若者たち

ザボン

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第二章◆◆◆暖人

第十三話

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撮影会 1日目

撮影日の今日、集合場所には俺と本郷先輩、須藤、斉藤が集まった。
斉藤は俺に「おはようございます、よろしくお願いします」と後輩らしく元気に挨拶したが、ニタニタしたいのを無理に平然を装ってるのがひしひしと伝わってきた。
須藤が「これで全員揃ったな、では行きましょう」
というと、「ちょっと待ってくれ、もう一人くる」と本郷先輩が制した。
俺は動揺した、、誰だ。

「あ、きたきた、おーい、こっちだ」
本郷先輩が叫ぶ方向を見た瞬間、俺の思考は停止した。いや、俺の思考回路がオーバーヒートした。そこに立っていたのは、

伸一だった。

「ええっ」
これには、須藤も斉藤も驚きを隠せなかった。
「どうして」と、須藤が呟いた。
「あの日、放心状態になった彼を一人で寮の部屋に居させられないと思ったから、秋川顧問と相談して俺の家に連れて帰ったんだ。大学には実家に帰ったことにして」
本郷先輩は続けた。
「そして彼には射精マシンの開発に協力を続けてもらってんだ」

その後の本郷先輩の話を要約すると
伸一は来ることを拒んだらしいが、「プロビ作成に協力しないなら、マシン開発への協力も打ちきりだ」といったら、「何でもする」ということになり、来ることになったらしい。

伸一は本郷先輩には従順にしたがったが、俺と須藤には憎しみの目を向けた。

斉藤が、「久しぶりだな、元気になって良かったな」と話すと、一言「うん」とだけ答えた。

プロビ撮影は二泊三日で貸別荘で行われることになっていた。
移動の車中では須藤と斉藤が、俺の卑猥な撮影ポーズとアングルについて話にはなを咲かせており、本郷先輩がたまにそれに加わる感じになっていた。

海岸に程近いその別荘は2LDKで、庭にはみどりの木々が生い茂っていた。
「さて、では各部屋にカメラを設置しよう」
今回準備したカメラは15台たった。

LDKには天井の四隅に、2つの部屋には対角になるように天井へ2個、風呂、脱衣場、トイレに1個づつ、庭に屋外タイプを1個、あとは本郷先輩、須藤、斉藤の手持ちと三脚用で、高倍率タイプだった。
固定カメラは最高画質で常時録音録画されている
「今回も君らの部屋の大画面でも見劣りしないよう、4Kカメラにしたからな、高価なカメラだから気を付けて使えよ」と本郷さん。
斉藤は「トイレや風呂場にまで着けたら須藤先輩に僕の裸までみられちゃうよ」とブツブツ言っている。
須藤は、「これで、どこでイっても大丈夫だな」と俺に言ってきた。
伸一は本郷さんの指示にしたがって、手伝っている。

照明のセッティングなど、一通りの準備がすむと、「じゃあ撮影を始めようか」と須藤が言った。
僕は貸別荘で二泊三日としか聞いておらず、内容は本郷先輩と須藤が決めていた。俺は何を言われるかドキドキしていた。
伸一も撮影内容に興味津々だった。

「暖人、犬になれ」

3分後、俺はまっ裸で首輪をつけ、よつん這いになっていた。手首と足首は左右それぞれ短めのベルトで結ばれ、中腰でしか立つことは出来なかった。

本郷先輩は
「この別荘は24時間録画されてる。どこでよい映像が撮れてるかわからないから、お前はこの2泊3日は、ずっと犬として過ごせ」
と言った。
これは、必ずよつん這いで歩くし、言葉もしゃべらない。ワンとかキャイーンとかだけ。飯も俺らの足元に這いつくばって食え。ということだった。

後輩の前で屈辱的なことだった。

本郷先輩と須藤が、ケツの穴に紐状のおもちゃを突っ込み、しっぽをつけさせるか協議していた。斉藤も「それじゃーせっかくのやらしい肛門が見えにくくやるじゃん」と盛んに意見を言っていた。
結局斉藤の意見が通り、尾てい骨に小さな丸い毛糸玉を両面テープで貼り付けられ、それを(しっぽ)とした。

暖人の名前も(ポン太)に改名された。
これも斉藤が名付けた。

「ほら、ポン太、お手」と斉藤にされ、ふてくされながら手を乗せた。

バシッ、ガーン

いきなり本郷先輩が俺を蹴り倒し、俺はしこたま頭をテーブルの足にぶつけた。

「イテーッ」と言いながら本郷先輩の方を見ると、怒りながら「なんだいぬの分際でその態度は、真面目にやれ」と罵倒された。
怖がる俺を、「いいか、お前は犬だ、お手といわれたら舌を出して喜んでやれ。また犬っぽくなければ容赦なく蹴飛ばすぞ」

涙目になって叱られていた俺を見ながら、「はははーっ、ポン太はビビってペニスが縮こまってるよ」と、やり取りを一部始終撮影していた須藤が言った。

それからは、俺は飼主様にしかられないよう、全員の顔色を見ながら犬を演じることにした。
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