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2章 魔法
22話 初の正式探索
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街の近くの遺跡に来た僕は、初めて見張りの前を通って入りました。
「堂々と入れるだけでこれだけ気分が違うんだね」
今までは、見張りの視線が向かないように動いていたけど、そんな事しなくて良くなったんだ。
アネモネと入口で待ち合わせたから、僕が入ると気づいて手を振ってきて、とてもやる気に満ちた笑顔だったよ。
「お待たせアネモネ」
「待ってたわアルサ、行くわよ」
「それは良いけど、そちらの人達って誰なの?」
「気にしなくて良いわ、行きましょ」
アネモネが無視しているけど、明らかに僕を睨んできていて、ナンパされていたとしか思えませんでした。
それで無視して奥に進もうとしたから、アネモネと一緒にいた3人の男性が先回りしてきて道を塞いできたよ。
「何よあなたたち」
「だからさ、オレたちと一緒に行こうぜ、楽しいぜ」
「そうだよ~色々と楽しいよ~」
「楽しいのはアルサといる時なのよ、どきなさい」
アネモネがバッサリと切ったのだけど、男たちはそれでも引かずに距離を詰めてきて、邪魔だから倒そうとアネモネが提案してきた。
それを聞いた男たちは笑ってきたけど、アネモネから発せられる殺気は本物で、男たちはそれを察知できないほどの実力みたいで気付いてなかった。
「ダメだねコイツら」
「そうなのよアルサ、だからやっちゃうわ」
「気絶させる程度にするんだよ」
「仕方ないわね、でも次同じ事してきたら倒しちゃうわね」
「反省してないなら仕方ない、僕もその時は手伝うよ」
意見が一致したことで、アネモネはニコリとした後に男3人の腹に3撃ずつ拳をめり込ませて倒した。
悶絶する男たちに僕は忠告し、次は命が無い事を知った男たちは、お腹を押さえながら頷いてくれた。
「分かってくれて良かった、僕も後始末するのは面倒で嫌なんだよ」
じゃあねっと、僕は意識を失いかけている3人の男性に挨拶し、先に通じる道を進みます。
遺跡の中で最初に出会ったのはゴブリンで、下に進むと更に強いモンスターが待っていると説明を始めたよ。
「オーガにミノタウロスとか、知性も高いモンスターがいるんだよ」
「楽しみだわ、早く倒したいわね」
「そこまでに手に入る魔道具もね」
僕の目的はあくまでも魔道具なので、モンスターと戦うのは訓練に来たアネモネに任せるけど、登録を先に済ませていたアネモネから、どうして遅かったのかと歩きながら言われたよ。
「ちょっと受付で問題が起きてね、解決するのに時間が掛かったんだよ」
「どこに行っても問題を起こすのねアルサは」
「僕のせいじゃないよアネモネ、受付嬢が美人なのがいけないんだ」
受け付けで話込まれたらどうしようもなく、それを取り締まるには人手も足りない事を指摘した。
父さんたちの様に気を扱えて強くなるだけならいくらでもいるけど、教育を受けて読み書き計算となると難しかった。
「人材不足はどこも同じね」
「うん、だから僕は少しずつ増やしているけど、それが広まるのはまだ先なんだ」
「近くの村に孤児院とか、本当に色々やってるものねアルサ」
アーチェと同い年の子たちが最初で、後3年で成人になるからそれまでの辛抱と、正面から向かってくるゴブリンを倒していきました。
3年経てば僕も学園を卒業してお店を開店してて、その為の準備だったから今使えなくても仕方なしと話をまとめたよ。
「まぁ、教育の為の先生が来るわけにはいかないモノね」
「そうなんだ、だから今は我慢だね」
「それは分かったけど、今日はどこまで行く予定なのかしら?」
「どこまでって、最下層に決まってるじゃないかアネモネ」
僕の答えに驚いたアネモネは、階段から足を踏み外し落ちそうになりました。
僕が手を掴んで止めたから良かったけど、怪我をして進めない所だったから注意したよ。
「だって、最下層なんて言うからじゃない、何階まであるのよ」
「ここは30階だね、ボスはジェネシスオーガっていう、大剣を持っている大きなオーガだよ」
「ジェネシスオーガって聞いた事ないんだけど」
「そうだろうね、探索者のランクが一番上でも倒せないからね」
僕が倒したドラゴンよりは弱いけど、今の探索者では敵わない相手で、この遺跡も20階までが最高到達地点だった。
僕は何度も来ていて繰り返しているけど、欲しい魔道具がどうしても出ないから悩んでいたんだ。
「魔道具はモンスターから出ないのよね」
「そうなんだよアネモネ、だから宝箱が再設定されるまで待たないとダメなんだ」
「だからって、わざわざ最初からやり直す必要はないんじゃないの?」
探索者は、クエストで同じ階を周回する事はあるけど、僕の様に一階から最下層に行く者はいません。
僕が欲しいのは魔道具だからそうしているだけで、直ぐに出れば僕もしないと必要性を語ったんだ。
「魔道具は滅多に出ないから仕方ないけど、上の階の魔道具は珍しくないじゃない」
「そんな事は無いよアネモネ、どれも同じに見えて違うんだ」
性能の差があって、持続時間も違うと説明しました。
宝箱の性能か、それとも誤差の範囲なのかは分からないけど、僕は同じ魔道具をいくつも持っていて、一番性能の良い物をそのままにして、他の品は解体していた。
「それでも分からなかったから、僕は悩んだんだ」
「それは何度も聞いたわ、もう耳にタコが出来そうね」
「それだけ大切な事なんだよアネモネ、魔法もそうなんだよ」
「それも知ってる、個人差で強さが違うのよね」
想像の違いがあるからだけど、僕はそれでも使いたかった。
それももうすぐ叶うから、今のうちに素材を手に入れたくて、ここに来ました。
「アタシはおまけなのね」
「怒らないでよアネモネ、強くなれるのは本当なんだからね」
「そうだけど、もっと楽しみたかったわ」
ちょっとむくれて怒って来たアネモネは、それでも楽しそうにモンスターを倒して進み、僕も宝箱から魔道具が出る事を期待して開けたんだ。
二人で楽しく遺跡を進み、地下10階に降りた所で殺気を感じて笑顔を消して集中しましたよ。
「何か変ね」
「そうだねアネモネ、これは探索者同士の争いだ」
「モンスターとは違うし、アタシたちには関係ないけど、どうするの?」
「そうだね、普通の争いなら関わらないけど、この感じは罠に嵌った被害者がいる」
何処かで罠にかけられ、その人たちは暴行を受けた後奴隷に落とされるのが道理でした。
そんな事はさせないと言うのが僕の考えで、助けに行く一択だったよ。
「まぁそうよね、せっかくの楽しい時間だったのになぁ」
「それを邪魔したんだ、そいつらには地獄を見てもらおうねアネモネ」
「そうね、楽しみだわ」
黒い笑顔で僕らは現場に急ぎ、そこに倒れる人たちを見て、ちょっと本気で怒りがこみ上げてきた。
男が倒れる女性を組み伏せ、もう一人が馬乗りになっていて、3人の女性が4人ずつの男に襲われていたんだ。
「酷いわ、これはもう容赦はいらないわね」
「そうだねアネモネ、ここまでの人数で襲っているという事は、あいつらは常習犯だ」
「じゃあ、アタシは女性に服を渡すから、後はお願いねアルサ」
アネモネに言われて、僕は女性服を出してアネモネに渡し、男たちを一人ずつ突き飛ばして女性を助けたんだ。
壁に激突した男たちは、何とか起き上がろうとしているけど、追加で顎にも一撃いれていたので動けませんでした。
「な、なにもんだ」
「そんな事を知る必要はない、君たちはここでおしまいだからね」
「な、なんだと」
男たちに気をぶつけて、声も出せないほどの一瞬で消滅させた。
アネモネは流石と言ってくれたけど、女性たちは怯えていたよ。
「怖がらせてごめんね、僕は先に進むから、後はよろしくねアネモネ」
「ちょ、ちょっとアルサ」
アネモネに任せ、僕は階段を下りてしばらく待ちました。
降りてきたアネモネは、お金も少し渡して帰したと教えてくれて、僕も安心したんだ。
「どうしてアルサが対応しないのよ、探索者なら魔道具も手に入りやすくなるわ」
「どうせ買うんだから変わらないよ、それより怖がられた方が楽で良いんだ」
あの目を見たら対応なんてしたくないし、それより先に進んで魔道具を手に入れたかった。
それもそうだと諦めたアネモネは、僕の前に出てモンスターと戦ってくれて、僕は宝箱を開けて回りました。
「堂々と入れるだけでこれだけ気分が違うんだね」
今までは、見張りの視線が向かないように動いていたけど、そんな事しなくて良くなったんだ。
アネモネと入口で待ち合わせたから、僕が入ると気づいて手を振ってきて、とてもやる気に満ちた笑顔だったよ。
「お待たせアネモネ」
「待ってたわアルサ、行くわよ」
「それは良いけど、そちらの人達って誰なの?」
「気にしなくて良いわ、行きましょ」
アネモネが無視しているけど、明らかに僕を睨んできていて、ナンパされていたとしか思えませんでした。
それで無視して奥に進もうとしたから、アネモネと一緒にいた3人の男性が先回りしてきて道を塞いできたよ。
「何よあなたたち」
「だからさ、オレたちと一緒に行こうぜ、楽しいぜ」
「そうだよ~色々と楽しいよ~」
「楽しいのはアルサといる時なのよ、どきなさい」
アネモネがバッサリと切ったのだけど、男たちはそれでも引かずに距離を詰めてきて、邪魔だから倒そうとアネモネが提案してきた。
それを聞いた男たちは笑ってきたけど、アネモネから発せられる殺気は本物で、男たちはそれを察知できないほどの実力みたいで気付いてなかった。
「ダメだねコイツら」
「そうなのよアルサ、だからやっちゃうわ」
「気絶させる程度にするんだよ」
「仕方ないわね、でも次同じ事してきたら倒しちゃうわね」
「反省してないなら仕方ない、僕もその時は手伝うよ」
意見が一致したことで、アネモネはニコリとした後に男3人の腹に3撃ずつ拳をめり込ませて倒した。
悶絶する男たちに僕は忠告し、次は命が無い事を知った男たちは、お腹を押さえながら頷いてくれた。
「分かってくれて良かった、僕も後始末するのは面倒で嫌なんだよ」
じゃあねっと、僕は意識を失いかけている3人の男性に挨拶し、先に通じる道を進みます。
遺跡の中で最初に出会ったのはゴブリンで、下に進むと更に強いモンスターが待っていると説明を始めたよ。
「オーガにミノタウロスとか、知性も高いモンスターがいるんだよ」
「楽しみだわ、早く倒したいわね」
「そこまでに手に入る魔道具もね」
僕の目的はあくまでも魔道具なので、モンスターと戦うのは訓練に来たアネモネに任せるけど、登録を先に済ませていたアネモネから、どうして遅かったのかと歩きながら言われたよ。
「ちょっと受付で問題が起きてね、解決するのに時間が掛かったんだよ」
「どこに行っても問題を起こすのねアルサは」
「僕のせいじゃないよアネモネ、受付嬢が美人なのがいけないんだ」
受け付けで話込まれたらどうしようもなく、それを取り締まるには人手も足りない事を指摘した。
父さんたちの様に気を扱えて強くなるだけならいくらでもいるけど、教育を受けて読み書き計算となると難しかった。
「人材不足はどこも同じね」
「うん、だから僕は少しずつ増やしているけど、それが広まるのはまだ先なんだ」
「近くの村に孤児院とか、本当に色々やってるものねアルサ」
アーチェと同い年の子たちが最初で、後3年で成人になるからそれまでの辛抱と、正面から向かってくるゴブリンを倒していきました。
3年経てば僕も学園を卒業してお店を開店してて、その為の準備だったから今使えなくても仕方なしと話をまとめたよ。
「まぁ、教育の為の先生が来るわけにはいかないモノね」
「そうなんだ、だから今は我慢だね」
「それは分かったけど、今日はどこまで行く予定なのかしら?」
「どこまでって、最下層に決まってるじゃないかアネモネ」
僕の答えに驚いたアネモネは、階段から足を踏み外し落ちそうになりました。
僕が手を掴んで止めたから良かったけど、怪我をして進めない所だったから注意したよ。
「だって、最下層なんて言うからじゃない、何階まであるのよ」
「ここは30階だね、ボスはジェネシスオーガっていう、大剣を持っている大きなオーガだよ」
「ジェネシスオーガって聞いた事ないんだけど」
「そうだろうね、探索者のランクが一番上でも倒せないからね」
僕が倒したドラゴンよりは弱いけど、今の探索者では敵わない相手で、この遺跡も20階までが最高到達地点だった。
僕は何度も来ていて繰り返しているけど、欲しい魔道具がどうしても出ないから悩んでいたんだ。
「魔道具はモンスターから出ないのよね」
「そうなんだよアネモネ、だから宝箱が再設定されるまで待たないとダメなんだ」
「だからって、わざわざ最初からやり直す必要はないんじゃないの?」
探索者は、クエストで同じ階を周回する事はあるけど、僕の様に一階から最下層に行く者はいません。
僕が欲しいのは魔道具だからそうしているだけで、直ぐに出れば僕もしないと必要性を語ったんだ。
「魔道具は滅多に出ないから仕方ないけど、上の階の魔道具は珍しくないじゃない」
「そんな事は無いよアネモネ、どれも同じに見えて違うんだ」
性能の差があって、持続時間も違うと説明しました。
宝箱の性能か、それとも誤差の範囲なのかは分からないけど、僕は同じ魔道具をいくつも持っていて、一番性能の良い物をそのままにして、他の品は解体していた。
「それでも分からなかったから、僕は悩んだんだ」
「それは何度も聞いたわ、もう耳にタコが出来そうね」
「それだけ大切な事なんだよアネモネ、魔法もそうなんだよ」
「それも知ってる、個人差で強さが違うのよね」
想像の違いがあるからだけど、僕はそれでも使いたかった。
それももうすぐ叶うから、今のうちに素材を手に入れたくて、ここに来ました。
「アタシはおまけなのね」
「怒らないでよアネモネ、強くなれるのは本当なんだからね」
「そうだけど、もっと楽しみたかったわ」
ちょっとむくれて怒って来たアネモネは、それでも楽しそうにモンスターを倒して進み、僕も宝箱から魔道具が出る事を期待して開けたんだ。
二人で楽しく遺跡を進み、地下10階に降りた所で殺気を感じて笑顔を消して集中しましたよ。
「何か変ね」
「そうだねアネモネ、これは探索者同士の争いだ」
「モンスターとは違うし、アタシたちには関係ないけど、どうするの?」
「そうだね、普通の争いなら関わらないけど、この感じは罠に嵌った被害者がいる」
何処かで罠にかけられ、その人たちは暴行を受けた後奴隷に落とされるのが道理でした。
そんな事はさせないと言うのが僕の考えで、助けに行く一択だったよ。
「まぁそうよね、せっかくの楽しい時間だったのになぁ」
「それを邪魔したんだ、そいつらには地獄を見てもらおうねアネモネ」
「そうね、楽しみだわ」
黒い笑顔で僕らは現場に急ぎ、そこに倒れる人たちを見て、ちょっと本気で怒りがこみ上げてきた。
男が倒れる女性を組み伏せ、もう一人が馬乗りになっていて、3人の女性が4人ずつの男に襲われていたんだ。
「酷いわ、これはもう容赦はいらないわね」
「そうだねアネモネ、ここまでの人数で襲っているという事は、あいつらは常習犯だ」
「じゃあ、アタシは女性に服を渡すから、後はお願いねアルサ」
アネモネに言われて、僕は女性服を出してアネモネに渡し、男たちを一人ずつ突き飛ばして女性を助けたんだ。
壁に激突した男たちは、何とか起き上がろうとしているけど、追加で顎にも一撃いれていたので動けませんでした。
「な、なにもんだ」
「そんな事を知る必要はない、君たちはここでおしまいだからね」
「な、なんだと」
男たちに気をぶつけて、声も出せないほどの一瞬で消滅させた。
アネモネは流石と言ってくれたけど、女性たちは怯えていたよ。
「怖がらせてごめんね、僕は先に進むから、後はよろしくねアネモネ」
「ちょ、ちょっとアルサ」
アネモネに任せ、僕は階段を下りてしばらく待ちました。
降りてきたアネモネは、お金も少し渡して帰したと教えてくれて、僕も安心したんだ。
「どうしてアルサが対応しないのよ、探索者なら魔道具も手に入りやすくなるわ」
「どうせ買うんだから変わらないよ、それより怖がられた方が楽で良いんだ」
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