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第十七章 ◆◆◆エピローグ
第百十七話
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「先に始めさせてもらってるぞ」と秋川理事長が言った。「遅れちゃってすみません、久しぶりですね、木下先輩」と、昔の名前で呼んだ。「いや、名前が変わっていたので、本郷から聞くまで、全然知りませんでしたよ、一緒に計画を企てていたのが木下先輩だったとは」
この計画は俺が前面に出て進めていたので、秋川理事長と黒スエットをいつも着ていた小西先輩が会うことがなかった。なので、俺が次の行動を相談するときに「秋川顧問が、、、」と話に出すだけだった。
「計画を始めるときに顔合わせすれば良かったですね、俺も小西先輩が、木下先輩の名字が秋川に変わったことを知らない、ということをすっかり忘れてました」
俺は頭をかいた。「本郷が信頼して一緒に計画を企てる人だから、俺も信用しようと思ってたので、調べもしなかったよ」と小西先輩も笑っていい、続けて「木下先輩は、目白台学園の理事長、本郷は新宿に2店舗あるSMクラブのオーナー、二人ともすごいですね」といった。
しばらくは、3人で昔話に花を咲かせた。
「そういえば、吉田先輩はどうしてますか?」と俺が聞くと、なぜか秋川理事長はニタニタして「俺が怒ってお前を屋敷の2階で1ヶ月生活させてただろ、そのときお前を選んだゲストが吉田だ」
俺は驚きを隠せなかった。
吉田先輩にとっては、高校時代の屈辱を、やっと晴らしたと言うことだ。俺はなんだか可笑しくなり、3人で笑った。
ひとしきり話をして、落ち着いたところで、「小西先輩、ところでSMクラブの経営をお願いしたいのですが」と相談した。
「おいおい、前の須藤のように働かせて、追い込むつもりじゃないだろうな」と小西先輩は渋い顔をするので「いやいや、社長業は和馬にやらせてるので、軌道に乗るまで取り仕切ってもらえればよいですよ。和馬には借金をさせて株の3分の1を持たせてるので、馬車馬のように働いてます」と説明した。「小西先輩にも株をもってもらってもいいんですが、どうします?」
これまでの計画の要所要所で、少なくない報酬を小西先輩には支払っていたので、金は有り余っているはずだ。
「それはどちらでもいいが、、」少し考えて「芸能界を牛耳るのは、悪くないかもな」と言った。
俺たち3人は改めて乾杯した。
「それで本郷は何をするんだ?まさか本当に本郷クリニックに専念するのではないのだろ?」と秋川理事長が質問するので「世界征服しようと思ってるんですよ、まずは日本から」そう言って俺たちは笑った。
しかし、(あながち、冗談じゃないんだよな)俺はそう思っていた。
エピローグ 完
この計画は俺が前面に出て進めていたので、秋川理事長と黒スエットをいつも着ていた小西先輩が会うことがなかった。なので、俺が次の行動を相談するときに「秋川顧問が、、、」と話に出すだけだった。
「計画を始めるときに顔合わせすれば良かったですね、俺も小西先輩が、木下先輩の名字が秋川に変わったことを知らない、ということをすっかり忘れてました」
俺は頭をかいた。「本郷が信頼して一緒に計画を企てる人だから、俺も信用しようと思ってたので、調べもしなかったよ」と小西先輩も笑っていい、続けて「木下先輩は、目白台学園の理事長、本郷は新宿に2店舗あるSMクラブのオーナー、二人ともすごいですね」といった。
しばらくは、3人で昔話に花を咲かせた。
「そういえば、吉田先輩はどうしてますか?」と俺が聞くと、なぜか秋川理事長はニタニタして「俺が怒ってお前を屋敷の2階で1ヶ月生活させてただろ、そのときお前を選んだゲストが吉田だ」
俺は驚きを隠せなかった。
吉田先輩にとっては、高校時代の屈辱を、やっと晴らしたと言うことだ。俺はなんだか可笑しくなり、3人で笑った。
ひとしきり話をして、落ち着いたところで、「小西先輩、ところでSMクラブの経営をお願いしたいのですが」と相談した。
「おいおい、前の須藤のように働かせて、追い込むつもりじゃないだろうな」と小西先輩は渋い顔をするので「いやいや、社長業は和馬にやらせてるので、軌道に乗るまで取り仕切ってもらえればよいですよ。和馬には借金をさせて株の3分の1を持たせてるので、馬車馬のように働いてます」と説明した。「小西先輩にも株をもってもらってもいいんですが、どうします?」
これまでの計画の要所要所で、少なくない報酬を小西先輩には支払っていたので、金は有り余っているはずだ。
「それはどちらでもいいが、、」少し考えて「芸能界を牛耳るのは、悪くないかもな」と言った。
俺たち3人は改めて乾杯した。
「それで本郷は何をするんだ?まさか本当に本郷クリニックに専念するのではないのだろ?」と秋川理事長が質問するので「世界征服しようと思ってるんですよ、まずは日本から」そう言って俺たちは笑った。
しかし、(あながち、冗談じゃないんだよな)俺はそう思っていた。
エピローグ 完
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