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上司と部下
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理玖くんがエンジニアチーフになってから1週間が経った。
彼の仕事ぶりはすごくて1週間しかまだ経っていないというのにみんなからの羨望や尊敬の眼差しを向けられている。
たった1週間というのにエンジニアたちの名前を覚え、今までこなしていた案件なども全て把握しているようだ。
そしてその人に合った的確な仕事を振ってくれており彼の手腕が輝いていた。
引き抜かれたと言っていたがそれだけのことはあるようだ。
そして私にもいよいよ新しい仕事が振られる。
「百瀬さんいい?」
「はい」
ディスカッションスペースに理玖くんに呼び出され、パソコンを開いたまま脚の長い椅子に座る理玖くんはスタイル抜群ですごく様になっている。
腕まくりしたシャツからスラリと伸びる血管の浮き出た腕が男らしくて、その腕に何度も抱きとめられたことを思い出した。
身体も大きくて身長も高い彼なのに私を抱きしめる腕だけはとても優しくて。
それが私はすごく好きだったが、それも今は過去の話だ。
「百瀬さんにはこの案件をお願いしようと思ってる」
「これは⋯レシピアプリ、ですか?」
「そう。日本中には多くのレシピアプリが存在していて競争も激しくなってる。その中でもクライアントの依頼は分かりやすく使いやすい、だ。これを任せてもいいかな」
「はい、もちろんです」
理玖くんから現在のクライアントの希望が書かれた資料を預かる。
私がこれから考えるのは分かりやすく使いやすい料理アプリの開発だ。
クライアントとの会議までにいくつかの案を考え提示する必要がある。
これから忙しくなりそうだがとてもやりがいもある内容に思えた。
「4人チームを組んで欲しい。メンバーの選定は百瀬さんに任せるよ」
「私でいいんですか?」
「圭哉から仕事ぶりは聞いてる。百瀬には期待してるって言ってたし、俺もその圭哉の言葉に乗ってみてもいいと思ってね。この案件のリーダーを任せたい」
単純に嬉しい言葉だった。
笠井さんはみんなが憧れる先輩で、本当に仕事もできるし人望もある。
だからこそ28歳という若さでチーフに抜擢されるんだ。
そんな人からの期待の言葉はやっぱりやる気になるし、その期待に全力で応えたい。
「陽葵ちゃんの仕事ぶり見れるの楽しみにしてるから。俺も期待してるよ」
「うん。ありがとう」
仕事モードだった理玖くんが私だけにしか見せない笑顔で微笑み砕けた口調で私に話しかける。
純粋な仕事の評価にやる気が出てきた。
そのやる気のまま仕事に戻るため理玖くんに失礼します、と言って背を向ける。
メンバーの選定も任されたからにはこの案件をクリアできるメンバーを集めたい。
他の先輩たちは別の案件を既にこなしているため忙しそうにしており、これ以上負担を増やす訳にはいかなさそうだ。
クライアントの希望は20代という比較的若めの人をターゲットにしたいとある。
一人暮らしや同棲など始める人に向けたアプリケーションを希望のため、私たちもその年齢層に合った人物の方がよりイメージが湧きやすそうだ。
そうなると誰が適任だろうか。
まずは1人、思い浮かんだ人物がいた。
その人は多岐にわたった観点から考えることが出来るアイデアマンのため、競争率の高いレシピアプリの開発となるとその力に頼りたいとも思う。
その人を探すためフロアを歩いているとカフェスペースでパソコンを開きながらブラックコーヒーを飲む人物を見つけた。
近づくと私に気づいたその人は柔らかい笑顔を私に向ける。
「どうした?」
「唯斗。話があるんだけど」
隣の席にパソコンを置いて座ると真面目な顔で私を真っ直ぐ見つめる。
普段は同期としてよくふざけ合うが、仕事の時は別だ。
「四ノ宮さんにレシピアプリの開発の仕事を任されたんだけど、4人チーム組んでやることになってその選抜を任されたんだよね。ぜひ唯斗の力を借りたくて」
「陽葵から直々のオファーなんて嬉しいな。喜んで参加させていただきます」
「ほんと?よかった!ありがとう。唯斗がいてくれるだけで心強いよ」
「だろ~?いつだって陽葵の力になるよ」
明るめの茶色のパーマを当てた髪を揺らしながらにっこり微笑む唯斗は好青年という言葉をそのまま体現したような人だ。
彼がモテるのも理解できる。
それにしてもこの会社にはいわゆるイケメンが多い。
笠井さんや唯斗だけだったところに理玖くんが参入したことによりイケメンが3人揃ったことになる。
「見すぎなんだけど陽葵」
「ごめん見すぎた。あとは2人必要でね、1人はなんとなくイメージあるんだけど、もう1人が悩んでて」
「それなら俺が1人、チームに入れたい子がいるんだけど紹介してもいい?」
「うん。もちろん」
ちょっと待ってて、と言って唯斗はどこかへ行ってしまった。
待っている間に理玖くんから預かったクライアントの希望などが書いてある資料に目を通す。
今まであるようなレシピアプリとは少し違いが欲しい、更には20代をターゲットとしたデザインや内容が希望とある。
レシピアプリ自体はたくさん世に出ているが、その中でも違いを出すというのはかなりの至難の業だ。
(どうやって違いを出すかだな⋯⋯)
「すげー眉間にシワ寄ってるよ。可愛い顔が台無し」
「っ!!びっくりした⋯⋯唯斗、おかえり」
資料を見ながら考え込んでいると、私の耳元で突然声が聞こえてくる。
あまりにも資料を読むことに集中していたため唯斗が戻ってきたことに全く気づかなかった。
彼の隣には身体を縮こませた綺麗な二重の可愛らしい顔の男の子が立っている。
確か彼は去年の新卒入社の子で2年目に突入した新人くんだ。
「確か⋯横山蓮くん?だよね」
「そうそう!2年目の横山。まだ新人だけど発想力も豊かだしアイデアマンだし力になってくれると思うんだよね」
「横山くん。レシピアプリの制作のチームメンバーを探してて、唯斗が紹介してくれたんだけど、実際どうかな?一緒にやってくれる?」
彼の仕事ぶりはすごくて1週間しかまだ経っていないというのにみんなからの羨望や尊敬の眼差しを向けられている。
たった1週間というのにエンジニアたちの名前を覚え、今までこなしていた案件なども全て把握しているようだ。
そしてその人に合った的確な仕事を振ってくれており彼の手腕が輝いていた。
引き抜かれたと言っていたがそれだけのことはあるようだ。
そして私にもいよいよ新しい仕事が振られる。
「百瀬さんいい?」
「はい」
ディスカッションスペースに理玖くんに呼び出され、パソコンを開いたまま脚の長い椅子に座る理玖くんはスタイル抜群ですごく様になっている。
腕まくりしたシャツからスラリと伸びる血管の浮き出た腕が男らしくて、その腕に何度も抱きとめられたことを思い出した。
身体も大きくて身長も高い彼なのに私を抱きしめる腕だけはとても優しくて。
それが私はすごく好きだったが、それも今は過去の話だ。
「百瀬さんにはこの案件をお願いしようと思ってる」
「これは⋯レシピアプリ、ですか?」
「そう。日本中には多くのレシピアプリが存在していて競争も激しくなってる。その中でもクライアントの依頼は分かりやすく使いやすい、だ。これを任せてもいいかな」
「はい、もちろんです」
理玖くんから現在のクライアントの希望が書かれた資料を預かる。
私がこれから考えるのは分かりやすく使いやすい料理アプリの開発だ。
クライアントとの会議までにいくつかの案を考え提示する必要がある。
これから忙しくなりそうだがとてもやりがいもある内容に思えた。
「4人チームを組んで欲しい。メンバーの選定は百瀬さんに任せるよ」
「私でいいんですか?」
「圭哉から仕事ぶりは聞いてる。百瀬には期待してるって言ってたし、俺もその圭哉の言葉に乗ってみてもいいと思ってね。この案件のリーダーを任せたい」
単純に嬉しい言葉だった。
笠井さんはみんなが憧れる先輩で、本当に仕事もできるし人望もある。
だからこそ28歳という若さでチーフに抜擢されるんだ。
そんな人からの期待の言葉はやっぱりやる気になるし、その期待に全力で応えたい。
「陽葵ちゃんの仕事ぶり見れるの楽しみにしてるから。俺も期待してるよ」
「うん。ありがとう」
仕事モードだった理玖くんが私だけにしか見せない笑顔で微笑み砕けた口調で私に話しかける。
純粋な仕事の評価にやる気が出てきた。
そのやる気のまま仕事に戻るため理玖くんに失礼します、と言って背を向ける。
メンバーの選定も任されたからにはこの案件をクリアできるメンバーを集めたい。
他の先輩たちは別の案件を既にこなしているため忙しそうにしており、これ以上負担を増やす訳にはいかなさそうだ。
クライアントの希望は20代という比較的若めの人をターゲットにしたいとある。
一人暮らしや同棲など始める人に向けたアプリケーションを希望のため、私たちもその年齢層に合った人物の方がよりイメージが湧きやすそうだ。
そうなると誰が適任だろうか。
まずは1人、思い浮かんだ人物がいた。
その人は多岐にわたった観点から考えることが出来るアイデアマンのため、競争率の高いレシピアプリの開発となるとその力に頼りたいとも思う。
その人を探すためフロアを歩いているとカフェスペースでパソコンを開きながらブラックコーヒーを飲む人物を見つけた。
近づくと私に気づいたその人は柔らかい笑顔を私に向ける。
「どうした?」
「唯斗。話があるんだけど」
隣の席にパソコンを置いて座ると真面目な顔で私を真っ直ぐ見つめる。
普段は同期としてよくふざけ合うが、仕事の時は別だ。
「四ノ宮さんにレシピアプリの開発の仕事を任されたんだけど、4人チーム組んでやることになってその選抜を任されたんだよね。ぜひ唯斗の力を借りたくて」
「陽葵から直々のオファーなんて嬉しいな。喜んで参加させていただきます」
「ほんと?よかった!ありがとう。唯斗がいてくれるだけで心強いよ」
「だろ~?いつだって陽葵の力になるよ」
明るめの茶色のパーマを当てた髪を揺らしながらにっこり微笑む唯斗は好青年という言葉をそのまま体現したような人だ。
彼がモテるのも理解できる。
それにしてもこの会社にはいわゆるイケメンが多い。
笠井さんや唯斗だけだったところに理玖くんが参入したことによりイケメンが3人揃ったことになる。
「見すぎなんだけど陽葵」
「ごめん見すぎた。あとは2人必要でね、1人はなんとなくイメージあるんだけど、もう1人が悩んでて」
「それなら俺が1人、チームに入れたい子がいるんだけど紹介してもいい?」
「うん。もちろん」
ちょっと待ってて、と言って唯斗はどこかへ行ってしまった。
待っている間に理玖くんから預かったクライアントの希望などが書いてある資料に目を通す。
今まであるようなレシピアプリとは少し違いが欲しい、更には20代をターゲットとしたデザインや内容が希望とある。
レシピアプリ自体はたくさん世に出ているが、その中でも違いを出すというのはかなりの至難の業だ。
(どうやって違いを出すかだな⋯⋯)
「すげー眉間にシワ寄ってるよ。可愛い顔が台無し」
「っ!!びっくりした⋯⋯唯斗、おかえり」
資料を見ながら考え込んでいると、私の耳元で突然声が聞こえてくる。
あまりにも資料を読むことに集中していたため唯斗が戻ってきたことに全く気づかなかった。
彼の隣には身体を縮こませた綺麗な二重の可愛らしい顔の男の子が立っている。
確か彼は去年の新卒入社の子で2年目に突入した新人くんだ。
「確か⋯横山蓮くん?だよね」
「そうそう!2年目の横山。まだ新人だけど発想力も豊かだしアイデアマンだし力になってくれると思うんだよね」
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