若者たち

ザボン

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第一章◆◆◆伸一

第八話

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驚いて振り返ると、須藤先輩が立っていた。
須藤先輩が話に入ってきて伸一は訳がわからなくなった。
「どう言うことか、説明してください」
泣きじゃくりながら僕はなんとか声に出した。
「暖人はお前が好きだったんだよな、でもお前はノンケだから叶わぬ恋だと思って、それならお前の悶える姿が見たいと言い出したので、一緒に作戦考えたんだ」と悪気もなく言い出した。
すると暖人先輩も白状しだした。
「第2段の撮影に参加すれば、お前のケツに挿入できる約束だったんだけど、途中でお前が気絶しちまっただろ。そこで約束もおじゃんだよ」
まるで気絶した僕が悪いような言い方だった。
更に「俺、ゲイで体毛フェチなんだ」といきなりカミングアウトした。
「バスケ用の短パンから露出している、伸一の太ももの毛を見ると、あの毛はお前の陰毛まで繋がってるんだろうか、など想像すると興奮してきてムラムラしてた」
と、変態過ぎることを言った。すると須藤先輩がもっと僕をどん底に突き落とすことを言ってきた。
「伸一のエロい姿、この部屋に2年が集まって、この50型の大画面テレビで見させてもらったよ。大画面過ぎて画像が荒くなっちゃうから、第2弾は、機材を4kにしてもらったんだ」と須藤先輩は平然と言った。
「本当にケツの穴のシワの数が数えられるか、皆で一時停止して数えっこしたら、ちゃんと数えられたぞ。伸一、お前自分で知ってるか?お前のケツの穴のシワの数は13本だ、全員一致だったから間違えない。就活のとき履歴書に書いたほうがいいぞ、証拠写真つけて」と言ってゲラゲラ笑った。暖人先輩も笑うのを我慢しきれず口元が歪んでいる。
すると大きな笑い声を聞き付けて他の部屋の先輩も4、5人集まってきた。「おお、伸一じゃん、と言うことは、映像見た件、本人にばらしたのか?」「それなら良かった、今まで見たこと内緒だといわれてたから、伸一になにも聞けなかったからな。あのケツの穴のローソクは本当に熱かったのか?」「最初の動画では、自ら男優のペニスしゃぶってたけど、やっぱお前もゲイなのか?」「須藤の編集の仕方もうまいよな、伸一の毛むくじゃらギャップのやらしさを引き立てて。伸一、お前もそう思うよな!」
「男物なんて普段見ないけど、かわいい後輩が出てるから何度も見たよ、再生回数あげてやろうと思って」
「そうそう、俺なんか再生回数に協力してくれーって、高校時代のグループLINEにURLとパスワード一斉配信したよ」
先輩たちは、言いたい放題だった。
動画を知り合いに見られたくないと言う以前に、あの場にいたのも、動画を編集したのも、よく知ってる先輩たちだったなんて。
とてもその場には居られなく、この場から立ち去りたい。消えてなくなってしまいたい。と、泣きながら部屋から飛び出したとき、丁度入ってきた人とぶつかって、顔を見て唖然とした。あの男優だった。
「伸一に改めて紹介しておこう、去年までこの寮にいた本郷先輩だ。ゲイと言うことはカミングアウトされてたから今回のこと相談したらノリノリで協力してくれたよ」
伸一は、理解に及ぶ限度をこえ、「もぉどうにでもなれっ」と叫び、顔を伏せその場でうずくまってしまった。
「そうか、なら4kより鮮明で大迫力の実演といこうじゃないか!」と、男優➡本郷が叫ぶと、うずくまってる僕を須藤先輩が無理やり立たせた。絶妙なタイミングで本郷か僕のズボンとパンツをおろして下半身をむき出しにした。
「またケツの穴攻めるんだろ、綺麗にしておかなきゃ」といい、庭に担いで行かれ二人に抱えられケツの穴にホースで水を注入された。
下半身むき出しで、肛門丸見え状態で抱きかかえられ、寮の庭に連れ出されたが、もう恥ずかしさなんて全く感じなかった。
なにも知らない1年たちは、「先輩たちなにやってんだ?あれ、伸一じゃん。面白そうだから行ってみよう」と集まってきた。また、寮の庭でワイワイやっている姿を、前の道を通りかかった数人の男子校生たちが、ヒソヒソと話ながら興味津々に覗いている。
庭に面したアパートの窓からも、たぶん目白台大学の学生だと思うが、3人くらい見ていた。
「さあ、どこまで飛ぶかな、そちら側の人たち、気をつけて」須藤先輩が大声で叫んだあと、「3秒前、2秒前、1、発射」の掛け声と共にケツの穴からホースが抜かれ上45度に茶色がかった大量の水が噴射され、そのあと茶色い半固形の物体がだらだらと垂れ落ちた。
そこにいた殆んどのやつらはキャッキャ言いながらスマホで動画撮影していたのだが、流石に半固形物の場面ではシーンとなり、その匂いに顔をしかめていた。
噴射口である僕の肛門の回りの毛にはべっとりウンコがついており、須藤先輩がウォシュレットのごとくホースの水で洗い流し、「それでは第二回の発射準備に取りかかります」と、また僕の肛門にホースを突き刺し水の注入が始まった。
僕は抵抗する気もうせ、されるがままにしていた。
先輩たちも1年も、誰一人「やめろよ」というやつは現れず、全員目をギラつかせ、これからの展開を興奮ぎみに待ち望んでいた。
涙もなにもでなかった。
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