魔力を持たない僕は魔法を使いたい!

まったりー

文字の大きさ
50 / 50
3章 平和

最終話 みんなで他国に

しおりを挟む
学園祭が終わり、僕たちは3学期を迎えたんだけど、2学期はほとんど学園祭の準備と本番で終わってしまい、反省点が今押し寄せていました。


「っと言うわけで、3学期は訓練もそれなりにしたいと思うんだけど、僕は見てあげられないんだ」


僕が残念に思ってクラスのみんなに報告したら、安心感に溢れた笑顔を向けられました。
そんなに学園祭は大変だったのかと思ったんだけど、どうやら2学期に挑んだ遺跡がダメだった様で、死ぬ思いはしたくないと言われてしまった。


「みんなそういうけどね」
「分かってるよ、死ぬ気でやれってんだろう」
「分かってるじゃないかジュバン君、だから僕がいなくても頑張るんだよ」


アネモネもアーチェも一緒に他国に行くことになっていて、僕たちはしばらくこの国を離れるんだ。
向こうでは、訓練を待っている貴族とジュリーナ様が待っていて、みんなに挨拶をして馬車に乗り込みましたよ。


「それにしても、アルサお兄ちゃん、これはすごくない?」
「馬車に圧縮空間を付与とか、異世界では定番でしょう」
「そうだけど、まるで家じゃない」


それくらいしないとマリサさん達も連れていけなかったし、僕の爵位が決まったから領地経営もあるから大変だったんだ。
今度みんなで見に行くことになっているけど、それは婚約も関係しているからみんなはソワソワしていたよ。


「まさかジュリーナ様と婚約することになるとは思わなかったけど、妥当と言えば妥当だね」
「ゲームと全然違うけど、アルサお兄ちゃんなら当然ね」
「二人とも、呑気ねぇ」
「アネモネ、楽しくないのかい?」


ちょっと暗くなっているアネモネは、マリサさんからお茶を貰っても気持ちが上がってない様で、ため息までついていたよ。
それと言うのも、生産が間に合ってない医療品で困っていたからなんだ。


「アネモネのせいじゃないでしょう、そう気を落としてるんじゃないわよ」
「アーチェ、でもアタシがもっと化粧品の方から回していれば、助かる命もあったのよ」
「アネモネ、それは失敗じゃないよ」
「アルサ・・・でも、失敗よ」


大失敗と言ってくるアネモネだけど、医療品は時間の掛かる品が多く、それは自動人形が増えても変わらなかった。
素材も十分にあったし、問題は輸送だけだったのに、自動人形を増やして生産数を増やせばよかったと後悔していたんだ。


「場所もないし、それは無理な事だよアネモネ」
「そうかもしれないけど、あの戦いで使った魔道具もあったし、魔道具の生産を増やしても良かったじゃない」
「ダメよアネモネ、それじゃ魔力の方が間に合わないわ」


アーチェも分かっていて、元気出せと喝を入れていた。
元気のないアネモネは珍しく、楽しいはずの馬車の旅が暗い感じになってしまってた。
これではいけないと、僕は旅の最後にする予定だったお話をする事にしたよ。


「ねぇアネモネ、この旅が終わったら結婚式を上げたいんだけど、場所はどこが良いと思う」
「「「「「え」」」」」


みんなに驚かれ、そこまでの質問じゃないと僕は言いました。
だけど、みんなは信じられないと言ってきて、ジュリーナ様が第一と怒られたんだ。


「王族との婚姻だから分かるけど、みんなの方が先だから優先したんだけど、ダメなのかな?」
「あたりまえでしょう、アタシたちの結婚は第2第3夫人だから、後に決まってるじゃない」
「そうだよアルサお兄ちゃん、絶対それジュリーナ様に言っちゃダメだからね」


とても怒られて、僕は了承した後、アネモネが元気になってくれて笑ってしまった。
笑いごとじゃないと再度叱られてしまったけど、指輪だけでも作りたいと提案したら喜んでくれた。


「じゃあ、それぞれの髪の色に合わせようか」
「それも良いけど、出来ればアルサの色が良いわ」
「それいいわね、みんなでお揃いとか夫人っぽいわ」


黒で統一することが決まりそうで、僕は綺麗とは思えなくて止めたんだ。
だけど、それこそ僕の努力を見たいと言われ、頑張って良い品を作らなくてはいけなくなった。


「これは大変だ」
「公爵になる方が大変よアルサ」
「そうだよ、領地で一緒に頑張ろうね」


領地は新たに開拓する予定の地で、僕なら出来ると期待されていた。
勿論余裕とは行かないけど、準備は出来ているしみんながいるので不安はなかった。


「だけどさ、アネモネの化粧品は売れないかもしれないよ」
「それは良いのよ、お店はダクラムにあるし、落ち着いたら作るわ」
「それもそうだね・・・でも、ジュリーナ様を待つんじゃ、時間は掛かりそうだね」


領地の方も学問との併用なのであまり進む事はなく、他国に行くこともあるので全然だった。
みんなは、卒業してからゆっくりと言ってくれるけど、大国が静かにしているのが不安だった。


「僕が離れるのを待ってるのかもしれない、それが心配なんだよ」
「それはあるかもしれないねお兄ちゃん」
「でも、アルサがいなくてもみんな強くなったわよ」
「だからこそ心配なんだ、何かを企んでいなければ良いけど、調べに行くことも出来ないんだ」


分身たちも他の事で手いっぱいで、忙しさが尋常ではありません。
ザリハ会長に負担を掛けないようにした結果だけど、この忙しさを一人でやっていたら死んでいたと思えたよ。


「だからこその他国遠征でしょうアルサ」
「そうだねアネモネ、なんでもいいから情報が欲しい」
「ジュリーナ様も動いていると思いますから、きっと平気ですよアルサ様」
「ありがとうマリサさん」


僕はみんなに支えられているのが幸せで、これなら何が来ても心配ないと思えました。
前の時とは違い、僕は一人ではないと分かって、不安と心配がなくなったよ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうもまったりーです

これでこのお話は終わりです、ご愛読ありがとうございました。
しおりを挟む
感想 11

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(11件)

テケトー
2025.05.31 テケトー

完結お疲れ様ですm(*_ _)m
校閲のお時間です(`・ω・´)キリッ
1「10歳になった今でもためしていと」
3「決闘ですか?今ならなかったこの」
9「近い力として強力になって」
15「余計怒った顔を見せて来た。
、」
17「暴走が次の段階になるそう」
19「デロマ君は叫んで起こって」「そこに血液を逃し」
23「あなたたちが知りたい記述」
26「国王様にも報告して止め」「僕は帰りたかったのにそれを止められてしい」
32「ここからなら出入りが出来る事かま」
43「注意し、志向」
私が見つけられたのは以上ですm(*_ _)mなお、「」の前の数字は、「何話目」かを示してます。

2025.05.31 まったりー

ご愛読ありがとうございます
今後もよろしくお願いします。

そして、修正箇所ありがとうございます、とても助かります。

解除
荒谷創
2025.04.25 荒谷創

全体的に魔力の操作が出来ない貴族が増えてきているのかな?
純血/血統に拘った結果なのかな?
貴族間、国家間の婚姻混血状況の調査が必要なのかも。

2025.04.26 まったりー

ご感想ありがとうございます
自然と出来る事と思っているのか、教えて無いのかもですね。
教育の見直しをした方が良いかもです。

解除
荒谷創
2025.04.25 荒谷創

貴族である事を誇るならば、その誇りが何処から来ているのかを考えなくてはならない。
特に、平民達が貴族に対して敬意よりも隔意を持っている現状ではね。
まあ、まだ学生だから未熟なのは仕方がないけれど、きっとそれは親の姿から学んでしまった事なのだろうね。
そこが問題。

2025.04.26 まったりー

ご感想ありがとうございます
子供だからわからないでは済みませんからね、教育指導しなくてはいけません。

解除

あなたにおすすめの小説

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。 ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。 しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。 奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。 そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~

こげ丸
ファンタジー
『偶然テイムしたドラゴンは神をも凌駕する邪竜だった』 公開サイト累計1000万pv突破の人気作が改訂版として全編リニューアル! 書籍化作業なみにすべての文章を見直したうえで大幅加筆。 旧版をお読み頂いた方もぜひ改訂版をお楽しみください! ===あらすじ=== 異世界にて前世の記憶を取り戻した主人公は、今まで誰も手にしたことのない【ギフト:竜を従えし者】を授かった。 しかしドラゴンをテイムし従えるのは簡単ではなく、たゆまぬ鍛錬を続けていたにもかかわらず、その命を失いかける。 だが……九死に一生を得たそのすぐあと、偶然が重なり、念願のドラゴンテイマーに! 神をも凌駕する力を持つ最強で最凶のドラゴンに、 双子の猫耳獣人や常識を知らないハイエルフの美幼女。 トラブルメーカーの美少女受付嬢までもが加わって、主人公の波乱万丈の物語が始まる! ※以前公開していた旧版とは一部設定や物語の展開などが異なっておりますので改訂版の続きは更新をお待ち下さい ※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております ※小説家になろう様とカクヨム様でも公開しております

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。