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第1章
15.視察
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ライオネルが視察に来たのは、広大な麦畑だった。
この辺りは広く平らな土地が続いていて、気候も崩れにくく、麦を育てるのに適した地域だ。ライオネルの持つ領土のうち、ここは重要な農地のうちのひとつらしい。
収穫を迎えたばかりの時期で、畑には黄金色の麦がたわわに実っている。辺り一面、黄金に輝く麦畑の景色は素直に美しいと思った。
「辺境伯様!」
収穫作業をしていた農民がライオネルの姿を見つけて慌てて駆け寄ってきた。
ライオネルと俺が馬を降りたときには近くにいた農民が数名集まっていて、律儀にライオネルに頭を下げた。
「皆、変わりはないか」
「ええ。ですが、辺境伯様、お姿が……あの、まるで別人のようで……」
農民たちはしげしげとライオネルの姿を見ている。風呂に入り、野暮ったい髪を整え、顔の傷もひとつ残らずなくなったライオネルは、農民の言うとおり別人だ。
「俺の伴侶のノアが顔の傷を治してくれた。それと身なりを少し整えたのだ。ジャン。俺の隣にいるのが俺の嫁、フォーフィールド子爵令息のノアだ。ノア、この男はこの地を開墾し、一帯を麦畑に変えた功労者のジャンだ」
ライオネルは俺とジャンをそれぞれ紹介し、引き合わせる。ジャンは俺を見てハッと顔をこわばらせた。
「ノア・フォーフィールド子爵令息……あの、若さと美貌だけが取り柄の……」
んんっ?
ジャン。こんな田舎で麦を作ってるだけのくせに、よく王都にいた俺のことを知ってるな。
「まさか、辺境伯様の財産目当てに政略結婚を……」
すごいなジャン! 大当たりだよ。そこまで見抜くとはお前なかなかやるな。ジャンは、実は頭が切れる人物なのかもしれない。俺は初対面だけど。
「ジャン。言葉が過ぎるぞ」
ライオネルはジャンに厳しい視線を向ける。
「ノアは見た目だけじゃない。心も美しい人だ」
ライオネルはジャンに言い切っているが、間違っているのはライオネルだ。
つくづく可哀想な男だ。俺がやっと来た念願の嫁だから盲目的になっているようだが、俺は性格腐ってるし、お前に抱かれる気もないから世継ぎもできない。そしてすべてを奪って一年後、ライオネルの前から消える最悪の嫁だよ。
「そんなノアが財産目当てに俺と結婚するはずがないだろう」
「も、申し訳ございませんっ……!」
ジャンはライオネルに平謝りしているが、お前が合ってるよ、ジャン。むしろライオネルに教えてやれ。「間違っているのは辺境伯様ですっ!」って。
……まぁ、立場があるから言えないか。
「ノア。綺麗な麦畑だろう?」
「そうだね」
うん。そこに異論はない。俺以外の人間ならば心が洗われるような、いい景色だ。
「この景色をノアと見たかったんだ。あっちの山の麓までずっとこの景色が続いているんだよ」
「すごいね。見惚れちゃうな」
俺はそこまで景色には興味がないが、ライオネルに合わせて感動したふりをする。
俺が感動したのは、ジャンの手腕だ。
あの山は有名なニール山だ。その麓までの距離とおおまかな横幅を計算すると、この一帯の麦畑の面積は一万五千はある。それを収穫量に換算すると……ジャンは頭が切れるだけじゃない。人を雇っていたとしても、実は結構な資産家かもしれない。
「麦畑には大雨に備えて水を排出する溝も作ったんです。それで以前よりも安定して収穫することができるようになりました」
「そうか」
ライオネルはさらっと聞き流しているが、ジャンは本当にすごいぞ。土壌改良をして収穫量を上げる方法は、王都でも最近注目されてきたばかりだ。それを辺境の地にいるジャンはいち早く取り入れているのだから、もっと褒めてやれよ。
「それで、あの、辺境伯様にお話しが……」
ジャンは言いにくそうに話しを切り出した。
それから俺たちは折り入って話をするため、ジャンの家に通された。ジャンの家はごく普通の家だ。内装も華美ではなく、俺が想像していた資産家のイメージとは程遠いものだった。
「どうぞ」
ジャンの妻が俺とライオネルにお茶と素朴なクッキーを出してくれた。妻も地味、食器も地味。まぁ田舎ならこんなもんか。
「見ていただいたように、我々はできる限りの努力をしています」
そこからジャンはライオネルに農業についての話を始めた。要は農業がどれだけ大変か、天候など自然の影響を受けて収穫量が大きく変わるとか、技術面などそんな話だ。
「そうだな。それはわかった」
ライオネルはジャンの意見に静かに耳を傾けている。
そういえばいち庶民にすぎないジャンの意見をこんなにゆっくり聞く辺境伯なんて珍しいんじゃないだろうか。普通は管轄の下っ端貴族に、こういう仕事は丸投げにする。前線で戦ったり、たったひとりで視察をしたり、ライオネルは面白い辺境伯だ。
「それで、もう少し税を下げていただけませんでしょうか」
「税……?」
「はい。収穫量を増やせば増やすほど税が上がるのはわかりますが、少し高すぎます。このままでは皆この仕事から離れてしまいます」
ジャンはずっとこれが言いたかったのだ。だよな。庶民が領主に訴えたいことナンバーワンは税制だ。
「ライオネル。ここの税制はどうなってるの?」
「基本は収穫量の十パーセントだ。その他に細かい規則はあるが……」
「十パーセント?」
俺は首をかしげる。税率としては決して高くない。何かがおかしい。
「ライオネル、他の税の詳細を教えてくれるかな」
「ああ」
俺はライオネルから事細かに説明を受けた。なかなかに複雑なものだったが、聞く限り、ライオネルの決めた税制に悪いところはない。
「ジャン。ここの領地を管轄している者の名前は?」
俺は今度はジャンに事情を聞く。
「ローマイヤ男爵です」
「ローマイヤっ?」
素っ頓狂な声をあげたのはライオネルだ。
「どうしたの?」
「違う。ここはユクレシア殿が治めているはずだ。ローマイヤではない」
なるほど。問題は簡単だった。
「ライオネル。ローマイヤ邸に行こう。今すぐに」
「あ、ああ……」
ライオネルはまだピンとこないようだが、まぁいい。行けばすぐにわかる。
ここは一年後には俺の領土だ。
それを適正に守るのは必要なことだ。俺の目を誤魔化せると思うなよ。一年待たずに今すぐぶっつぶしてやる。
この辺りは広く平らな土地が続いていて、気候も崩れにくく、麦を育てるのに適した地域だ。ライオネルの持つ領土のうち、ここは重要な農地のうちのひとつらしい。
収穫を迎えたばかりの時期で、畑には黄金色の麦がたわわに実っている。辺り一面、黄金に輝く麦畑の景色は素直に美しいと思った。
「辺境伯様!」
収穫作業をしていた農民がライオネルの姿を見つけて慌てて駆け寄ってきた。
ライオネルと俺が馬を降りたときには近くにいた農民が数名集まっていて、律儀にライオネルに頭を下げた。
「皆、変わりはないか」
「ええ。ですが、辺境伯様、お姿が……あの、まるで別人のようで……」
農民たちはしげしげとライオネルの姿を見ている。風呂に入り、野暮ったい髪を整え、顔の傷もひとつ残らずなくなったライオネルは、農民の言うとおり別人だ。
「俺の伴侶のノアが顔の傷を治してくれた。それと身なりを少し整えたのだ。ジャン。俺の隣にいるのが俺の嫁、フォーフィールド子爵令息のノアだ。ノア、この男はこの地を開墾し、一帯を麦畑に変えた功労者のジャンだ」
ライオネルは俺とジャンをそれぞれ紹介し、引き合わせる。ジャンは俺を見てハッと顔をこわばらせた。
「ノア・フォーフィールド子爵令息……あの、若さと美貌だけが取り柄の……」
んんっ?
ジャン。こんな田舎で麦を作ってるだけのくせに、よく王都にいた俺のことを知ってるな。
「まさか、辺境伯様の財産目当てに政略結婚を……」
すごいなジャン! 大当たりだよ。そこまで見抜くとはお前なかなかやるな。ジャンは、実は頭が切れる人物なのかもしれない。俺は初対面だけど。
「ジャン。言葉が過ぎるぞ」
ライオネルはジャンに厳しい視線を向ける。
「ノアは見た目だけじゃない。心も美しい人だ」
ライオネルはジャンに言い切っているが、間違っているのはライオネルだ。
つくづく可哀想な男だ。俺がやっと来た念願の嫁だから盲目的になっているようだが、俺は性格腐ってるし、お前に抱かれる気もないから世継ぎもできない。そしてすべてを奪って一年後、ライオネルの前から消える最悪の嫁だよ。
「そんなノアが財産目当てに俺と結婚するはずがないだろう」
「も、申し訳ございませんっ……!」
ジャンはライオネルに平謝りしているが、お前が合ってるよ、ジャン。むしろライオネルに教えてやれ。「間違っているのは辺境伯様ですっ!」って。
……まぁ、立場があるから言えないか。
「ノア。綺麗な麦畑だろう?」
「そうだね」
うん。そこに異論はない。俺以外の人間ならば心が洗われるような、いい景色だ。
「この景色をノアと見たかったんだ。あっちの山の麓までずっとこの景色が続いているんだよ」
「すごいね。見惚れちゃうな」
俺はそこまで景色には興味がないが、ライオネルに合わせて感動したふりをする。
俺が感動したのは、ジャンの手腕だ。
あの山は有名なニール山だ。その麓までの距離とおおまかな横幅を計算すると、この一帯の麦畑の面積は一万五千はある。それを収穫量に換算すると……ジャンは頭が切れるだけじゃない。人を雇っていたとしても、実は結構な資産家かもしれない。
「麦畑には大雨に備えて水を排出する溝も作ったんです。それで以前よりも安定して収穫することができるようになりました」
「そうか」
ライオネルはさらっと聞き流しているが、ジャンは本当にすごいぞ。土壌改良をして収穫量を上げる方法は、王都でも最近注目されてきたばかりだ。それを辺境の地にいるジャンはいち早く取り入れているのだから、もっと褒めてやれよ。
「それで、あの、辺境伯様にお話しが……」
ジャンは言いにくそうに話しを切り出した。
それから俺たちは折り入って話をするため、ジャンの家に通された。ジャンの家はごく普通の家だ。内装も華美ではなく、俺が想像していた資産家のイメージとは程遠いものだった。
「どうぞ」
ジャンの妻が俺とライオネルにお茶と素朴なクッキーを出してくれた。妻も地味、食器も地味。まぁ田舎ならこんなもんか。
「見ていただいたように、我々はできる限りの努力をしています」
そこからジャンはライオネルに農業についての話を始めた。要は農業がどれだけ大変か、天候など自然の影響を受けて収穫量が大きく変わるとか、技術面などそんな話だ。
「そうだな。それはわかった」
ライオネルはジャンの意見に静かに耳を傾けている。
そういえばいち庶民にすぎないジャンの意見をこんなにゆっくり聞く辺境伯なんて珍しいんじゃないだろうか。普通は管轄の下っ端貴族に、こういう仕事は丸投げにする。前線で戦ったり、たったひとりで視察をしたり、ライオネルは面白い辺境伯だ。
「それで、もう少し税を下げていただけませんでしょうか」
「税……?」
「はい。収穫量を増やせば増やすほど税が上がるのはわかりますが、少し高すぎます。このままでは皆この仕事から離れてしまいます」
ジャンはずっとこれが言いたかったのだ。だよな。庶民が領主に訴えたいことナンバーワンは税制だ。
「ライオネル。ここの税制はどうなってるの?」
「基本は収穫量の十パーセントだ。その他に細かい規則はあるが……」
「十パーセント?」
俺は首をかしげる。税率としては決して高くない。何かがおかしい。
「ライオネル、他の税の詳細を教えてくれるかな」
「ああ」
俺はライオネルから事細かに説明を受けた。なかなかに複雑なものだったが、聞く限り、ライオネルの決めた税制に悪いところはない。
「ジャン。ここの領地を管轄している者の名前は?」
俺は今度はジャンに事情を聞く。
「ローマイヤ男爵です」
「ローマイヤっ?」
素っ頓狂な声をあげたのはライオネルだ。
「どうしたの?」
「違う。ここはユクレシア殿が治めているはずだ。ローマイヤではない」
なるほど。問題は簡単だった。
「ライオネル。ローマイヤ邸に行こう。今すぐに」
「あ、ああ……」
ライオネルはまだピンとこないようだが、まぁいい。行けばすぐにわかる。
ここは一年後には俺の領土だ。
それを適正に守るのは必要なことだ。俺の目を誤魔化せると思うなよ。一年待たずに今すぐぶっつぶしてやる。
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