若者たち

ザボン

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第十六章◆◆◆堕落

第百十五話

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一週間後、ケツの穴コンテストが開催された。
「ミスター目黒台コンテストが懐かしいですね」和馬が、のほほんと言った。
このコロンで開催され、確かにあの場面が思い出される。しかし今回は自分の生活が掛かっている真剣勝負だ、あのときの遊びとは違う。
毎日の測定時間は午後一時と決められ、公平をきするため、前日の午後一時に和馬は皆の前で射精した。
翌日、皆の見守るなか、俊一の穴に和馬のぺニスが挿入された。
以前ケツの穴の鍛練をやっていたので、かなり気持ちよいらしく、喘ぎ声が絶えなかった。「さ、さす、さすがです、お、おと、大人のあ、穴は!」最後はもうろうとして腰も動かなくなり、俊一が穴の方を動かし、射精にこぎ着けた。
射精するときはアナルから抜いて、ビニール袋の中にチン圧測定棒と共に排出させた。
全体的に濃いグレーだった。一人目なので(これが基準だな)と全員が思った。
あとから指で潰して色をつけないために、測定棒は糸の部分をピンセットで摘まんで精液の中から取り出し、ベットリとついた精液を軽く水で流し、番号を書いた小さなビニール袋に入れて、コロンの鍵つきのキャビネットに保管された。

こんな形で一週間かけ、全員の穴で和馬のぺニスを搾り上げた。
そして全員が見守るなか、測定棒が並べられ見比べた。
結果、濃い順に夏輝、俊一、水原、春田、伸一となった。
落選した宮崎、島津、東、尚樹は青い顔をしている。和馬が「測定棒を全部もって帰ってこいとLINEが来ましたので、証拠として預かりますね」そう言って番号と名前の対比表も一緒にビニール袋にいれて、店をでていった。
俺は、和馬を追った。
「和馬」俺は呼び止めた。横には進もいる。
「斎藤さん、なんですか?」と聞いてきた。わかってるくせに。
「この間、S役の俺達は、どうしたいか?と言っていたじゃないか。その件だ」と言うと、「ああ、で、どうしたいのですか?」とめんどくさそうに、どうでもいいような言い方で聞き返した。
俺は(借金を抱えた俺たちの人生がかかってんだぞ)と怒りを抑えて言った。
「俺たちをS役で働かせてほしい」

◇◇◇

翌日全員のLINEにとんでもないものが送られてきた。
夏輝の恥ずかしい動画特集だ。
個人情報が常に表示され、目白台大学の寮で自らオナニーをしたときの動画から、貞操帯をつけて檻の中から自らアピールし、選ばれておじ様俳優の相手をしているMスタッフの動画まで、これまでの全部が編集されている。しかも夏輝以外は顔にモザイクがかけられている。
配信先は目白台大学、目黒台高校の公式な連絡網、裏人の会員網、アラブのサイト、その他有名どころのサイトすべてに配信されていた。元々有名人だった夏樹の動画はSNS上だけでなく、お昼のワイドショーでもその日のうちに各局取り上げられた。
ほとんどのサイトは管理者によりすぐに削除されると思うが、アラブのサイトはずっと残るだろう。また、他のサイトもダウンロードしたやつが、当分アップをし続けることは簡単に予想できた。
夏輝は「もうおしまいだ」とブツブツ呟きながら喫茶コロンから出ていった。

その翌日、和馬が来た。
「何で夏輝の動画が配信されたんだ、夏輝は出ていったぞ」と皆が和馬に詰め寄った。いつ自分の動画が配信されるか怯えている。和馬は本郷さんが配信したことを認め、理由を説明した。「夏輝先輩は今回のケツの穴コンテストでインチキしたんです」
皆が唖然とした。「どうやってだ、ちゃんと結果は鍵つきのキャビネットで保管していたし、全員の前で夏輝の穴にお前が挿入し、抜き出して射精したのも、和馬自信が1番わかってるじゃないか」
と皆が口をそろえて訴えた。
「夏輝先輩は、アナルマジックを使ったのです」
皆が「あっ」と言った。
「測定棒の先からアナルマジックの成分が検出されたのです。アナルマジックは通販でも買えるので、夏輝先輩は魔が差したのでしょう。自分が開発したアナルマジックが不正に使われ、それに怒って動画を公表したのです」

それ以上は誰も何も言わなかった。
夏輝が失格になったので、宮崎が繰り上げ当選となり、クラブHのMスタッフとなった。東と島津は自分の動画が公開される日をビクビクしながら新しい仕事を探し始めた。尚樹はあっけらかんとしていた。

斎藤が和馬に聞いた。
「それで、俺らのS役の件は?」
すると和馬は「ああ、」とめんどくさそうに「S役としてはいらないみたいですよ」
と言った。
「ならなんだ、動画の編集担当か?」と聞くと、「何でもMスタッフにはやらせられないような事を受け持つ、ドMスタッフと言うのを募集するらしいですよ、2名ほど」

その後、東は本郷さんに拾われて、媚薬の研究協力を始めたらしい。島津も和馬が「動画配信はやめて」と本郷にすがり、動画配信もなく日雇で働き始めた。尚樹の動画は宣言通り配信された。尚樹はそのまま喫茶コロンのスタッフルームに住み着いて、なぜか店を開け営業し始めた。配信された動画を店の大型テレビで流し「これ、俺!」と来る客に見せていた。一部のマニアが常連となった。
斎藤と進は・・・
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