俺達 美術部!

ザボン

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「伸一は部活決めたのか?」

同じクラスになった親友の光彦から聞かれた。

「ったくダリーよな、高等部は部活強制だなんて」

俺たちが通っている目白台学園は中学から大学まである男子校だ。全国的に男子大は珍しい!そしてK-POPの男子グループに対抗するため芸能専攻コースもあり「カッコいい生徒が多い」と言うことでちょっとした有名校だ。
俺は芸能専攻コースではないが。
高等部に進級すると部活は強制で必ずはいらされる。中等部では強制ではなかったので入ってなかった。
「光彦はそのまま陸上部だよな?」
と聞くと、頷きながら
「伸一は?」
と聞き返された。
「なるべく活動がない部活を選ぶつもりだ」
そう答えて、今日のホームルームで配られた部活の勧誘冊子をペラペラめくってみた。
「あ、この美術部ってやつが良いかな、去年の文化祭でも教室に作品飾ってただけだし、楽そうで」
選んだ条件としては、

まず第一条件が文化部であること。
決してスポーツが嫌いな訳ではない。
小学1年から近所のバスケチームに所属していて、レギュラーだ。ほぼ毎日練習場の市営体育館に通っている。そこで練習もするが小学生に指導もしている!
学校にもバスケ部があるが先輩後輩がめんどくさいので、絶対に入りたくない。

第二条件としては、個人でできること。
文化部でも演劇や吹奏楽などみんなで練習があるのはイヤだ。そもそもバスケの練習に行くのが楽しいので、部活に時間を取られたくない。特に文化祭の前には各部やけに張り切って準備をしていると聞いている。

その点、去年の文化祭でも美術部は作品展示のみで、大作の展示品もあったが「なんだこれ?10分で描いたのか?」という作品もあり、ラクそうである。
そして、そこで受付をしている人たち(今年は進級して先輩になっているハズ)も、さすがに美術部だ、言い方は悪いが大人しそうな人ばかりで関係に悩まされそうな人種ではなさそうだ!

俺は「決めた」と言って申込用紙に記入を始めた。
「光彦も一緒に入らないか?」と誘ってみた。
スポーツ系の部活と文化系の部は併属可能となっている。
「そうだな、別にどっちでもいい」
光彦も去年の文化祭では一緒に回っていたので、美術部が楽そうだと知っている。
「じゃあ、ほら」と言って申込用紙を渡すと、光彦もクラスと出席番号、名前を記入した。
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