淫魔アディクション

石月煤子

文字の大きさ
24 / 66

7-2

しおりを挟む
「乳首、もっと強めにつねって」
「つ、強めに……?」
「俺がするみたいに捏ね繰り回して?」
「ッ……こう……?」
「うん。もっと」
「ん……ん……ん……」
「次は引っ張ってみて」
「ン、ぅ……ぅ……っ」
「かたくなってきた?」
「ん、なってる……」
「下の方と同じくらい?」
「は……?」


自分の乳首を虐げるのにいつの間に没頭していた岬は気がついた。

制服ズボンのフロントを目一杯持ち上げて昂揚しきっている我が身に。


自宅の浴室や自室でするときよりも多感になっていた。


志摩の前で、志摩の指示に従って触れていると、いつも以上の興奮が全身に打ち寄せてきた。


「センセェ……」


もう自分の意志で選択することもできず、ゴーサインを欲してきた生徒に、志摩はお望み通りに応えてやる。


「いいよ。勃起したペニス、服越しに触ってごらん」


お許しが出た途端、あられもない股間へと這い下りていった褐色の五指。

服の内側で窮屈そうに張り詰めているペニスの輪郭をもどかしげに辿る。


「あ、ぅ……」
「きもちいい?」
「きもち、い……けど……直に触りてぇ……パンツ汚れっし……」
「それって先走りで? それとも淫唇からもう溢れてるの」
「あ……溢れ……」
「岬のヴァギナ、もう濡れてるのか?」


鼓膜まで性感帯になった気分で、岬は、耳朶の隅々まで紅潮させて正面に目をやった。

立てた自身の片膝を緩く抱いて生徒の自慰を愉しげに見守っていた担任を悔しげに睨んだ。


「センセェがスケベな指示ばっか出すからだろ……ッ」
「触りたい?」


片手で胸元をまさぐり、絶え間なく打ち寄せてくる興奮に忠実に膨れ上がった股座を片手で慰撫していた岬は。


淡々と尋ねてきた志摩に釘づけになった。


「濡れやすい淫唇、その指で抉じ開けて、きつくて熱いナカも好きなようにじっくり刺激したい?」


あ。
濡れる……。







「はぁ……ッ」


涙で滲む吊り目をぎゅっと閉じ、また開いて、岬は胎底をゾクリとさせる。


「……志摩センセェ……」


一切の躊躇いもなしに注がれる視線にすら感じるような。


「いつもそんな過激なオナニーしてるのか」


片膝に頬杖を突いた志摩は生徒の自慰を真っ向から繁々と観察していた。


制服ズボンとボクサーパンツは指示を出して脱がせておいた。

奔放的に開かれた股の間に差し込まれた両手。


片手の五指はペニスに絡みつき、湿り渡る先端から竿にかけてスローテンポでしごいている。


もう片方の手は双球の下へと潜り込み、コリコリと膨れてきた肉芽を撫でたり、蜜孔の入り口をゆっくりなぞったりと、快感を追うのに夢中になっていた。


「なぁ、スケべちゃん」


肘掛けに背中を預け、片足の先だけ床に着地させた、誠にけしからん姿勢で自慰に励んでいた岬はぼんやり志摩を見つめた。


実際は。


抗えない興奮の奴隷と化して、時々、岬はもっとハズカシイ真似にこっそり及ぶこともあった。

自分の指を志摩のペニスに見立ててしゃぶったりなんかしていた……。


「もっとよく見せて」


命じられた岬は。
御主人様に平伏すみたいに。
さらに大胆にご開帳してみせた。


「ペニス、どこが一番感じる? 先端か、裏筋か、カリ首か」
「んっ……ぜん、ぶ……感じる……」
「今、左の中指でなぞってる、びしょ濡れになってるところは。どこをいじるのが一番好きなの」
「あ、ぅ……っ……入り口も、奥ンとこも、ぜんぶ……っ」
「結局、どこもかしこも性感帯ってわけだ、スケべちゃん」
「すっ……すけべちゃん言うなぁ……っ」


文句を言う間も両手を休めようとしない岬に志摩は唇を歪めた。


「もう、いきそう?」


汗ばむ掌の内側で脈動し、色鮮やかに膨張した熱源。

淫らに突き動く中指の先を呑み込んでさめざめと泣く蜜孔。


「いき、そ……」
「このままいきたい?」
「んっ、いきたぃ……っ」
「俺の目の前で、俺に見られながら?」
「っ……センセェに見られながら……いきた……っ」


ムズムズとした射精感がすぐそこまで込み上げてきた瞬間。


「ステイ」


一言、それだけ口にすると志摩はいきなりソファから立ち上がった。


暖房の温風が鬱陶しくなるくらい発熱した、急な一時停止命令に呆気にとられている岬を残し、壁際のダイニングテーブルへ向かう。


急がない足取りで戻ってきた彼の手には紙袋が握られていた。


「せっかくだし、冷え切る前に食べなきゃな」


先程と同じような姿勢でソファに落ち着いた志摩はチーズバーガーを食べ出した。


……は?



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

ヤンキーDKの献身

ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。 ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。 性描写があるものには、タイトルに★をつけています。 行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

処理中です...