陰を蝕む鬼

― 日暮れ間近の薄暗がりは、怪異に遭遇しやすいと聞く

 承応六年長月。
洛中では、むごたらしい殺人が頻発し、それらが鬼の仕業であるという噂が飛び交っていた。
下僚役人の嫡男である若き剣士、恭一郎は、ある夕暮れ、白き逆髪の異形のものと出遭い、その美しさに心を奪われ、後を追う。その先にあったのは、夥しい死体の山だった。
 殺人事件の手がかりを追う内に、恭一郎は、白き逆髪の異形のものとよく似た顔立ちの旅役者、真砂にたどり着き、恋に落ちる。
(あれは恐らく、あやかしが真砂どのの姿を借りたに違いない)
真砂と近づきになるために、心を砕く恭一郎だったが、真砂には秘密があった。
鬼と一つ身を分かつて生きる真砂と、恭一郎の恋の行方。

江戸初期の洛中を舞台に若衆道と人情と、剣と鬼とが織りなす、あやかし異聞。
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