若者たち

ザボン

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第五章◆◆◆斎藤と淳

第三十七話

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俺は完璧な結果に満足していた。いや、想定以上の出来ばえだった。
後輩の前で辱しめを受けた淳、親友を陥れてしまい悩んでる夏輝。
二人の関係はどうなるのか、、(まあ、そこは俺の関与外だ)
そう思い、「そうだ、やりきった斎藤を労ってやらなきゃ」と思いを巡らせていた。

俺と斎藤と本郷さんで、居酒屋にいた。
昼間からやっている店だ。
俺たちはポン太のお昼寝中に集まった。
「まあ、今回は、斎藤の男優としての第一歩を踏み出せた事を祝って、カンパーイ」
そう言うと、三人でグビクビと、ビールを飲み干した。ここでの会話は、「あのときの淳の顔は」とか、「淳のぺニスが」とか、「あのときのアングルはもったいなかったな」など、前回の撮影の話で明け暮れた。自信がついた斎藤は「もっと撮りましょう」と、やる気満々だ。
暖人の犬につづいて、斎藤の男優か。次は誰の人生を決めるかな。
俺はニヤニヤしながら考えられる次の候補を思い浮かべていた。

俺は寮に戻ると、伸一の部屋に行った。そして「こいつがあとからお前の羞恥姿を見に来た高校生バイトだ」と説明し、淳がケツの穴を天に向けて放置される姿や、最後に泣いている姿の動画を見せた。
その動画を見ながら伸一は、涙を流していた。そして、「もう一人のバイトの夏輝だけど」と言い、夏輝が俺に甘えてる姿や、勃起したぺニスを晒して俺を求めてる姿、淳を陥れてしまい、泣きながら後悔している様子の動画を見せた。「こいつも、俺の言いなりだ」と教えてやった。「お前の仇は打ってやったぞ」と言うと、涙を流しながら、「ありがとうございます」と言った。
(もともと俺と暖人が仕組んだことだが、、、)
「あと、伸一が立ち直るのに気にかかってる奴はいるのか?」と聞くと、しばらく考えて、答えた。
少し涙声になり、「あのとき見に来たのは、もう一人います」

◇  ◇  ◇

俺は翌日、喫茶コロンに行ってみた。
バイトの可愛らしい男子校生が、「いらっしゃいませ」と出迎えてくれた。
俺はコーヒーを頼み、カウンターの中の様子を伺った。そこには本郷さんより少し年上と思われる、30才位の男がコーヒーを淹れていた。
ドアが開き、また別の、こちらも可愛い男の子が、「店長、出前行ってきました」とカウンター内に声をかけた。
30男は手を止めず「ご苦労様」と、バイトをねぎらい、コーヒーのドリップを続けている。
(こいつがあのとき一緒に見に来た店長か)
次のターゲットを確認した。
そして、店の外に貼ってある(バイト募集)のチラシをスマホで撮り、今日のところは引き上げた。
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