はらすめんと

ザボン

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謝罪5

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俺も近くで見ていて、無意識にスラックスの上から勃起した自分のペニスに手をあてがっていた。
俺は三ツ島課長と目があって「ハッ」と股間の手を引っ込めた。
すると三ツ島課長の口から信じられない言葉が溢れ出した。
「田子、お前も蘭舞の反省に付き合ってやれ」
俺は全く考えていなかった。
自分に火の粉が降りかかるなんて、、
「いや、でも、俺チームが違うし」
とシドロモドロで言い訳をしたが、
「ほら、お前のペニスも大きくなってるんだろ、ん?」と股間をさわられた。
「あ、えっ」
と慌てていると、蘭舞も
「あっ、んんー、た、た、田子、田子主任、お願いします」
とよだれを垂らしながら俺を見つめている。
既に蘭舞は正気の沙汰ではない。
(何で関係ない俺が会社中に恥態を曝さなきゃならないんだ)
俺は周りを見渡した。
しかし、会議室の部課長と主任達の目を見たとき、俺は既にやらざる終えない状況なのだと理解した。
ここでやらなければ(同僚に恥態を曝させ自分はしなかった奴)とレッテルが貼られる。
他部所の人たちの認識は、どっちのチームの失態だ、などと言う細かいことまでは理解されず、今回は“営業3課の失態”なのだ。俺は3課の主任として覚悟を決めなければならない。でも・・・
会議室では誰もが俺に注目している。蘭舞と宮前以外は。
三ツ島課長も一宮課長もなにも言わず、俺の返事をまっている。
会議室には宮前の股間と蘭舞の尻がパンパンとぶつかり合う音と蘭舞のあえぎ声だけが響いている。
脱ぐか、脱がずに昇進が期待できなくなるこの会社を辞めて転職するか。
(・・・将太)
俺の頭のなかには笑顔の息子の将太と、妻の顔が浮かんだ。
そして俺は決心した。
(田子家の大黒柱として、こんなことで会社を辞めるわけには行かない。二人を路頭に迷わせてはいけない)
溢れる涙を隠すことなく目を見開いて三ツ島課長を睨んだ。
そして俺は睨んだまま自らベルトを外し始めた。

「おいちょっと待て、お前は上からだ」
と三ツ島課長が言った。
少し手を止めて考えて、意味を理解した。
宮前は先週の報告会議で全裸になり、体の隅々まで曝したが、俺は今日が初めてだ。
ベルトを外すのは途中で止め、諦めているネクタイをノロノロと外し始めた。
(今ここで大震災が起こり全員避難とならないか)
ゼロではない可能性を祈りながら時間をかけてネクタイを外した。
当然、ネクタイを外し終わっても震災などは起こるはずもなく、ワイシャツを脱ぎ、アンダーシャツを脱ぐと「おぉー」と感嘆の声が聞こえた。

俺は胸毛をはじめとして、体中ボーボーだ。
この時期暑くなると、ほとんどの人がノーネクタイで出勤しているが、俺は襟元から覗く胸毛を隠すためにキッチリとネクタイをしていた。
当然ワイシャツも長袖で腕まくりもしない。
髭はそこまで濃くなく毎朝(時には夕方にも)入念に剃っているし、ワイシャツから覗く手首の部分はたまに抜いているので、俺のコンプレックスである“毛深さ”を知っているものは、この会社ではいなかった。しかしこんな“とばっちり”で全社に曝け出すとは思わなかった。恥ずかしい。
「これは見ごたえがあるな、お前はスーツの下にこんな男らしい体を隠していたのか!」
と俺の体をはじめて見た三ツ島課長が言った。
今まで宮前と蘭舞の行為を注目していた奴らも一斉に俺に注目した。

「どれどれ、両手を首の後ろに組んでじっくりと見せなさい」
少し興奮ぎみの三ツ島課長に言われ、指示にしたがった。
当然、ワキ毛もボーボーだ。
「田子君、君の体毛は家系なのか?」と、こちらも興奮ぎみに一宮課長が聞いた。
「わ、私の祖父はイタリア人で、全身毛で覆われています。その血をひいていています」
と俺は正直に答えた。
「なるほど、顔も彫りが深くて美形だもんな、クオーターか」
と納得したようだ。
「すごい、背中にも生えてる」
ボソッと言ったのは由美さんだ。
「やっぱり女性は毛深いと敬遠しがちかな?」
と一宮課長が聞くと
「いえ、田子主任はワイルドでステキです」
と慌ててフォローした。
「それに毛の下の筋肉もすごいし」
と続けた。
「そうだな、まず毛に目が行ってしまうが、なかなか体も鍛えられていて逞しいな。じゃあいよいよ下半身も見せてもらおうか」
と目をギラつかせ、三ツ島課長が言った。

俺は途中まで外しかけていたベルトを抜き去って、スラックスのホックを外し、ジッパーを下にずらした。
そして、目を閉じてスラックスを下げだ。
恥ずかしいのと悔しいのとで、
途中ではどうしても涙がでて、肩が震えてしまった。
「田子主任、頑張ってください」
と小さな声で由美さんが言った。
宮前、蘭舞の行為も気になるが俺も気になる。全員そんな感じで二つのイベントを交互に観察しているが、俺の体に新たな発見が続くことで、注目度の割合は高くなっている。
下着はグレーのボクサーだ。
今はボクサーの中でペニスも縮こまっている。
俺は自分のボクサー姿の股間の部分を見おろして、慌てて股間部分を手で隠した。
「足もすごいな。毛も筋肉も」
と一宮課長が呟いた。
スラックスを下げ、完全に脱ぎ捨てると
「ほら、田子君。手をどけて。その下にできたシミもちゃんと見せなさい」
と三ツ島課長が言った。

気づかれていた。
俺は諦めて、先程と同じように首の後ろで両手を組んだ。
「本当だ!三ツ島課長の注意力はさすがですね」
と一宮課長が俺のボクサーの股間部分に出来ていたシミを見つけて暴露した三ツ島課長を賞賛した。
「イヤイヤ」と三ツ島課長は謙遜してから
「ところで田子主任、そのシミは蘭舞君もしくは宮前君の裸を見て出来たと理解して良いかな?」
と聞かれた。
“ションベンのシミです”と言うにはあまりにも不自然だ。ずっと会議に出席していてトイレに行ってない事はみんな知っている。
「は、はい」俺は小さな声で正直に答えざる終えなかった。
「つまり、男の裸を見て興奮し、パンツの下でペニスを勃起させ、更に先っぽからシミをつけるだけの量の液体を出した。と言うことで間違えないか?」と続けて聞かれた。
俺は真っ赤になりながら小さく頷いた。
「こら、田子。返事はちゃんと皆に聞こえるように大きな声でしなさい」
と注意され今回も「はい」と答えざる終えなかった。
「田子君は奥さんも子供もいる。だが、男の体にも興奮する。と言うことだな?」
と聞かれたので、少しやけになり「そうです」と答えた。
「どっちだ?」
と聞かれ、おらは意味がわからなかった。
「蘭舞君と宮前君の体、どっちに興奮した?」
俺は答えられなかった。
しかし執拗に聞かれ仕方なく「蘭舞君が宮前主任に犯されている姿に興奮しました」
と具体的に答えた。
全員、三ツ島課長と俺のやり取りに興味を持ち、次の質問に期待している。
「どっちだ?」
また同じ質問だ。
意味がわからずにいると
「蘭舞君を犯す宮前君に興奮したのか、犯される蘭舞君に興奮したのか?」
俺は考えていると、ピクピクとペニスの形状が変わってきた。
「なんだ、もうひとつシミをつける気か!」
と一宮課長が言い、そして
「替えのパンツも持ってないだろうから、その質問の続きはパンツを脱いでもらってからにしませんか?これ以上シミをつけさせるのは可哀相だ」
と提案した。
俺は
(いよいよだ。ここまでも恥ずかしくて心が折れそうだったが、いよいよペニスを曝す事になる。覚悟を決めるしかない)
三ツ島課長は
「一宮課長、的確なアドバイスありがとう。そうだな、そろそろパンツにシミをつけた部位について、確認させてもらおう」
と言って、無言で俺の次の行動を待つ体制となった。
とっくにペニスはもとの縮こまった状態に戻っていた。
俺は目をつぶり、つぶった隙間から止めどなく涙を溢れさせながら、ボクサーを膝まで一気に下ろした。
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