。
「そうだわ! カイル殿下!」
彼女は満面の笑みで僕に喋りかける。
「...私に、キス、して♪」
嫌だ。
嫌だ、嫌だ!
彼女に命令されることは覚悟していたけど、そんなことを命令されるなんて思いもしなかった。
「駄目だ、それだけは!」
彼女は期待するように唇を突き出して、顔を近づけてくる。
僕は必死に抵抗して、彼女の両肩を掴んで引き離した。
...って、あれ?
普通に抵抗できている?
「なんで、どうして!?」
ロザリア嬢にとっても想定外の出来事だったようだ。
なんで僕には彼女の能力が通じないのだろう?
彼女の攻撃が通じなくなる条件を満たしていた、ってことかな?
それはともかく、彼女の攻撃が効かないと分かった以上、どこかに隠れて変身しよう。
「それじゃあ、またね!」
「あっ! 殿下!」
ロザリア嬢が困惑している隙に、僕はその場から離れ、周囲に誰もいない場所を見つけてから変身した。
僕とアンサムは学校の近くにある、国で一番大きい書店に来ていた。
前まで読んでいた小説も昨日読み終わったし、新しい小説でも探そう。
僕はまだ見ぬ小説を求めて、新作コーナーへとやってきた。
本棚に置かれている新作小説を流し見しながら、背表紙のタイトルだけで面白そうかを判断する。
惹かれるタイトルが無いな、と思った矢先に、少しだけ興味を惹かれるタイトルの小説を見つけた。
「『秘匿の勇者達』か。」
どんな内容だろう。ファンタジーかな?
手にとって中を見ようとしたその時、アンサムが露骨に怪訝な顔をした。
「それ、本当に読むのですか?」
「え? 駄目?」
「だってそれ、ロマンス小説ですよ?」
そうなの?!
タイトル的に、素性を隠した勇者パーティが戦う冒険ものかと思っていた。
男性向けの作品だと思っていたから、手に取ったのが少し恥ずかしくなった。
「さ、流石に男の僕がロマンス小説を読むのは勇気がいるなぁ...。」
僕はそっと、小説を本棚に戻す。
「アンサムは何か気になる小説はある?」
「俺はこの前、気になる新作はチェックしましたので今はありません。」
「そっか。確かさっき、カフェで新作小説を読んでいたよね。それも新作コーナーにあるの?」
「さぁ、どうでしょう?」
やっぱり教えてくれない。
アンサムが読んでいた小説、賢者達がモデルらしいから読んでみたかったな。
「ところで、今はどんなジャンルの本を探しているのですか? よろしければ一緒に探しますよ。」
「ありがとう。今は冒険ものが読みたい気分かな。」
「冒険ものでしたら、新作だと、この辺の小説が該当しますね。」
「そうなんだ。」
アンサムが指差した所にあった小説を、本棚から取り出し開こうとしたその時。
「悪魔憑きだぁ! アスタリア魔導学園に悪魔憑きが出たぞ!」
書店の外から、半狂乱で叫ぶ人の声が聞こえてきた。
外は、悪魔憑きから逃げる人々で騒然としている。
書店の中も、さっきの声が響いてきた途端、パニック状態へ陥っていた。
「学校に悪魔憑き、だって?!」
確か今日は、学校で悪魔祓い講習があったはずだ。
またロザリア嬢がアベル兄上に逆恨みしたのかな?
とにかく、変身して悪魔祓いしに行かないと!
「殿下、急いで逃げましょう!」
だけどアンサムは僕を守るように、手を取って一緒に逃げようとする。
このままじゃ変身できない。
何か理由をつけて離れないと。
「アンサムは先に逃げて! 僕は学校へ行く!」
「何を言っているのですか? 悪魔憑きが出たのは学校ですよ?」
「その学校にアベル兄上がいるんだ! 兄上が心配だから行ってくるよ!」
「アベル殿下ならきっと大丈夫ですよ。」
アンサムは、僕の手を強く握って離さない。
「悪魔憑きになったのがロザリア嬢だったら、アベル兄上が危ない!」
「それなら、好都......。」
「こうつ?」
「...いえ、交通状況を確認してください。今、学校へ向かおうと思っても悪魔憑き騒動で道が混雑しているのではないでしょうか?」
「だったら路地裏なら人がいないんじゃないかな。」
「大通りでも路地裏でも、悪魔憑きに近づくのは危険です!」
駄目だ、アンサムは頑なに引き留めてくる。
こうしている間にも悪魔憑きの被害が拡大しているというのに、賢者の僕が戦えないのは大問題だ。
「...ごめん、アンサム!」
「あっ! お待ちください!」
僕はアンサムの腕を強引に引き剥がすと、彼から逃げるように書店の外へ出る。
そして変身するタイミングを見計らいながら、一直線に学校へと向かった。
だけど、そんな僕を追いかけるように、アンサムもついてくる。
結局、アンサムを途中で撒くことができず、一緒に学校へ行くことになった。
僕達は全速力で駆けつけると、数分で学校に着いた。
校内は悪魔憑き騒動で混沌としていて、校門には悪魔憑きから逃げる人々の姿があった。
逃げようとする人々の中には、クラスメイトのキャリー・シェリルさんもいた。
そういえばキャリーさんも前に悪魔憑きになっていたから、恐らく彼女も悪魔憑き講習を受けにきたのだろう。
僕は肩で息をしながら、彼女に話しかけた。
「ねぇ、キャリーさん。」
「ひゃっ! えっ、カイル殿下?!」
唐突に話しかけたからか、彼女は小動物のようにビクッと驚き、一瞬警戒した。
「悪魔憑きになったのは誰? アベル兄上は?」
「あ、アベル先生はロザリア様が悪魔憑きになってすぐに消えたから、どこにいるか知りません。」
「そんな...兄上がロザリア嬢に」
「あ! 消えたというのは逃げたという意味なので、ロザリア様に何かされたわけではありません。...今はどうかは、わかりませんが。」
それを聞いて安心した。
兄上のことだから、きっと今も安全な場所に避難しているのだろう。
「チッ! ほら、言った通りじゃないですか。あの人はゴキブリ並みにしぶといんですから、心配するだけ無駄です。ロザリア嬢に見つかる前に逃げましょう。」
アンサムは僕に振り回されたことで、かなり不機嫌になっている。
兄上が無事なのは良かったけど、今度は彼の目を盗んで変身するタイミングを見つけないと。
「まぁ。その声、もしかしてカイル殿下ですか?」
しまった。
この声、ロザリア嬢だ。
変身する前に、見つかってしまった。
ロザリア嬢は中庭の方から、僕に向かって一直線に走ってきた。
悪魔憑きとなった彼女は、いつもの姿とは少し違って、黒くて長い鞭を手に持っていた。
「お会いしたかったです、殿下♪ 休日に会えるなんて、これも運命でしょうか。」
微笑みながら猫撫で声で話しかける、ロザリア嬢。
彼女の神経を逆撫でしないよう、僕達はゆっくりと後退りをする。
「や、やぁ。ロザリア嬢。今日は、どうして悪魔憑きになってしまったんだい?」
「聞いてくださいよ殿下! あの穢らわしい王子が、また私にお説教してきたんです。生意気にも『怒ってばかりだとカイル殿下に嫌われるぞ』って言ってきたんです!」
「先生はそんなこと、言っていません。『誰にでも寛容で優しくしていた方がカイル殿下に好かれるよ』って言っていました。」
アベル兄上はロザリア嬢を怒らせないように、優しい言い方をしたんだろう。
だけどロザリア嬢はそれを『遠回しな嫌味』だと受け取ってしまったようだ。
「薄汚い平民はお黙りっ!」
「ひゃっ!」
キャリーさんはさっきの説明でロザリア嬢の機嫌を損ねてしまい、勢いよく鞭で打たれてしまった。
「貴女はそのまま床で寝ていなさい!」
するとキャリーさんは目が虚になり、その場にぱたりと倒れ込んだ。
「キャリーさんっ!」
僕は思わず駆け寄りかけたけれど、アンサムが腕を伸ばして制止してくる。
「駄目です殿下! 今は無闇に近づかないほうが……!」
見ると、キャリーさんは倒れたまま動かない。
しかし微かに胸が上下していて、意識を失っているだけのようだった。
「よかった……でも、どうして……」
「恐らく、あの鞭の能力によるものではないでしょうか? 恐らくキャリー・シェリルが気絶したのは、物理的な力とは別の力によるものでしょう。」
「ハッ! アンサム、貴方インテリぶってるクセに私の能力がわからないの? これはね、叩いた相手を私の奴隷にする能力なの。例えば...こんな風にねっ!」
危ない!
ロザリア嬢はアンサム目掛けて鞭で殴ろうとした。
それに気づいた僕は、咄嗟にロザリア嬢の前に出てアンサムを庇った。
彼女の振り翳した鞭は、『バチン』という音とともに勢いよく僕に当たる。
...これで僕も、彼女の命令に逆らえなくなった。
「あっ、カイル殿下! 申し訳ありません!」
僕に当ててしまったロザリア嬢は、先程とは打って変わって、狼狽して僕に平謝りする。
「殿下...! 俺のせいで...」
「気にしないで。それより、早く逃げて!」
「ですが」
「いいから早く!」
アンサムはバツの悪そうな顔で軽く頭を下げると、猛スピードでその場から逃げていった。
「カイル殿下、大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」
「うん、まぁ...。」
悪魔憑きになったロザリア嬢と会うのは賢者に変身している時ばかりだからか、彼女に敵対心を持たれていないことに違和感と戸惑いがある。
「そうだわ! カイル殿下!」
彼女は満面の笑みで僕に喋りかける。
「...私に、キス、して♪」
嫌だ。
嫌だ、嫌だ!
彼女に命令されることは覚悟していたけど、そんなことを命令されるなんて思いもしなかった。
「駄目だ、それだけは!」
彼女は期待するように唇を突き出して、顔を近づけてくる。
僕は必死に抵抗して、彼女の両肩を掴んで引き離した。
...って、あれ?
普通に抵抗できている?
「なんで、どうして!?」
ロザリア嬢にとっても想定外の出来事だったようだ。
なんで僕には彼女の能力が通じないのだろう?
彼女の攻撃が通じなくなる条件を満たしていた、ってことかな?
それはともかく、彼女の攻撃が効かないと分かった以上、どこかに隠れて変身しよう。
「それじゃあ、またね!」
「あっ! 殿下!」
ロザリア嬢が困惑している隙に、僕はその場から離れ、周囲に誰もいない場所を見つけてから変身した。
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