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115.気付いたらパーティ増えてるってこんな感じか
しおりを挟む~アロマスク・商店街~
そんなこんなで無事、レイズ様絡みのトラブルを解決(?)した私は街に飛び出した私ですが。
「いや、なんであなたが一緒に来るんですか」
「女の子一人の買い物なんて寂しいじゃない」
「そういう事が聞きたいんじゃなくて」
飛び出して来たのは一人では無かったらしい。余計なオプションが付いてきた。私の隣をさも当然のようにトコトコと歩く存在、それは……
「なんでマリアさんが一緒について来るんだって聞いてるんですよ」
「いいじゃない」
いや、よくないよ。
私の真面目な追求に本日の黒幕ことマリアさんはあっさりした物言いで返した。
あなた、さっきまでバチバチにやり合った黒幕でしょ。そこは今度こそさすがに憎まれ口を叩いてフェードアウトするべきなんじゃないの? 記憶力三歳児か。不死鳥か。いつかの森で出会ったメイちゃんを見習いなさいよ。あの子の方がちゃんと悪役してましたよ。
「そんな事より、そこのお店よりこっちのお店の方がいいもの売ってるわよ?」
「……」
駄目だ、気にしちゃいねぇ。そんな事って君ね。
最初に出会った時は清楚系のお嬢さんだなって思ったけどこりゃ違うわ。確かに雰囲気はそのままだけど、中身はゴリラだ。メンタルゴリラ。
もう、勘弁にしてくれ。
倒したはずのボスが振り返ったら何故かパーティに加入していたとか、一体どんな糞ゲーだよ。
「はぁ」
私のこの溜息は、きっと海よりも深い深いものに違いない。
「それで、何故私がここにいるかって話だったわよね」
そっちもちゃんと答える気あったんかい。
私はもどかしい気持ちを抑えてマリアさんの言葉に耳を傾けた。
「お礼が言いたかったの」
「お礼?」
「ルセリナさん寄付したって言ったでしょ?」
「え? あ、ああ」
レイズ様の財産を処分したアレね。寄付なんて手っ取り早く財産を処分する為の手段だったから一瞬ピンと来なかった。
「それがどうかしましたか?」
まさか私にも寄付しろとか言うんじゃなかろうな。
「その寄付先に、私の孤児院もあったの」
「へぇー……」
じゃあレイズ様が、マリアさんには孤児院で出会った言ってた話は本当だったんだ。
「本当はね、孤児院を建て直す為に今回参加したの。でも結局、花嫁になれなくても建て直せた。だからありがとう」
「どういたしまして」
でもそれならレイズ様に感謝した方がいいと思うけど。
「寄付を決めたのはルセリナさんでしょ?」
「おおっと、読心術もお持ちですか」
「無いわ。あなたの表情が分かりやすいだけで」
ええー。
「その辺、二人ともそっくりだと思うのだけどね」
えええー。
私、もう少し駆け引き出来るタイプだと思うけどなー。
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※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
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