4 / 20
Daruma
2
しおりを挟む
その二日後、その二人の死体が見つかった。
山中の物置小屋の影で、乱暴され首を絞められて殺された遺体が発見されたようだ。
そんなことは全然知らずに俺は寝ていると警察が来て任意同行を求められた。
警察の話によると、光一の別荘と車から被害者の血痕が出たとのことだった。
そんなことは、あり得ない。
夜中の3時頃までは隣同士の部屋でお互いの相手と楽しく激しく愛し合っていたし、その気配も感じていた。
そして、朝の八時過ぎに光一が俺の寝ている部屋に入ってきて「彼女たち帰っちゃったみたいだ」と俺を起こしたのだ。
(こんな誤認逮捕、すぐに間違えだと判明するさ)
俺は楽観的に考えていたが、警察が証拠を探し出す度に俺たちが犯人と断定されていった。
決定的だったのは明け方4時30分に光一の車で4人が犯行現場の近くのコンビニのカメラに映っていたことと、二人の体内から俺らの精液が検出されたことだ。
体内から検出された精液については、合意の上でセックスをして、確実にコンドームを使っていた。
それを主張したが「自宅から採取したお前の髪の毛とDNAが一致した」と告げられた。
そして、そのコンビニカメラに映っている映像は前日の夕方だと何度も説明したが、映像の下にテロップされている日付は推定犯行日時の1時間前だった。
更に殺された二人は17才と16才の未成年姉妹だった。
俺たちは「まじめでおしとやかな姉妹を襲った極悪大学生コンビ」として、週刊紙やワイドショーが騒ぎたてたらしい。
俺は拘置所にいたので弁護士から聞いた話だった。
その後、俺より先に起訴されていた中田光一に死刑判決が出た。と弁護士から伝えられた。
その弁護士は「私は多胡さんの無実を信じてますが、これだけ証拠が出てきてしまうと覆すのは困難だ。死刑を避けるため罪を認めて反省している事を強調した方が得策だ」と言われた。そして罪を認めた結果、「死刑」と下されたのだ。
俺は無実だ。しかし証拠があまりにも多すぎた!「もしかしたら本当に俺がやったのか」と考えてしまうほど追い詰められていた。
弁護士からは「再審請求されますか」と、聞かれた。
そして、「このまま刑を確定させて、模範囚となって減刑を狙うのも1つのやり方ですよ」と言われた。この弁護士は父さんが「若いがやり手なんだ」と探してきた。
その弁護士はけっこう有名人で「若くてイケメンの敏腕弁護士」としては週刊誌に載っていたのを見たことがあった。確か年齢も30才そこそこのはずだ。名前は最初に聞いた気がするが思い出せない。しかし負けと決まった裁判からは「自分の経歴の汚点だ」と言わんばかりに早く手を引きたがってる。
山中の物置小屋の影で、乱暴され首を絞められて殺された遺体が発見されたようだ。
そんなことは全然知らずに俺は寝ていると警察が来て任意同行を求められた。
警察の話によると、光一の別荘と車から被害者の血痕が出たとのことだった。
そんなことは、あり得ない。
夜中の3時頃までは隣同士の部屋でお互いの相手と楽しく激しく愛し合っていたし、その気配も感じていた。
そして、朝の八時過ぎに光一が俺の寝ている部屋に入ってきて「彼女たち帰っちゃったみたいだ」と俺を起こしたのだ。
(こんな誤認逮捕、すぐに間違えだと判明するさ)
俺は楽観的に考えていたが、警察が証拠を探し出す度に俺たちが犯人と断定されていった。
決定的だったのは明け方4時30分に光一の車で4人が犯行現場の近くのコンビニのカメラに映っていたことと、二人の体内から俺らの精液が検出されたことだ。
体内から検出された精液については、合意の上でセックスをして、確実にコンドームを使っていた。
それを主張したが「自宅から採取したお前の髪の毛とDNAが一致した」と告げられた。
そして、そのコンビニカメラに映っている映像は前日の夕方だと何度も説明したが、映像の下にテロップされている日付は推定犯行日時の1時間前だった。
更に殺された二人は17才と16才の未成年姉妹だった。
俺たちは「まじめでおしとやかな姉妹を襲った極悪大学生コンビ」として、週刊紙やワイドショーが騒ぎたてたらしい。
俺は拘置所にいたので弁護士から聞いた話だった。
その後、俺より先に起訴されていた中田光一に死刑判決が出た。と弁護士から伝えられた。
その弁護士は「私は多胡さんの無実を信じてますが、これだけ証拠が出てきてしまうと覆すのは困難だ。死刑を避けるため罪を認めて反省している事を強調した方が得策だ」と言われた。そして罪を認めた結果、「死刑」と下されたのだ。
俺は無実だ。しかし証拠があまりにも多すぎた!「もしかしたら本当に俺がやったのか」と考えてしまうほど追い詰められていた。
弁護士からは「再審請求されますか」と、聞かれた。
そして、「このまま刑を確定させて、模範囚となって減刑を狙うのも1つのやり方ですよ」と言われた。この弁護士は父さんが「若いがやり手なんだ」と探してきた。
その弁護士はけっこう有名人で「若くてイケメンの敏腕弁護士」としては週刊誌に載っていたのを見たことがあった。確か年齢も30才そこそこのはずだ。名前は最初に聞いた気がするが思い出せない。しかし負けと決まった裁判からは「自分の経歴の汚点だ」と言わんばかりに早く手を引きたがってる。
10
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる