若者たち

ザボン

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第0章◆◆◆本郷物語

#10

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富永は泣きながらに続けた。
それから文化祭の出し物でクラスで劇をすることになって、ダンス部が振り付けをしてミュージカル風にすることになったんだが、村上が「裸の王様」を提案して通っちゃったんだ。
当然主役は僕で、教室で練習するときは、クラスの女子もいるなかで、フルチンにさせられた。
前を隠すと「裸の王さまは自分が服を着てると思ってるんだ。前を隠したら不自然だろ」
と言われて、そのまま演技した。
ミュージカル風なので踊りまくるのだけど、その度にブランブランして、女子たちは「キャッキャ」言っていた。
目のやり場に困っている女子は少数派で、大多数は興味深く僕のぺニスを笑いながら見ていた。
さすがに体育館でのリハーサルで先生に止められ、用意してあった肌色のパンツを着けることになったのだけど、その頃にはすっかりクラスの女子もなれてしまい、「あ、また富永のぺニス」と誰も興味を示さなくなっていた。

またマサさんが聞いてきた。
「文化祭も明人くんはサボったのですか?」俺は少し考え、「文化祭はバスケ部の出し物に参加してたんで、クラスの方は不参加だったんです」と思い出しながら言った。
たぶん、富永をフルチンで練習させていることが広まるとやめさせられるから、クラスの参加者はあまりこの事を人に言わなかったのだろう。全く知らなかった。

その後はクラスで何かと言うと脱がされた。
自習の時間は毎回裸で踊らされた。
2組男子合同であった保健の授業では、男性のからだと避妊について教わった。そのときも、「先生、富永の体で説明してください」と村上が提案した。「そんな馬鹿なこと」と先生は初め相手にしなかったが、本人から「使ってください」と申し入れさせ、「男だけなのに何が問題なんですか」と生徒からも声が上がり、若い新任の先生は反論ができなかった。
富永がズボンとパンツを下ろすと、皮の被ったぺニスが現れた。
プールの授業でみたぺニスだ。
「先生、富永のぺニスは包茎ですか」と誰かが聞いた。
先生は「富永のは仮性包茎と言って、問題ない。ほら、」といって、皮をニュルと剥いて「この状態で勃起できればセックスができる」と説明した。
 「この説明が教科書の32ページの図の説明だ」先生は真面目に授業を進めている。
「俺も仮性包茎だ。包茎じゃないぺニスって、見てみたい」と誰かがボソッと言った。
「誰かズル剥けのぺニスのやついねーか」と声が上がったが、誰も名乗りでなかった。
そりゃ見せろと言われれば恥ずかしい。
「しょうがねーな」と言って、佐藤先生は自分のズル剥けのぺニスを見せた。「オーッ」と歓声が上がった。新任なので人気を取りたかったようだ。先生もぺニスを出したことで、僕はちょっと気が楽になった。
コンドームのつけ方では勃起させた僕のぺニスで説明した。僕は赤い顔をしながら、「ヘヘー」と笑っていた。
「コンドームって、本当に精液が漏れないんですか?」と質問が出ると、「富永、中に射精してみろよ」と声が上がり、「シャセイ、シャセイ」と射精コールが響いた。もう先生の制御は効かなかった。
僕はぺニスをシゴいた。暫くすると「んっんーっ」と言って、コンドームの中に白い液体が出てきた。
「ほら、このように精液は漏れない。だが小さい穴でも開いていればそこから漏れ出すので、新しいものを使うように」と授業を締めくくった。

さすがにこれは知ってましたか?とマサさんは聞くので、「ええ、ずいぶんと富永は大胆になったんだな、と思ってました」と言い、「まあ、佐藤先生もですけど。確かこの授業は問題になって、佐藤先生ずいぶん叱られたと聞きましたよ」と、知ってる事を正直に話した。

「そして、昨日の5時間目、先生の都合で自習だったんです」
前日の終わりのホームルームで伝えられ、各自勉強したい教科の参考書を持ってくるようにと、言われていた。
午前の授業が終わり僕は憂鬱だった。また裸躍りをさせられる。
昼休みに「クリームパンとドクターペッパー」と村上から命じられ、購買に走った。
自分のパンとウーロン茶も買い、村上の分を渡し、自分の分を食べ初めた。「うぁっ、なんだこれ、まじー」と村上がドクターペッパーを飲んで騒ぎだした。
「なんか薬の味がする」結構ドクターペッパーは好き嫌いが別れる。
「おい富永、それと交換しろ」僕のウーロン茶を指して言った。
僕もドクターペッパーはあまり好きではないが「はい」と言って飲みかけのドクターペッパーと、ウーロン茶を交換して飲んだ。
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