7 / 10
番外編 休みでタガが外れた彼との休日 投稿20ヶ月記念小説 マッチングアプリとうさぎちゃん
しおりを挟む
最初にいいなってなったのは、鍛えられた厚い大きな身体。その次に身を屈めて私の顔に耳を近づけた姿、その次は笑うと厳つい印象が和らぎ可愛くなる――これは誰(彼氏でも)同意してくれないから多分私だけ――その次は低い心地よい声とどっしりと構えた落ち着いた包容力を感じさせてくれる所、つまり全部が好きなのだ。
彼――篤くんと出会ったのは、彼氏がいる親友達と話してる時に流れでトリプルデートをしようとなった時だ。恋人がいなかった私は、1日だけ彼氏役をやってくれる人を探すために、レンタル彼氏に登録したのだった。
レンタル彼氏とは、お金を支払って彼氏のように過ごせるサービスの事だ。トリプルデートの当日に待ち合わせ場所に来た篤くんを、事前に言われていた服装と名前だけ確認して無理矢理連れ出した事がきっかけだ。実は彼はレンタル彼氏でもなんでもなく、マッチングアプリで知り合った女性と会うはずだったのだけど…結局私の彼氏役として1日付き合ってくれた。1日彼と過ごしているうちに、篤くんのことを好きになり、自覚してすぐに彼に告白して晴れて恋人同士になったのだ。初めての彼氏は、私のわがままも――会いたいと言えばすぐに来てくれ、平日の仕事の休憩時間でも小まめに連絡をくれた。
付き合って2か月を過ぎると毎日どちらかの家で過ごすから一緒に暮らそうと言われて、一人暮らしだった私が同棲を始めた。部屋に一人しかいない生活が長すぎたせいで、いつも誰か部屋にいる状況に戸惑いばかりだった二人の生活にも、慣れたら快適だった。
平日の夜はキスをして戯れながら抱きあって寝て、金曜日の夜からは彼に激しく抱かれて、土曜日出勤する彼をベッドから見送り帰ってきた彼にまた抱かれる。日曜日は出かける事もあるし、部屋で一緒に過ごすだけの日もある。
そんな幸せを感じていた私達――主に私――だけど、不安になる事が起こった。
それは――ある金曜日に起こった。
「女は受け止めるだけじゃダメなんだよっ!いい?女は攻めなくちゃ!それで彼の心をめろめろにするのっ!」
「…攻める?…めろめろ?」
「レナ、また変な事を言って」
私の通う大学の食堂で声高々にそう言うのは、先月社会人の彼氏と別れた親友のレナだ。彼女は彼氏の束縛がすごいと惚気ていたのに、実は社会人の彼氏が浮気するために、浮気相手といる所を見つからないようにするために、レナの居場所を逐一報告させていただけだったのだ。そのレナの前に座るもう一人の親友のミナは、呆れた顔を隠そうともしないでいた。食堂の丸テーブルに座り二人と向き合って座る私は、レナの言葉に耳を傾けていた。
「かなえ、レナの馬鹿げた話なんか真面目に聞く必要ないよ」
「失礼ねっ!これはちゃんと恋愛指南書に書いてあったんだからっ」
そう言ってレナがいつも持ち運ぶリュックから取り出したのは、"こうして彼を夢中にさせる10の小悪魔術"とゴールドの文字で書かれた文とピンクや黄色などの花模様のイラストが描かれた表紙のやたら分厚い本だ。
「…今度のテストの参考書かと思えば…こんなの持ち歩いているの?」
「ミナ、これはまさに今!私に必要な参考書なのよっ」
レナはテーブルの上に置いた本をパラパラとめくり、ピンクのマーカーが引いてある箇所を広げた。
「特にここっ!『受け入れるだけでは、彼氏に飽きられる可能性ありっ!時にはぐいぐいと攻める!』この文がね…」
「レナ、あの元彼なんか忘れて新しい恋しよ?そうだ、この間のさ…」
暴走するレナと話を逸らして平静に対処するミナの目の前で広げられた本の一文が気になって、二人の会話が遠くに聞こえた。
『奥ゆかしい受け身は控えめな女性で素敵だけど、男はご奉仕もされたい生き物なの』
***************
「ただいま、かなえ?」
「おかえりなさーい、篤くん」
残業や渋滞がなかったら早くて18時、遅くても20時前に帰ってくる篤くんは、建設業で働く職人だ。
彼が帰ってくるのを待っていた私は、彼の声を聞いて玄関に顔を出した。肩掛けの黒いショルダーと筒状の保温機能のある私が朝作るようになったお弁当箱を、ちょうど床に置いている所だった。
顔を出したついでに彼のそばに近寄り、まだ靴を脱いでない篤くんに抱きつくと、彼の手は私の背中へと回る。
篤くんの汗の匂いと嗅ぎ慣れた体臭を胸いっぱいに吸うと、彼はうっ、と呻き声をあげた。
「かなえ、俺今汗臭いから」
「ん…ごめん、先にお風呂入る?」
「そうする」
そう言って彼から身体を離すと、お弁当箱を受け取ってキッチンへと向い、彼はお風呂へと入る準備を始めた。
――まだよ、かなえ、まだ
綺麗に食べた空のお弁当箱を水に浸けながら、今すぐ彼の元へ突撃したいのをグッと堪えた。まだお風呂にも入っていないのに、今から行ったら彼に断られるのを知っているのだ。
シャワーの水音が聞こえ、お風呂の扉が閉まる音がした。篤くんがお風呂に入って数分してからそっと忍足でお風呂場へと向かい、音を立てずに静かに入った。2帖ほどの広さの洗濯機置く場所券脱衣所兼洗面所で服を脱ぐと脱衣かごへと入れて、結んでいなかった髪をまとめてお団子にした。脱衣かごのすぐ隣にある洗濯機の上には、部屋から持ってきたのだろう篤くんの着替えの服と彼専用のバスタオルが置かれていた。お風呂場へと続く、曇りドアの引き戸を開けると、私に背を向けて髪についたジャンプーを洗い流す逞しい背中とキュッとしまったお尻が見えた。
シャワーの音が大きくて、私がお風呂に入った事に気が付かなかったみたいだったけど、私が引き戸を閉めたら大きな音がして流石に気がついたみたいだ。
「っ、かなえっ」
私が入って来たのにまず驚いて、私が何にも身につけていないのにも驚いて、シャワーヘッドを握る手に血管が浮かび始めた。
「洗ってあげる、篤くんお仕事で疲れてるから」
何回も身体を重ねて見慣れたはずの私の身体をじろじろと私を見るから、恥ずかしくなって温かいシャワーの水で濡れた篤くんの身体に抱きついた。
「っ…かなえっ」
焦る篤くんだったけど、シャワーの水が私にもかかり、私と篤くんの身体を伝い床に流れていく。篤くんに抱きつくと、自分の身体との違いに毎回驚かされる。筋肉質の固い肌と肌の色も違うし、身長も違うから大きさもやっぱり違う。見上げると彼と視線が絡まり合い、他の人よりもキツイ眼差しの彼の瞳に吸い込まれそうになる。彼の太い腕が私の腰を抱き上げると、踵が床から離れた。彼の胸板に体重を掛けて、近づいたお互いの唇が重なってしまうと、もう止まらなくなってしまった。
「ん、っ…ん…だめっ」
最初は篤くんの身体に肩から腕や脇腹にボディーソープを付けて手で塗りたくり、泡を立てながら身体を撫でていた。次第に無言になった彼は、私の太ももに腰を押し付けると固くなっている昂りの変化に気がついた。彼の肩に頭を乗せて押し付けられている腰の中心にある昂りに手を伸ばすと、彼の身体がぴくりと動いた。指を曲げて握っても掴みきれない昂りを上下に擦ると、篤くんの手が私の乳房に触れた。乳房の頂はすでに粒のように固くなっていて、篤くんにつけたボディーソープが移っていた。彼の手を退けて潤んだ瞳で見上げると、眉を寄せて欲情した篤くんの顔がすぐそばにある。
「…私が…っ…するからっ」
彼の腕から離れて床に膝立ちになると、目の前にある昂りを二つの胸で挟む。ぬるぬるした昂りと谷間から滑って上手く挟めなくて、乳房を支える手に力を入れると昂りがさらに大きくなった。身体を揺らしながら昂りを擦っていると、クチュクチュと浴室に響く水音が私の気分を昂らせる。
「かなえ腰揺れてる」
欲情した時に聞く篤くんの声色に、顔を上げるとキツい眼差しの彼と視線が合って目が離せなくなる。シャワーを胸元にかけられてシャンプーが流れると、目の前にある谷間から出ていた昂りの先端に舌を這わせた。
「っ…かな…え」
彼を見上げながら先端を舐めると、独特の味が口内に広がった。胸を挟むのをやめて直接彼の昂りに触れて、側面にも舌を這わせていると、彼の感じる声が微かに聞こえて息も荒くなっていく。
昂りの先端を口の中へ入れると、舌を這わせちゅうと吸い付いた。胸で挟んだ時よりも、口にした時よりも、さっきよりも太くて固くなっている気がして嬉しくなる。どくどくと鼓動のように口内に響く彼の昂りに夢中になっていると、彼は私の口から昂りを抜いた。
「ん…なんで」
「もうイきそうだ、イくならかなえの中と決めてる」
突然口の中が寂しくなって名残惜しく彼の昂りを見ていると、少しだけ怒った彼の声に気がついて、やっと篤くんを見上げた。
「なんで…怒ってる?」
「怒ってない…」
はぁ、とため息を吐いた彼に分からなくて戸惑っていると、私の両脇に手を入れて床から立ち上がらされた。
「俺のだとしても、どうも落ち着かない」
舐められてるとめちゃくちゃにしたくなる、と最後に消え入りそうな声で言うから、少し聞きそびれた。
「今度は、二人でしよ」
そう言って私の腰を抱き、私の口にちゅっとキスをすると、彼の右手は私の下半身へと触れた。下生えの奥にある蜜口に触れると彼の指先がヌルッと滑る。触れ合うだけのキスから舌の絡む濃厚な口づけになると、彼の指先も大胆に私の蜜壺の中へと入っていく。
「ん…ッ…」
ぐちゅぐちゅに掻き回されて全身に快感が巡り、ガクガクと足が震え立っていられなくなると彼の胸板に寄りかかった。太ももに押しつけられた昂りに気がついて、手を伸ばして握ると2人ともお互いを快感で満たしていく。彼の昂りに触れていないほうの手を上げて、彼の首に腕を回して足を上げると、腰にあった篤くんの手が私の太ももを持つ。蜜壺の中にあった彼の指が居なくなると、すぐに彼の昂りが当てがわれて彼の昂りの先端を蜜口が包む。
「ん、ぁっ」
目いっぱいに広がる蜜口に腰が引けると、腰を抱かれて彼から逃げられなくなる。ゆっくり入っていった彼の昂りは先端が蜜壺の中へと埋まると、一気に蜜壺の最奥まで貫き私達は一つになった。彼から落ちないように篤くんの首に腕を回し、腰を引き腰を進める抽送を繰り返されるうちに、最初の絶頂が近い事を知る。
「ん、ん、っんん」
もうイくっと口にしたくても、篤くんは口づけをやめる気配がない。むしろ、もっと腰が早く動きぱんぱんと肌がぶつかり、もっと強く舌を吸われて激しくなっている気がする。我慢が出来なくなり篤くんに強く抱きつき、全身が強張って絶頂に達した。
「待って…あっ」
ザザッとシャワーの水で二人の身体を洗い流すと、バスタオルで軽く拭いていたら、目が合うたび――合わなくても、お互いの身体に触れたら口づけをした。舌が溶けて無くなってしまうんじゃないかと思うぐらいの濃厚な口づけだけじゃ終わるはずもなく、脱衣所から出て廊下に出た瞬間に壁に背中を押しつけられ繋がった。両手を掴まれて指先を絡めると、下から突き上げられた。篤くんが屈み私の首筋に顔を埋めて、私は立っていられなくなり彼の太ももに足をかけた。
「かなえっ、好きだっ」
熱い吐息が首筋に掛かって、彼の顎のラインにある髭がチクチクと肩に当たり擽ったい。
「私もっ、篤く…んっ」
恋人がいた事のない私には、恋人同士の距離が掴めない。だからいつでも好きと言うし、触りたくなったら触る。だけど篤くんは、私が素直に気持ちを告げる事も行動に起こす事も驚く。だけど彼は次第に私のペースに合わせて、好きと言ってくれる――触れたい時に篤くんが触ってくるのは、前からだけど。
「かなえっ、かなえっ」
二人しかいない部屋で遠慮なんてしない、終わりの見えない快感の渦に溺れた。腰が壁にくっつき、彼の腰で押さえ込まれ、ぐりぐりと蜜壺の中を昂りが当たる。ぎゅぅっと蜜壺が締まると、膨らんだ昂りが弾けて熱い証を注ぎ込まれた。
「んんっ!ぁあっ!」
恋人繋ぎした彼の手の甲に食い込む爪、はぁはぁっと荒い息がお互いの顔に当たり、息をするように当たり前に口づけをする。
「…ん、っ」
息の荒さを宥めるために啄むキス、ぺろりと唇を舐められてお返しに舐めるとじゃれ合い始めて次第に舌の絡まるキスになる。まだ私の中にいる彼を感じて、蜜壺をきゅんと締め付けてしまうと、むくむくと大きくなる彼の昂りに嬉しい気持ちが溢れて来た。
「…また…する?」
「まだする」
お互いの額が重なり、くすくすと笑いながらそう言うと、繋がったままお尻を持ち上げられ、寝室へと向かった。
「突然どうしたの?お風呂に入って来てさ」
たっぷりと数時間は愛され満たされていると、昂った気持ちも落ち着いたのか篤くんは私の髪を弄りながら聞いて来た。
「あのね…ッ…」
今日レナに言われた事を話すと彼は、そうか、となんとも微妙な表情をした。
「どうしたの?」
「…かなえ、確かに攻められて嬉しい男もこの世にいるが…俺も…まぁ嬉しかったけど、まだかなえを愛したいんだよ」
「うん…?」
「だから無理にしなくていいからな?」
何を?と言おうとして、篤くんの親指の腹が私の唇をなぞると、お風呂場でしたご奉仕のことを言っているんだと気がついた。
「…でも、私も…したかったから」
いつもとろとろに蕩けてしまう私は、お返しじゃないけど篤くんにもしたかったのだ。
「なら、また今度もしてな」
そう言うと彼は私の唇に自分の唇を重ねた。
「…うん…ご飯食べる?」
「う~ん…そうだな、かなえは食べた?」
「ううん、篤くんと食べようと思っていたから」
「そっか、なら食べようか」
彼が帰って来てすぐに始まった情事、ご飯も食べていない事に気がついて篤くんに言うと彼は気怠げにそう言って起き上がった。
――疲れているのに、無理させちゃった
私は少し後悔していたけど、食事の支度をした。私が作った肉多めの野菜炒めを食べていると、じっと熱い眼差しで見つめられて、
「…食べてる姿、エロいな」
とボソリ言った彼は、はっとして彼のために茶碗に盛り付けた山盛りの白いご飯をかき込んだ。お皿を洗おうと、キッチンへ立つと、テーブルを綺麗にしていた篤くんがいつの間にか私の背後に立ち、私を背後から抱きしめた。
「…それは明日俺がやるから、さ」
そう言って私のこめかみに唇を押し付けながら、腰も押し付ける。篤くんのシンプルなTシャツを着ていて、大きいサイズだからワンピースみたいに着ていた私のお尻に当たるのは、固くなった彼のモノ。
「今日、いっぱい…したよ?」
「うん、けど、かなえが色々してくれたからスイッチ入った」
私の耳朶を甘噛みしながら囁く声は甘くて、私も篤くんの胸板に背中をつけて彼の方を振り返ると口を塞がれた。シャツの上から胸を揉まれて、一気に濃密な雰囲気となると腕を上げて篤くんの首に一度手を置いた後に振り返って抱きついた。
「…篤くん、疲れてたんじゃないの?」
「いや、何で?」
「だってさっきご飯食べるって聞いた時、食べるか少し迷ったみたいだったから」
抱き上げられたから、篤くんの腰に足を巻き付けると、彼と同じ視線の高さになった。
「…それは…もう一回したかったけど、かなえが食べてないなら途中でばてちゃうだろ」
「それっ…て」
「今日はまだ終わらないからな」
いつもよりワントーン低い声で囁かれ、ゾクゾクと背中に悪寒が走る。
「…うん」
甘えた声が出て篤くんとキスをすると、歩き出した彼の胸の中で揺られながら、濃厚な時間の続きを始めるために寝室へと向かった。
パタンと閉じられた寝室のドアが開いたのが、次の日のお昼過ぎだった。歩けない彼女を甲斐甲斐しくお世話をする篤は、無防備な彼女に我慢が出来なくなってまた熱をぶつけた。
「…攻められると、ちゃんとお返ししたくなるな」
「うぅっ…もうしない」
いうならまだ彼の身体を洗っただけなのに、お返しにと言われて次の日の昼までへろへろになってしまった。若干後悔もしたが、いつもより密着する休日は満たされたかなえだった。
彼――篤くんと出会ったのは、彼氏がいる親友達と話してる時に流れでトリプルデートをしようとなった時だ。恋人がいなかった私は、1日だけ彼氏役をやってくれる人を探すために、レンタル彼氏に登録したのだった。
レンタル彼氏とは、お金を支払って彼氏のように過ごせるサービスの事だ。トリプルデートの当日に待ち合わせ場所に来た篤くんを、事前に言われていた服装と名前だけ確認して無理矢理連れ出した事がきっかけだ。実は彼はレンタル彼氏でもなんでもなく、マッチングアプリで知り合った女性と会うはずだったのだけど…結局私の彼氏役として1日付き合ってくれた。1日彼と過ごしているうちに、篤くんのことを好きになり、自覚してすぐに彼に告白して晴れて恋人同士になったのだ。初めての彼氏は、私のわがままも――会いたいと言えばすぐに来てくれ、平日の仕事の休憩時間でも小まめに連絡をくれた。
付き合って2か月を過ぎると毎日どちらかの家で過ごすから一緒に暮らそうと言われて、一人暮らしだった私が同棲を始めた。部屋に一人しかいない生活が長すぎたせいで、いつも誰か部屋にいる状況に戸惑いばかりだった二人の生活にも、慣れたら快適だった。
平日の夜はキスをして戯れながら抱きあって寝て、金曜日の夜からは彼に激しく抱かれて、土曜日出勤する彼をベッドから見送り帰ってきた彼にまた抱かれる。日曜日は出かける事もあるし、部屋で一緒に過ごすだけの日もある。
そんな幸せを感じていた私達――主に私――だけど、不安になる事が起こった。
それは――ある金曜日に起こった。
「女は受け止めるだけじゃダメなんだよっ!いい?女は攻めなくちゃ!それで彼の心をめろめろにするのっ!」
「…攻める?…めろめろ?」
「レナ、また変な事を言って」
私の通う大学の食堂で声高々にそう言うのは、先月社会人の彼氏と別れた親友のレナだ。彼女は彼氏の束縛がすごいと惚気ていたのに、実は社会人の彼氏が浮気するために、浮気相手といる所を見つからないようにするために、レナの居場所を逐一報告させていただけだったのだ。そのレナの前に座るもう一人の親友のミナは、呆れた顔を隠そうともしないでいた。食堂の丸テーブルに座り二人と向き合って座る私は、レナの言葉に耳を傾けていた。
「かなえ、レナの馬鹿げた話なんか真面目に聞く必要ないよ」
「失礼ねっ!これはちゃんと恋愛指南書に書いてあったんだからっ」
そう言ってレナがいつも持ち運ぶリュックから取り出したのは、"こうして彼を夢中にさせる10の小悪魔術"とゴールドの文字で書かれた文とピンクや黄色などの花模様のイラストが描かれた表紙のやたら分厚い本だ。
「…今度のテストの参考書かと思えば…こんなの持ち歩いているの?」
「ミナ、これはまさに今!私に必要な参考書なのよっ」
レナはテーブルの上に置いた本をパラパラとめくり、ピンクのマーカーが引いてある箇所を広げた。
「特にここっ!『受け入れるだけでは、彼氏に飽きられる可能性ありっ!時にはぐいぐいと攻める!』この文がね…」
「レナ、あの元彼なんか忘れて新しい恋しよ?そうだ、この間のさ…」
暴走するレナと話を逸らして平静に対処するミナの目の前で広げられた本の一文が気になって、二人の会話が遠くに聞こえた。
『奥ゆかしい受け身は控えめな女性で素敵だけど、男はご奉仕もされたい生き物なの』
***************
「ただいま、かなえ?」
「おかえりなさーい、篤くん」
残業や渋滞がなかったら早くて18時、遅くても20時前に帰ってくる篤くんは、建設業で働く職人だ。
彼が帰ってくるのを待っていた私は、彼の声を聞いて玄関に顔を出した。肩掛けの黒いショルダーと筒状の保温機能のある私が朝作るようになったお弁当箱を、ちょうど床に置いている所だった。
顔を出したついでに彼のそばに近寄り、まだ靴を脱いでない篤くんに抱きつくと、彼の手は私の背中へと回る。
篤くんの汗の匂いと嗅ぎ慣れた体臭を胸いっぱいに吸うと、彼はうっ、と呻き声をあげた。
「かなえ、俺今汗臭いから」
「ん…ごめん、先にお風呂入る?」
「そうする」
そう言って彼から身体を離すと、お弁当箱を受け取ってキッチンへと向い、彼はお風呂へと入る準備を始めた。
――まだよ、かなえ、まだ
綺麗に食べた空のお弁当箱を水に浸けながら、今すぐ彼の元へ突撃したいのをグッと堪えた。まだお風呂にも入っていないのに、今から行ったら彼に断られるのを知っているのだ。
シャワーの水音が聞こえ、お風呂の扉が閉まる音がした。篤くんがお風呂に入って数分してからそっと忍足でお風呂場へと向かい、音を立てずに静かに入った。2帖ほどの広さの洗濯機置く場所券脱衣所兼洗面所で服を脱ぐと脱衣かごへと入れて、結んでいなかった髪をまとめてお団子にした。脱衣かごのすぐ隣にある洗濯機の上には、部屋から持ってきたのだろう篤くんの着替えの服と彼専用のバスタオルが置かれていた。お風呂場へと続く、曇りドアの引き戸を開けると、私に背を向けて髪についたジャンプーを洗い流す逞しい背中とキュッとしまったお尻が見えた。
シャワーの音が大きくて、私がお風呂に入った事に気が付かなかったみたいだったけど、私が引き戸を閉めたら大きな音がして流石に気がついたみたいだ。
「っ、かなえっ」
私が入って来たのにまず驚いて、私が何にも身につけていないのにも驚いて、シャワーヘッドを握る手に血管が浮かび始めた。
「洗ってあげる、篤くんお仕事で疲れてるから」
何回も身体を重ねて見慣れたはずの私の身体をじろじろと私を見るから、恥ずかしくなって温かいシャワーの水で濡れた篤くんの身体に抱きついた。
「っ…かなえっ」
焦る篤くんだったけど、シャワーの水が私にもかかり、私と篤くんの身体を伝い床に流れていく。篤くんに抱きつくと、自分の身体との違いに毎回驚かされる。筋肉質の固い肌と肌の色も違うし、身長も違うから大きさもやっぱり違う。見上げると彼と視線が絡まり合い、他の人よりもキツイ眼差しの彼の瞳に吸い込まれそうになる。彼の太い腕が私の腰を抱き上げると、踵が床から離れた。彼の胸板に体重を掛けて、近づいたお互いの唇が重なってしまうと、もう止まらなくなってしまった。
「ん、っ…ん…だめっ」
最初は篤くんの身体に肩から腕や脇腹にボディーソープを付けて手で塗りたくり、泡を立てながら身体を撫でていた。次第に無言になった彼は、私の太ももに腰を押し付けると固くなっている昂りの変化に気がついた。彼の肩に頭を乗せて押し付けられている腰の中心にある昂りに手を伸ばすと、彼の身体がぴくりと動いた。指を曲げて握っても掴みきれない昂りを上下に擦ると、篤くんの手が私の乳房に触れた。乳房の頂はすでに粒のように固くなっていて、篤くんにつけたボディーソープが移っていた。彼の手を退けて潤んだ瞳で見上げると、眉を寄せて欲情した篤くんの顔がすぐそばにある。
「…私が…っ…するからっ」
彼の腕から離れて床に膝立ちになると、目の前にある昂りを二つの胸で挟む。ぬるぬるした昂りと谷間から滑って上手く挟めなくて、乳房を支える手に力を入れると昂りがさらに大きくなった。身体を揺らしながら昂りを擦っていると、クチュクチュと浴室に響く水音が私の気分を昂らせる。
「かなえ腰揺れてる」
欲情した時に聞く篤くんの声色に、顔を上げるとキツい眼差しの彼と視線が合って目が離せなくなる。シャワーを胸元にかけられてシャンプーが流れると、目の前にある谷間から出ていた昂りの先端に舌を這わせた。
「っ…かな…え」
彼を見上げながら先端を舐めると、独特の味が口内に広がった。胸を挟むのをやめて直接彼の昂りに触れて、側面にも舌を這わせていると、彼の感じる声が微かに聞こえて息も荒くなっていく。
昂りの先端を口の中へ入れると、舌を這わせちゅうと吸い付いた。胸で挟んだ時よりも、口にした時よりも、さっきよりも太くて固くなっている気がして嬉しくなる。どくどくと鼓動のように口内に響く彼の昂りに夢中になっていると、彼は私の口から昂りを抜いた。
「ん…なんで」
「もうイきそうだ、イくならかなえの中と決めてる」
突然口の中が寂しくなって名残惜しく彼の昂りを見ていると、少しだけ怒った彼の声に気がついて、やっと篤くんを見上げた。
「なんで…怒ってる?」
「怒ってない…」
はぁ、とため息を吐いた彼に分からなくて戸惑っていると、私の両脇に手を入れて床から立ち上がらされた。
「俺のだとしても、どうも落ち着かない」
舐められてるとめちゃくちゃにしたくなる、と最後に消え入りそうな声で言うから、少し聞きそびれた。
「今度は、二人でしよ」
そう言って私の腰を抱き、私の口にちゅっとキスをすると、彼の右手は私の下半身へと触れた。下生えの奥にある蜜口に触れると彼の指先がヌルッと滑る。触れ合うだけのキスから舌の絡む濃厚な口づけになると、彼の指先も大胆に私の蜜壺の中へと入っていく。
「ん…ッ…」
ぐちゅぐちゅに掻き回されて全身に快感が巡り、ガクガクと足が震え立っていられなくなると彼の胸板に寄りかかった。太ももに押しつけられた昂りに気がついて、手を伸ばして握ると2人ともお互いを快感で満たしていく。彼の昂りに触れていないほうの手を上げて、彼の首に腕を回して足を上げると、腰にあった篤くんの手が私の太ももを持つ。蜜壺の中にあった彼の指が居なくなると、すぐに彼の昂りが当てがわれて彼の昂りの先端を蜜口が包む。
「ん、ぁっ」
目いっぱいに広がる蜜口に腰が引けると、腰を抱かれて彼から逃げられなくなる。ゆっくり入っていった彼の昂りは先端が蜜壺の中へと埋まると、一気に蜜壺の最奥まで貫き私達は一つになった。彼から落ちないように篤くんの首に腕を回し、腰を引き腰を進める抽送を繰り返されるうちに、最初の絶頂が近い事を知る。
「ん、ん、っんん」
もうイくっと口にしたくても、篤くんは口づけをやめる気配がない。むしろ、もっと腰が早く動きぱんぱんと肌がぶつかり、もっと強く舌を吸われて激しくなっている気がする。我慢が出来なくなり篤くんに強く抱きつき、全身が強張って絶頂に達した。
「待って…あっ」
ザザッとシャワーの水で二人の身体を洗い流すと、バスタオルで軽く拭いていたら、目が合うたび――合わなくても、お互いの身体に触れたら口づけをした。舌が溶けて無くなってしまうんじゃないかと思うぐらいの濃厚な口づけだけじゃ終わるはずもなく、脱衣所から出て廊下に出た瞬間に壁に背中を押しつけられ繋がった。両手を掴まれて指先を絡めると、下から突き上げられた。篤くんが屈み私の首筋に顔を埋めて、私は立っていられなくなり彼の太ももに足をかけた。
「かなえっ、好きだっ」
熱い吐息が首筋に掛かって、彼の顎のラインにある髭がチクチクと肩に当たり擽ったい。
「私もっ、篤く…んっ」
恋人がいた事のない私には、恋人同士の距離が掴めない。だからいつでも好きと言うし、触りたくなったら触る。だけど篤くんは、私が素直に気持ちを告げる事も行動に起こす事も驚く。だけど彼は次第に私のペースに合わせて、好きと言ってくれる――触れたい時に篤くんが触ってくるのは、前からだけど。
「かなえっ、かなえっ」
二人しかいない部屋で遠慮なんてしない、終わりの見えない快感の渦に溺れた。腰が壁にくっつき、彼の腰で押さえ込まれ、ぐりぐりと蜜壺の中を昂りが当たる。ぎゅぅっと蜜壺が締まると、膨らんだ昂りが弾けて熱い証を注ぎ込まれた。
「んんっ!ぁあっ!」
恋人繋ぎした彼の手の甲に食い込む爪、はぁはぁっと荒い息がお互いの顔に当たり、息をするように当たり前に口づけをする。
「…ん、っ」
息の荒さを宥めるために啄むキス、ぺろりと唇を舐められてお返しに舐めるとじゃれ合い始めて次第に舌の絡まるキスになる。まだ私の中にいる彼を感じて、蜜壺をきゅんと締め付けてしまうと、むくむくと大きくなる彼の昂りに嬉しい気持ちが溢れて来た。
「…また…する?」
「まだする」
お互いの額が重なり、くすくすと笑いながらそう言うと、繋がったままお尻を持ち上げられ、寝室へと向かった。
「突然どうしたの?お風呂に入って来てさ」
たっぷりと数時間は愛され満たされていると、昂った気持ちも落ち着いたのか篤くんは私の髪を弄りながら聞いて来た。
「あのね…ッ…」
今日レナに言われた事を話すと彼は、そうか、となんとも微妙な表情をした。
「どうしたの?」
「…かなえ、確かに攻められて嬉しい男もこの世にいるが…俺も…まぁ嬉しかったけど、まだかなえを愛したいんだよ」
「うん…?」
「だから無理にしなくていいからな?」
何を?と言おうとして、篤くんの親指の腹が私の唇をなぞると、お風呂場でしたご奉仕のことを言っているんだと気がついた。
「…でも、私も…したかったから」
いつもとろとろに蕩けてしまう私は、お返しじゃないけど篤くんにもしたかったのだ。
「なら、また今度もしてな」
そう言うと彼は私の唇に自分の唇を重ねた。
「…うん…ご飯食べる?」
「う~ん…そうだな、かなえは食べた?」
「ううん、篤くんと食べようと思っていたから」
「そっか、なら食べようか」
彼が帰って来てすぐに始まった情事、ご飯も食べていない事に気がついて篤くんに言うと彼は気怠げにそう言って起き上がった。
――疲れているのに、無理させちゃった
私は少し後悔していたけど、食事の支度をした。私が作った肉多めの野菜炒めを食べていると、じっと熱い眼差しで見つめられて、
「…食べてる姿、エロいな」
とボソリ言った彼は、はっとして彼のために茶碗に盛り付けた山盛りの白いご飯をかき込んだ。お皿を洗おうと、キッチンへ立つと、テーブルを綺麗にしていた篤くんがいつの間にか私の背後に立ち、私を背後から抱きしめた。
「…それは明日俺がやるから、さ」
そう言って私のこめかみに唇を押し付けながら、腰も押し付ける。篤くんのシンプルなTシャツを着ていて、大きいサイズだからワンピースみたいに着ていた私のお尻に当たるのは、固くなった彼のモノ。
「今日、いっぱい…したよ?」
「うん、けど、かなえが色々してくれたからスイッチ入った」
私の耳朶を甘噛みしながら囁く声は甘くて、私も篤くんの胸板に背中をつけて彼の方を振り返ると口を塞がれた。シャツの上から胸を揉まれて、一気に濃密な雰囲気となると腕を上げて篤くんの首に一度手を置いた後に振り返って抱きついた。
「…篤くん、疲れてたんじゃないの?」
「いや、何で?」
「だってさっきご飯食べるって聞いた時、食べるか少し迷ったみたいだったから」
抱き上げられたから、篤くんの腰に足を巻き付けると、彼と同じ視線の高さになった。
「…それは…もう一回したかったけど、かなえが食べてないなら途中でばてちゃうだろ」
「それっ…て」
「今日はまだ終わらないからな」
いつもよりワントーン低い声で囁かれ、ゾクゾクと背中に悪寒が走る。
「…うん」
甘えた声が出て篤くんとキスをすると、歩き出した彼の胸の中で揺られながら、濃厚な時間の続きを始めるために寝室へと向かった。
パタンと閉じられた寝室のドアが開いたのが、次の日のお昼過ぎだった。歩けない彼女を甲斐甲斐しくお世話をする篤は、無防備な彼女に我慢が出来なくなってまた熱をぶつけた。
「…攻められると、ちゃんとお返ししたくなるな」
「うぅっ…もうしない」
いうならまだ彼の身体を洗っただけなのに、お返しにと言われて次の日の昼までへろへろになってしまった。若干後悔もしたが、いつもより密着する休日は満たされたかなえだった。
82
あなたにおすすめの小説
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる