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2章 魔法
23話 あれは誰
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アネモネと言う子が見えなくなって、私は今の状況が夢ではないかと不安になりました。
「アタシたち、助かったのよねレリュ」
「そうねサチ、夢みたいな出来事だったけど、私たちは助けられたのよね」
「ん、奇跡が起きた」
「ネミの言う通りっす、助かったのは本当に奇跡っすけど、本当に起きた現実っす」
ジュミはまだ震えていて、それは私と違い彼に出会えた喜びによるモノだったわ。
奇跡よりもあの男性の事を気にしているのは格闘士のキララで、あの動きは凄いと憧れに似た視線を階段の方に向けていたわ。
「キララ、あの男性の強さを先に進んで見たいのは分かるけど、今日は戻るわよ」
「分かってるよレリュ、さすがのオレもそこまで馬鹿じゃねぇさ」
「そこまでは言ってないけど、あなたが今辛いのを知ってるからね」
キララは今、とても高い壁にぶつかり悩んでいて、それを解決してくれる人を見つけたから注意したけど、冷静で安心したわ。
街に戻ったら探すと言ったので、私も手伝う約束をしました。
「助かるぜ、街じゃ聞いた事なかったからな」
「それは私もよ、遺跡を調べた時に探索者の話を聞いたけど、きっと名のある探索者ね・・・誰なのかしら」
「それも聞き込みすれば分かるさ」
そう簡単じゃないと思ったけど、ここでそれを言うのはまずいと思って肯定しました。
来た道を戻っている間も助けてもらった話をずっとしていたけど、キララは唯一彼の動きが見えていたから、それがどれだけ凄いのかが分かったわ。
「凄いのね」
「凄いなんてもんじゃねぇよレリュ、動けるという事はそれだけ肉体が堪えられるって事なんだぜ、鍛錬がどれほどなのか考えもつかねぇよ」
「それって、レベルが高いだけじゃないんっすか?」
ジュミが当然の質問をしてきたけど、それだって積み上げてきたモノがあるはずだったのよ。
キララはそこを追求し、自分も目指したいと目を輝かせたわ。
「どんなモンスターと戦えば良いんだろうな」
「それも聞けばいいわよ、きっと楽しいわ」
「そうだな、じゃあまずは見つける所からだな」
それもそうだと言うのがその場の答えには相応しかったのだけど、遺跡の外で彼とアネモネに再会したからその返事が出来なかったわ。
先に外にいるという事は、遺跡の転移ポータルを使ったという事で、最下層をクリアしたのが分かって驚きだったわ。
「お、おいレリュ、ここって」
「そうよキララ、ここはまだ誰も制覇してない遺跡なのよ」
「じゃ、じゃああいつらは」
「そうね、最初の制覇者ね」
それだけでも凄いのに、二人は疲れた感じを見せてないし、無傷での制覇なのが見て取れました。
それを見たキララは、さすがに自分を抑えられず、その場に座って弟子入りを申し出たわ。
「ちょっちょっと、どういう事かな?」
「オレはキララ、弟子にしてくれ頼む」
「何か事情があるのかな?」
話だけでもっと、彼は名を名乗ってくれて、私達は遺跡の近くで野営することになったのよ。
一緒にいたアネモネが薪を集めに離れたので、私は手伝う為に同行したわ。
「それでレリュ、どういう事なのかしら?」
「そんなに怒らないでよアネモネ、キララは真剣なのよ」
「それは分かるけど、アルサに弟子入りしたら大変よ」
「アネモネもそうなのよね」
だから分かる様だけど、それを決めるのはキララだから何も言えなかったわ。
壁に当たっているのだから頑張るしかないし、私はそれを応援しようと思ったのだけど、枯れ枝を拾って帰るとキララが倒れていたわ。
「やっぱりこうなったのね」
「アネモネ、どういうことなのよ」
「あれはね、あなたたちが知りたい技術を短期間で覚える方法で、それを行ったら絶対に倒れるのよ」
短期間でないならそうはならないそうだけど、どちらかを選ぶならそうなるとアネモネはおでこに手を当ててため息を付いたわ。
長期間よりは短期間で覚えた方が良いのは分かるけど、倒れるとか尋常じゃないと思ったわね。
「でもねレリュ、キララが欲しかった強さは確実に手に入るわ、それがアルサの凄い所なのよ」
「良い事なんだけど、今の状況を見てもそうは思えないわね」
サチたちがキララを運んでいて、私もその後に続いたわ。
そこでアルサ君に3日は寝込むことを聞かされ、負担が相当重いのを知ったわ。
「あのキララが3日も起きれないって、信じられないわね」
「疲労で倒れたのは確かだけど、それだけが理由じゃないからね」
「それって、習得した気功術が理由なのよね」
アルサ君は気の循環の話をしてくれて、身体がなれる時間が残りの2日でした。
心配する必要はないけど、起きたら強くなっている仲間を見て何とも思わないのかと言われてしまったわ。
「それって、私たちも学ばないといけないって事?」
「それもあるけど、他の力があるなら欲しくないかな?」
「他の力って、気功術だって初めて聞いたのに他っていえば・・・まさか魔法?」
「さすが探索者だね、良く分かってるじゃないか」
分かってはいても、魔法は使う事が出来ないのは世間の常識で、どうやって使うのか聞かない選択肢はありませんでした。
聞いた所でと言うのが普通だけど、その時の私はそうは思わなかったのよ。
「平民でも使える魔道具」
「そうだよ、今作っている最中でね、その試験的な運用をやってみる気はないかな?」
「不思議ね、普通なら信じられない話なのに、疑う気が起きないわ」
強くなれるのならっと伝えて提案を飲んだ私は、キララをテントに運び終わったサチたちに説明し、強くなる為の訓練を提案しました。
倒れるのが分かっている気功術だけでも凄いのに、魔法まで使える様になると分かって誰も反対しなかったわ。
「じゃあ、お願いねアルサ君」
「断られなくて良かった」
「断る人っているのかしら?」
大金を出しても得られないのが強さだから、探索者なら誰でも頭を横には振りません。
だからみんなで賛成したけど、訓練はその日には行われず、次の日にキララを担いで街に戻ったのよ。
「全員が倒れてしまうから街で訓練するのは分かるけど、正直本当なのかしら?」
「サチ、冷静になって考えるの?」
「だってレリュ、魔法なのよ、お貴族様にしか使えない力の象徴よ」
平民の暮らしを支えている魔道具を維持しているのが貴族で、平民には使えないから生かされていると言われていました。
その歴史を変えようとしているのが分かったからサチは不安な様だけど、彼ならやり遂げる気がして疑う事はなかったわ。
「魔法だけを覚えたなら、彼は貴族によって命を絶たれていたでしょうね」
「レリュ?」
「でもね、彼の持つ力は他にもあり、その対策が十分にされているのよ」
「だからって安全じゃないわよ、アタシたち死んじゃうかもしれないわ」
探索者はモンスターと戦うから命の危険はありますから、力を付けるのは必要と伝えたわ。
危険は百も承知で、だから強くなることを求めたのよ。
「だからねサチ、強くなりましょう」
「分かったわよ、キララだけ強くうなるとかずるいものね」
「そうよ、みんなで強くなりましょうね」
探索者としても有名になれるし、私たちのやるべき事が決まりました。
街の宿でみんなして倒れたのは言うまでもないけど、アネモネが面倒を見てくれて私たちは無事気功術を会得したのよ。
「アタシたち、助かったのよねレリュ」
「そうねサチ、夢みたいな出来事だったけど、私たちは助けられたのよね」
「ん、奇跡が起きた」
「ネミの言う通りっす、助かったのは本当に奇跡っすけど、本当に起きた現実っす」
ジュミはまだ震えていて、それは私と違い彼に出会えた喜びによるモノだったわ。
奇跡よりもあの男性の事を気にしているのは格闘士のキララで、あの動きは凄いと憧れに似た視線を階段の方に向けていたわ。
「キララ、あの男性の強さを先に進んで見たいのは分かるけど、今日は戻るわよ」
「分かってるよレリュ、さすがのオレもそこまで馬鹿じゃねぇさ」
「そこまでは言ってないけど、あなたが今辛いのを知ってるからね」
キララは今、とても高い壁にぶつかり悩んでいて、それを解決してくれる人を見つけたから注意したけど、冷静で安心したわ。
街に戻ったら探すと言ったので、私も手伝う約束をしました。
「助かるぜ、街じゃ聞いた事なかったからな」
「それは私もよ、遺跡を調べた時に探索者の話を聞いたけど、きっと名のある探索者ね・・・誰なのかしら」
「それも聞き込みすれば分かるさ」
そう簡単じゃないと思ったけど、ここでそれを言うのはまずいと思って肯定しました。
来た道を戻っている間も助けてもらった話をずっとしていたけど、キララは唯一彼の動きが見えていたから、それがどれだけ凄いのかが分かったわ。
「凄いのね」
「凄いなんてもんじゃねぇよレリュ、動けるという事はそれだけ肉体が堪えられるって事なんだぜ、鍛錬がどれほどなのか考えもつかねぇよ」
「それって、レベルが高いだけじゃないんっすか?」
ジュミが当然の質問をしてきたけど、それだって積み上げてきたモノがあるはずだったのよ。
キララはそこを追求し、自分も目指したいと目を輝かせたわ。
「どんなモンスターと戦えば良いんだろうな」
「それも聞けばいいわよ、きっと楽しいわ」
「そうだな、じゃあまずは見つける所からだな」
それもそうだと言うのがその場の答えには相応しかったのだけど、遺跡の外で彼とアネモネに再会したからその返事が出来なかったわ。
先に外にいるという事は、遺跡の転移ポータルを使ったという事で、最下層をクリアしたのが分かって驚きだったわ。
「お、おいレリュ、ここって」
「そうよキララ、ここはまだ誰も制覇してない遺跡なのよ」
「じゃ、じゃああいつらは」
「そうね、最初の制覇者ね」
それだけでも凄いのに、二人は疲れた感じを見せてないし、無傷での制覇なのが見て取れました。
それを見たキララは、さすがに自分を抑えられず、その場に座って弟子入りを申し出たわ。
「ちょっちょっと、どういう事かな?」
「オレはキララ、弟子にしてくれ頼む」
「何か事情があるのかな?」
話だけでもっと、彼は名を名乗ってくれて、私達は遺跡の近くで野営することになったのよ。
一緒にいたアネモネが薪を集めに離れたので、私は手伝う為に同行したわ。
「それでレリュ、どういう事なのかしら?」
「そんなに怒らないでよアネモネ、キララは真剣なのよ」
「それは分かるけど、アルサに弟子入りしたら大変よ」
「アネモネもそうなのよね」
だから分かる様だけど、それを決めるのはキララだから何も言えなかったわ。
壁に当たっているのだから頑張るしかないし、私はそれを応援しようと思ったのだけど、枯れ枝を拾って帰るとキララが倒れていたわ。
「やっぱりこうなったのね」
「アネモネ、どういうことなのよ」
「あれはね、あなたたちが知りたい技術を短期間で覚える方法で、それを行ったら絶対に倒れるのよ」
短期間でないならそうはならないそうだけど、どちらかを選ぶならそうなるとアネモネはおでこに手を当ててため息を付いたわ。
長期間よりは短期間で覚えた方が良いのは分かるけど、倒れるとか尋常じゃないと思ったわね。
「でもねレリュ、キララが欲しかった強さは確実に手に入るわ、それがアルサの凄い所なのよ」
「良い事なんだけど、今の状況を見てもそうは思えないわね」
サチたちがキララを運んでいて、私もその後に続いたわ。
そこでアルサ君に3日は寝込むことを聞かされ、負担が相当重いのを知ったわ。
「あのキララが3日も起きれないって、信じられないわね」
「疲労で倒れたのは確かだけど、それだけが理由じゃないからね」
「それって、習得した気功術が理由なのよね」
アルサ君は気の循環の話をしてくれて、身体がなれる時間が残りの2日でした。
心配する必要はないけど、起きたら強くなっている仲間を見て何とも思わないのかと言われてしまったわ。
「それって、私たちも学ばないといけないって事?」
「それもあるけど、他の力があるなら欲しくないかな?」
「他の力って、気功術だって初めて聞いたのに他っていえば・・・まさか魔法?」
「さすが探索者だね、良く分かってるじゃないか」
分かってはいても、魔法は使う事が出来ないのは世間の常識で、どうやって使うのか聞かない選択肢はありませんでした。
聞いた所でと言うのが普通だけど、その時の私はそうは思わなかったのよ。
「平民でも使える魔道具」
「そうだよ、今作っている最中でね、その試験的な運用をやってみる気はないかな?」
「不思議ね、普通なら信じられない話なのに、疑う気が起きないわ」
強くなれるのならっと伝えて提案を飲んだ私は、キララをテントに運び終わったサチたちに説明し、強くなる為の訓練を提案しました。
倒れるのが分かっている気功術だけでも凄いのに、魔法まで使える様になると分かって誰も反対しなかったわ。
「じゃあ、お願いねアルサ君」
「断られなくて良かった」
「断る人っているのかしら?」
大金を出しても得られないのが強さだから、探索者なら誰でも頭を横には振りません。
だからみんなで賛成したけど、訓練はその日には行われず、次の日にキララを担いで街に戻ったのよ。
「全員が倒れてしまうから街で訓練するのは分かるけど、正直本当なのかしら?」
「サチ、冷静になって考えるの?」
「だってレリュ、魔法なのよ、お貴族様にしか使えない力の象徴よ」
平民の暮らしを支えている魔道具を維持しているのが貴族で、平民には使えないから生かされていると言われていました。
その歴史を変えようとしているのが分かったからサチは不安な様だけど、彼ならやり遂げる気がして疑う事はなかったわ。
「魔法だけを覚えたなら、彼は貴族によって命を絶たれていたでしょうね」
「レリュ?」
「でもね、彼の持つ力は他にもあり、その対策が十分にされているのよ」
「だからって安全じゃないわよ、アタシたち死んじゃうかもしれないわ」
探索者はモンスターと戦うから命の危険はありますから、力を付けるのは必要と伝えたわ。
危険は百も承知で、だから強くなることを求めたのよ。
「だからねサチ、強くなりましょう」
「分かったわよ、キララだけ強くうなるとかずるいものね」
「そうよ、みんなで強くなりましょうね」
探索者としても有名になれるし、私たちのやるべき事が決まりました。
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