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緊張を乗り越えて
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ウインに変身して、再びロザリア嬢のもとへ駆けつけると、フィーネ様とレディーナ様が既にロザリア嬢と戦っていた。
「二人とも、お待たせ!」
「ウイン様!」
「遅いぞ、ウイン!」
僕はロザリア嬢へ近づいて、武器の剣で斬りかかる。
「また厄介な賢者が増えたわね。邪魔よ! 消えなさい!」
彼女は持っていた鞭で、振り翳した剣を叩いた。
鞭の能力のせいで、剣は消えてしまう。
あの能力、僕には効かなくても、僕の持ち物には効くのか。
「ウイン様、気をつけて! あの鞭に当たってしまうと、彼女の命令に逆らえなくなります!」
「了解、フィーネ様!」
僕はふと、フィーネ様を見ると、彼女と目が合った。
彼女は相変わらず、恥ずかしそうに顔を逸らす。
カフェでの一件で解決したかと思っていたけど、まだ改善には時間がかかりそうだな。
「あら、よそ見? 随分、余裕そうじゃない。」
おっと危ない。
ロザリア嬢が振り回した鞭を、間一髪で避ける。
僕の場合、当たっても効果はないとはいえ、当たらないに越したことはない。
「そっちこそ油断してない? 私もいるよ!」
ロザリア嬢の背後からレディーナ様が殴りかかる。
だけどロザリア嬢は、殴りかかったレディーナ様の拳を片手でキャッチすると、彼女を地面に叩きつけた。
「油断しているのはアンタよ。」
「あっ! レディーナ避けて!」
...しまった。
ロザリア嬢は地面に叩きつけたレディーナ様を鞭で叩いた。
「賢者レディーナ。お手。」
「やるかよ! クソッ!」
レディーナ様は苦悶の表情を浮かべて、必死に抵抗する。
だけど、まるで操られているかのように、ロザリア嬢が差し出した手の上に右手を置いた。
「お座り。」
今度は彼女の前で跪く。
「...うん。今度は大丈夫みたいね。」
ロザリア嬢は何かを確信したかのように、満足そうな笑顔を浮かべた。
「この能力、尊敬している相手には通じないみたいだけど、貴方達には通じるみたい。私ったら、貴方達のことは大して尊敬していなかったみたいね。」
だから僕には効かなかったのか。
...ということは、賢者の僕が当たったらまずそうだ。
「そうだわ。たまにはポンコツ悪魔王のお願いでも聞いてあげようかしら?」
悪魔王の願い?
まさか!
「賢者レディーナ。貴方の正体を教えなさい!」
「レディーナ様、言っちゃ駄目だ!」
僕は急いで彼女のもとへ駆け寄り、彼女の口を強引に手で塞いだ。
「ン~!」
レディーナ様も真っ青な顔をしながら、必死に口をつむぐ。
「邪魔なのよ、貴方!」
ロザリア嬢は、今度は僕に鞭を振るう。
僕はレディーナ様を抱き抱えながら、鞭を避けた。
「もう! すばしっこい男ね!」
僕がレディーナ様を抱えて逃げ回っている間に、フィーネ様がロザリア嬢に殴りかかる。
ロザリア嬢も彼女に負けじと鞭や蹴りで応戦する。
「鬱陶しい賢者達ね! 賢者レディーナ、賢者ウインを捕まえなさい!」
「なっ!?」
すると命令に応じるように、抱き抱えていたレディーナ様が上体を起こして立ち上がった。
そして強く抱きついてきて、僕は身動きが取れなくなった。
「あっ、ウイン様っ!」
「貴方も私の奴隷になりなさいっ!」
しまった!
と思った時には遅かった。
僕は無惨にも彼女の鞭の餌食となった。
鞭を喰らった瞬間、全身に静電気が走ったかのような痺れを感じた。
...今回こそは彼女の命令に逆らえなさそうだ。
「ウイン様!」
「アハハハハ! 二人の賢者は私の奴隷よっ!」
今までで一番、まずい展開だ。
僕とレディーナ様が正体を言わされたら、賢者が一気に二人もいなくなってしまう。
うっかり喋らないよう口を塞ぎつつ、次の命令が来る前に倒そう!
僕とレディーナ様が飛びかかろうとした瞬間、ロザリア嬢は『動くな』と命令して僕達を止めた。
頼みの綱はフィーネ様だけだ。
「残りは貴女だけね。前から思っていたけど、貴女のその顔、ずっと気に食わなかったのよ!」
「そうなのですか? 私はロザリア嬢のお顔は好きですよ。」
「お顔『は』って言ってくるところも不愉快ね! ...そんな貴女に、とびっきりの素敵な命令をしてあげる。」
素敵な命令?
嫌な予感しかしない。
だけど今の僕には、フィーネ様が鞭の餌食にならないよう祈ることしかできなかった。
「賢者ウイン! 賢者レディーナ!」
ロザリア嬢の命令がくる!
僕を呼ぶ声が聞こえると同時に、口を強く食いしばって必死に抵抗する。
「貴方達...キスしなさい。」
「はぁ?!」
「えっ!」
意図のわからない命令に、一瞬、頭が真っ白になる。
だけど身体は命令に忠実で、僕の意思とは関係なくレディーナ様に近づいた。
「誰が野郎なんかとキスするかーっ!」
「僕も、それは嫌だ!」
レディーナ様から必死に顔を逸らそうとするも、頭は誰がにがっちり掴まれているかのように、思い通りに動かない。
「そんなの、駄目っ!」
「アハハハハ! 貴女のその顔を見たかったのよ。どう? ウイン様が他の女とキスする瞬間が見れて、楽しいでしょう?」
「全然、楽しくないわ!」
フィーネ様、お願いだ。
彼女の唇が当たる前に、倒してください!
僕とレディーナ様は命令の効力に抗うも、徐々に互いの唇が近づいていく。
彼女の唇が近づくにつれて、僕はジュリー嬢の顔を思い浮かべる。
ジュリー嬢以外の女性とキスをしたくない。
「ウイン様がキ、キ、キスだなんて! 絶っ対に、駄目ー!」
フィーネ様、早く! 早く!
僕は目前にまで迫ったレディーナ様の唇に抗うように、歯を食いしばり、目をギュッと瞑る。
それと同時に、目を瞑っていても分かるくらいに眩しい光が差し込んだ。
その光が消えたのを感じた頃には命令の効力がなくなり、僕とレディーナ様は自由に動けるようになっていた。
よかった。フィーネ様、ロザリア嬢を無事倒してくれたみたいだ。
「ウイン様、大丈夫ですか!? レディーナとキス、していないですよね?」
フィーネ様は颯爽と僕のもとへ駆けつけると、困惑しながらも僕の目を真っ直ぐ見て尋ねた。
...あれ?
真っ直ぐ見て、話せてる!
彼女と目を見てちゃんと話したのは久しぶりだからか、嬉しくて思わず笑みが溢れた。
「フフ。やっと話してくれたね。」
「っ?!」
話しかけた途端に、フィーネ様は顔を赤くして僕から逸らす。
折角話せたと思ったけど、やっぱりまだ時間がかかるのかな?
と思っていたら、フィーネ様は顔を真っ赤にしながらも、再び僕と顔を合わせてくれた。
「...ウ、ウイン様、今まで、その...素っ気ない態度をして、ごめんなさい。」
フィーネ様はまだ、恥ずかしそうだ。
あの日のことを引きずっているみたい。
だけど頬を赤くしながらも、真剣に僕と向き合おうとしてくれている。
「いいよ、全然気にしてないから。」
彼女なりに頑張って元の関係に戻ろうとしてくれているのを感じて、嬉しくてつい照れ笑いをした。
「まだ変に意識してしまって、うまく話せないかもしれませんが、許してくださいますか?」
「勿論だよ。」
すると彼女も、安心したように笑顔になった。
フィーネ様は健気で可愛らしい人だ。
緊張しても頑張って話そうとしてくれている彼女を見ていると、僕も頑張ってジュリー嬢にアプローチしようと思えてくる。
「...僕も負けてられないな。」
「え? どうしましたか?」
「いや、何でもないよ。君みたいな女の子に好かれる人は、きっと幸せ者なんだろうなって思っただけさ。」
何気なく放った言葉はフィーネ様を惑わせたようで、僕の言葉を聞いた彼女は頭から湯気を出しながら倒れてしまった。
面白い娘だな、フィーネ様は。
彼女の頑張りに勇気をもらった僕は、明日からジュリー嬢に話しかけようと意気込んだ。
「二人とも、お待たせ!」
「ウイン様!」
「遅いぞ、ウイン!」
僕はロザリア嬢へ近づいて、武器の剣で斬りかかる。
「また厄介な賢者が増えたわね。邪魔よ! 消えなさい!」
彼女は持っていた鞭で、振り翳した剣を叩いた。
鞭の能力のせいで、剣は消えてしまう。
あの能力、僕には効かなくても、僕の持ち物には効くのか。
「ウイン様、気をつけて! あの鞭に当たってしまうと、彼女の命令に逆らえなくなります!」
「了解、フィーネ様!」
僕はふと、フィーネ様を見ると、彼女と目が合った。
彼女は相変わらず、恥ずかしそうに顔を逸らす。
カフェでの一件で解決したかと思っていたけど、まだ改善には時間がかかりそうだな。
「あら、よそ見? 随分、余裕そうじゃない。」
おっと危ない。
ロザリア嬢が振り回した鞭を、間一髪で避ける。
僕の場合、当たっても効果はないとはいえ、当たらないに越したことはない。
「そっちこそ油断してない? 私もいるよ!」
ロザリア嬢の背後からレディーナ様が殴りかかる。
だけどロザリア嬢は、殴りかかったレディーナ様の拳を片手でキャッチすると、彼女を地面に叩きつけた。
「油断しているのはアンタよ。」
「あっ! レディーナ避けて!」
...しまった。
ロザリア嬢は地面に叩きつけたレディーナ様を鞭で叩いた。
「賢者レディーナ。お手。」
「やるかよ! クソッ!」
レディーナ様は苦悶の表情を浮かべて、必死に抵抗する。
だけど、まるで操られているかのように、ロザリア嬢が差し出した手の上に右手を置いた。
「お座り。」
今度は彼女の前で跪く。
「...うん。今度は大丈夫みたいね。」
ロザリア嬢は何かを確信したかのように、満足そうな笑顔を浮かべた。
「この能力、尊敬している相手には通じないみたいだけど、貴方達には通じるみたい。私ったら、貴方達のことは大して尊敬していなかったみたいね。」
だから僕には効かなかったのか。
...ということは、賢者の僕が当たったらまずそうだ。
「そうだわ。たまにはポンコツ悪魔王のお願いでも聞いてあげようかしら?」
悪魔王の願い?
まさか!
「賢者レディーナ。貴方の正体を教えなさい!」
「レディーナ様、言っちゃ駄目だ!」
僕は急いで彼女のもとへ駆け寄り、彼女の口を強引に手で塞いだ。
「ン~!」
レディーナ様も真っ青な顔をしながら、必死に口をつむぐ。
「邪魔なのよ、貴方!」
ロザリア嬢は、今度は僕に鞭を振るう。
僕はレディーナ様を抱き抱えながら、鞭を避けた。
「もう! すばしっこい男ね!」
僕がレディーナ様を抱えて逃げ回っている間に、フィーネ様がロザリア嬢に殴りかかる。
ロザリア嬢も彼女に負けじと鞭や蹴りで応戦する。
「鬱陶しい賢者達ね! 賢者レディーナ、賢者ウインを捕まえなさい!」
「なっ!?」
すると命令に応じるように、抱き抱えていたレディーナ様が上体を起こして立ち上がった。
そして強く抱きついてきて、僕は身動きが取れなくなった。
「あっ、ウイン様っ!」
「貴方も私の奴隷になりなさいっ!」
しまった!
と思った時には遅かった。
僕は無惨にも彼女の鞭の餌食となった。
鞭を喰らった瞬間、全身に静電気が走ったかのような痺れを感じた。
...今回こそは彼女の命令に逆らえなさそうだ。
「ウイン様!」
「アハハハハ! 二人の賢者は私の奴隷よっ!」
今までで一番、まずい展開だ。
僕とレディーナ様が正体を言わされたら、賢者が一気に二人もいなくなってしまう。
うっかり喋らないよう口を塞ぎつつ、次の命令が来る前に倒そう!
僕とレディーナ様が飛びかかろうとした瞬間、ロザリア嬢は『動くな』と命令して僕達を止めた。
頼みの綱はフィーネ様だけだ。
「残りは貴女だけね。前から思っていたけど、貴女のその顔、ずっと気に食わなかったのよ!」
「そうなのですか? 私はロザリア嬢のお顔は好きですよ。」
「お顔『は』って言ってくるところも不愉快ね! ...そんな貴女に、とびっきりの素敵な命令をしてあげる。」
素敵な命令?
嫌な予感しかしない。
だけど今の僕には、フィーネ様が鞭の餌食にならないよう祈ることしかできなかった。
「賢者ウイン! 賢者レディーナ!」
ロザリア嬢の命令がくる!
僕を呼ぶ声が聞こえると同時に、口を強く食いしばって必死に抵抗する。
「貴方達...キスしなさい。」
「はぁ?!」
「えっ!」
意図のわからない命令に、一瞬、頭が真っ白になる。
だけど身体は命令に忠実で、僕の意思とは関係なくレディーナ様に近づいた。
「誰が野郎なんかとキスするかーっ!」
「僕も、それは嫌だ!」
レディーナ様から必死に顔を逸らそうとするも、頭は誰がにがっちり掴まれているかのように、思い通りに動かない。
「そんなの、駄目っ!」
「アハハハハ! 貴女のその顔を見たかったのよ。どう? ウイン様が他の女とキスする瞬間が見れて、楽しいでしょう?」
「全然、楽しくないわ!」
フィーネ様、お願いだ。
彼女の唇が当たる前に、倒してください!
僕とレディーナ様は命令の効力に抗うも、徐々に互いの唇が近づいていく。
彼女の唇が近づくにつれて、僕はジュリー嬢の顔を思い浮かべる。
ジュリー嬢以外の女性とキスをしたくない。
「ウイン様がキ、キ、キスだなんて! 絶っ対に、駄目ー!」
フィーネ様、早く! 早く!
僕は目前にまで迫ったレディーナ様の唇に抗うように、歯を食いしばり、目をギュッと瞑る。
それと同時に、目を瞑っていても分かるくらいに眩しい光が差し込んだ。
その光が消えたのを感じた頃には命令の効力がなくなり、僕とレディーナ様は自由に動けるようになっていた。
よかった。フィーネ様、ロザリア嬢を無事倒してくれたみたいだ。
「ウイン様、大丈夫ですか!? レディーナとキス、していないですよね?」
フィーネ様は颯爽と僕のもとへ駆けつけると、困惑しながらも僕の目を真っ直ぐ見て尋ねた。
...あれ?
真っ直ぐ見て、話せてる!
彼女と目を見てちゃんと話したのは久しぶりだからか、嬉しくて思わず笑みが溢れた。
「フフ。やっと話してくれたね。」
「っ?!」
話しかけた途端に、フィーネ様は顔を赤くして僕から逸らす。
折角話せたと思ったけど、やっぱりまだ時間がかかるのかな?
と思っていたら、フィーネ様は顔を真っ赤にしながらも、再び僕と顔を合わせてくれた。
「...ウ、ウイン様、今まで、その...素っ気ない態度をして、ごめんなさい。」
フィーネ様はまだ、恥ずかしそうだ。
あの日のことを引きずっているみたい。
だけど頬を赤くしながらも、真剣に僕と向き合おうとしてくれている。
「いいよ、全然気にしてないから。」
彼女なりに頑張って元の関係に戻ろうとしてくれているのを感じて、嬉しくてつい照れ笑いをした。
「まだ変に意識してしまって、うまく話せないかもしれませんが、許してくださいますか?」
「勿論だよ。」
すると彼女も、安心したように笑顔になった。
フィーネ様は健気で可愛らしい人だ。
緊張しても頑張って話そうとしてくれている彼女を見ていると、僕も頑張ってジュリー嬢にアプローチしようと思えてくる。
「...僕も負けてられないな。」
「え? どうしましたか?」
「いや、何でもないよ。君みたいな女の子に好かれる人は、きっと幸せ者なんだろうなって思っただけさ。」
何気なく放った言葉はフィーネ様を惑わせたようで、僕の言葉を聞いた彼女は頭から湯気を出しながら倒れてしまった。
面白い娘だな、フィーネ様は。
彼女の頑張りに勇気をもらった僕は、明日からジュリー嬢に話しかけようと意気込んだ。
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