義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍

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姉夫婦へのお祝い

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「わぁ!素敵なおへや…。」

ブリザード王国に無事に到着し、陛下と王妃の歓待を受けた後、城の中を案内してもらった。


今は春だから草花が咲き乱れているけれど、厳しい冬の期間が長いブリザード王国では、建物の壁が分厚く、窓も二重になっている。


モノは悪くないんだろうけど、質実剛健!って言った感じの造り。


「華やかさが足りなくて申し訳ないが、ロッテは向こうでも男の子みたいな部屋を好んでいたと聞いたから、あまり飾り立ててはいない。」


「絨毯がふかふかね!」


「冬は寒いからな。」


「ちなみにこちらはロッテの部屋だが、俺の部屋とコネクトルームになっている。夜はどちらで過ごしても構わないよ。」

自然と腰に手を滑らせ、軽いキスをする。




おおお!これがデキる王子様!師匠!

もう、やだ~といいながら、お姉さまは嬉しそうだ。



「そういえば、スノー殿下。今日の祝いの品を今渡してもいいだろうか。」

「それは構わないが。」


「まずは僕からね。これ、僕の転移の魔法が入ったペンダント!座標はバスティン王国のお城に設定しているよ。リーゼロッテ様とスノー殿下にあげる!何かあったらいつでもバスティンに来れるでしょう?因みにペンダントをつけた人が触れたものも一緒に転移するから気をつけてね。もし、一緒に連れて行きたい人やモノがある場合は、手を繋いだり紐で括ったり…ひとかたまりになってもらえば、触れて一緒に連れていけるから!」


「ありがとう。」

「これはありがたい。」

冬の厳しい時期の食料品の調達等で役立ちそうだ。


「私からはこれを。」
ロイは、腰に付けたマジックバッグからランタンを取り出した。

「これはなあに?」

可愛らしいお花をイメージしたデザインのランタンを手に、リーゼロッテが首を傾げる。


「オレリアンに滞在している間に工場に出入りして作ったんだ。今から私が魔法を入れてみるから、ちょっと手を離して?」

ランタンをテーブルに置き、ロイが火の魔力を込める。



すると、ふぁあっと、部屋中が暖かくなった。



「まぁ!暖かいわ!」



「これは素晴らしい。ありがとう、ロイ殿下。火の魔法は使える者が多いから、もし量産が可能なら購入したい。我が国では重宝されるものになるだろう。」


「よかったです。何がいいかな、って二人で相談して。役に立つものにしたかったから良かった。」





ロイしか補充できない型ではなく、誰でも使えるようにしたのがポイントが高い。

この二人の治世でバスティンは栄えるだろう。

俺も負けてられないな。
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