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「牧場を拡張しよう」編

二十八話めぇ~ 「武器と防具を改造しよう!」

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「シゲキ君、成長しないね」
「俺は悪くない!! スキルが悪い!」

 くっそー! また死んだ!
 そうだった。餅ネタは次回予告で発動するんだった。
 久々だったから忘れていたぜ。

 これは俺が悪いわけじゃない。スキルが悪いのだ。
 べつにデメリットないからいいんだけどさ…
 死ぬのってあまり気分よくないぜ。

「ちなみにキレ芸も加わってるよ」

 やめろ!! そこはもう受け入れない!
 俺のスキル欄を荒らすなよ!

「あっ、白いウンコって技も増えてる」

 どういうことなのーーー!?
 荒らしすぎ!!
 俺のスキル蘭、壊れすぎ!!!

「シゲキ君が土下座した姿がそう見えたから増えたみたいだね」

 まったくもって受け入れる必要性を感じないぞぉおおお!!
 というか、伏字!! 伏字使えよ!!
 アラレちゃんくらいだからな、許されるの!


※スキル「白いウ〇コ」

 使うと白いウ〇コに見える。


 それだけ!?
 それだけなの!?
 嘘でしょ!?


「それを見た相手が同情してくれるらしいよ」

 なんだよ、それ!!
 同情なんてされたくねええよ!!
 金をくれ! 同情するなら金をくれよ!!!

「ああ、家抜き子だっけ?」

 ちがーーーーーーーう!!!
 違う意味になるからやめろよ!!!

 そういえば俺が学生時代は、そうやって揶揄されていた気がするな。
 まったくもって古い話だが。



「じゃあ、いろいろと買おうか。けっこう消費しちゃったしね」

 うむ、最後に戦闘したのはサンドシャークだったが、その後も雑魚とも遭遇している。
 サンドシャーク戦は激闘だったからな。
 書いていないところでけっこう消費はしてしまったのだ。

「武器、武器! 武器買おう!」

 好戦的すぎる!
 こいつは攻撃のことしか考えないからな。
 ヒツジ戦士こえーよ。

 思うのだが、こいつが好戦的なのは体力が高いからなんじゃなかろうか。
 俺みたいにHPが低いやつは積極的になれないな。
 いまだ戦闘中に全滅にはなっていないが、そうなったらどうなるかまだわからないし…

「まずは俺をなんとかしてくれよ」
「え~~」
「嫌そうにするな! ヒツジ大切にしろ!」

 俺がいないとこの小説成り立たないからな。
 題名がすでにラム肉だ。そこを忘れるな。

 この小説、これだけが売りだからさ。
 それ以外何の面白味もないからさ。大切にしような、ラム肉。

「女の子いっぱいのほうが売れるよ」

 くっ、言い返せない!
 モヒカンとかTさんとかの段階で売れる気配がまったくない。
 まあ、売る気もないんだが。

 モヒカン好きとヒツジ好きと幼女好きな人が見てくれればいいんじゃないかと思う。
 めっちゃマニアックだけどな。

「じゃあ、シゲキ君を改造しようね」

 若干言い方が気になるが、ぜひそうしてくれ。
 今のままじゃほんとお荷物だからさ。


 ということで俺たちはアイアムタウン市場にある武器改造屋にやってきた。
 サングラスをかけたモヒカンのおっさんが店をやっているようだ。

「何の用だ」

 モヒカンの第一声である。
 さすがモヒである。客に対してこの発言だ。
 Tさんに対してぷるんがああいう対応を取ったのも頷けるよな。

 そういえばゲームボーイのサガの店員もこんな感じだったな。
 最初気にならなかったけど「発言おかしくないか?」とかあとになって気がついた。
 あれは面白かったな。

「シゲキ君、ウサドリルホーン改造するけど、それでいい?」
「まあ、今はこれしか使えないしな」

 結局俺が使える武器なんて戦闘角しかないんだよな。
 これさ、武器ってフィールド歩いているときも装備しているわけだ。
 そうなると首が重くて仕方がない。

 その点、ウサドリルは軽くてそこそこ丈夫なので便利なのだ。
 これ以上強い武器もありそうだが、現状ではこれを使っていくのがベストだろうな。

「できるだけ強くして。あと残弾も上げてね」
「…10万だな」

 うむ、こういう改造って買った値段より高くなるよな。
 いつも思うが、次の新しいものを買うか改造して使い倒すかは迷うところだ。
 よほど気に入っていなければ性能重視って感じだが、どのみち選択肢はない。

 ウサドリルは今の俺にとって重要な装備だ。
 たかだか10万ならば…

「ちぇっ、高いな」
「出し渋るなよっっっっっっっ!」

 お前のニッキー50万円じゃねえか!
 それに比べれば安いだろうが!

「しょうがないなー。できるだけ切り詰めてね。使う素材とか安くしていいから」

 欠陥住宅みたいになるからやめてくれ!!
 ほんと、基礎工事でけちったらすべて終わりだから!

 何事もそこは大切だから!!
 俺のツノを守る効果もあるからしっかりやってくれ!

「おっ、お前さん、サンドシャークのヒレを持ってるのか。それを使えば特殊強化できるぞ」

 おお、モヒカンが新しい情報くれたぞ!
 つーか、よくRPGで話しかけただけでこういう発言するやつがいるが、どうやってこっちのアイテム調べているんだろうな。

 知っていて話しかけたならまだいいが、しまってあるアイテムなんて見えないよな。
 見せびらかしながら話すのもおかしいし。

 と、そのあたりに疑問を感じつつもヒレを使うことにした。
 ただ持っていても仕方ないしな。


「じゃ、改造するぜ」


 グラサンモヒの改造
 カンカンカン

 シゲキのウサドリルホーンを改造した
 ウサドリルホーンはスパイラルウサドリルホーンになった。

 攻撃力が4上がった
 残弾が2増えた


 おおおおおおお!
 改造されたーーーー!!
 やった、やったよーーー!


「武器の改造はこれでいいかな」
「お前は改造しないのか?」
「うん、ニッキーがもうすぐレベルアップしそうだしね」

 ぷるんはあくまでニッキーでいくらしい。
 思えば女の子が肉切り包丁持って戦うって画もすごいよな。

「私はナイフを仕入れられればいいや。武器屋行こうか」

 次は武器屋に行くことになった。
 武器改造屋の同じ区域にあるので、数十秒歩いただけで着く。

「えーっと、投擲用ナイフと…。そうだ。リーパちゃんの武器買おうか」
「おい、リーパってNPCだろう? 必要か?」

 リーパもNPCだよな。
 NPCは戦闘でレベルアップしないって聞いたぞ。
 HPとかも固定だった気がする。

「そうだけど、援護用の武器は装備できるよ」

 ああ、なるほど。
 それくらいはできるわけか。
 たしかにあるとないとでは全然違うよな。

「はい、リーパちゃん。トカレフね」
「うわー、ありがとうございます」

「ほら、ここを引けば弾出るから」
「えっと…これですか?」


 パンッ

 リーパはトカレフを撃った。

 シゲキの耳が吹き飛んだ


「いってぇえええええええええええ!!」


 ごろごろごろーーーーー!
 俺の耳がぁあああーーーー!
 耳がぁああーーーー!!

「ミミガーのネタ、使ったばかりじゃん」
「ネタじゃねえよ!! みみがぁあああ! 俺のみみがぁああ!」
「大佐ネタも二度目だよ」
「そっちでもねえよ!!」

 ひどい!
 俺がやると何でもネタにされちまう!
 つーか、幼女にトカレフ渡すなよ!
 それ、安全装置ないんだからさ!

「じゃあ、P99にしよう」

 ワルサーP99もあるのかよ!
 いやまあ、いいんだけどさ。
 そっちのほうが質はいいし…

「15万だけど気持ちよく払うよ」
「なんで俺には渋ったんだよ!!」

 俺のウサドリルにはあんなに渋ったくせに!
 きぃいいーー、くやしい!

 まっ、幼女優先だからいいけどさ。
 それにしてもちょっと高いな。

 短銃なんかアメリカで買えば数万前後だから五万でも高いほうだ。
 が、どうやら中国産ではないようなので仕方ないな。

 では本日のまとめだ。


○今回買ったもの
・ウサドリルホーン改造(ヒレ使用) 10万
・投擲用ナイフ 10本 4万円
・純正ワルサーP99(弾丸付き) 15万


 こんな感じだ。
 とりあえず俺の武器が強くなったのでよかったよ。
 

「それじゃ、今度は防具だね。鍛冶屋行こうね」

 鍛冶屋も市場の同じ列に存在していたので、少し歩いただけで簡単に見つけられた。
 中に入ると白髭のおじいさんがいた。
 おっ、珍しくモヒカンじゃないな。

「あの人、白ヒツジ族ですね。鍛冶屋に多いんですよ」

 リーパが言うようにおじいさんは頭に小さなツノが二本生えていた。
 なんだかモヒカンじゃないだけで安心感があるな。
 思えば男の白ヒツジ族は初めて見た。

 そして、おじいさんがこちらに気がついて声をかけてきた。

「金がないやつは帰れ!」

 第一声がそれなの!?
 おじいさん、いきなり金の亡者じゃねえか!

 この世界の店はこれで本当にやっていけるのか疑問だ。
 まるで接客サービスがなっていない。

 俺たちは日本の接客サービスが当たり前になっているが、海外ではかなり対応が酷い店もあるらしいな。
 ここもそれと同じくらい酷いぞ。

 まあ、職人ってのはだいたいそんなもんだな。
 頑固で無口でぶっきらぼうだが、腕はいい。
 これこそ職人だよな!

「防具の加工をお願いします」
「わしに言われてもようわからん! 職人を呼んでくる!」

 ぷるんもモヒカンじゃないので丁寧語で話す。
 ん? よくわからんってなんだ?
 あの人、ここの店の人だよな? 職人だろ?

「あっ、おじいさんは受付だね。何のスキルもないみたい」

 嘘だろぉぉぉおおおおおおおお!!
 何もスキルないのにこの接客態度なのか!?
 完全に担当間違ってるよ!

「なんだこの店は!! 女将を呼べ!!!」

 ぷるんーーーーーーーー!!
 乗るなよ!! そこで盛り上がっちゃ駄目!
 またややこしくなって文字数使っちゃうから!!

 なんだこれ。
 文字数が増えることに恐怖する羽目になるとは、何の因果だ。
 どうせなら俺は冒険がしたいんだ!!
 ちゃんとやろうぜ!!

「なんだかシゲキ君、冒険者みたいだね」
「ギルドに入ったのはお前だろうが!!!」

 冒険者ギルドはペット立ち入り禁止だったので、実は俺は会員ではないのだ。
 あくまでぷるんのパーティーという位置づけで一緒くたにされているにすぎない。

 こいつ、やる気があるのかないのかわからないな。
 俺のほうが真面目っておかしいだろうが。

 まあ、そういうこともあるよな。
 最初自分がハマってやっていたものを友達に勧めたら、今度は友達のほうがもっとハマってしまって困惑するのと同じだ。

 相手がハマりすぎちゃうと逆に冷静になって、「思えばそんなに好きじゃないかも」と付き合いがつらくなったりすることがある。
 世の中、不思議だよな。

 と、おじいさんは金を払えばちゃんと対応してくれるようだ。
 このあたりは迂闊に掘り下げないようにしよう。
 また盛り上がっては困る。

「なあ、俺の防具を強化してくれよ」
「またシゲキ君なの? アピールしつこいよ」
「もう俺は俺を絶対に犠牲にしない!!」

 うざいって言われても引かないぞ。
 自分を守るのは自分しかいないのだ。

 俺だって戦闘で倒れたら戦闘中は回復しないのだ。
 いつまでも役立つヒツジでありたいしな。

「シゲキ君、ヌーボーの防護服着てるじゃん」
「そりゃそうだが、右手とか左手とか空いてるだろう?」

 そう、装備は細かくつけられるのだ。
 俺は胴体にはヌーボーを着ているが、右手と左手、足は無防備なのだ。

「手、無いじゃん」
「俺にとっては手なんだよ!!」

 人間が勝手に足と呼んでいるだけだ!!
 俺にとっては手なんだ!

 って、これ第二話でやったネタじゃねえか!
 何度も引っ張ってくるなよ!

「じゃあ、プロテクターでもつけてみる?」

 おお、いいね! プロテクター!
 これで転んでうっかり足を折ることも少なくなるはずだ。

「試しにこれつけてみてよ」

 ぷるんが店にあった筒状のプロテクターの原型を渡してくる。
 うむ、これくらいなら丈夫でいいな。
 これくらいなら…

「おっ、おっ! か、関節が曲がらない!」

 筒状のものなので固定すると当然関節は曲がらない。
 なので足を根本から動かして、ひょこひょこ歩く格好になる。

「シゲキ君、どんなにがんばっても、ひんべえにはなれないよ」

 なろうと思ったこと一度もねーよ!!
 ひんべえのどこに憧れる要素があるよ!?

 ひんべえとは、「おーい! はに丸」に出てくるハニワの馬のことだ。
 俺としてはかなりメジャーな存在だったのだが、同年代でも知らない人もいるそうだ。
 かなりインパクトあるので初めて見た人は「きもっ!」と思うかもしれないが、声優さんは豪華だ。

 ちなみにひんべえはツッコミ役ではある。
 そこではポジション被ってるけどな。
 言っておくが、ひんべえには憧れたことないだけであって、この番組俺はすげー好きだぞ。
 そこは勘違いするなよ!

「合わないなら無理だね。シゲキ君の防具は諦めよう」
「早えーよ!! 早すぎるよ!」

「だって、合わないんだもん。ヒツジはそれが最強装備だよ」
「絶対嘘だ!!」

 汚い蹄だぞ!?
 これが最強装備だったら泣くぞ、おい!

 せめて綺麗な蹄にしてくれ!
 綺麗なジャイアンみたいな感じでいいからさ!

「おっ、お前らサンドシャークの皮膚を持ってんのか。それで新しい防具が作れるぜ」

 また聞いてもいないのにおじいさんが何か言い出したぞ。
 サンドシャークってのは何かのフラグなのか?
 突然住人がネタ振ってくると驚きでしかないが…

「ヒツジのも作れるぜ」

 おっ、マジか!! ぜひお願いしようぜ!!

「あっ、ヒツジはいいです」
「断るなよ!! 作ってもらえよ!!!」
「でもさ、なんかもったいなくて」

 お前は俺に関してはケチるのな。
 リーパには買ったくせに…。いや、自分には盛大に使うくせにな。

 だが、俺はこんなことではへこたれない。
 作ってもらうまでひたすら食い下がる!!

「わかったよ。うざいから作るよ。作ればいいんでしょ?」

 ふっ、俺の勝ちだ。
 どんなにうざがられようとも最後に勝てばよい。
 結果を出した者が勝者なのだ!

「鮫肌のマウスピースくださいー」
「口が血だらけになるからぁあああああ!!」

 いらねーよ!!
 どうしてそのチョイスをしたんだよ!

 そんなの付けて殴られたらもっとダメージ受けるわ!
 転んだだけでも大ダメージだよ!

「シゲキ君、口臭いから…」

 本当に臭そうな言い方するな!
 ネタじゃない感じがするじゃないか!

「もう、いつも面倒くさいなー。じゃあ、何か作るよ」


 鍛冶屋の防具製造

 カンコンカン

 サンドシャークの皮膚を加工

 鮫革の帯が完成した


 おお! 何かできたぞ!
 鮫肌をなめして作った鮫革の帯だ!
 これならば俺の腕に巻き付けて装備することができるぜ!!

「私も出来たよー。スニーカーと歯を加工して鮫歯のスニーカーが出来たんだ!」

 ぷるんはぷるんで、自前のスニーカーにサンドシャークの歯をくっつけたらしい。
 これはあれだな。
 よく漫画で暗殺者とかが使う靴からナイフが出る暗器に近いものだ。

 というか、これは防具なのか怪しいな。
 完全に殺しにきている気もするが…


「えいっ!」


 ぷるんはシゲキを蹴った

 ザクーーーーー!
 シゲキの尻が裂けた


「いてええええええええええ!!」


「何すんだ、お前はーーー! 尻が裂けたーーー!」
「あははは、最初から裂けてるよー」

 なんで笑うのか意味がわからない!?

「よかったね。実験できたよ」
「よかったのはお前だけだろう!!」

 俺は全然実験にならなかった!!
 ただ痛かっただけだ!

「じゃあ、シゲキ君も鮫革の帯で防いでみてよ」

 おっ、それは名案だ!
 それなら新装備の防御力も試せる!
 さっそく装備して…っと。


「さあ、来い!」


「いくよーーー!」




 あれ?


 ちょっと待てよ。





 たしかこいつヒツジ戦士…




「えーーーーーい!!」




 ザクーーーーー!!




「いったぁあああーーーーーーーーーい!!」




 クリティカルヒット。

 シゲキは58のダメージを受けた。







 シゲキは死んだ








「シゲキくーーーーーーーん!!」


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