17 / 45
第3章 鳥頭野郎が、売れっ子シナリオライターになるまで
3-2 鳥頭野郎は、BSS状態になるようです
しおりを挟む
それから数日後。
「おはよう、ミケル君」
「あ、うん」
僕はいつものように遅く出社した。
幸い今日はクーゲルさんはいないようだ。あの人、いっつも怒るから会うのは嫌なんだよなあ……。
そう思いながら僕は椅子に座った。
……なんかちょっと喉が渇いたな。
「あ、そうそう。ミケル君が忘れていた水汲み、私がやっといたから」
「え? ありがと」
そうだ、今日は朝早く来て、※水汲み場に水をくむこと頼まれていたんだった(※この世界の水道は十分に整備されていないので、水汲み場に井戸水を置くようにしている)。
僕は水を飲むために席を立つ。
……すると、そこにはでっぷりとした体形の、醜悪な容姿の男が、やたらときれいな姿の美女を二人引き連れて入ってきていた。
年齢は……30代半ばだろうが、不健康そうな容姿から50代くらいにも見える。不摂生のせいか髪や肌がだいぶ荒れており、重そうな体をゆらゆらと揺らしながら歩いていた。
「ふーん、ここがニルセンの奴の会社か……」
「ま、あの偽旦那にふさわしい、小さなオフィスですね」
一緒に歩いているのは、あの男の愛人か何かだろうか。
二人の美女が引っ付いて歩いていた。
その男は見下すような口調で、この会社を馬鹿にしていた。
「本当だよね~? こんなちんけな会社の社長なんて言っても、ダサいよねえ?」
「ええ。やっぱりご主人様が一番かっこいいと思いますよ?」
男の発言に対して、やたらとヨイショしている彼女たち。
二人はメイド服、その中でも見栄えの良さを重視した『パーラーメイド』の格好をしている。
もっとも男は、彼女たちにメイドとしての役割を期待しているのではなく、単なる趣味としてあの服を着せているのだろう。
「ウヒヒ、なんか面白いのあるかな?」
「完成したゲームが何本かあるみたいですよ? あ、けどご主人様はもうやってましたっけ」
「うん。けど、キャラは良いと思うけど、シナリオはクソだったな。まったく、ニルセンも、もっとマシなゲーム作れよな」
ずいぶん失礼な奴だ。
ニルセン社長は、この男をつまみ出さないのか?
そう思っていると、サキュバスの方のメイド(?)が何枚かの金貨をその男に見せた。
「そういえば、あの偽旦那の部屋の金庫の中に、お金が結構ありましたわ? ちょっとだけ持ってきたので、お昼はどこかで美味しいものを食べませんか?」
「良いじゃん! けど、取ってもいいお金なの?」
「いいんですよ。主人のお金は私のお金だもの。だから主人の会社のお金をちょっととっても、主人は許してくれますわ?」
会社のお金を自分のお金として使う?
……それ、まずいんじゃないか? あとで報告しないと。
そう思っていると、男は僕の方に目を向けてきた。
僕を見るなり、その男は怪訝そうな表情をした。
「ん、なんだこいつ?」
「ああ、彼はフクロウ型の有翼人ですね。有翼人は、この大陸では珍しい種族です」
「へ~。ってことは飛べるの?」
「ええ。もちろんです」
そう聞くとご主人様は少し興味がありそうな表情を見せた。
「なるほどねえ。まあそれは後で考えるとして、一番のメインイベント……新しい性奴隷ちゃんを見つけないとね!」
何てこと言うんだ、こいつは。
とにかく、ニルセン社長に報告に行かないと。
「流石ご主人様! やっぱりそれが一番大事ですよね? どんな子が良いんですか?」
「うーん。次は清楚な子が良いな。元の世界ではさ。『こいつくらいならボクでも行ける!』って思って告白した地味な女がいるんだけどね」
「まあ、ご主人様に告白されるなんて光栄ですね!」
「でしょ? けどそいつ『うわ、あんたと付き合うとか、生理的に無理!』って断ってきたんだよ」
そりゃ当然だろう、と思ったが、取り巻きのメイド(?)たちは男にべたべたと触りながら、気の毒そうな表情を見せた。
「え~ それってご主人様、可哀そう~!」
「ご主人様の魅力、分からないんですね~?」
「でしょ? だから、その女の代わりになるような奴隷ちゃんが欲しいなって思ってんだよ」
ほんの数分の出会いだが、僕にはこの男の魅力が分からない。
彼女たちも具体的な魅力は言えないんじゃないだろうか。
……よく考えたらさっきから二人は「凄い」「素敵」としか言っておらず、この男の具体的な外見・内面の良さを一度も褒めてない。
そうは思ったが、僕は急いで社長室に向かった。
「社長、社長!」
「なんだ?」
「なんか変な男が会社に来て『性奴隷』がどうとか言ってるんですが……」
「なに? ……はあ、ご主人様か……」
いつもははつらつとした雰囲気のニルセン社長が、何故かその時は諦めたような表情を見せた。
「……分かった、私が今から会いに行く」
「僕も一緒に行きます」
「ダメだ。……お前は自分の席に戻ってろ、良いな?」
そうニルセン社長は僕に念を押した。
そう言えば、何かもう一つニルセン社長に伝えないといけないことがあった気がしたけど……。
まあいいや、いったん戻ろう。
そして僕が席に戻ってから数十分後。
僕は信じられない言葉を口にした。
「ご主人様~? 私はあ、あなたの奴隷になれて幸せですう!」
いつも隣にいた経理の子、サラの声だ。
僕は驚いてドアを開けると、そこには先ほどの男が立っていた。
「やあ、ミケルって言うんだね、お前」
そう勝ち誇ったように答える男。
そして隣には、
「ミケル君……ううん、クソミケル? どう、この格好?」
そう言って彼女は僕に下着姿にメイドのヘッドセットだけを付けた自身の姿を見せてきた。
メイド服の予備が無かったのだろう。
「え……」
「私これから、ご主人様に性奉仕する奴隷になったのよ? いいでしょう?」
「ウヒヒ! お前、この性奴隷3号ちゃんのこと好きだったんだろ? どうだよ、気分は?」
見せつけるように彼女の胸を揉みしだきながら、男はそうつぶやく。
「ニルセン社長はどこですか?」
リザードマンであるニルセン社長であれば、この男を退治できるはずだ。
そう僕は尋ねたが、ニルセン社長は何故か、その男の隣で正座させられていた。……よく見るとイグニスさんも一緒だ。
「ミケル、逃げろ!」
「お前まで奴隷になるな!」
二人は必死の形相でそう言いながらも立ち上がる様子はない。
……何か術をかけられているのか?
そう思った矢先、その男は僕に対して奇妙な形の板を取り出してきた。
「おっと、折角だからお前も催眠アプリで『労働奴隷』にしてやろうっと。『お前はこれから僕をご主人様と呼び、従うこと』と……」
キイイイン……と頭に何かが走った。
一体ご主人様は僕に何をしたんだ?
そう思っていると、ご主人様はべろべろと経理の子の身体を舐めまわしながら、ニヤニヤと笑った。
「うーん、僕が先に好きだったのに、って感じの男の前で寝取るのって気持ちいい~! ほら、性奴隷3号ちゃん! こいつを悔しがらせるようなこと、言ってやりなよ!」
「勿論です、あなた? 私、こいつに言ってやりたいこと、それはもう、沢山ありますから!」
そう言うと彼女は軽く息を吸い、僕に対して侮蔑するような口調で言い放つ。
「いつもいつも、あんたのフォローばかりやらされて! あんた、私にどれだけ迷惑かけたと思ってんの?」
何言ってるんだ彼女は。
そう思いながらも僕は反論した。
「え? けどさ、それって僕が頼んだことじゃないよね? なんなら君が勝手にやったことじゃん」
だが、彼女は続けざまに怒りをぶつけてきた。
「なによ、また、それ? いつもいつも、自分は悪くないって考えばっかりで! それに、あんたが私に好意持ってたのは知ってるわよ! はっきり言って嫌だったのよ!」
「嫌だったら、はっきり言えば良いじゃないか! いきなり言われても知らないよ!」
「コネで入ったあんたに言えるわけないでしょ? と言うか、あんたに好かれるの、ほんとに嫌! あんたと結婚したらどれだけ私が不幸になると思ってんの? 最低な人生になるわよ!」
またそれか。
そもそも、この会社は僕のことを正しく評価していない。だから雑用ばかりやらされているんだ。
そのことを彼女は分かってないんだな。
「それは君が僕のことを分かっていないだけだよ。分かればきっと僕を好きになってくれるからさ。だから奴隷になんかなるのはやめようよ?」
「なにが僕のこと、よ! もうあんたのことなんか分かりたくもないっての!」
その様子を見て、ご主人様は少し意外そうな顔を見せた。
「ん? 珍しい反応だな。……お前は寝取っても堪えないタイプか~。ま、たまにはいいか。性奴隷3号ちゃん、もういいぞ?」
「あ、はい。ご主人様?」
そう甘い声をかけながらしなだれる彼女を見ると、流石に嫉妬心が湧いてくる。
「ところでこいつの給料ってどれくらいだい、ニルセン?」
そう言うと、催眠アプリを見せつけてニルセン社長は僕の給与額を伝えるよう命令した。
「はい、大体ですが……」
ニルセン社長はそれに答えた。
……よく社員全員の給料を把握しているな。
「ふーん。じゃ、労働奴隷にしてもしょうがないな。……よし、それならお前は今日から『パシリ奴隷』だ!」
「え?」
「ウヒヒ! 元の世界ではボクがやらされていたようなパシリの役を、今度は僕がさせることが出来るなんて、最高だねえ?」
なるほど、要するに使いっぱしりということか。
だったら、今までとそうやることは変わらないのかもな。
「それじゃあ、また催眠かけるね? 『お前はこれから、僕のパシリになること』!」
そう思っていると、またキイイイン……と頭に響いた。
「おはよう、ミケル君」
「あ、うん」
僕はいつものように遅く出社した。
幸い今日はクーゲルさんはいないようだ。あの人、いっつも怒るから会うのは嫌なんだよなあ……。
そう思いながら僕は椅子に座った。
……なんかちょっと喉が渇いたな。
「あ、そうそう。ミケル君が忘れていた水汲み、私がやっといたから」
「え? ありがと」
そうだ、今日は朝早く来て、※水汲み場に水をくむこと頼まれていたんだった(※この世界の水道は十分に整備されていないので、水汲み場に井戸水を置くようにしている)。
僕は水を飲むために席を立つ。
……すると、そこにはでっぷりとした体形の、醜悪な容姿の男が、やたらときれいな姿の美女を二人引き連れて入ってきていた。
年齢は……30代半ばだろうが、不健康そうな容姿から50代くらいにも見える。不摂生のせいか髪や肌がだいぶ荒れており、重そうな体をゆらゆらと揺らしながら歩いていた。
「ふーん、ここがニルセンの奴の会社か……」
「ま、あの偽旦那にふさわしい、小さなオフィスですね」
一緒に歩いているのは、あの男の愛人か何かだろうか。
二人の美女が引っ付いて歩いていた。
その男は見下すような口調で、この会社を馬鹿にしていた。
「本当だよね~? こんなちんけな会社の社長なんて言っても、ダサいよねえ?」
「ええ。やっぱりご主人様が一番かっこいいと思いますよ?」
男の発言に対して、やたらとヨイショしている彼女たち。
二人はメイド服、その中でも見栄えの良さを重視した『パーラーメイド』の格好をしている。
もっとも男は、彼女たちにメイドとしての役割を期待しているのではなく、単なる趣味としてあの服を着せているのだろう。
「ウヒヒ、なんか面白いのあるかな?」
「完成したゲームが何本かあるみたいですよ? あ、けどご主人様はもうやってましたっけ」
「うん。けど、キャラは良いと思うけど、シナリオはクソだったな。まったく、ニルセンも、もっとマシなゲーム作れよな」
ずいぶん失礼な奴だ。
ニルセン社長は、この男をつまみ出さないのか?
そう思っていると、サキュバスの方のメイド(?)が何枚かの金貨をその男に見せた。
「そういえば、あの偽旦那の部屋の金庫の中に、お金が結構ありましたわ? ちょっとだけ持ってきたので、お昼はどこかで美味しいものを食べませんか?」
「良いじゃん! けど、取ってもいいお金なの?」
「いいんですよ。主人のお金は私のお金だもの。だから主人の会社のお金をちょっととっても、主人は許してくれますわ?」
会社のお金を自分のお金として使う?
……それ、まずいんじゃないか? あとで報告しないと。
そう思っていると、男は僕の方に目を向けてきた。
僕を見るなり、その男は怪訝そうな表情をした。
「ん、なんだこいつ?」
「ああ、彼はフクロウ型の有翼人ですね。有翼人は、この大陸では珍しい種族です」
「へ~。ってことは飛べるの?」
「ええ。もちろんです」
そう聞くとご主人様は少し興味がありそうな表情を見せた。
「なるほどねえ。まあそれは後で考えるとして、一番のメインイベント……新しい性奴隷ちゃんを見つけないとね!」
何てこと言うんだ、こいつは。
とにかく、ニルセン社長に報告に行かないと。
「流石ご主人様! やっぱりそれが一番大事ですよね? どんな子が良いんですか?」
「うーん。次は清楚な子が良いな。元の世界ではさ。『こいつくらいならボクでも行ける!』って思って告白した地味な女がいるんだけどね」
「まあ、ご主人様に告白されるなんて光栄ですね!」
「でしょ? けどそいつ『うわ、あんたと付き合うとか、生理的に無理!』って断ってきたんだよ」
そりゃ当然だろう、と思ったが、取り巻きのメイド(?)たちは男にべたべたと触りながら、気の毒そうな表情を見せた。
「え~ それってご主人様、可哀そう~!」
「ご主人様の魅力、分からないんですね~?」
「でしょ? だから、その女の代わりになるような奴隷ちゃんが欲しいなって思ってんだよ」
ほんの数分の出会いだが、僕にはこの男の魅力が分からない。
彼女たちも具体的な魅力は言えないんじゃないだろうか。
……よく考えたらさっきから二人は「凄い」「素敵」としか言っておらず、この男の具体的な外見・内面の良さを一度も褒めてない。
そうは思ったが、僕は急いで社長室に向かった。
「社長、社長!」
「なんだ?」
「なんか変な男が会社に来て『性奴隷』がどうとか言ってるんですが……」
「なに? ……はあ、ご主人様か……」
いつもははつらつとした雰囲気のニルセン社長が、何故かその時は諦めたような表情を見せた。
「……分かった、私が今から会いに行く」
「僕も一緒に行きます」
「ダメだ。……お前は自分の席に戻ってろ、良いな?」
そうニルセン社長は僕に念を押した。
そう言えば、何かもう一つニルセン社長に伝えないといけないことがあった気がしたけど……。
まあいいや、いったん戻ろう。
そして僕が席に戻ってから数十分後。
僕は信じられない言葉を口にした。
「ご主人様~? 私はあ、あなたの奴隷になれて幸せですう!」
いつも隣にいた経理の子、サラの声だ。
僕は驚いてドアを開けると、そこには先ほどの男が立っていた。
「やあ、ミケルって言うんだね、お前」
そう勝ち誇ったように答える男。
そして隣には、
「ミケル君……ううん、クソミケル? どう、この格好?」
そう言って彼女は僕に下着姿にメイドのヘッドセットだけを付けた自身の姿を見せてきた。
メイド服の予備が無かったのだろう。
「え……」
「私これから、ご主人様に性奉仕する奴隷になったのよ? いいでしょう?」
「ウヒヒ! お前、この性奴隷3号ちゃんのこと好きだったんだろ? どうだよ、気分は?」
見せつけるように彼女の胸を揉みしだきながら、男はそうつぶやく。
「ニルセン社長はどこですか?」
リザードマンであるニルセン社長であれば、この男を退治できるはずだ。
そう僕は尋ねたが、ニルセン社長は何故か、その男の隣で正座させられていた。……よく見るとイグニスさんも一緒だ。
「ミケル、逃げろ!」
「お前まで奴隷になるな!」
二人は必死の形相でそう言いながらも立ち上がる様子はない。
……何か術をかけられているのか?
そう思った矢先、その男は僕に対して奇妙な形の板を取り出してきた。
「おっと、折角だからお前も催眠アプリで『労働奴隷』にしてやろうっと。『お前はこれから僕をご主人様と呼び、従うこと』と……」
キイイイン……と頭に何かが走った。
一体ご主人様は僕に何をしたんだ?
そう思っていると、ご主人様はべろべろと経理の子の身体を舐めまわしながら、ニヤニヤと笑った。
「うーん、僕が先に好きだったのに、って感じの男の前で寝取るのって気持ちいい~! ほら、性奴隷3号ちゃん! こいつを悔しがらせるようなこと、言ってやりなよ!」
「勿論です、あなた? 私、こいつに言ってやりたいこと、それはもう、沢山ありますから!」
そう言うと彼女は軽く息を吸い、僕に対して侮蔑するような口調で言い放つ。
「いつもいつも、あんたのフォローばかりやらされて! あんた、私にどれだけ迷惑かけたと思ってんの?」
何言ってるんだ彼女は。
そう思いながらも僕は反論した。
「え? けどさ、それって僕が頼んだことじゃないよね? なんなら君が勝手にやったことじゃん」
だが、彼女は続けざまに怒りをぶつけてきた。
「なによ、また、それ? いつもいつも、自分は悪くないって考えばっかりで! それに、あんたが私に好意持ってたのは知ってるわよ! はっきり言って嫌だったのよ!」
「嫌だったら、はっきり言えば良いじゃないか! いきなり言われても知らないよ!」
「コネで入ったあんたに言えるわけないでしょ? と言うか、あんたに好かれるの、ほんとに嫌! あんたと結婚したらどれだけ私が不幸になると思ってんの? 最低な人生になるわよ!」
またそれか。
そもそも、この会社は僕のことを正しく評価していない。だから雑用ばかりやらされているんだ。
そのことを彼女は分かってないんだな。
「それは君が僕のことを分かっていないだけだよ。分かればきっと僕を好きになってくれるからさ。だから奴隷になんかなるのはやめようよ?」
「なにが僕のこと、よ! もうあんたのことなんか分かりたくもないっての!」
その様子を見て、ご主人様は少し意外そうな顔を見せた。
「ん? 珍しい反応だな。……お前は寝取っても堪えないタイプか~。ま、たまにはいいか。性奴隷3号ちゃん、もういいぞ?」
「あ、はい。ご主人様?」
そう甘い声をかけながらしなだれる彼女を見ると、流石に嫉妬心が湧いてくる。
「ところでこいつの給料ってどれくらいだい、ニルセン?」
そう言うと、催眠アプリを見せつけてニルセン社長は僕の給与額を伝えるよう命令した。
「はい、大体ですが……」
ニルセン社長はそれに答えた。
……よく社員全員の給料を把握しているな。
「ふーん。じゃ、労働奴隷にしてもしょうがないな。……よし、それならお前は今日から『パシリ奴隷』だ!」
「え?」
「ウヒヒ! 元の世界ではボクがやらされていたようなパシリの役を、今度は僕がさせることが出来るなんて、最高だねえ?」
なるほど、要するに使いっぱしりということか。
だったら、今までとそうやることは変わらないのかもな。
「それじゃあ、また催眠かけるね? 『お前はこれから、僕のパシリになること』!」
そう思っていると、またキイイイン……と頭に響いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる