若者たち

ザボン

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第十五章◆◆◆芸能界

第九十八話

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suttoJr.と俺は、追い返されてしまったので、サイゼでピザをべていた。
「ずるいなー、社長と俊一さんはもっと高級なもの食べてるんだろうな」と昌樹が言うので、「ここのピザも美味しいよ」と俺は言ってひときれほおばった。すると3人のLINEに同時にメッセージが届いた。
俺は思わず口にいれたピザを吐き出した。
二人も目を見開いていた。目に飛び込んできた文字は、「仙頭先生の性癖、風呂場で複数の男友達と、乱交」と説明つきで、目白台大学の寮の風呂での動画が拡散された。
その後第2弾がきた。
「仙頭先生の性癖、普段はペニスに貞操帯を装着し登校。オナニーは許可を得て人前で!」
これも当然恥ずかしい動画が拡散された。
俺はいてもたってもいられなくなり、学校へ駆けつけた。
残ったsuttoJr.は「東キャプテン、お会計」と叫んだ。
学校に着いた東は体操部に来た。久しぶりだ。やはりみんなスマホを見ながらざわついている。「仙頭先生は?」と聞くと、「さっき他の先生が呼びに来て、職員室に戻っていった」と教えられ、俺は職員室に向かった。
(貞操帯の事は体操部のメンバーも知っていたが、先生の学生時代の風呂場の件は、知るよしもない。先生の性癖が公表されて、俺にまで火の粉が飛んで来なければいいが)俺はぺニスの貞操帯をズボンの上から軽くさすり、校長室のドアの隙間から覗きこんだ。
仙頭先生は校長と副校長の前で、ズボンとパンツを下し、貞操帯を見せていた。
俺は頭が真っ白になった。校長室に入るわけいかないので、職員室に入った。他の先生方もヒソヒソと話している。
俺は一人で青い顔をしている宮崎先生を廊下に連れ出し、「仙頭先生はこんな動画が配信されてどうなるんですか?」と詰め寄った。
「俺にもわからない」と震えながらいった。
(仙頭先生の性癖が暴露されたことで、宮崎先生も何かかマズいことがあるのかな?)と思った。いや。いまは、自分のこと考えねば。なんとか仙頭先生を援護しないと。と考え、「学生時代の寮での事は先生になる前の話だし、貞操帯を着けて人前でオナニーするのは本人の自由だ、誰にも迷惑をかけていない。そこの点を校長室で訴えてください。生徒の話なんか聞かないでしょうが、先生なら同じ保健体育の先生だし」俺は、急かして、そして少し威嚇ぎみに言った。「そ、そうか。そうだよな。よし」と言って校長室に向かったので、俺もついていった。
(ガラガラ)と、ドアを開けると、すでにズボンをはいた仙頭先生がソファに座っていた。
宮崎先生は、先ほど俺が言った事を大きな声で訴えた。すると校長が優しい顔で、「仙頭先生の事は、宮崎先生の言う通りだよ。私たちも事実を確認しただけで、何か処分を下す事ではないと思っている。ただ仙頭先生は依願退職するそうだ」と言った。この結果は、どうなんだ?先生はやけになって俺のこともバラすのか?俺は先生をじっと見つめた。
「それよりも宮崎先生、この動画配信についてご説明頂けますか?」俺は慌てて自分のスマホを見た。LINEの通知が光っている。通知を開くと「宮崎先生は修学旅行で怪我して介抱していた生徒を襲った」と説明があり、嫌がる和馬を宮崎先生が押さえつけて脱がしている動画が目に飛び込んできた。
宮崎先生はその場にヘナヘナと座り込んだ。

◇◇◇

和馬も動画を見て職員室に駆けつけてきた。大泣きしている。話を聞くと、恋人となった宮崎先生だけでなく、父親のように慕っていた警察官の島津さんと、兄のように可愛がってもらっていた水原さんが、職務中に和馬にいたずらをしている動画が届き、二人とも懲戒免職になったと言う。
何でこんなに動画が流出するのか。俺は自分の動画だけは流出しないでくれ、と神に祈った。
仙頭先生より宮崎先生の方が生徒を無理矢理犯したとして、大問題になった。
和馬は「絶対にされてない。何かの間違えた」と言い張り、訴えることはなかったが、証拠の写真があるため懲戒免職となった。
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