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初めての浣腸
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いつもの、簡易便座のついた容器がベッドの側に置かれ、ベッドの上にはたぷたぷと音と水の入った洗面器と、グリセリンと書かれたボトル、大きな注射器のようなもの、そのほか細い管のようなものや、トイレットペーパーなど、ずらっと並べられている。
篠崎さんがカップでグリセリンをはかり、洗面器の水に加えてかちゃかちゃと混ぜ、注射器を手に、洗面器の水を吸い上げる。
その注射器いっぱいの水が、今からどこに挿れられることになるかはあまり考えたくない。
それに……。
「浣腸って、痛い、んですか……?」
「強制的に便意をおこすものだからね。お腹がぎゅるぎゅるなって痛いだろうけど、ユウくんはすでにお腹が痛いんでしょう? 浣腸しないとお腹はずっと痛いままだよ?」
篠崎さんは注射器を片手に「はい、じゃあいれるよ」と僕のお尻の片側を掴んで割れ目をひらくように引っ張り、ためらいなく注射器の先端を蕾に挿し入れる。
「……っ……」
股の間の注射器は僕の視界からは見えないけれど、ゆっくりと押し出し部分が押されて浣腸液が注入されていくのを微妙にあたたかい温度で感じた。
「すぐ出したらお薬だけ出て意味ないからね。10分は我慢だよ」
篠崎さんがからっぽになった注射器をもちあげて、パシンとお尻をたたく。
「ぅっ……」
浣腸をされたらすぐにお腹が痛くなるのかと思いきや、お腹が圧迫されたからなのか、最初に感じたのは異常なほどの尿意だった。
ベッドの上で仰向けで両足を縛られた格好でためらってる暇などなく「し、しのさきさん、おし、っこ……したいです」と訴える。
篠崎さんは洗面器や空になったカップを片付ける手をとめ、
「いまは、浣腸をしてるところでしょ。おしっこもしばらく我慢しなさい」
と、ぴしゃりと告げる。
「そ、んんな……もうぅ……もももれちゃ、……います……」
「たしかにベッドが濡れるのは困るね」
それが一番の問題、というような口調で篠崎さんは言うと、ベッドの上から細長い管のようなものを手にとった。そうして管の一方の端をベッドのわきにおかれた容器のなかに垂らし、もう一つの端を持ったまま僕のペニスを掴む。
「え、そ、れ……っ」
「管を尿道にいれて、膀胱から直接おしっこだすからね」
「こ、……こわぃっぃぃっいたぃぃっっ」
さけぶ僕を横目に篠崎さんはためらいなくペニスの先端に管を押し当て、するすると挿しいれた。
「そんなに痛くないでしょ。もっと太いと痛いだろうけど」
たしかに痛みは些細なものだったかもしれないが、細長い管がささっていくのを見ている怖さがまさっていた。
「ぅぅっっっ……」
どのくらいの長さのものがさされたのか篠崎さんが手をとめ、すぐに透明な管のなかを薄黄色の液体が流れていき、ぼたぼたぼたと容器の底におしっこが落ちる音がひびく。いつも以上に、その音が羞恥心を煽って、顔が熱くなる。
「こんな感じかな」
さいごにぎゅうっとお腹を押されて、管からおしっこが垂れなくなると、篠崎さんはするするとまたペニスにさした管を抜きとる。痛みと同時に、微妙に、射精に似た感覚が腰から下のあたりを駆け巡る。
「んっ……っ」
腰がわずかに浮いて、ペニスにじんわり熱が集まる。その生理現象を篠崎さんが見逃すはずがなく「ユウくん」と冷たい声がふってきて、どこから取り出したのか黒い鞭をするりと手に、パシィッ!!とペニスに振り下ろした。
「ぃいいっっっっ!!!!!」
そんなに思いきり振りかぶった叩き方じゃなかったのに、頭が真っ白になるような痛みが一瞬で全身をかけめぐる。
「なんで叩かれたかわかるね?」
こくこくと頷く。感じてしまったのは生理現象だけど、そう言い訳もできない。
「ごめ……なさぃ……っ」
鞭で叩かれたペニスは一気に萎えている。
「まあもうそろそろ浣腸が効いてきて、そんな余裕もなくなるとおもうけど。これ、一回綺麗にしてくるね」
簡易便座を持って篠崎さんが檻からいなくなると、たしかに尿意はおさまった下腹のあたりが今度はしくしくと別の痛みを主張し始めていた。
そして前触れなくいきなりぎゅぅぅううっと、太くて硬い縄でお腹を締め付けられるような痛みに襲われる。
「ぅうううっっ…………っ」
縛られたままの両足をさらにお腹に近づけてお腹を抱えるように体を横たえる。
「痛いの?」
篠崎さんが戻ってきたときには、体全体、脳みそまでぎゅうっと絞られるような痛みにじっとしていられず、シーツの上をばたばたと右に左にのたうちまわっていた。
「しのさきさん、おおおトイレ……っいきたいぃっです」
「うーん、いま何分かな」
篠崎さんがのんびりと腕時計を確認する数秒の間も我慢ができないほどお腹が痛い。
「いま五分すぎたところだよ。あと五分だね」
「む、むりです。が、がまんできないぃぃっ」
「ううん、我慢するの」
できない、できない。痛い、苦しい。
あまりの痛みに、息をするのも苦しい。
「うぅうぅううっっ……っ」
永遠にも感じられる五分、篠崎さんに「はい、もういいよ」と言われて、縛られていた縄と鎖につながった手枷と足枷を外してもらえたとき、普通の精神状態であれば簡易便座にまたがるのを躊躇っただろうが、限界まで我慢していた僕はもう一瞬でも躊躇う余裕などなかった。
全部出してもまだ息があがっていて体は頭の上から血の気が引いたように冷え切っているのに汗まみれで、いつものトイレと同じように篠崎さんがお尻をペーパーで拭くのにまかせて立ち尽くしていた。
「待っててね」
一人、檻の中に残されたぼくは、全身が重くベッドに倒れ込むようにして、あがった息をしずかに吐く。
汗と涙でべしょべしょになった顔が冷える。
篠崎さんがカップでグリセリンをはかり、洗面器の水に加えてかちゃかちゃと混ぜ、注射器を手に、洗面器の水を吸い上げる。
その注射器いっぱいの水が、今からどこに挿れられることになるかはあまり考えたくない。
それに……。
「浣腸って、痛い、んですか……?」
「強制的に便意をおこすものだからね。お腹がぎゅるぎゅるなって痛いだろうけど、ユウくんはすでにお腹が痛いんでしょう? 浣腸しないとお腹はずっと痛いままだよ?」
篠崎さんは注射器を片手に「はい、じゃあいれるよ」と僕のお尻の片側を掴んで割れ目をひらくように引っ張り、ためらいなく注射器の先端を蕾に挿し入れる。
「……っ……」
股の間の注射器は僕の視界からは見えないけれど、ゆっくりと押し出し部分が押されて浣腸液が注入されていくのを微妙にあたたかい温度で感じた。
「すぐ出したらお薬だけ出て意味ないからね。10分は我慢だよ」
篠崎さんがからっぽになった注射器をもちあげて、パシンとお尻をたたく。
「ぅっ……」
浣腸をされたらすぐにお腹が痛くなるのかと思いきや、お腹が圧迫されたからなのか、最初に感じたのは異常なほどの尿意だった。
ベッドの上で仰向けで両足を縛られた格好でためらってる暇などなく「し、しのさきさん、おし、っこ……したいです」と訴える。
篠崎さんは洗面器や空になったカップを片付ける手をとめ、
「いまは、浣腸をしてるところでしょ。おしっこもしばらく我慢しなさい」
と、ぴしゃりと告げる。
「そ、んんな……もうぅ……もももれちゃ、……います……」
「たしかにベッドが濡れるのは困るね」
それが一番の問題、というような口調で篠崎さんは言うと、ベッドの上から細長い管のようなものを手にとった。そうして管の一方の端をベッドのわきにおかれた容器のなかに垂らし、もう一つの端を持ったまま僕のペニスを掴む。
「え、そ、れ……っ」
「管を尿道にいれて、膀胱から直接おしっこだすからね」
「こ、……こわぃっぃぃっいたぃぃっっ」
さけぶ僕を横目に篠崎さんはためらいなくペニスの先端に管を押し当て、するすると挿しいれた。
「そんなに痛くないでしょ。もっと太いと痛いだろうけど」
たしかに痛みは些細なものだったかもしれないが、細長い管がささっていくのを見ている怖さがまさっていた。
「ぅぅっっっ……」
どのくらいの長さのものがさされたのか篠崎さんが手をとめ、すぐに透明な管のなかを薄黄色の液体が流れていき、ぼたぼたぼたと容器の底におしっこが落ちる音がひびく。いつも以上に、その音が羞恥心を煽って、顔が熱くなる。
「こんな感じかな」
さいごにぎゅうっとお腹を押されて、管からおしっこが垂れなくなると、篠崎さんはするするとまたペニスにさした管を抜きとる。痛みと同時に、微妙に、射精に似た感覚が腰から下のあたりを駆け巡る。
「んっ……っ」
腰がわずかに浮いて、ペニスにじんわり熱が集まる。その生理現象を篠崎さんが見逃すはずがなく「ユウくん」と冷たい声がふってきて、どこから取り出したのか黒い鞭をするりと手に、パシィッ!!とペニスに振り下ろした。
「ぃいいっっっっ!!!!!」
そんなに思いきり振りかぶった叩き方じゃなかったのに、頭が真っ白になるような痛みが一瞬で全身をかけめぐる。
「なんで叩かれたかわかるね?」
こくこくと頷く。感じてしまったのは生理現象だけど、そう言い訳もできない。
「ごめ……なさぃ……っ」
鞭で叩かれたペニスは一気に萎えている。
「まあもうそろそろ浣腸が効いてきて、そんな余裕もなくなるとおもうけど。これ、一回綺麗にしてくるね」
簡易便座を持って篠崎さんが檻からいなくなると、たしかに尿意はおさまった下腹のあたりが今度はしくしくと別の痛みを主張し始めていた。
そして前触れなくいきなりぎゅぅぅううっと、太くて硬い縄でお腹を締め付けられるような痛みに襲われる。
「ぅうううっっ…………っ」
縛られたままの両足をさらにお腹に近づけてお腹を抱えるように体を横たえる。
「痛いの?」
篠崎さんが戻ってきたときには、体全体、脳みそまでぎゅうっと絞られるような痛みにじっとしていられず、シーツの上をばたばたと右に左にのたうちまわっていた。
「しのさきさん、おおおトイレ……っいきたいぃっです」
「うーん、いま何分かな」
篠崎さんがのんびりと腕時計を確認する数秒の間も我慢ができないほどお腹が痛い。
「いま五分すぎたところだよ。あと五分だね」
「む、むりです。が、がまんできないぃぃっ」
「ううん、我慢するの」
できない、できない。痛い、苦しい。
あまりの痛みに、息をするのも苦しい。
「うぅうぅううっっ……っ」
永遠にも感じられる五分、篠崎さんに「はい、もういいよ」と言われて、縛られていた縄と鎖につながった手枷と足枷を外してもらえたとき、普通の精神状態であれば簡易便座にまたがるのを躊躇っただろうが、限界まで我慢していた僕はもう一瞬でも躊躇う余裕などなかった。
全部出してもまだ息があがっていて体は頭の上から血の気が引いたように冷え切っているのに汗まみれで、いつものトイレと同じように篠崎さんがお尻をペーパーで拭くのにまかせて立ち尽くしていた。
「待っててね」
一人、檻の中に残されたぼくは、全身が重くベッドに倒れ込むようにして、あがった息をしずかに吐く。
汗と涙でべしょべしょになった顔が冷える。
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