義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍

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ローメン王国の悪女

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忌々しいわ。

もうすぐで私は王妃になれるところだったのに。


こんな場末の娼婦で終わるような女じゃないのよ、私は。


カタルシス王子の子を宿したと言い張って言い寄った。

王子も私の体に溺れていたから、リーゼロッテ王女はお飾りの王太子妃となり、私が側妃として実権を握って、そのうち王女を……。それで、私が王妃になる予定だった。


実家も貴族籍を追われて、みんな野垂れ死んだと聞く。



まさか、王女があの場で私を断罪するとは思わなかった。


だって、結婚式の場よ?神の前よ?

自分だって傷がつくというのに、どうしてそんなことができるの?



保険でキープしていた者たちも全員、廃嫡されてどこかへ行ってしまった。




私がこんなに不幸なのに、あの女は別の国の王子に嫁ぐというじゃないの。


しかも、大柄で筋肉質でお世辞にも美形とはいいがたかったあの熊王子と違って、妖精と言われる美貌の王子らしいじゃない…!


許せない、許せないわ!



あの女に一泡吹かせてやりたい。


流産で、私は子を産むことさえできなくなってしまった。
なんとかしてこの町を抜け出して、ブリザード王国へ飛びたい。


でも、そのための旅費が………。




今日も宿の前には修道院に行く人間が馬車で連れていかれる。

修道院まではあと半日かかるから、いつもこのへんで1泊するのよね。



懐かしい。私もあんな風に修道院へ連れていかれたんだわ。


何気なく見ていると、明らかに違和感のあるドレス姿の娘が馬車から降りる。


差し詰め、わがままが過ぎて結婚できない貴族の娘が修道院にやられるところだろう。
見捨てたというより、どうしようもなく修道院にやるのか、親の愛情がまだうかがえる。


あの娘から旅費を巻き上げよう。

どうせ、修道院では必要のないものだから。
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