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HAPPY HALLOWEEN
4.ネコ兄さんの場合
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・・・・・・。
ネコ兄さんのお部屋なうです。
目の前には、不機嫌そうにこっちを見ているネコ兄さんがいます。
あれー?
なんか、思ってたのと違う。
ネコ兄さんのことだから、いつものように自由に気ままに部屋にいると思ってたのに。
とてつもなく不機嫌をあらわにされて、困惑なうです。
「これ」
ネコ兄さんがポツリ。
「ほしいのかよ」
摘まみ上げられたソレは、茶色い、たぶんチョコレートが入っていると思われる、ケン兄さんから受け取ったものと同じ透明な袋。
「そう、だね……」
そこまでほしいわけじゃないけど、そういう催しだからね。
「ふーん」
じーっと、恨みがましそうな目で見られて、一向にくれる気配はない。
別に、もらえなくても困らないんだけどね。
「やだ」
拒否された。
「じゃあ、次行くね」
ネコ兄さんのチョコレートに未練はない。
渡したくないと言うのなら、これ以上ここにいて、ネコ兄さんの機嫌を損ねるのもどうかと思うしね。
次に行こう。
部屋を出ようとした、そのとき。
「ネコ、兄さん……?」
がっしりと腕を掴まれた。
これでは部屋を出られない。
「なんでだよ……」
それは、小さな小さな声で。
言葉として理解できるのに少し時間がかかった。
でも、その言葉の意味が、なにに対しての「なんで」なのかはわからない。
「菓子なんかより、俺をほしがれよ」
なんか、すごいこと言われた……。
不覚にも、ときめいてしまった……。
相手はネコ、相手はネコ。
ニャンコニャンコニャンコニャンコ。
「もしかして、ずっと待っててくれてた?」
そう言うと、バツが悪そうに目を逸らされた。
「ごめんね、ニィ君。待っててくれてありがとう」
頭をなでなですると、しっぽが揺れた。
喜んでくれているみたいなので、撫でる。
本当は、撫でられるの好きなんだよね。
バレないようにしてるみたいだけど。
ひとしきりに撫でると、ネコ兄さんの機嫌も直ったみたいで一安心。
「これ、やるよ。ほしかったんだろ?」
「あ、ありがとう」
ネコ兄さんのチョコレートをゲットしました。
ジャックオーランタンの入れ物に、チョコレート追加。
「じゃ」
満足したようで、ネコ兄さんはお昼寝の態勢に入った。
抱き枕を要求してこないってこは、気を遣ってくれたみたい。
本当は優しいんだよね。
さて、次はウサニさんだ。
コンコンコンコン――
「とりっく おあ とりーと。お菓子をくれないといたずらするぞ」
ネコ兄さんのお部屋なうです。
目の前には、不機嫌そうにこっちを見ているネコ兄さんがいます。
あれー?
なんか、思ってたのと違う。
ネコ兄さんのことだから、いつものように自由に気ままに部屋にいると思ってたのに。
とてつもなく不機嫌をあらわにされて、困惑なうです。
「これ」
ネコ兄さんがポツリ。
「ほしいのかよ」
摘まみ上げられたソレは、茶色い、たぶんチョコレートが入っていると思われる、ケン兄さんから受け取ったものと同じ透明な袋。
「そう、だね……」
そこまでほしいわけじゃないけど、そういう催しだからね。
「ふーん」
じーっと、恨みがましそうな目で見られて、一向にくれる気配はない。
別に、もらえなくても困らないんだけどね。
「やだ」
拒否された。
「じゃあ、次行くね」
ネコ兄さんのチョコレートに未練はない。
渡したくないと言うのなら、これ以上ここにいて、ネコ兄さんの機嫌を損ねるのもどうかと思うしね。
次に行こう。
部屋を出ようとした、そのとき。
「ネコ、兄さん……?」
がっしりと腕を掴まれた。
これでは部屋を出られない。
「なんでだよ……」
それは、小さな小さな声で。
言葉として理解できるのに少し時間がかかった。
でも、その言葉の意味が、なにに対しての「なんで」なのかはわからない。
「菓子なんかより、俺をほしがれよ」
なんか、すごいこと言われた……。
不覚にも、ときめいてしまった……。
相手はネコ、相手はネコ。
ニャンコニャンコニャンコニャンコ。
「もしかして、ずっと待っててくれてた?」
そう言うと、バツが悪そうに目を逸らされた。
「ごめんね、ニィ君。待っててくれてありがとう」
頭をなでなですると、しっぽが揺れた。
喜んでくれているみたいなので、撫でる。
本当は、撫でられるの好きなんだよね。
バレないようにしてるみたいだけど。
ひとしきりに撫でると、ネコ兄さんの機嫌も直ったみたいで一安心。
「これ、やるよ。ほしかったんだろ?」
「あ、ありがとう」
ネコ兄さんのチョコレートをゲットしました。
ジャックオーランタンの入れ物に、チョコレート追加。
「じゃ」
満足したようで、ネコ兄さんはお昼寝の態勢に入った。
抱き枕を要求してこないってこは、気を遣ってくれたみたい。
本当は優しいんだよね。
さて、次はウサニさんだ。
コンコンコンコン――
「とりっく おあ とりーと。お菓子をくれないといたずらするぞ」
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