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発見
しおりを挟む夜、自宅のドアを開けた坂本雄太は、疲れ切った顔でリビングに足を踏み入れた。病院からの帰り道も、頭の中は混乱と疑問でいっぱいだった。朝目覚めたときから、自分の体が女性の体になっていることに気づき、信じられないまま病院に駆け込んだが、医者たちは「健康そのものだ」としか言わなかった。
「何がどうなってんだ……」
呟きながら、ベッドのある部屋に向かうと、視界の端に何かが転がっているのが目に入った。最初は何かわからなかったが、近づくにつれて雄太は息を呑んだ。
「嘘だろ……」
それは、間違いなく彼のペニスだった。
床に転がっているその物体は、雄太が昨日まで自分の体の一部だと思っていたものそのものだった。だが、奇妙なことに血や傷の痕跡は一切なく、まるで自然に外れたかのように、ただそこにあった。
雄太は震える手でそれを拾い上げ、驚きと困惑に満ちた目で見つめた。
「なんで……こんなことが……」
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### 2. 取り付けの試み
雄太は自分の股間を確認した。そこには平らな肌しかなく、まるで元から何もなかったかのように感じられる。この状況をどうにかしようと、雄太は拾い上げたそれを自分の身体に押し付けてみた。
「くっつけ……くっつけ……頼むから!」
だが、何度試してもそれは元の位置に戻る気配がなかった。何か接着剤のようなもので固定するべきなのか、それとも医者に縫ってもらうべきなのか、途方に暮れる。
「こんなのおかしい……俺の体なのに、どうして……」
雄太は、ペニスをどう扱えばいいのかわからないまま、一晩を過ごした。
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### 3. 病院での診断
翌朝、雄太はペニスをタオルで包み、ビニール袋に入れて病院へ向かった。受付のスタッフは怪訝な顔をしながらも、彼を診察室へ案内した。
医師は袋の中身を見て、ひとまず目を丸くした。
「……坂本さん、これをどこで見つけたんですか?」
「自宅の床に落ちてたんです……これ、俺のなんですけど、くっつかないんです!」
医師は眉をひそめながら、それを慎重に手に取り、まるで未知の生物を観察するかのように見つめた。
「坂本さん、少しお待ちください。検査をさせてください。」
医師は物体を持ち去り、検査室へ向かった。雄太は診察室に一人取り残され、不安に苛まれながら待つことになった。
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### 4. 衝撃の事実
数時間後、医師が戻ってきた。その顔には困惑と驚きが入り混じっている。
「坂本さん、結果が出ました。」
「どうだったんですか? 俺の体、大丈夫なんですか?」
医師は息をつきながら説明を始めた。「まず、この物体ですが……これは、あなたの体の一部ではありませんでした。」
「えっ?」
「遺伝子検査を行ったところ、この物体は人間の遺伝子を持たない、未知の生物だということが分かりました。」
雄太は耳を疑った。「未知の生物……? じゃあ、俺のじゃないんですか?」
医師はさらに続けた。「そして、もう一つ。坂本さんの遺伝子を調べたところ、あなたの体は遺伝子的には女性であることが判明しました。」
「は……?」
「これまで男性の身体であったのは、おそらく何らかの特殊な要因が働いていたからでしょう。しかし現在、その状態が解除され、あなたは本来の女性の遺伝子を持つ身体になったと考えられます。」
雄太はその場で立ち尽くした。頭の中が真っ白になり、何も言葉が出てこない。自分が女性? 遺伝子が女性? では、床に落ちていたペニスは一体何だったのか?
医師は慎重な口調で続けた。「現時点では、これがどうして起きたのかは解明できません。ただ、この生物についてさらに研究を進める必要があります。」
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### 5. 雄太の決意
病院から帰る道中、雄太は呆然と歩きながら考え続けた。自分の体に何が起こっているのか。そして、今後自分がどう生きていけばいいのか。
未知の生物。女性としての身体。彼の人生は、これまで以上に複雑で予測不可能なものになってしまった。
だが、雄太は心の奥で一つの決意を抱き始めていた。
「この身体で生きる意味を、探してみるしかないのかもしれない……」
そう呟いた雄太の瞳には、わずかながら希望の光が宿っていた。
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