若者たち

ザボン

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第十五章◆◆◆芸能界

第九十七話

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須藤社長から、当社のサポータパンツのコマーシャルで、俳優の川崎龍聖を採用する。
と聞いて俺は驚いた。
「とうとう、あんな有名な正統派俳優までお尻を出すのか!」と夏輝が言った。シャワーを浴びた川崎龍聖が、腰にタオルを巻いて出てくると、ケツワレサポーターを履いた昌樹と照間がソファーでじゃれあっていて、龍聖を呼び、最後にタオルをとると龍聖もケツワレサポーターを履いている。という流れだ。
川崎龍聖のはノーマル素材だがsuttoJr.が履くのはメッシュ素材でスケスケだ。業界用語ではスケワレと言われている。段取りを覚えて、スタジオで対面した。
東はマネージャーなのでもちろん、俺と夏輝も見学しに行った。伸一は授業でこられないのを残念がっていた。
照間はもじもじして「握手してもらってもいいですか?」と手を差し出した。
昌樹は「サインもらえますか」と、色紙を差し出した。
「君たち、suttoJr.だね。いつもみてるよ、大活躍だね」と言って、サインをもらい、握手をしてもらった。

そのあとのコマーシャル撮影は、ボロボロだった。
完璧に段取りを覚えているのに照間がミスを続出した。
龍聖さんは苦笑いしているが、マネージャーから須藤社長には猛烈なクレームが入った。
「照間、どうしたんだよ、今まではそんなことなかったじゃないか?」昌樹が聞いた。
照間は涙を流しながら「俺、川崎龍聖のファンなんだ」と言った。
どうやら川崎龍聖がケツワレをはいておしり丸出しなのがショックなのと、自分がスケワレをはいて龍聖さんの前で楽しそうに演じないといけないのがプレッシャーで、ぎこちなくなってしまう。
そして少し休憩になった。

東に「俊一さん、龍聖さんの楽屋に挨拶に行きましょう」と言われ、「よし、行ってお近づきになろう」と、同意した。
龍聖さんが控え室戻ったのを確認しノックすると「どうぞ」と言われ、ドアを開けて入っていった。
龍聖さんはガウンを来て椅子に座りくつろいでいる。
「suttoの俊一です。今日は照間が迷惑かけてしまいすみません」と謝った。
東も「マネージャーです」と言って、一緒に謝った。「ああ、suttoの活躍はいつも見てますよ、深夜番組とかで大活躍ですね」と龍聖さんは言った。椅子を勧められ、座りながら「照間は龍聖さんのファンで、緊張してるみたいです」と説明した。龍聖さんは「男の子にもファンがいてくれて、うれしいな」と言った。さすがにカッコいい。
俺は疑問に思ってたことをそれとなく聞いてみた。
「正統派俳優の龍聖さんが、当社のコマーシャルに出ていただけるって社長から聞いたときには驚きました」
すると「事務所の方針で、ケツワレサポーターは十代の間で人気だけど、俺の年代でも絶対に受けいれられると判断して俺が抜擢されたんだ」と教えてくれた。
「俺たちが履くと、エロになるけど、龍聖さんが履くとセクシーになるもんな」
俺は東に言った。龍聖さんは笑ってくれた。
東が「じゃあ龍聖さんが貞操帯を着けたら、それもセクシーになるのかな?」と言いだし、俺は慌てて東を睨み、龍聖さんに謝った。すると「貞操帯?男性用の?」と、ちょっと興味を示した。「当社は男性用性グッツを製造、販売してるんです」といい、東を指差し「こいつも貞操帯を着けてるんですよ」とバラした。そして是非見てみたいというので、東にズボンとパンツを下ろさせた。
龍聖さんは思いのほか貞操帯ネタに食い付きガン見しているので説明をした。「東がつけているタイプは、尿道の拡張も同時にするタイプです。しかも、鍵が二個ついていて、1個は俺が持ってますが、もう1個は伸一が持ってるんです。だから、今日は伸一がいないので外せないんです」
東はもう自分で壊してはずすようなことはないので、強化プラスチック製にしていた。
これだと透明なので中のペニスの様子がよくわかる。
「このタイプはSM的要素があって、勃起するとお仕置針といって、先に細くて短い針が仕込まれていて、チクッとするんです」俺は説明が止まらなくなった。「もちろん普通のタイプもありますが。これは一度つけると長時間外さないのが原則なのですが、昼間一緒に居られない、その間だけ着けるタイプもあります。一番高性能タイプはSIM対応で遠隔で開錠もできますし、振動もさせられるんです」
龍聖さんは、「へぇ」とか「そうなんだ」と言いながら、一通り説明を聞くと、「尿道、痛くないの?」と聞かれたので、東に答えさせた。
「始めて装着したときは違和感が半端なかったですけど、最近は尿道が開放されてないと落ち着かないです」と答えた。
「どうやってもとれないの?」と次に質問されたので、東のペニスから貞操帯を引っ張って外そうとしてみせた。睾丸が引っ掛かり「イテテテテ」と東が叫んだ。
「すみません、撮影再開します」とスタッフに呼ばれたので、「もし、ご興味があれば新宿のショップにどうぞ、事前にご連絡もらえれば、お店のスタッフルームで詳しく説明しますよ」と約束し、自分の連絡先を渡した。
撮影現場に戻ると、suttoJr.が何度もリハーサルをしたようだが照間はまだ緊張している。「じゃあ本番行きますよ」とスタッフが言うと、龍聖さんはガウンを脱いで、照間をハグしながら「緊張しなくても大丈夫だよ」とささやいた。
次は照間のモッコリが落ち着くまで小休憩となった。

撮影はなんとかOKがでて、終了した。
東とsuttoJr.は帰して、社長が「良ければこの後軽く食事いかがですか?」と龍聖さんとマネージャーさんを誘ったが、丁重にお断りされた。
午後2時過ぎという中途半端な時間だった。
俺は社長と遅めの昼食に行った。食べていると知らない番号から着信があった。出ると龍聖さんからだった。「あ、先程はお疲れ様でした」連絡をもらえたことに驚きながら、なんとか言葉を発した。「おつかれー。俊一君、さっきの話だけど、本当にショップ行ってもいいかなぁ?」と聞かれた。俺はドキドキした。まさか、あの川崎龍聖がうちのショップに来るなんて。「えっ、ええ。もちろんです」と答え、日程を合わせた。
昼間の方が都合が良いというので、あえて開店前に来てもらうことにした。
電話を切ると社長が「まさか、川崎龍聖か?」と聞いてきた。電話の内容から察したようだ。「はい。ショップに来たいというので、明後日約束しました」と話した。
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