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【高校生編】
拠り所
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「じゃあ、秘密の交換しよっか」
回転椅子に座ったまま、くるりと向けられた背中を目の当たりにした私は、大きく息を呑んだ。
そこにあったのは、決して教師にあってはならないもの。見事な和彫りの入れ墨だった。
「……先生?」
「よく見てみな。真ん中にあるの、切り傷だから」
肩甲骨の下あたりから腰にかけて、天女が桜の枝を抱えている艶やかなデザイン。ただ、注意深く見れば桜の枝の部分が不自然に盛り上がっている。
「中学生の頃、親父に殺されかけて出来た傷。けっこうヘビーな環境で育ってさ、ご多分にもれずグレて、ヤクザと付き合ったりして……」
先生は、脱いだTシャツを頭から被りながら続ける。
「まさか更生して養護教諭になるなんて思わないじゃない。男に影響受けて入れちゃったのよね」
「バレたらどうなるんですか?」
「さあ……どうだろ。とりあえずこの学校で知ってるのは片桐さんだけだけだから、バレないんじゃない?」
カラリと言ってのけた先生は、「今度はあなたの番よ」と小さく笑う。
こうまでされて、逃げるわけにはいかない。それに、これは先生が秘密を守ってくれるという、強い意思表示だ。
私は、ゆっくりとボタンを外してカッターシャツを脱いだ。
「……痛みは?」
「いえ、もうまったく」
数日前に殴られてできた痣に、冷たい指先がそっと触れる。
「後ろ向いて。これは?」
「あ、それは今日、クラスメイトにペットボトルを投げられて」
肩甲骨のあたりにはズキズキとした痛みが、まだ残っている。
手早く湿布を張ってくれ、そっとシャツを羽織らせてくれた先生は、白衣のポケットからスマートフォンを取り出した。
「私の番号教えてあげる。片桐さん、スマホは?」
「……持ってません」
私が首を振ると、メモ用紙に番号を書きつけて握らせてくれる。
「怪我した時や、大人の力が必要な時があれば、必ず連絡しなさい」
「え……でも」
「久我にも無理やり登録させてるから、あいつのスマホを借りてもいいしね」
遠慮は無用!と人差し指を立てた先生に、さっきから疑問に思っていたことを聞く。
「透吾とは、親しいんですか?」
何気ない質問だったけど、先生は一瞬キョトンとした顔をして、大きく破顔した。
「ほおー、あの久我がねえ、ふふふ、なかなかやるじゃないの」
「なにか勘違いしてませんか?」
おかしな方向に話が進みそうなので、訂正しようとするけど「いいのいいの」といなされてしまう。
「大丈夫よ、心配しているような関係じゃないから」
「何言ってるんですか、私は別に――」
「あの子、怪我ばっかしてるでしょ。だから見つける度に保健室に引きずり込んで手当してんの」
先生は、デスク脇のミニ冷蔵庫から、ペットボトルを2本取り出して両方を差し出した。
「どっちがいい?」
「えと、じゃあこっちで」
微糖のレモンティーを受け取ると、先生は余った緑茶のキャップを開け、一気に半分ほど飲み干す。
そうして窓の外に視線を投げ、独り言のようにつぶやいた。
「あんたたち見てると、昔の自分を思い出すんだよね」
普通ではない人生を歩んできたであろう大人のその言葉には、偽りのない重みがあり、声をかけることができなかった。
先生はしばらく遠い昔を懐かしむように空を見ていたけど、ハッとしたように私に向き直る。
「ごめん、浸っちゃった」
「いえ」
私が今まで出会った大人とは、明らかに人種が違う。そして彼女の作り出す空気は、穏やかで心地よい。
紅茶に口をつけると、ほのかな甘味が喉を通り抜け、私の緊張を解いてくれた。
「片桐さんと久我は、似てるわね」
「え、どこがですか?」
「そうね、理不尽に耐えて、心の中の怒りを飼いならしている所……かな」
怒りを飼いならしている―――。
その言葉はあまりにもしっくりきて、驚いてしまう。
「私は飼いならせずにグレちゃったけど、あんたたちは、自暴自棄になって相手に手を上げたりしないもんね。それって、誰でもできることじゃないのよ」
尊敬するわ、と付け加える先生の笑顔はなんだか悲しそうだった。
「いえ、私は口で攻撃するタイプだし、透吾は喧嘩ばかりしてるイメージですけど……」
チンピラ相手に大立ち回りを繰り広げただとか、他校の不良を再起不能になるまで叩きのめしただとか。暴力の噂にはことかかない。
「噂よ。あの子の怪我を見れば、手を出さずに防御に徹しているのは一目瞭然。決して喧嘩が弱いはずはないと思うんだけどね」
確かに、ここ数日一緒に過ごしただけでも、透吾が誰かを傷つけるなんて想像もつかない。
馬鹿力を自覚して、私に触れることさえ躊躇するんだから。
回転椅子に座ったまま、くるりと向けられた背中を目の当たりにした私は、大きく息を呑んだ。
そこにあったのは、決して教師にあってはならないもの。見事な和彫りの入れ墨だった。
「……先生?」
「よく見てみな。真ん中にあるの、切り傷だから」
肩甲骨の下あたりから腰にかけて、天女が桜の枝を抱えている艶やかなデザイン。ただ、注意深く見れば桜の枝の部分が不自然に盛り上がっている。
「中学生の頃、親父に殺されかけて出来た傷。けっこうヘビーな環境で育ってさ、ご多分にもれずグレて、ヤクザと付き合ったりして……」
先生は、脱いだTシャツを頭から被りながら続ける。
「まさか更生して養護教諭になるなんて思わないじゃない。男に影響受けて入れちゃったのよね」
「バレたらどうなるんですか?」
「さあ……どうだろ。とりあえずこの学校で知ってるのは片桐さんだけだけだから、バレないんじゃない?」
カラリと言ってのけた先生は、「今度はあなたの番よ」と小さく笑う。
こうまでされて、逃げるわけにはいかない。それに、これは先生が秘密を守ってくれるという、強い意思表示だ。
私は、ゆっくりとボタンを外してカッターシャツを脱いだ。
「……痛みは?」
「いえ、もうまったく」
数日前に殴られてできた痣に、冷たい指先がそっと触れる。
「後ろ向いて。これは?」
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肩甲骨のあたりにはズキズキとした痛みが、まだ残っている。
手早く湿布を張ってくれ、そっとシャツを羽織らせてくれた先生は、白衣のポケットからスマートフォンを取り出した。
「私の番号教えてあげる。片桐さん、スマホは?」
「……持ってません」
私が首を振ると、メモ用紙に番号を書きつけて握らせてくれる。
「怪我した時や、大人の力が必要な時があれば、必ず連絡しなさい」
「え……でも」
「久我にも無理やり登録させてるから、あいつのスマホを借りてもいいしね」
遠慮は無用!と人差し指を立てた先生に、さっきから疑問に思っていたことを聞く。
「透吾とは、親しいんですか?」
何気ない質問だったけど、先生は一瞬キョトンとした顔をして、大きく破顔した。
「ほおー、あの久我がねえ、ふふふ、なかなかやるじゃないの」
「なにか勘違いしてませんか?」
おかしな方向に話が進みそうなので、訂正しようとするけど「いいのいいの」といなされてしまう。
「大丈夫よ、心配しているような関係じゃないから」
「何言ってるんですか、私は別に――」
「あの子、怪我ばっかしてるでしょ。だから見つける度に保健室に引きずり込んで手当してんの」
先生は、デスク脇のミニ冷蔵庫から、ペットボトルを2本取り出して両方を差し出した。
「どっちがいい?」
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