入れ替わりノート

廣瀬純七

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翌日の登校

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翌朝、歩美と朋美はそれぞれ違う家で目覚めた。  

「これ、どうするの…?」  
朋美の体に入った歩美は、朋美の制服を着ながら鏡の前でため息をついた。ポニーテールをうまく結べず、髪ゴムを何度も引っ張り直している。  

一方、歩美の体に入った朋美は、自分の家ではしゃいでいた。  
「これ、めっちゃ楽しいじゃん!普段歩美がどう過ごしてるか体験できるなんて!」  
そんな軽いノリで、朋美は歩美の制服に袖を通して家を出た。  

学校に着くと、二人は別々の教室へ向かった。だが、入れ替わっていることを隠すのは思った以上に難しい。  

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**歩美の体に入った朋美(歩美の教室)**  

教室に入るなり、クラスメイトの佐藤が声をかけてきた。  
「おはよう、歩美!宿題やった?今日の数学、めっちゃ難しくない?」  

朋美は一瞬固まったが、すぐに笑顔を作った。  
「あ、あはは!宿題?もちろんやったよ!」  
だが、佐藤が差し出してきたノートを見て青ざめる。  

「えっと、これはどうやるんだっけ…?」  
小テストでいつも高得点を取る歩美の姿を期待している周囲の視線に、朋美は内心パニック状態だった。  

---

**朋美の体に入った歩美(朋美の教室)**  

一方、朋美のクラスでは全く逆の事態が起きていた。  
「おい、朋美!また先生に怒られるぞ!」  
クラスメイトの田中が笑いながら注意してくるが、歩美は状況が読めない。  

「何で怒られるの?」  
「えっ、宿題忘れたのかよ。いつものことだけどさ。」  
田中が肩をすくめるのを見て、歩美は愕然とした。どうやら、朋美は日常的に宿題を忘れているらしい。  

歩美は慌てて教科書を開き、内容を必死に確認し始めた。その姿を見た田中が驚く。  
「え、どうしたんだよ朋美?なんか今日真面目じゃん。」  

---

休み時間になると、二人は廊下でこっそり顔を合わせた。  

「朋美!あんた宿題やらないの当たり前みたいになってるじゃない!」  
歩美が怒ると、朋美はへらっと笑った。  
「だって、歩美みたいに優等生してたら疲れるしさ~。」  

「ふざけないでよ!私、クラスメイトにどう思われたか…もう!」  

二人は言い合いながらも、どうやってこの状況を乗り切るかを話し合った。  
「とりあえず、授業中は大人しくしてればバレないんじゃない?」  
「それができてれば苦労しないでしょ!」  

だが、この日の学校生活はまだ始まったばかり。二人がうまく一日を乗り切れるかどうかは、誰にもわからなかった――。

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