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番外編 剣術大会
17、釈然としない幕引き
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剣術大会が無事に終わり、賓客たちも続々と帰国していく。
リュシアーナは、ちょうど真珠の国の使節団を見送っていた。
「今回は出番がなかったな」
宰相の息子として、使節団の代表であるメルデンが揶揄い混じりに言った。
「あった方が問題よ」
何を言うのだと、リュシアーナは呆れて返す。
「俺はいつでもリュシアーナの助けになるぜ?」
「はいはい、ありがとう」
片目を瞑って見せるメルデンにリュシアーナは笑みを返した。
「本当だって」
メルデンはそう言いながら、リュシアーナの前で膝をつき、派手な装飾品がしゃらしゃらと音を立てる。
そして、リュシアーナの手を取り、軽く唇を当てる仕草をする。気障な別れの挨拶だ。だが、不思議と様になっている。
「あなた……そんなに格好いいのに妻がいないのは、どうしてかしら」
思わずリュシアーナが漏らすと、メルデンが固まった。遠慮がなさすぎただろうか。
「……いや、リュシアーナには言われたくないな。お嬢さんだって同じようなものだろう」
久しぶりにお嬢さんと言われた気がする。ただ、もうそう呼ばれるような歳ではなくて、少しこそばゆい。
メルデンは立ち上がると、リュシアーナに向けて、一礼した。
「ではこれで。リュシアーナ様。此度の剣術大会は、楽しませてもらいました。次は是非とも我が国にいらっしゃってください」
「ええ、是非に」
メルデンが外向きの挨拶を述べる。リュシアーナはそれを鷹揚に頷いて受け入れた。
とりすましたやりとりに最後に笑って、メルデンと別れた。
――これでほとんどの賓客が帰路についた。
だが、そんな中、新たにやってきた者がいたのだ。
風が吹き荒れたと思うと、小さな竜巻のようなものが発生したのだ。竜巻はすぐに止み、三人の人影が現れる。
多くの騎士が警戒したが、その警戒はすぐに解けた。その中の一人が、歌劇魔導師だったのだ。
「あら早いわね。もう着いちゃった」
歌劇魔導師は、驚く騎士たちの表情を面白そうに眺めながら言った。
「俺は戻るぞ」
「はあい、今度の会議で会いましょ」
歌劇魔導師の隣にいた白髪の男が一言言い置くと、また風が吹き荒れた。そして、姿を消す。
最後の一人、これまた白髪の男は、辺りを見渡して、リュシアーナで目を止めた。
「リュシアーナ皇帝、お客人よ」
歌劇魔導師が一歩進み出て、彼を紹介するように手を向けた。
「シクル王国第一王子、フェルメール・フォード・シクルです。ファリーナ帝国皇帝陛下、お初にお目にかかる」
その場で片膝をついて名乗った彼は、リュシアーナよりも一回り年上だそうだが、かなり若々しく見える。白髪の男は、線が細く絵に描いたような美しい王子だ。
「国境はさっきの風霜魔導師が監視するから、戻ってきたのよ」
ひらひらと歌劇魔導師が手を振る。先ほどの風を操った白髪の男は、風霜魔導師というらしい。
ひとまず彼女が戻ってきたのなら安心だ。リュシアーナは一息ついて、シクル王国の第一王子に向き直った。彼は先帝暗殺に手を貸したシルキィの同母兄でもある。
「第六王子ミゲル殿下のことで、こちらに来たと解釈して構いませんか?」
「左様です。愚弟がしでかしたことについて謝罪に参りました」
フェルメールは躊躇いなく膝をつき、深々と頭を下げた。
「国境の兵はミゲルの指示によるものです。我が国ではミゲルから軍事権を剥奪することは決まっております。また今後、ご迷惑をかけることのないよう最東端の前線に一兵士として配属されます」
思ったよりも重い処分が下されるようだった。
そして、彼は一度もシルキィに触れることなく、着々と今後の取り決めを進めていく。非常に話しやすい人物だった。
それは良いのだが、あまりにもシルキィに触れない。確か彼女は将軍となってまで兄に尽くしてきたはずだ。リュシアーナは謁見室に側近しかいないことを確認して、最後に問う。
「第一王女殿下のことですが……」
「愚弟が世迷言を吐いていたそうですが、お忘れください」
彼はあっさりとそう言った。シルキィが世界でも指折りの魔法使いだと、彼は知らないのだろうか。
怪訝な顔をしたからか、ふとフェルメールが、表情を緩めた。
「私は妹の選択に口を出す資格はありませんから」
断言しないが、シルキィが今もなお、生きていることを彼は知っているような、そんな雰囲気だった。
揉めると思っていたシクル王国との賠償問題もあっさりと終わってしまい、リュシアーナは拍子抜けする。
(なにか……できすぎているような……?)
リュシアーナは疑問に思ったものの、最後の賓客まで見送って、ようやくゆっくりと体を休めたのだった。
――――――――
――数日後、雨の国。
ロゼは、雨の国の宰相だ。民たちからの人気は高いが、平民から成り上がったが故に既得権益者からはあまりいい顔をされない。
今回、ファリーナ帝国に向かったのも女帝の皇配になれという圧力からだった。皇配になって雨の国との架け橋となり、必然的に宰相の座から降りることになる。そんな陳腐な筋書きだ。
そして、そう企んだ者たちの大半は帰国すると、姿を消していた。不祥事の露呈や不慮の事故により、国政から退いたのだと知らされたのだ。
「さすがですね」
ロゼは、自身の部屋で我が物顔で寛いでいる大男に声をかけた。大男は、彫刻のように整った顔をしており、白髪に紫の混じった銀色の瞳をしている。
彼は変幻魔導師だ。そして、剣の一族の族長でもある。扇の一族であるロゼは、変幻魔導師の正体と本名を知っていた。
「俺は先に約束を果たしたぞ」
悪戯っぽく笑って、変幻魔導師が言う。ロゼは彼と取引していたのだ。
政敵を始末してもらう代わりにファリーナ帝国で起きることの仔細を報告するという取引だ。
「夢魔の絵画はすべて廃棄されたようですよ。一番厄介そうなのは、カヴァニス公爵夫人の絵の中に入っていったと」
ロゼは、今回のことをかいつまんで話す。
「なんだ、アリサを仕向けるまでもなかったか」
剣術大会の優勝者は、変幻魔導師の差し金だったようだ。
「最初から夢魔の絵画が動き出すとわかっていたのですか?」
「さあ、どうだろうな」
はぐらかす変幻魔導師をロゼはそれ以上追及しなかった。
「ファリーナが気になるのなら、私に頼まず、あなたが潜入すればよかったでしょう」
「嫌。遠いし、面倒」
変幻魔導師が吐き捨てる。本気で面倒そうだ。それならなぜファリーナ帝国を気にかけるのか。
「そもそもなぜそれほど夢魔の絵画の動向を気にしていたのですか? やはり生まれ故郷が心配だとか?」
ありえないと思いながらもロゼは、からかい混じりに尋ねた。
「夢魔の絵画が完全に復活したら、俺のところにくるだろ。完全復活の前に処理させたってだけ」
「あなたのところに来る……?」
「夢魔の絵画が消えたなら、もうどうでもいい」
理解できない。ロゼは仔細を聞き出そうとしたが、変幻魔導師はそれ以上、話すことはなかった。
「それよりも近頃、過去の遺物を掘り起こしている者がいる。気をつけろ」
「夢魔の絵画以外にも? それは面倒そうですね」
「本当に。次は真珠の国だ。近寄らない方がいいぞ」
辟易とした様子で変幻魔導師はそれを言うと、立ち上がって伸びをして……姿を消した。
「真珠の国ですか……」
変幻魔導師は気まぐれだなと思いながら、ロゼは一人呟く。
ロゼは演技だったが、真珠の国の客人が、ファリーナ帝国の女帝に思いを寄せていたことを思い出す。女帝もまた、悪い気はしていないようだったが……。
「一波乱ありそうですね」
他人事のようにロゼは言った。
リュシアーナは、ちょうど真珠の国の使節団を見送っていた。
「今回は出番がなかったな」
宰相の息子として、使節団の代表であるメルデンが揶揄い混じりに言った。
「あった方が問題よ」
何を言うのだと、リュシアーナは呆れて返す。
「俺はいつでもリュシアーナの助けになるぜ?」
「はいはい、ありがとう」
片目を瞑って見せるメルデンにリュシアーナは笑みを返した。
「本当だって」
メルデンはそう言いながら、リュシアーナの前で膝をつき、派手な装飾品がしゃらしゃらと音を立てる。
そして、リュシアーナの手を取り、軽く唇を当てる仕草をする。気障な別れの挨拶だ。だが、不思議と様になっている。
「あなた……そんなに格好いいのに妻がいないのは、どうしてかしら」
思わずリュシアーナが漏らすと、メルデンが固まった。遠慮がなさすぎただろうか。
「……いや、リュシアーナには言われたくないな。お嬢さんだって同じようなものだろう」
久しぶりにお嬢さんと言われた気がする。ただ、もうそう呼ばれるような歳ではなくて、少しこそばゆい。
メルデンは立ち上がると、リュシアーナに向けて、一礼した。
「ではこれで。リュシアーナ様。此度の剣術大会は、楽しませてもらいました。次は是非とも我が国にいらっしゃってください」
「ええ、是非に」
メルデンが外向きの挨拶を述べる。リュシアーナはそれを鷹揚に頷いて受け入れた。
とりすましたやりとりに最後に笑って、メルデンと別れた。
――これでほとんどの賓客が帰路についた。
だが、そんな中、新たにやってきた者がいたのだ。
風が吹き荒れたと思うと、小さな竜巻のようなものが発生したのだ。竜巻はすぐに止み、三人の人影が現れる。
多くの騎士が警戒したが、その警戒はすぐに解けた。その中の一人が、歌劇魔導師だったのだ。
「あら早いわね。もう着いちゃった」
歌劇魔導師は、驚く騎士たちの表情を面白そうに眺めながら言った。
「俺は戻るぞ」
「はあい、今度の会議で会いましょ」
歌劇魔導師の隣にいた白髪の男が一言言い置くと、また風が吹き荒れた。そして、姿を消す。
最後の一人、これまた白髪の男は、辺りを見渡して、リュシアーナで目を止めた。
「リュシアーナ皇帝、お客人よ」
歌劇魔導師が一歩進み出て、彼を紹介するように手を向けた。
「シクル王国第一王子、フェルメール・フォード・シクルです。ファリーナ帝国皇帝陛下、お初にお目にかかる」
その場で片膝をついて名乗った彼は、リュシアーナよりも一回り年上だそうだが、かなり若々しく見える。白髪の男は、線が細く絵に描いたような美しい王子だ。
「国境はさっきの風霜魔導師が監視するから、戻ってきたのよ」
ひらひらと歌劇魔導師が手を振る。先ほどの風を操った白髪の男は、風霜魔導師というらしい。
ひとまず彼女が戻ってきたのなら安心だ。リュシアーナは一息ついて、シクル王国の第一王子に向き直った。彼は先帝暗殺に手を貸したシルキィの同母兄でもある。
「第六王子ミゲル殿下のことで、こちらに来たと解釈して構いませんか?」
「左様です。愚弟がしでかしたことについて謝罪に参りました」
フェルメールは躊躇いなく膝をつき、深々と頭を下げた。
「国境の兵はミゲルの指示によるものです。我が国ではミゲルから軍事権を剥奪することは決まっております。また今後、ご迷惑をかけることのないよう最東端の前線に一兵士として配属されます」
思ったよりも重い処分が下されるようだった。
そして、彼は一度もシルキィに触れることなく、着々と今後の取り決めを進めていく。非常に話しやすい人物だった。
それは良いのだが、あまりにもシルキィに触れない。確か彼女は将軍となってまで兄に尽くしてきたはずだ。リュシアーナは謁見室に側近しかいないことを確認して、最後に問う。
「第一王女殿下のことですが……」
「愚弟が世迷言を吐いていたそうですが、お忘れください」
彼はあっさりとそう言った。シルキィが世界でも指折りの魔法使いだと、彼は知らないのだろうか。
怪訝な顔をしたからか、ふとフェルメールが、表情を緩めた。
「私は妹の選択に口を出す資格はありませんから」
断言しないが、シルキィが今もなお、生きていることを彼は知っているような、そんな雰囲気だった。
揉めると思っていたシクル王国との賠償問題もあっさりと終わってしまい、リュシアーナは拍子抜けする。
(なにか……できすぎているような……?)
リュシアーナは疑問に思ったものの、最後の賓客まで見送って、ようやくゆっくりと体を休めたのだった。
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――数日後、雨の国。
ロゼは、雨の国の宰相だ。民たちからの人気は高いが、平民から成り上がったが故に既得権益者からはあまりいい顔をされない。
今回、ファリーナ帝国に向かったのも女帝の皇配になれという圧力からだった。皇配になって雨の国との架け橋となり、必然的に宰相の座から降りることになる。そんな陳腐な筋書きだ。
そして、そう企んだ者たちの大半は帰国すると、姿を消していた。不祥事の露呈や不慮の事故により、国政から退いたのだと知らされたのだ。
「さすがですね」
ロゼは、自身の部屋で我が物顔で寛いでいる大男に声をかけた。大男は、彫刻のように整った顔をしており、白髪に紫の混じった銀色の瞳をしている。
彼は変幻魔導師だ。そして、剣の一族の族長でもある。扇の一族であるロゼは、変幻魔導師の正体と本名を知っていた。
「俺は先に約束を果たしたぞ」
悪戯っぽく笑って、変幻魔導師が言う。ロゼは彼と取引していたのだ。
政敵を始末してもらう代わりにファリーナ帝国で起きることの仔細を報告するという取引だ。
「夢魔の絵画はすべて廃棄されたようですよ。一番厄介そうなのは、カヴァニス公爵夫人の絵の中に入っていったと」
ロゼは、今回のことをかいつまんで話す。
「なんだ、アリサを仕向けるまでもなかったか」
剣術大会の優勝者は、変幻魔導師の差し金だったようだ。
「最初から夢魔の絵画が動き出すとわかっていたのですか?」
「さあ、どうだろうな」
はぐらかす変幻魔導師をロゼはそれ以上追及しなかった。
「ファリーナが気になるのなら、私に頼まず、あなたが潜入すればよかったでしょう」
「嫌。遠いし、面倒」
変幻魔導師が吐き捨てる。本気で面倒そうだ。それならなぜファリーナ帝国を気にかけるのか。
「そもそもなぜそれほど夢魔の絵画の動向を気にしていたのですか? やはり生まれ故郷が心配だとか?」
ありえないと思いながらもロゼは、からかい混じりに尋ねた。
「夢魔の絵画が完全に復活したら、俺のところにくるだろ。完全復活の前に処理させたってだけ」
「あなたのところに来る……?」
「夢魔の絵画が消えたなら、もうどうでもいい」
理解できない。ロゼは仔細を聞き出そうとしたが、変幻魔導師はそれ以上、話すことはなかった。
「それよりも近頃、過去の遺物を掘り起こしている者がいる。気をつけろ」
「夢魔の絵画以外にも? それは面倒そうですね」
「本当に。次は真珠の国だ。近寄らない方がいいぞ」
辟易とした様子で変幻魔導師はそれを言うと、立ち上がって伸びをして……姿を消した。
「真珠の国ですか……」
変幻魔導師は気まぐれだなと思いながら、ロゼは一人呟く。
ロゼは演技だったが、真珠の国の客人が、ファリーナ帝国の女帝に思いを寄せていたことを思い出す。女帝もまた、悪い気はしていないようだったが……。
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