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番外編など
ほんとの最終回
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「陸。」
熱い眼差しで俺を組み敷くのは誰なのか。
分かってる。
アルだ。
「うぅ。」
酒に酔った頭と体は働かない。
「ねえ、聞いてる?陸。なんでお酒飲んでるの?陸、まだ未成年でしょ。誕生日来ても15歳でしょ。高卒認定で海さんと一緒に大学進学したはいいけどね?なんで海さんも見ていないところで新歓コンパに参加してんの?ねえ。聞いてる?なんでヤリサーに捕まってるわけ?」
「しらにゃい…。だって、さそわれたから。それにぃ、俺はあるふぁらし。やられらいっておもったんらもん。」
「カッコ仮でしょうが。」
ねえ、僕。かなり怒ってるんだけど。
海さんは今夜、撮影が終わった京君が一時帰国するから空港に行かなきゃいけなくて。
一兄も結婚式の準備があるから。
陸が心配だからって、僕、呼び出されたわけ。
こんなにふらふらしてるとは流石に思わなかったんだけど。
乗り込んで、すんでのところで攫ってきた。
そして、気持ち悪がる陸を介抱するために急いで陸の家に連れ帰って、彼の部屋のベッドに転がして今に至る。
ねえ、拘束されたいの?
僕に閉じ込められたいのかな。
「俺はつよいんら。」
「棒切れ持ってればね。それに、君はまだ子どもなの。大人の力とは違うの。相手は、まさかその年で大学生だなんて思ってないから、遠慮なんかしないよ。童顔のかわいい子だな、くらいに思ってるんだから。」
「うぅぅううう。こどもじゃらいもん。」
口をとがらせて、そっぽを向く。
なんて可愛さか。
ダメだ、こんなの。守ってないと食べられる。
陸はよく海さんのことを赤ずきんちゃん呼ばわりしていたが、陸の方がよっぽどだ。
海さんは天然でふわふわしてるように見えるけど、自分が弱いって分かってるから用心してる。
ちょっとイラっとしてきた。
「陸?……子どもじゃないなら、いいよね?」
「ふへ?」
顎を掴み、唇を貪る。
「ん!……ふ、んんんんんんんっ!は、んっ。」
ぺちゃぺちゃと唾液が混ざる音が聞こえる。
舌を絡めて解放すれば、さっきとは違う意味で紅潮した顔。
唇と唇の間で透明の糸がひかれる。
「なっ、なにすんだ!」
「ディープキス。子どもじゃないんでしょ。」
「もっ、もう!ばかっ!ばかばか!ばーか!」
「ははは。子どもだからキスまでね。これに懲りたら、大人しくサークルには入らないこと。せめて、僕が来年通うまではね。」
ぷうっとふくれっ面も可愛い。
これから数日後、陸は『オメガ』で確定する。
政治家としての北村の家は、空が継ぎ、空はまんまと恵と番になった。
上津野には一兄さんがいる。
和泉家は、陸が祖父の養子に入り、僕が婿入りして継ぐのだ。
ね、よくできてるでしょう?
運命ってすごいね。
陸のフェロモンはチョコレートだった。
僕はオレンジ。
陸は知らないかもしれないけど、オレンジとチョコレートって最高に合うんだよ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これで子どもたちも全員カップリングが落ち着き、終了になります。
番外が長くなりすぎてしまってすみませんでした。
思ったより、京くんが重かった。
はじめ、京くんは運命の番だけど結ばれないつもりでいたのですが、あまりにも応援する声が多かったので、結ばれました。
ご拝読、ありがとうございました。
熱い眼差しで俺を組み敷くのは誰なのか。
分かってる。
アルだ。
「うぅ。」
酒に酔った頭と体は働かない。
「ねえ、聞いてる?陸。なんでお酒飲んでるの?陸、まだ未成年でしょ。誕生日来ても15歳でしょ。高卒認定で海さんと一緒に大学進学したはいいけどね?なんで海さんも見ていないところで新歓コンパに参加してんの?ねえ。聞いてる?なんでヤリサーに捕まってるわけ?」
「しらにゃい…。だって、さそわれたから。それにぃ、俺はあるふぁらし。やられらいっておもったんらもん。」
「カッコ仮でしょうが。」
ねえ、僕。かなり怒ってるんだけど。
海さんは今夜、撮影が終わった京君が一時帰国するから空港に行かなきゃいけなくて。
一兄も結婚式の準備があるから。
陸が心配だからって、僕、呼び出されたわけ。
こんなにふらふらしてるとは流石に思わなかったんだけど。
乗り込んで、すんでのところで攫ってきた。
そして、気持ち悪がる陸を介抱するために急いで陸の家に連れ帰って、彼の部屋のベッドに転がして今に至る。
ねえ、拘束されたいの?
僕に閉じ込められたいのかな。
「俺はつよいんら。」
「棒切れ持ってればね。それに、君はまだ子どもなの。大人の力とは違うの。相手は、まさかその年で大学生だなんて思ってないから、遠慮なんかしないよ。童顔のかわいい子だな、くらいに思ってるんだから。」
「うぅぅううう。こどもじゃらいもん。」
口をとがらせて、そっぽを向く。
なんて可愛さか。
ダメだ、こんなの。守ってないと食べられる。
陸はよく海さんのことを赤ずきんちゃん呼ばわりしていたが、陸の方がよっぽどだ。
海さんは天然でふわふわしてるように見えるけど、自分が弱いって分かってるから用心してる。
ちょっとイラっとしてきた。
「陸?……子どもじゃないなら、いいよね?」
「ふへ?」
顎を掴み、唇を貪る。
「ん!……ふ、んんんんんんんっ!は、んっ。」
ぺちゃぺちゃと唾液が混ざる音が聞こえる。
舌を絡めて解放すれば、さっきとは違う意味で紅潮した顔。
唇と唇の間で透明の糸がひかれる。
「なっ、なにすんだ!」
「ディープキス。子どもじゃないんでしょ。」
「もっ、もう!ばかっ!ばかばか!ばーか!」
「ははは。子どもだからキスまでね。これに懲りたら、大人しくサークルには入らないこと。せめて、僕が来年通うまではね。」
ぷうっとふくれっ面も可愛い。
これから数日後、陸は『オメガ』で確定する。
政治家としての北村の家は、空が継ぎ、空はまんまと恵と番になった。
上津野には一兄さんがいる。
和泉家は、陸が祖父の養子に入り、僕が婿入りして継ぐのだ。
ね、よくできてるでしょう?
運命ってすごいね。
陸のフェロモンはチョコレートだった。
僕はオレンジ。
陸は知らないかもしれないけど、オレンジとチョコレートって最高に合うんだよ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これで子どもたちも全員カップリングが落ち着き、終了になります。
番外が長くなりすぎてしまってすみませんでした。
思ったより、京くんが重かった。
はじめ、京くんは運命の番だけど結ばれないつもりでいたのですが、あまりにも応援する声が多かったので、結ばれました。
ご拝読、ありがとうございました。
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