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第一章︙精霊編
俺のこれから
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「君達がこれからなにやらかすか分かったものじゃないからね。遠くに行ってもらうよ」
クロスがパチンと指を鳴らすと、魔法陣が光り輝き突然精霊さん達の姿が消えた。
まさか……これが転移というやつか。俺も使えるようになりたい!!
俺は目をキラキラさせながら凄い凄いと連呼していると、クロスに抱き上げられてギュッと抱きしめられた。
「会いたかったよ主。凄い会いたかった。あんな邪魔者たちがいなければすぐに連れてこれたのに、ほんとにごめんね。これからはずっと一緒にいようね」
まるで寂しそうな表情でそう必死に伝えてくるクロスに、大人な俺は頭をよしよししてあげた。
弱音を吐いて少しでも楽になればそれでいい。クールな俺がそれまでついていてあげるからな。
そう思いながら俺がよしよししてあげている姿を、周りは何故か口を押さえて見ている。
「なあ、なんでクロウたちは、くちをおさえているんだ?きもちわるいのか?」
あまりにも目立っていたため俺が心配そうに声を掛けると、何故かもっと気持ち悪そうに口を抑え、そしてお腹も抑え、なにかに耐えている。
もしや……下痢か!?
うん。分かるぞ。確かに夏お腹を出して寝た日や夕飯に当たりが悪いものを食べた日は、起きたときにお腹が冷えたりで下痢が出てしまうことがあった。
まだ子供だった俺は凄い辛かったことを覚えている。
「だいじょぶか?トイレいくか?」
ここで耐えられなくなって出してしまっては大変だ。
俺はトイレに行ったほうがいいぞと親切に教えてやると、クロウ達がついに堪えられなくなったように爆笑し始めた。
「ハハハッ、なんかもう……ダイキってすごい面白いわね」
「精一杯大人感出してよしよししてあげてるとか……そんなとこもめっちゃかわいいしな」
……なんか笑いものにされた。
そして、クロウは俺のことを可愛いなんて言いやがった。許せん!!
俺は異世界に来て元々培ってきた立派な精神と異世界にきたことにより手に入れた強い拳があるんだぞ!
それをかわいいの一言で……!
「ふん!もうクロウなんかきらいだ!!」
俺がそう叫ぶとクロウはショックを受けた顔をし、それをアクアがニヤニヤして眺めていた。
「主。あんなやつのこと気にしなくていいよ。可愛いなんて酷いよね。主はとってもかわ……格好良い立派な大人なのにね」
やっぱり俺の頼もしい仲間はクロスだ。持つべきは契約精霊だな!
やはり契約したからかもしれないが俺の凄さがわかるのだろう。
「やっぱりクロスはかっこいーおれをしっているからな!!かわいいなんておもわないんだよ。おれはかっこいーからな!!」
腕を組んで俺がそう叫ぶと、俺のほっぺをムニムニしながらクロスがうんうんと頷いてくれる。
「そうだそうだ。ダイキの格好良さはこれから一緒にここで暮らすんだから分かるはずだ。よく見ておけよ」
そう。俺のことを知っていたりよく見ていればそんなこと言えな………あれ?
「……いっしょにくらす?」
何故か俺がここで暮らすことが決まっていたのだった。
……………………………
アクアSIDE
私がダイキと出会ったとき、私はクロウと偶々散歩に出ていた頃に偶然にも泣き声を聞きつけた。
まだ幼さの残るその泣き声に、どこの精霊が迷ったのかと思ったが、近づくとまさかの人間でびっくりした。
「ねえあなた。大丈夫?」
私が声を掛けるとハッとしたように顔を上げたその子供は、艶やかな黒髪に吸い込まれそうなほど神秘的な黒目、そして愛嬌のある整った顔立ち。
……兵器よ。
他人には基本的に無関心の種族である精霊の私が、一瞬で心を撃ち抜かれたのだ。
これはもう可愛いの頂点、最高の可愛いに君臨する子供よ。
「おい。俺を置いていくなってばよアクア、まったく……ん?お前、泣いてんのか?」
「な、ないてないぞ!おれは……ちょっともりでまよっちゃったから……きゅうけいしようと……」
「なんだよお前、誰から見ても泣いてるってわかるのに誤魔化そうとしてるのか?すごい格好悪い……グフッ!」
私が目の前の可愛い子に悶絶していると、クロウがズカズカと遠慮のない物言いでその子を困らせていた。
私はクロウに拳を贈呈し黙らせると、目の前の可愛い男の子の前にしゃがみこんで優しく名前を聞いた。
「お、おれはダイキです。………えっと、よろしくおねがいしましゅ……します」
グハッ!!
何百年振りにとてつもないダメージを受けた私はよろめく。
「……ダイキって言うのね。私は水属性最上位。これは名前じゃなくて称号のようなものだから気軽にアクアと呼んで頂戴。………なにこの子めっちゃ可愛いんだけど」
それが私たちの出会いだった。
そして今。
ダイキは私たちが精霊王の寂しげな表情と、嘘ばればれな必死に聞こえる声で爆笑するのを堪えているのを、お腹が痛いと可愛い勘違いをしているダイキにもっと笑いそうになり、結局耐えられなくてすごい笑ってしまった。
どうやらこの子は精霊王の契約者になれた子らしい。
可愛いのにそんなに才能を秘めているなんて……精霊王が契約していなかったら私が契約していたのに!!
あのゴミ共以外は人間のことを見下している精霊なんていないから、この可愛い子は歓迎されるだろう。
これから色々なことが起こる予感、それも良い変化が起こりそうね。
街の中歩いているだけで女性の精霊達はもうノックアウトされていたようだし。
ダイキの知らぬところで強大な?影響力は着実と広まっていた。
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