俺達 美術部！

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今日の六時間目は文化部の説明会だ。
普段は放課後に活動するようだが、最初の説明会は授業の時間にあった。
昨日は運動部の説明会だったので1時間早く帰れてラッキーだった。
「ちぇ、俺2日間とも説明会あるよ」と光彦は美術部に誘った俺に愚痴を言った。
俺は「ハハハ」と笑って一緒に美術室に向かった。

そこにいた３年の部長と先輩たちは「ようこそ美術部へ」とニコニコしながら迎えてくれた。
なんと、部長は幼馴染みで子供の頃よく遊んだ友達のお兄ちゃんだった。
「おう、伸ちゃん。久しぶりだな」
と言われて思い出した。その友達とは中学が違ったため疎遠になり、お兄ちゃんとも数年ぶりだ！しばらく思出話に花を咲かせた。
１年は俺と光彦を入れて6人だった。
顧問は30歳前だろうか、けっこう若くて、見た目で「芸術関係のお仕事されてるのですか？」と聞かれそうな男だ。教師ではなく外部に頼んで指導に来てもらってると説明をうけた。
「では、1年間の活動について説明します」
メンバーと新入部員の自己紹介が終わり、部長が話し出した。
「まず、春の文化祭にむけて出展作品に取りかかってもらいます。もう期間があまりありません。1年生は絵画を描いてください」
確か文化祭は5月だ。毎年最後の金土で行われる。
金曜日は一般見学はなく、学校の生徒と中等部の生徒のみで開催だ。そして土曜日は地域の人にも来てもらって開催される。去年はじめて土曜の一般公開の方も見学したが、結構多くの人が訪れていた。
「部長、１年は絵画しかダメなのですか？去年の文化祭はいろいろな作品が出展されてましたけど」
１年の田上が質問をした。
「これから説明しますが、文化祭が終わると、次は11月に全国高校生美術コンクールがあります。それにむけて作品を作ってもらいます。それはエントリー部門があるので自分で選んでもらいます」
俺と光彦以外の１年は少しざわついた。
「文化祭よりそちらのコンクールに力をいれる人が多いです。今から文化祭作品とコンクール作品の両方に取りかかっても構いません」
すると俺たち二人以外から「コンクールの部門はなにがあるのですか？」とか、「絵画の技法は指定ありますか？」など活発な質問がでて、俺と光彦は顔を見合わせた。
「コンクールの事は今度説明します。まずは文化祭の準備が先です」と部長が言った。
「二年、三年は昨年のコンクール作品を出展するので、１年は絵画を完成させること。また今年は初の試みですがデッサン教室をします。受講希望者は人数制限しますが、見学は自由にしてもらいます。なので事前準備班と当日担当班を決めます」
と説明があった。
俺と光彦は少し目で合図して当日担当班となった。事前準備はどれだけ時間を取られるか予想ができないが、当日担当なら最大でも２日間だけだ！

そして班に別れて担当決めが始まった。
デッサン教室での指導は２年、３年の先輩が担当する。１年はデッサンモデルと会場の受付、整理だ。
「 モデルは光彦くんと伸一くん、1日づつやってもらえるか？」
担当決めを見ていた顧問から頼まれた。
モデルならデッサンの最中だけでいいから時間的拘束が少ない。
俺は頷いたが、光彦は
「土曜は陸上部の公開レースに出場するので、金曜の担当でもよいですか？」
と聞いて、顧問からOKをもらっていた。
俺も金曜担当になって土曜はバスケの練習に行きたかったが仕方がない。(金曜は授業の一貫なので文化祭には全員が強制参加だ)
俺は渋々OKをした。
「デッサン教室は午後2時からだから、その前にモデルのポーズなど説明するので当日の午後１時に美術準備室に来るように」と顧問から言われた。
そして、その日の説明会は終了となった。