異世界でDP稼いでたら女神って呼ばれちゃった

まったりー

文字の大きさ
147 / 372
6章不穏

閑話 成人式を見に行ったら

しおりを挟む
「立派になったんだねイネア」


どうもジェヅです、僕たちは今エントロス国の王都ビストスにいます。

2人と結婚したとイネアに報告がしたいのと、成人の儀を見るためですね。

そして今行進を眺めていてイネアが歩いてるんですよ、見つけるの大変でした。


「あれがイネアね、ジェヅと同じでかわいい子ね」


「ほんとですね、あの子にお姉さんって言われるんですね、ふふ」


キャティとリズが上を向いて考え込んでいます、きっとイネアにお姉さんって呼ばれた時の事を想像しているのでしょう。


「はぁ~カイズがいなくて正解でした、きっと笑われていましたね」


カイズとゼタとファルは今別行動中で今頃はダンジョンで頑張っている事でしょう。


「ここがその噂の商会の店?キャティ」


「うん、そのはずだよジェヅ」


「すごい大きなお店ですね、それに人が沢山です、ヴェルンの街でもここまではいませんよ」


成人の子たちのパレードが終わり、解散したので僕たちは店に来ました、来たんですけど困りましたね。

キャティとリズと僕は驚いています、中央区にあったことも驚きですけど、行列がすごいんですよ。


「ど、どうしようか、こんなに混んでると迷惑だよね」


「何言ってるのジェヅ!中に入って店員に言えばいいのよ、さぁ行くわよ」


キャティが僕の腕を引っ張ってきました、しょうがないので列の最後尾に並びましたよ。


「はぁ~長いよキャティ」


「それはそうよ最後尾だもん」


「どうにかできませんかね、ぜんぜん進みませんよ」


リズが背伸びをして列の先を見ています、確かに全然進んでいません、何でですかね?


「ジェヅ兄さま!?」


僕は急に名前を呼ばれたので振り向くと、イネアが立っていました、服は成人の儀で着ていた緑色の服です、成人の儀は仕事が決まっている子は仕事着で、まだな子は白い服を着ることになっています。

まぁ平民の子たちは大抵仕事着です、貴族の子が白ですね。


「や、やぁイネア、成人おめでとう」


「ありがとうございます兄様(ほんとにいました)それで兄様、どうしてここに並んでいるんですか?」


どうしてかイネアが質問してきました。


「だってイネアに会うには店に入らないといけないだろ、だから並んで入ろうかと思ってたんだ」


「そうだったのですか、この列はフクブクロっていう商品を買う為に並んでいるんですよ、店に入る為ではないんです」


「「「え!?」」」


僕たち3人は驚きました、特に僕はホントビックリです、この世界に来て福袋って言葉を聞くとは思いませんでしたよ。

確かに今は年を越したばかりですから、日本で言ったら正月なのかもしれませんが、この世界ではそれは存在しません。

ただ年が変わり、みんなが1歳年を取るだけなんです、まあ成人の儀でお祭り騒ぎになりますけど、それだけです。


「お茶だよー」


「「「ありがとうございます」」」


僕たちはイネアに店の3階に案内され今応接室のような部屋にいます、そして獣種のウサギの子がお茶を持ってきてくれました。


「ん~美味しい!」


「ほんとですね、さすがマーコト商会です」


キャティとリズが嬉しそうにお茶とお菓子を食べています、確かに美味しいのですが、これって午〇ティーだよね、紙パックだし。

それにお菓子も向こうの世界で見たことがある袋に入ってます。


「どうもお待たせして申し訳ないワン」


犬の獣種が部屋に入ってきて、すぐに謝罪を言ってきました。


「いえ、僕たちもこんな忙しい時に急に来てしまいすみません」


「イネアの成人式ワン、お兄さんが来るのは分かっていたワンよ、でもどうしても忙しかったワン、謝るのはこっちワン」


随分しっかりした獣種ですね、僕はこの世界に来てそれほど他の種族を見ていませんが、本とかで調べて知っています、獣種にこれほど教育をする者は聞いたことがありません。


それにあの商品を見る限り、僕と同じ人がいますね。


「イネアはホントはお休みだったワン、それなのに仕事をすると聞かなかったワン、これで休みに出来るワン、イネアお兄さんと話すといいワン」


「はい分かりました、ありがとうございますシェーバさん」


イネアにシェーバと呼ばれた犬の獣種と、ウサギの獣種が部屋の外に出て行きました。

部屋に僕たちだけになると凄く静かになりましたよ、誰も話さないです・・・き、気まずいです!なんですかこの空気は。


「それで兄様、お二人を紹介していただけますか?」


「あ、ああそうだね、ごめん」


僕は二人を紹介しました、まだ結婚をしたとは言っていません、だって紹介している最中もイネアの顔が笑顔なのに怖いんですよ。


「そうですか、PTの仲間なんですね」


「そ、そうなんだ、とても頼りになるんだよ」


僕が二人を見ながらそう言うと2人が顔を赤くしていました、とてもかわいいですね・・・でもイネアは。


「そうですか、私が大変な時にお兄様はお二人と仲良くしていたのですね、私は忘れられてしまったんですね、うぅ~」


イネアが手で顔を隠して泣きだしていまいました。


「そ、それは違うよイネア!イネアを忘れた事なんて」


「ふふふ嘘ですよお兄様、お変わりなくて安心しました」


嘘泣きだったのか・・・そういえば勉強を教えていた時、良く使ってたっけなイネアは、懐かしいな。


「良かったです、お兄様が幸せそうで」


キャティとリズを見ながらそう言って来ました、分かっているようですイネアは、それに頷き合っています、それで分かるの3人とも!僕だったら分かりませんよ。


「キャティさんそれにリズさん、お兄様をどうか幸せにしてあげてください」


「ええ任せてイネアちゃん」


「もちろんですよイネアさん、ジェヅの事は任せてください」


3人で握手までしています、だからそれでわかるの?

それから僕たちはダンジョンの話やイネアの仕事の話をしました、そして夕食の時にイネアに聞いてみました。


「イネアここの主には会ったことはあるかい?」


「いえまだありません、女性だというのはシェーバさんに聞いたのですけど」


「そうかぁ・・・じゃあ僕も会えないかな?お礼を言いたかったんだけど」


出来ればイネアがお世話になってるからお礼を言いたかったんだけど、会えそうもないかな。


「シェーバさんたちに聞いてみますね、でも私も前にそう言って会えませんでしたから、期待はしないでください兄様」


「分かったよイネア、じゃあダメだったら、この手紙をその人に渡して貰えるように言ってくれるかな」


手紙にはお礼と転生者であることを遠回しに書いておきました、もし相手が転生者では無かったら、恐らく分からないと思います、だって途中から日本語ですからね。

そしてどこかで会えないかとも書きました、少し危険ですけど、イネアがこれだけ大切にされているんです、悪い人ではないと覚悟して書いてみました。



《そしてその日の夜》


「どうして二人がここにいるのかな」


僕たちはあの店の4階で泊めて貰ったんです、断ったのですが押し切られました。

そして二人が僕の借りた部屋にいたんですよ。


「だって、ねぇリズ」


「そうですよジェヅ、もう誓いは立てたのです、妹さんにも挨拶を済ませました、ですから積極的に行かせていただきます」


リズのキャラが変わっています、キャティの方がモジモジしていますよ。


「分かりました、でも今日は2人も疲れてるでしょ、ほどほどにしましょうね」


「「うん」」


そう言ってみんなでベッドに入ったのですが、その布団が凄くフワフワでした。


「な、なにこれ!ふかふか」


「ほんとです、あの宿よりすごいですね・・・はぁ~気持ちいい」


2人が布団に顔を沈めています、確かにすごくいい布団です、あの宿の布団にも驚きましたけど、これはもっと高級ですね。


「やはり僕以外にも転生者がいるのでしょうか?」


僕がブツブツ独り言を言っていると、二人の寝息が聞こえてきました。


「だから言ったのに、まあ時間はありますからね、これからすればいいんですよキャティ、リズ」


そう言って二人にキスをして布団をかぶせました、僕も寝ましょう同じベッドで。

べ、別に残念とは思っていませんよ、二人とは誓いを立てたのです、いつでも出来るんですよ。
しおりを挟む
感想 853

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

処理中です...