2 / 72
隣国の天才シン=オレリアン
しおりを挟む
もうすぐ学生時代は終わる。
僕は最終学年なのだ。
最後のテストの席次を見に、親友のロイと掲示板の前に行くと、大勢集まっていた。
「シンはちょうど真ん中かあ。いつも真ん中。逆に凄いよな。くくっ。」
「ロイは1位じゃん。すごいよ。」
ざわざわっ。
足音が聞こえ、ざわめきとともに人の山が左右に分かれた。
「キャア!レイヤード殿下、二位ですわ。」
甘ったるい声のローザ。
相変わらず詐欺メイク酷い。
ローザはメイク美人なんだ。
「流石、王太子殿下。」
今度はケイン。
「お前たちこそ10番以内に入っているではないか。」
キラキラオーラの金髪碧眼。
見た目はいいんだけどねー。
性格がねー。
ケインといい、ローザといい、類友だよな。
「あら、シンいたの。」
三人が俺たちに気づいて、鼻で笑う。
「相変わらず庶民と仲がいいことだ。まあ、お前と親しくしようなんて貴族はいないがな。お前は卒業すれば、家から出て平民になるのだから、お似合いだ。」
「全くケインとローザのいとことは思えんな。見た目も最悪、学業もパッとしない。そこの平民の妻にでもおさまるか。生意気な平民の。」
「卒業パーティーは彼と出るのかしら。ほほほ。」
ロイは平民だが、隣国とも繋がりのある豪商の息子だ。
そんな彼を軽んじる彼らを僕は許せない。
だが、ロイが手を握ってくれたから、僕は我慢できた。
「ええ。シン様にエスコートの役目を私にと、ちょうどアプローチしていたところです。」
「ロイ。」
嬉しい。
「ふん、全く同じシンでも隣国のシン=オレリアンとは偉い違いだな。僅か12歳で最高教育機関まで卒業し、彼の論文は高い評価を得ている。何でも、隣国の国政にも貢献しているとか。見た目もストロベリーブロンドに菫色の瞳で、絶世の美人とか。」
王太子が蔑むように僕を見て、皆がニヤニヤしているけど、僕は気にならない。
だって、そのシンも僕なんだから。
笑わないようにするのが大変だ。
「いやですわ!他の人をほめては!」
「かわいいローザ。噂だよ。きっと君には適うまい。」
「きゃっ!」
そして嵐のように三人が去り、僕らは教室に戻った。
僕は最終学年なのだ。
最後のテストの席次を見に、親友のロイと掲示板の前に行くと、大勢集まっていた。
「シンはちょうど真ん中かあ。いつも真ん中。逆に凄いよな。くくっ。」
「ロイは1位じゃん。すごいよ。」
ざわざわっ。
足音が聞こえ、ざわめきとともに人の山が左右に分かれた。
「キャア!レイヤード殿下、二位ですわ。」
甘ったるい声のローザ。
相変わらず詐欺メイク酷い。
ローザはメイク美人なんだ。
「流石、王太子殿下。」
今度はケイン。
「お前たちこそ10番以内に入っているではないか。」
キラキラオーラの金髪碧眼。
見た目はいいんだけどねー。
性格がねー。
ケインといい、ローザといい、類友だよな。
「あら、シンいたの。」
三人が俺たちに気づいて、鼻で笑う。
「相変わらず庶民と仲がいいことだ。まあ、お前と親しくしようなんて貴族はいないがな。お前は卒業すれば、家から出て平民になるのだから、お似合いだ。」
「全くケインとローザのいとことは思えんな。見た目も最悪、学業もパッとしない。そこの平民の妻にでもおさまるか。生意気な平民の。」
「卒業パーティーは彼と出るのかしら。ほほほ。」
ロイは平民だが、隣国とも繋がりのある豪商の息子だ。
そんな彼を軽んじる彼らを僕は許せない。
だが、ロイが手を握ってくれたから、僕は我慢できた。
「ええ。シン様にエスコートの役目を私にと、ちょうどアプローチしていたところです。」
「ロイ。」
嬉しい。
「ふん、全く同じシンでも隣国のシン=オレリアンとは偉い違いだな。僅か12歳で最高教育機関まで卒業し、彼の論文は高い評価を得ている。何でも、隣国の国政にも貢献しているとか。見た目もストロベリーブロンドに菫色の瞳で、絶世の美人とか。」
王太子が蔑むように僕を見て、皆がニヤニヤしているけど、僕は気にならない。
だって、そのシンも僕なんだから。
笑わないようにするのが大変だ。
「いやですわ!他の人をほめては!」
「かわいいローザ。噂だよ。きっと君には適うまい。」
「きゃっ!」
そして嵐のように三人が去り、僕らは教室に戻った。
211
あなたにおすすめの小説
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
婚約破棄された悪役令息は大公に嫁ぐ
佐倉海斗
BL
アレン・ブラッドフォードは侯爵家の三男として誕生した。その為、産まれた時から金山に恵まれているカーティス伯爵家に嫁ぐことが決められており、アランもそれ自体に不満はなかった。
アレンは転生者である。
この世界が前世の姉が買っていたBLゲームの世界と酷似していることを知っており、その世界における悪役令息と呼ばれる主人公の恋を邪魔する役目だということも、知っていた。だからこそ、魔法学院では息を潜めて過ごしてきた。
悪役令息の役目は果たされなかった。
その為、油断していたのである。
「婚約破棄をしてほしい」
婚約者のコリー・カーティスから婚約破棄を告げられるまでは、悪役令息だということを忘れていたくらいだった。
破滅回避のため、悪役ではなく騎士になりました
佐倉海斗
BL
三年前の卒業式の日を夢に見た。その夢は前世の記憶に関わるものだった。
本来ならば、婚約破棄を言い渡される場面のはずが、三年間の破滅を回避するために紳士的に接していた成果がでたのか、婚約破棄にはならず、卒業式のパートナーとして無事に選ばれ、BLゲームの悪役令息から卒業をしたのだ。
「……なにをしているのですか?」
夜中に目が覚めた。
腕に違和感があったからだ。両腕は紐でベッドの柵に縛られており、自由に動かすことができなくなっている。その上、青年、レイド・アクロイドの上を跨るように座り、レイドの服に手をかけていたのは夫のアレクシス・アクロイドだった。
本日、無事に結婚をしたのだ。結婚式に疲れ眠っていたところを襲われた。
執着攻め×敬語受けです。
元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。
くまだった
BL
新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。
金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。
貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け
ムーンさんで先行投稿してます。
感想頂けたら嬉しいです!
薄幸な子爵は捻くれて傲慢な公爵に溺愛されて逃げられない
くまだった
BL
アーノルド公爵公子に気に入られようと常に周囲に人がいたが、没落しかけているレイモンドは興味がないようだった。アーノルドはそのことが、面白くなかった。ついにレイモンドが学校を辞めてしまって・・・
捻くれ傲慢公爵→→→→→貧困薄幸没落子爵
最後のほうに主人公では、ないですが人が亡くなるシーンがあります。
地雷の方はお気をつけください。
ムーンライトさんで、先行投稿しています。
感想いただけたら嬉しいです。
「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜
鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。
そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。
あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。
そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。
「お前がずっと、好きだ」
甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。
※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる