魔剣士と光の魔女(完結)

わたなべ ゆたか

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おまけ(設定の備考などなど)

おまけ その5 神魔悠遠 前編

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おまけ その5 神魔悠遠 前編


 ヴィーネとシャプシャが旅の道連れになってから、一ヶ月以上が経過した。
 ナシャクという小さな町の旅籠屋に入ったのは、夕暮れの少し前だった。一階が酒場と食堂を兼ねており、二階には宿泊用の部屋が並んでいた。

 まだ人もまばらな酒場に座ると、二人は水を頼んだ。
 長椅子に座ったヴィーネは、所在なさそうに視線を彷徨わせていた。宿に泊まることにも慣れてきたものの、食事の注文をしたりするのは、まだ苦手意識があるようだった。
 余所者への好奇の目に気づいていたシャプシャは、心の中で微笑んだ。

(ヴィーネが、お店の人と話すのが苦手だなんて、誰も思わないでしょうね)

 自分だけが知っている秘密――そう思うと、少し嬉しい。
 シャプシャは腰を浮かせると、酒場のカウンターへと首を向けた。昼の食事が少し早めだったので、空腹感を覚え始めていた。

「少し早いですが、食事にしましょうか。注文をしてきますから、待ってて下さい」

「あ……ああ。宜しく頼む」

 無愛想――に見えるが、これは戸惑いと緊張によるものだ。
 すでに、そのことを理解していたシャプシャは、ヴィーネに見えないように笑みを零した。
 カウンターの中にいる店主らしき男に、パンとチーズ、シチューを注文して代金を払った。席に戻ろう――としたシャプシャに、端正な顔をした青年が近づいて来た。

「すいません、旅の方ですよね。この町から北側って、どうでした?」

「ごめんなさい。東から来たので、北はまだわからないんです」

「ああ、そうですか。ところで、お一人です? よければ、ご飯ご一緒しません? 色々な土地の話とか、聞きたいですし」
 
 あらら。どうしましょうね。
 青年は笑顔だが、その目はどこか鋭い。それで(ああ、夜も仲良くしたいのね)と察したが、青年は「どうです?」と誘いの言葉を緩めない。
 角の立たない断りの言葉を探していると、横から大きな影が近づいて来た。

「シャプシャ――少しいいだろうか」

「ああ、ヴィーネ。少し待って下さいな。こちらのかたが――」

 シャプシャがヴィーネから目を戻すと、青年は端正な顔を少し引きつらせながら、じりじりと後退し始めていた。

「あ、連れが……もしかして、ご夫婦なんですかね。あはは……それじゃあ、これで」

 引きつった笑みを残して、青年は足早に去って行った。
 二人して青年を見送ったあと、シャプシャは安堵しながら微笑んだ。

「それで、どうかなさいました?」

「うん? ああ……大したことではないのだが……その、ここで明日からの食料を買うのか確認したかったのだが」

 本当に大したことのない、しかも性急性も皆無な用件に、シャプシャは噴き出しそうになった。
 見知らぬ、しかも端正な顔立ちの青年と喋っていたのが、気に入らなかったのか。彼の行為は、まるで嫉妬心の表れだ。
 もちろん、これはシャプシャの想像だ。しかし、限りなく真実に近い想像だ。それはヴィーネの表情を見れば、大体の察しが付く。

(これは……そういうことなのかしら?)

 そう考えると、頬が熱くなる。とはいえ、これはまだ推測の域は出ていない。だが、それが淡い期待を伴ってきていることに、シャプシャ自身も気づきはじめていた。
 食料はあとで買いましょうと答えて、シャプシャは元の席へと歩き出した。
 先ほどと同じく対面に座った早々に、ヴィーネが口を開いた。

「あの男が、俺たちのことを夫婦と言っていたが――なんのことだ?」

「彼は、あなたのことを夫と思ったのでしょう。少し――その、色っぽい欲求もあったようですしね」

「それは……俺は邪魔をしたか?」

「彼にとっては。わたくしは、助かりましたよ」

 シャプシャが微笑むと、ヴィーネはどこか安心したような顔をして、肩を上下させた。
 しかし、すぐに表情を消して無表情な目を上げた。

「そう思われて、あなたはさぞ迷惑だったろう」

「……どうして、そう思うのです?」

 イラッ。

 シャプシャの顔から、笑顔が消えた。
 テーブルの上で腕を組むように肘をつくと、大きく息を吐いた。

「わたくしが、一度でも迷惑などと言ったことがありましたか?」

「いや、ないが……しかし、俺は戦に生きる身だ。太陽神の伝道者である貴女とは、そもそもが生きる世界が違うだろう。それなのに夫婦と勘違いされ――そもそも、共に旅をすること自体、不名誉なことではないのか?」

 ……イラッ。

 次第に険しくなるシャプシャの表情に、どことなくヴィーネは気圧されていた。
 ヴィーネにしていれば、最大限に気を使ったつもりなのに、どうして機嫌が悪くなっていくのか――まさしく、埒外な状況だった。

「元々この旅は、あなたから申し出たものだ。そういう旅である以上、俺が迷惑をかけていると、思って当然だろう」

「元々は、そうでしょうとも。ですが、今は――今、あなたは、わたくしのことを、どうお考えなんです? 出会う人々への交渉役? それ以外は足手まといだと?」

「そんなことは、言っていない。大体、なんでそんなに怒っているのだ?」

「しりませんよ、そんなの!」

 方向性は間違っているが、彼なりに気を使っているであろう言葉の一つ一つが、シャプシャの心に突き刺さり、そして掻き乱していく。
 まるで恋に恋する少女のようだ。そんなことを頭の片隅で考えながら、今は噴き出した感情のままに言葉を発した。

「大体、あなたは先ほどのように話に割り込んだり、見つめてきたり……その、色々と人を惑わす言動ばかりするじゃありませんか」

「そんなことをしたつもりはない」

「つもりはなくとも、そうしてるんですっ!! 普段は他人に興味がないような態度ですのに、どうして――わたくしには、そういう行動をしてくるんですか!?」

 声量こそは抑えているが強い口調の問いに、ヴィーネは返答に窮した。
 シャプシャに言われるまでもなく、彼は自身の行為に戸惑い続けていた。共にいると心が乱れ、自分でも信じられない行動をしてしまう。
 その理由を自身で理解していないから、答えようがないのだ。
 無言のままのヴィーネに、シャプシャは柳眉を釣り上げた。

「……そうですか。わたくしなどとは、友好的な旅を続ける気はないと。そういうことなんですか? わたくしと――旅をするのは、嫌がっていましたから。そういう意思表示なんですね!?」

「いや、そういうことでは――」

 ヴィーネが口を開きかけたとき、横からテーブルに料理の数々が置かれ始めた。
 そして店主らしい、背の低い髭面の男が札を差し出した。

「注文の飯だ。あと、どうせ部屋も使うんだろ。代金は食べ終わったあとでいいから、持って行け」

 記号のような印が書かれた札は、部屋を借りている証だ。
 店主は鼻を鳴らしながら、ヴィーネとシャプシャの顔を順に見回した。

「まったく。いい大人が、初心なガキと小娘みたいな痴話喧嘩するんじゃねぇよ。さっさと飯を食って、続きは部屋でやってくんな」

 文句とも受け取れる物言いに、ヴィーネとシャプシャは互いに顔を見合わせた。

「すまん」
「申し訳ありません」

 二人は店主に、揃って謝ることしか出来なかった。

   *

 食事と代金を払い終え、ヴィーネとシャプシャは店主が用意した部屋へと入った。旅籠屋の部屋は、簡素なものだ。ベッドのほかには、壁に松明をかける輪っかがあるだけだ。
 荷物を部屋の隅に置くと、シャプシャはベッドに、ヴィーネは床に腰を下ろした。
 食事を摂っているときから二人は、言い合いをしていた熱はすっかり冷めていた。改まって向き合ったのはいいが、お互いに視線を合わせられなかった。
 少しして、どこかバツが悪そうに、シャプシャが口を開いた。

「先ほどは……その、申し訳ありませんでした。その、少し……言い過ぎました」

「いや……こちらも失言をしたようだ。先ほど話に割り込んだのも、あなたを惑わすつもりなどなかった。それに夫婦と言われて迷惑か、と言ったが……正直に言って、俺は夫婦というものがよくわかっていない」

「どうしてです? ご両親は――」

「俺は産まれてからこのかた、両親というものと過ごしたことはない。もちろん、家族もいない」

「そんな――」

 シャプシャが顔を蒼白にさせると、ヴィーネは慣れぬ罪悪感に、やや目を伏せた。
 ヴィーネは、産まれながらにして魔王であった。両親や家族というものは存在せず、これまで独りで生き抜いてきた。
 先ほどの話に、偽りはない。ただ、自身が魔王という一点を秘しているだけだ。別に魔王であることを口すること自体、歯牙にもかけていない――はずだった。
 今のヴィーネは、シャプシャに自身が魔王だと知られることを躊躇っていた。
(俺は――変わった)
 自身の変化に戸惑いながら、ヴィーネはもう一つの感情にも気づいていた。

「悲嘆することはない。それより二人で旅をするかどうか、だったか?」

「そうですね……旅はこのまま二人で続ける、ということでいいのですか?」

 シャプシャの問いに、ヴィーネは頷いた。

「無論だ――確かに最初の頃は、あなたと旅をするのは抵抗があった。しかし今は、なんというか、自分でも不思議なくらいなのだが……俺は、あなたと離れがたくなっている。できることなら、このまま――生涯をともに過ごしたいと思っている」

「ヴィーネ……なにか、その、婚礼を申し込まれている……気がします、けど」

 顔を真っ赤にさせたシャプシャが俯くと、ヴィーネは怪訝そうに眉をひそめた。言葉の意味が掴みきれなかった――という顔である。

「申し訳ないが――婚姻とはなんだ?」

「婚姻って……先ほど、あなたがわからないと言った、夫婦になることです」

「夫婦――俺が、貴女と?」

 シャプシャが頷くと、ヴィーネは真剣な顔で頭を下げた。

「申し訳ない。先ほど言われたばかりなのに……その、やはり迷惑だった――か?」

 ヴィーネの問いかけに、シャプシャは深い溜息とともに顔を上げた。

「ヴィーネ……あなたの悪いところは、なんでも自分で決めつけてしまうところです。わたくしが、今まで迷惑とかイヤとか言ったことがありますか?」

「いや……」

 ヴィーネが首を左右に振ると、表情を和らげたシャプシャは、なにかを言いかけたものの、少し頬を染めながら目を伏せた。
 気を落ち着かせるように静かな、そして長い息を吐いてから、やや上目遣いに顔を上げた。

「確かに切っ掛けは、あなたを放っておくのが危なっかしい――という理由でした。ですが、共に旅をしてきた今、わたくしもあなたと離れがたく……なっているんです」

「シャプシャ……いや、だが良いのか? わたしは……血の斑を歩いてきた男だ。伝道者の連れ合いとして、相応しくないのではないか?」

 ヴィーネの問いに、シャプシャは静かに首を振った。

「共に旅をしてきて、今さら相応しいも相応しくないもありません。あなたが血の斑を歩いたというなら、わたくしも同罪です」

 ベッドから立ち上がってヴィーネの傍らに腰を下ろすと、シャプシャは少し恥ずかしそうに微笑んだ。
 どちらかともなく、互いの手を重ねる。その温もりを確かめるように、シャプシャは目を閉じた。
 
「もう一度、聞いてもよろしいですか? あなたはわたくしと、生涯を共に過ごしたいと――本気で考えていますか?」

「……ああ。無論だ。俺と共に過ごす女人は、あなた以外には考えられない」

「それなら……わたくしと夫婦に――なる気はありますか?」

 神秘的な光を宿すシャプシャの瞳に見つめられ、ヴィーネは頭の芯が痺れる感覚に酔いしれ、身動きが出来なくなった。
 世界中にある、どのような美酒も彼女の瞳、柔らかな声、そして温もりと匂いには敵うまい――そんな想いが胸中に溢れ、身体の芯から熱が込み上げていた。
 惚けるような息を吐いたヴィーネは、まるで己の欲求に操られるように、深く頷いた。

「……それで、あなたと共にいられるなら。俺は、望んで貴女と夫婦になろう」

 ヴィーネの回答に、シャプシャは目を閉じた。その顔はどこか満足げで、口元には微笑みを浮かべていた。
 囁くように「少し性急かもしれませんが」と言いながら、シャプシャはベッドに置いたままの荷物を手繰り寄せた。
 火口箱や聖印を取り出しながら、シャプシャはどこか夢心地の表情を浮かべていた。

「最初に会ったときは、とても夫婦になるとは考えられませんでした。なにが、あなたを変えたんでしょうね」

「それは貴女だ、シャプシャ。あなたと出会った、あの村での宴。あのとき、あなたに――砕けて言えば、けっちょんけちょんに言われたこと、そして大笑いしたことが切っ掛けだったのだと――どうした?」

 話の途中から、シャプシャは床に座ったままでベッドに突っ伏していた。そんな彼女の様子に、ヴィーネはただ戸惑うばかりである。
 やがて、シャプシャは半泣きの顔で、ぎこちなくヴィーネへと首を向けた。

「ま、まだ、あのどぎの話をずるのでずが……」

「い、いや……そんなに泣くようなことではなかろう」

 ヴィーネは表情を和らげると、胸の前まで挙げた己の右手に目を落とした。

「あの日、あのときから、俺の中でなにかが変わり始めた。それは、きっと貴女しか成し得なかったことだと思う。蔑むつもりも、からかうつもりもない。あなたは俺にとって、なくてはならない、唯一無二な人だ」

 顔を上げたヴィーネが微かに微笑んでいるのを見て、シャプシャの瞳が揺れた。
 ヴィーネは、こと他人への配慮という点については不器用だ。それだけに、こうしたときに嘘を吐くことはなかった。

(本当に、この人は……真っ直ぐ過ぎて、心が掻き乱されてしまう)

 シャプシャはベッドから上半身を起こすと、手に持っていた蝋燭を小皿に立てた。
 彼女の手が火口箱に伸びるのを見て、ヴィーネは怪訝な顔をした。

「先ほどから、なにをしているのだ?」

「ここで、婚礼の儀式を執り行います。修行中とはいえ、わたくしは太陽神の伝道者……ですから。それなりに様式には拘りますよ」

「婚礼の儀式……見たことはあるが。今から、多くの人を呼ぶのだろうか?」

 ヴィーネはシャプシャとの旅の中で、村や街で行われた結婚式を見たことがある。その中には、新郎新婦に請われてシャプシャが執り行ったものもある。
 その印象が強いのか、少し気まずそうに周囲を見回すヴィーネに、シャプシャは苦笑いを浮かべた。
 
「そこまで大袈裟にはしませんよ。婚礼の儀式や互いの愛を誓うことに、形式はさして重要ではありません。人の心は弱いですから。こういう儀式は、必要になんです」

「神に誓いを立てるのは、変わらぬのだろう?」

「そうですね。それによって、神に誓った以上は簡単に違えられないという、責任感が芽生えますから。ですが、もう一つ。あれは、お互いへ誓い合うという意味もあるのです。それによって、夫婦としての心構えが芽生えますから……ただ、芽が育つかどうかは当人次第になってしましますが。これも、人の心の弱さなんでしょうね」

「お互い……か。実際、効果はあるのか? 人の心は弱いのだろう?」

「そうですね。効果は五分五分といったところだと思います」

 五分五分――やってもやらなくても変わりなさそうだが、やらないよりはマシかもしれない。その程度だと、シャプシャは苦笑いをした。

 火口を使って蝋燭に火を灯すと、シャプシャはヴィーネの前で手を組んだ。

「真似をして下さい」

「あ、ああ……」

 ヴィーネが手を組むと、シャプシャは向き合ったままで目を閉じた。

「天空に輝く太陽の神。ここに、夫婦の誓いを立てるものがあります。夫となるのはヴィーネ。妻となるのはシャプシャ。この二人に祝福を与えたまえ。太陽の恵みを受けて、人としての生が終わるまで共に人生を歩めるように。そして、二人で力を合わせて苦難に太刀打ちできるように――」

 シャプシャが太陽神への婚礼の誓いを述べ始めた。
 やがて顔を上げたシャプシャがヴィーネを真っ直ぐに見た。

「太陽の子、ヴィーネ。あなたはシャプシャを妻として、生涯の愛を誓いますか?」

「いや、俺は太陽の子では――」

 生真面目に受け答えをするヴィーネに、シャプシャは咳払いをした。

「もう一度、問います。太陽の子、ヴィーネ。あなたはシャプシャを妻として、生涯の愛を誓いますか?」

「……誓う」

「よろしい。そして太陽の子であるシャプシャ、わたくしはヴィーネを夫として、生涯の愛を誓います」

 組んでいた手を解いたシャプシャは、ヴィーネの手に両手を添えた。

「ここに太陽神への誓いを立て、新たな夫婦が誕生せん。太陽の恵みの祝福が永久に続くことを! そして二人の愛と絆が、人としての生を終えるまで続くよう、見守り下さい」

 神への宣言を言い終えたシャプシャは、ヴィーネに微笑んだ。

「これで、儀式は終わり――わたしたちは太陽神の元、夫婦となりました。あとで、揃いのペンダントを買いに行きましょう。それが、伴侶の証となりますから」

「ああ……しかし、俺が太陽神への誓いなど、してもいいのだろうか?」

「もちろんです。とはいえ、そこまで気負わなくても構いません。わたくしたちは、これまでどおりに過ごせばいい……と思います」

「そうか……だが、その前に一つだけ、やっておきたいことがある。儀式としてではなく、俺の言葉として、あなたに誓おう。人としての生を終えるまで、俺はあなたと共に生きていく。この誓いは、決して違えぬと――俺は貴女に誓う」

 ヴィーネの誓いに、シャプシャは瞳を潤ませた。
 
 この日、ヴィーネとシャプシャは夫婦としての絆を結んだ。

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 お約束通り、なんとか週末に間に合わせました……と言いたいのですが、後編に続きます。思っていたより長くなった(そのため、大幅に削りました)のと、後編で大きなミスを見つけまして、書き直しの最中です。
明日(5/23)にはUPできると思います。

 最後に、読んで下さってありがとう御座います。
 ポイントもいつの間にか1000を超えていて……ビックリしました。

 おまけから入った方、よければ本編も宜しくお願いします。

 後編も宜しくお願いします!              
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