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入れ替わった二人
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夕焼け空が夜に変わり、歩美は机に広げたノートをじっと見つめていた。
朋美がふざけ半分で持ち帰った「入れ替われるノート」は、どう考えても怪しい。とはいえ、朋美はすっかりその気で、LINEで「名前書いてみようよ!面白そうじゃん!」と何度も送ってくる。
「本当に、こんなの信じてるの?」
そう呟きながらも、歩美の手はペンを握っていた。何だかんだ言いつつ、幼馴染の朋美に引きずられるのはいつものことだ。
「まあ、どうせ何も起きないし。」
歩美はため息をつき、ノートの1ページ目に自分の名前を書いた。**「北原歩美」**。
同時刻、朋美も自室のベッドに腰掛けながら、同じノートに名前を書き込んでいた。
「これで入れ替わったらウケるよね!」
笑いながら筆を走らせた朋美は、こう書いた。**「橘朋美」**。
その瞬間だった。
――突然、目の前の景色がグニャリと歪んだ。
「な、何これ――!」
歩美は思わず立ち上がろうとしたが、体がまるで水に溶けたような感覚に襲われた。同時に視界が真っ暗になり、耳鳴りがする。
そして次に目を開けたとき――。
「えっ?」
歩美が声を出すと、それは自分の声ではなかった。
目の前には見覚えのある部屋。だが、それは朋美の部屋だった。そして鏡に映ったのは、朋美の姿――。
「な、なんで私が朋美に――?」
混乱する歩美の元に、スマホの着信が鳴る。朋美からだった。
「歩美!?やっぱり入れ替わってる!私の体にいるの、アンタでしょ!?」
興奮した声が電話越しに響く。歩美は慌てて答える。
「嘘でしょ!?これ、本当にノートのせいなの!?」
二人はお互いの姿に変わってしまった現実に震えた。戸惑いながらも、どうやって元に戻るのかを探るために再びノートを調べようとする。しかし、そこにはまた別の奇妙な一文が追加されていた。
「入れ替わりを解くには、ノートを持つ者がもう一つの秘密を見つける必要がある。」
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朋美がふざけ半分で持ち帰った「入れ替われるノート」は、どう考えても怪しい。とはいえ、朋美はすっかりその気で、LINEで「名前書いてみようよ!面白そうじゃん!」と何度も送ってくる。
「本当に、こんなの信じてるの?」
そう呟きながらも、歩美の手はペンを握っていた。何だかんだ言いつつ、幼馴染の朋美に引きずられるのはいつものことだ。
「まあ、どうせ何も起きないし。」
歩美はため息をつき、ノートの1ページ目に自分の名前を書いた。**「北原歩美」**。
同時刻、朋美も自室のベッドに腰掛けながら、同じノートに名前を書き込んでいた。
「これで入れ替わったらウケるよね!」
笑いながら筆を走らせた朋美は、こう書いた。**「橘朋美」**。
その瞬間だった。
――突然、目の前の景色がグニャリと歪んだ。
「な、何これ――!」
歩美は思わず立ち上がろうとしたが、体がまるで水に溶けたような感覚に襲われた。同時に視界が真っ暗になり、耳鳴りがする。
そして次に目を開けたとき――。
「えっ?」
歩美が声を出すと、それは自分の声ではなかった。
目の前には見覚えのある部屋。だが、それは朋美の部屋だった。そして鏡に映ったのは、朋美の姿――。
「な、なんで私が朋美に――?」
混乱する歩美の元に、スマホの着信が鳴る。朋美からだった。
「歩美!?やっぱり入れ替わってる!私の体にいるの、アンタでしょ!?」
興奮した声が電話越しに響く。歩美は慌てて答える。
「嘘でしょ!?これ、本当にノートのせいなの!?」
二人はお互いの姿に変わってしまった現実に震えた。戸惑いながらも、どうやって元に戻るのかを探るために再びノートを調べようとする。しかし、そこにはまた別の奇妙な一文が追加されていた。
「入れ替わりを解くには、ノートを持つ者がもう一つの秘密を見つける必要がある。」
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