25 / 136
第三章◆◆◆夏輝
第二十五話
しおりを挟む
「やっぱりそうか」
俺はつぶやいた。
映像には映ってないが、(喫茶コロンです)と、録音されている。
編集時に、この場面の状況は本郷さんに聞いていたので、SM撮影の現場にコーヒーを出前したバイトだとようやくわかった。
すると夏輝が風呂から戻ってきた。
俺は「おまえ、伸一の撮影現場にコーヒー運んだバイトだな?」と聞いた。
「あれ、須藤先輩もご存知なんですか?」
と、夏輝も驚いていた。
「なんで、そこにいたのが伸一だってわかったんだ?」と聞いてみると、ケラケラ笑いながら、説明を始めた。
「僕が倉庫に出前に行ったら、男の人が裸で縛られてて、めったに見られないと思ったんで、お釣り忘れたふりして、一緒にバイトしてる淳、あっ淳は高校の友達なんですけど、淳にも見せてあげたくて、状況をLINEしたんです」
俺が黙って聞いていると、話を続けた。
「淳と、あいつが誰か突き止めないか?って話になって、倉庫から出てくるのを見張って、ああ、コロンの窓から倉庫の入り口が見えるので、、後つけてこの寮にたどり着いたんです」
その後のことを要約すると、翌日学校で話をしたら、その寮ならピザの宅配バイトでよく行くってやつがいて、そいつに頼んで玄関に貼ってある部屋割り表を写真撮って送ってもらい、あとは大学で探し出したようだ。
寮生の人数なんて限られてるから、できないことはない。
「お前の狙いはなんなんだ?」俺は聞いてみた。
「いや、こういう趣向を持つ人って、どんな人なんだろうという単なる好奇心です。そしたら、寮の庭でもギャラリーの前で平然とあんなことしてたんで、すごい人なんだなって」
そういうと、少し聞きにくそうに「須藤先輩が庭であのイベントを仕切ってましたが、やっぱり同じ趣向なんですか?」
少し間があり
「じゃあ、そろそろ寝ますんで」そう言いベッドに入っていった。
あのとき、伸一はされるがままで抵抗もしてなかったから、本人がパフォーマンスとして、おこなっていたと勘違いしてるんだ。
そして、夏輝は単なる好奇心で、と言ってたが、自分も仲間に入りたい。とウズウズしていて、きっかけを探している。間違いない。
俺は確信した。
ただ、夏輝が言った趣向という意味だが、、
少し考え
伸一の趣向は(自分の恥ずかしい姿を人に見られたい)と思ってるはずだ。
夏輝はそれを見たいのか、それとも見られたいのか。たぶん本人もわかってはないと思う。
ベッドの下段で既に寝息をたてている夏輝の顔を覗きこみながら、どうやって誘い込むか、と思惑を始めた。
俺は大学で斎藤を呼び出した。
「伸一の様子はどうだ?」と、心配そうに俺は聞いた。
「じつは、喫茶コロンというのが、、」
斉藤はあのあと、喫茶コロンの事を伸一が泣きながら話したいきさつを俺に話した。
既に知っていたが、今気がついたように、「あ、第2弾の撮影の休憩時間に出前した喫茶店か!たしか編集の時そんなやり取りの音声が入ってたよ、その部分はカットしちゃったけど」
そう言い、「ならケツの穴を天に向けて器具で拡張されて縛られてる、あの卑猥な状態を伸一は夏輝に見られたってことか」
「そのようです、、だから落ち込んでるというか、これからどうするか、悶々としています。撮影会で久しぶりに会った時の状態に近いです」そう言って、斉藤は本当に心配、というより困っていた。
あのときとはちがい、今の伸一は斎藤の大事な射精マシンのパートナーだ。
「やはり年下の後輩にあんな姿を見られていたことに固執してるようなんです」
(それなら暖人はどうなるんだ、よく言うよ)
と、俺は思っていた。
「でも、射精マシンは、あれからも毎日研究してるんだろ」と俺が聞くと、「はい。でもあれからは、伸一がその事を考え、自分の感情がどうしようもなくなると求めてくるんです。研究というよりは伸一の感情の逃げ場的にやってます」
俺は少し考えて、斎藤に提案した。
「もう一度皆の前で公開射精マシンをするのはどうだ?」
斎藤は呆気に取られた。
俺はつぶやいた。
映像には映ってないが、(喫茶コロンです)と、録音されている。
編集時に、この場面の状況は本郷さんに聞いていたので、SM撮影の現場にコーヒーを出前したバイトだとようやくわかった。
すると夏輝が風呂から戻ってきた。
俺は「おまえ、伸一の撮影現場にコーヒー運んだバイトだな?」と聞いた。
「あれ、須藤先輩もご存知なんですか?」
と、夏輝も驚いていた。
「なんで、そこにいたのが伸一だってわかったんだ?」と聞いてみると、ケラケラ笑いながら、説明を始めた。
「僕が倉庫に出前に行ったら、男の人が裸で縛られてて、めったに見られないと思ったんで、お釣り忘れたふりして、一緒にバイトしてる淳、あっ淳は高校の友達なんですけど、淳にも見せてあげたくて、状況をLINEしたんです」
俺が黙って聞いていると、話を続けた。
「淳と、あいつが誰か突き止めないか?って話になって、倉庫から出てくるのを見張って、ああ、コロンの窓から倉庫の入り口が見えるので、、後つけてこの寮にたどり着いたんです」
その後のことを要約すると、翌日学校で話をしたら、その寮ならピザの宅配バイトでよく行くってやつがいて、そいつに頼んで玄関に貼ってある部屋割り表を写真撮って送ってもらい、あとは大学で探し出したようだ。
寮生の人数なんて限られてるから、できないことはない。
「お前の狙いはなんなんだ?」俺は聞いてみた。
「いや、こういう趣向を持つ人って、どんな人なんだろうという単なる好奇心です。そしたら、寮の庭でもギャラリーの前で平然とあんなことしてたんで、すごい人なんだなって」
そういうと、少し聞きにくそうに「須藤先輩が庭であのイベントを仕切ってましたが、やっぱり同じ趣向なんですか?」
少し間があり
「じゃあ、そろそろ寝ますんで」そう言いベッドに入っていった。
あのとき、伸一はされるがままで抵抗もしてなかったから、本人がパフォーマンスとして、おこなっていたと勘違いしてるんだ。
そして、夏輝は単なる好奇心で、と言ってたが、自分も仲間に入りたい。とウズウズしていて、きっかけを探している。間違いない。
俺は確信した。
ただ、夏輝が言った趣向という意味だが、、
少し考え
伸一の趣向は(自分の恥ずかしい姿を人に見られたい)と思ってるはずだ。
夏輝はそれを見たいのか、それとも見られたいのか。たぶん本人もわかってはないと思う。
ベッドの下段で既に寝息をたてている夏輝の顔を覗きこみながら、どうやって誘い込むか、と思惑を始めた。
俺は大学で斎藤を呼び出した。
「伸一の様子はどうだ?」と、心配そうに俺は聞いた。
「じつは、喫茶コロンというのが、、」
斉藤はあのあと、喫茶コロンの事を伸一が泣きながら話したいきさつを俺に話した。
既に知っていたが、今気がついたように、「あ、第2弾の撮影の休憩時間に出前した喫茶店か!たしか編集の時そんなやり取りの音声が入ってたよ、その部分はカットしちゃったけど」
そう言い、「ならケツの穴を天に向けて器具で拡張されて縛られてる、あの卑猥な状態を伸一は夏輝に見られたってことか」
「そのようです、、だから落ち込んでるというか、これからどうするか、悶々としています。撮影会で久しぶりに会った時の状態に近いです」そう言って、斉藤は本当に心配、というより困っていた。
あのときとはちがい、今の伸一は斎藤の大事な射精マシンのパートナーだ。
「やはり年下の後輩にあんな姿を見られていたことに固執してるようなんです」
(それなら暖人はどうなるんだ、よく言うよ)
と、俺は思っていた。
「でも、射精マシンは、あれからも毎日研究してるんだろ」と俺が聞くと、「はい。でもあれからは、伸一がその事を考え、自分の感情がどうしようもなくなると求めてくるんです。研究というよりは伸一の感情の逃げ場的にやってます」
俺は少し考えて、斎藤に提案した。
「もう一度皆の前で公開射精マシンをするのはどうだ?」
斎藤は呆気に取られた。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる