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本編
74、逆賊
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十五で婚約して、十八で結婚した。それから五年、新たな皇帝として、リュシアーナがその玉座に就いた。
「顔をあげてください。わたくしを歓迎していただき、感謝いたしますわ」
リュシアーナは皆に告げる。そして、真夜中の謁見室に揃っている人々の顔ぶれに少し驚いた。
バレージ伯爵にメリノ侯爵、バーゼン伯爵……青薔薇会の女性の父親たちがいる。それに加えて、カトリン侯爵、メラーニア子爵といった青薔薇会とは直接は関係のない貴族までもが、揃っていた。
どうやってここまでの貴族をここに集めたのだろうか。
それに最大の謎は、騎士団長のセノフォンテ・クローチェ伯爵だ。彼の側近と思わしき騎士たちまでもが、この場に参列し、リュシアーナを守る体制が敷かれている。
「あ、遅刻した」
「えー、かっこよく決めたかったのに」
そんな中、謁見室の扉が開いて、二人の男女が顔を覗かせる。一人はルカで、もう一人はアッシュリアだ。父親のバーゼン伯爵が緊張感のない娘に顔を覆う。
「王冠のお届けに参りましたー!」
ルカが元気よくそう言う。アッシュリアの手には、前皇帝アルミロの王冠があった。おそらく隠し通路を使って、後宮から持ってきたのだろう。
「頑張って拭いたんだけど、暗かったから血が拭き切れてないかも」
リュシアーナの前にやってきたアッシュリアがそんなことを言って、王冠を差し出す。リュシアーナは思わず笑った。
「締まらないわね」
「固っ苦しいのは苦手だからね」
自信満々に言うアッシュリアが、リュシアーナの頭に王冠を載せた。少々血塗られていたくらいが、箔がつくというものだ。
重くなった頭に負けないよう背筋を伸ばす。
「ルカ、後宮はどうなってるの?」
「皇帝が同衾してた王女と死んで、大騒ぎ中。少し前に金翼騎士団が後宮に踏み込んだから、そろそろ皇子たちにも皇帝暗殺が知らされた頃かな」
ルカはそう言いながら、集まった人々に手振りで誘導する。貴族たちを玉座近くに集めて、外側に騎士を配置した。
「皇子たちにはしばらくの間、蟄居してもらう予定です。剣を向けてくるなら、致し方ありませんが」
「わかってるよ」
もう間も無くここに迫ってくる皇子たちは、皇帝を暗殺したのがリュシアーナだと知り、反抗するだろう。金翼騎士団やその皇子の騎士団もリュシアーナを認めることはない。
――ここからは、ルカ頼りだ。
問答無用で向かってくるなら、犠牲は厭わない。
ルカが一番前で乱入者を迎える形になり、リュシアーナのすぐ近くに騎士団長が控えた。
(まずはこの山場を乗り越えないといけないわ)
帝国騎士団の騎士団長がいるとはいえ、破閃が使える騎士の多くは、皇族の騎士団に所属する者ばかりだ。そうなると、対抗できるのは、ルカだけだ。
ルカはどこから持ってきたのか、シュリヤが使っていた鍔のない刃の薄い剣を抜いていた。
ルカだけで、魔法使いの国の国主が到着するまでの間を乗り越えなければならない。だから、ルカの力を見せつけて、心を折る。それが今の最適解だ。
そして、心を折れば、しばらくは大人しくしているだろう。もし、皇子たちが、リュシアーナに賛同していない貴族たちと手を組んだとしても、短期間で玉座を取り返すまでの計画性と行動力があるとは思えない。
(魔法使いの国の国主が到着するまでが勝負よ。ここだけは乗り切って、改革を進めてみせる)
リュシアーナは、外が騒がしくなってきたのを感じて、真っ直ぐ前を見つめた。
ルカが騎士に命じて、謁見室の扉を全開にする。そして、ルカはへらりと笑うと、幻影魔法を使った。天井に現れたシャンデリアが煌々と輝き、室内は青い薔薇で飾り付けられた。さらに謁見室に続く通路でさえ、薔薇で埋め尽くしたのだ。
美しい光景に周りから感嘆の声が漏れる。花びらが風もないのに舞い降りてきて、幻想的な光景が生み出されていた。
――そうして、この演出に気づいた者たちが、謁見室へと誘われるようにして現れる。
姿を見せたのは、三人の皇子だった。それぞれの騎士団を連れて、呆然と薔薇で埋め尽くされた謁見室に足を踏み入れる。
「このばかっ、おまえ、こんなの時に何してるんだ」
先頭で剣を抜くルカを見て、第三皇子ゼノンが声をあげた。背を向けたルカの表情は窺えないが、飛び出そうとしたゼノンを青剣の第二騎士が抑える。彼は、騎士団長の息子のはずだ。
リュシアーナがすぐそばにいる騎士団長を一瞥したが、彼は表情ひとつ変えなかった。おそらく、息子には何も言っていないのだろう。
様変わりしている謁見室を見回していた第一皇子エヴァリストの目が玉座にいるリュシアーナで止まった。その目が大きく見開かれる。
彼が何か言う前にリュシアーナは、声を張る。
「ご機嫌よう、皇子様方。愚帝アルミロ・ファリーナはわたくしが討ち取りました。ここにわたくし、リュシアーナ・ボナートが皇位を簒奪いたしましたことを宣言しますわ」
そして、にこりと微笑んで見せてから、続けた。
「――わたくしがファリーナ帝国の新たな皇帝になりましたの」
しんと、その場が静まり返った。
「は……リュシー……?」
「貴様が父上を害したと言うのか!!」
エヴァリストの間の抜けた声と第二皇子ラウルの激高が重なった。
「皇子様方の命までいただくことは考えていませんわ。あなた方にはしばらくの間、蟄居していただきます。時期がくれば、その血筋に免じて叙爵して差し上げましょう」
リュシアーナはどちらも意に介さず、ただ彼らの行く先を告げる。
「皇帝を暗殺した逆賊めが! 貴様らの蛮行を見逃すと思うのか!!」
だん!と、ラウルが足音を立てて抗議する。今にも剣を抜きそうな勢いだ。その時、ルカが三人の皇子に向かって、手を伸ばす。
すると、皇子たちの体が宙に浮いた。騎士たちの手が届かない位置で磔にされたかのように手足を伸ばして浮いている。そして、彼らの剣がひとりでに動いて、首元に添えられた。
「魔力……」
誰かが呟いた。
突きつけられた剣に皇子たちは、息を呑む。一瞬にして、三人が人質にとられ、その騎士たちが動揺し、行動しあぐねている。
「君は……一体……」
エヴァリストが冷や汗を浮かべて、ルカを見ている。ルカがくすりと笑った。
「知りたい?」
そして、こんな状況でも揶揄うつもりだ。
「さっさと放せ! おまえはゼノンの騎士だろう! 何をしている」
「このためにゼノンの騎士になったんだ。順番が逆かなー」
叫ぶラウルにも軽い調子で返している。ゼノンはただただ愕然としていた。どうしてルカが裏切ったのか理解できていない顔だ。
(わたくしもいつか、あちら側に回るのかしら)
「なんで……?」
その間にも二人の兄皇子が喚いていたが、ゼノンの小さな呟きが響いた。
「なんでって、気づいてないのか?」
ルカの声が不意に低くなった。皇子たちが口を閉じる。しかし、その緊迫した空気にふふっとルカはなぜか笑う。
「本当にここの皇子たちってぼんくら! エヴァリストの領地は全部リュシアーナが統治してるし、ラウルのところもシェリルが大半の資金を援助してやってる。気づいてないのか!」
はははっと、快活にルカは笑う。心当たりがあるのかないのか、エヴァリストやラウルは、苦い顔つきのままだ。
「ゼノンは俺が全て取り仕切って体面を保っている始末だ。どの皇子も女に支えられて成り立っているくせに主張だけは激しいな!」
謁見室の中心でルカは、けたけた笑う。ルカの好きに喋らせるのをやめて、リュシアーナは先に皇子たちを無力化することにした。
「あなた方の主君を失いたくなければ、剣を床に置いてください。しばらくは各自の宮に軟禁させていただきます」
リュシアーナが告げると、白狼、赤星、青剣の騎士たちは様子を窺いながらも素直に剣を床に落とした。皇子たちが人質にとられている今、彼らに抵抗する選択肢はない。
ルカが床に落ちた剣を浮かせて回収しようと、その手を伸ばした。
しかし、その時、騎士たちの背後から、一直線に突っ込んでくる影が見えた。
「ルカ!」
リュシアーナが警告するのと、相手の剣が白光したのは同時だった。
ルカはその剣を避けた。しかし、その拍子に拘束が緩んだ。
人質にとられていた皇子たちが落下し、自分の騎士たちに受け止められる。
「こっちが殺さないからって、好きにしすぎ」
ルカは乱入者の剣を避けて、蹴り飛ばす。乱入者は、その蹴りを受け流しながら、後ろに下がった。
金翼騎士団の第三騎士リアン。黒い布で目元を覆った騎士によって、有利に進んでいたことがひっくり返される。
皇子もその騎士も拾った剣をリュシアーナに向けた。
さらにそこに他の金翼騎士団の騎士が追いついてきた。そして、留めとばかりにその騎士たちの間を割って、白髪の男が姿を表す。
紅蓮魔導師が、その手に炎を浮かべて、敵対する意志を見せたのだ。
「顔をあげてください。わたくしを歓迎していただき、感謝いたしますわ」
リュシアーナは皆に告げる。そして、真夜中の謁見室に揃っている人々の顔ぶれに少し驚いた。
バレージ伯爵にメリノ侯爵、バーゼン伯爵……青薔薇会の女性の父親たちがいる。それに加えて、カトリン侯爵、メラーニア子爵といった青薔薇会とは直接は関係のない貴族までもが、揃っていた。
どうやってここまでの貴族をここに集めたのだろうか。
それに最大の謎は、騎士団長のセノフォンテ・クローチェ伯爵だ。彼の側近と思わしき騎士たちまでもが、この場に参列し、リュシアーナを守る体制が敷かれている。
「あ、遅刻した」
「えー、かっこよく決めたかったのに」
そんな中、謁見室の扉が開いて、二人の男女が顔を覗かせる。一人はルカで、もう一人はアッシュリアだ。父親のバーゼン伯爵が緊張感のない娘に顔を覆う。
「王冠のお届けに参りましたー!」
ルカが元気よくそう言う。アッシュリアの手には、前皇帝アルミロの王冠があった。おそらく隠し通路を使って、後宮から持ってきたのだろう。
「頑張って拭いたんだけど、暗かったから血が拭き切れてないかも」
リュシアーナの前にやってきたアッシュリアがそんなことを言って、王冠を差し出す。リュシアーナは思わず笑った。
「締まらないわね」
「固っ苦しいのは苦手だからね」
自信満々に言うアッシュリアが、リュシアーナの頭に王冠を載せた。少々血塗られていたくらいが、箔がつくというものだ。
重くなった頭に負けないよう背筋を伸ばす。
「ルカ、後宮はどうなってるの?」
「皇帝が同衾してた王女と死んで、大騒ぎ中。少し前に金翼騎士団が後宮に踏み込んだから、そろそろ皇子たちにも皇帝暗殺が知らされた頃かな」
ルカはそう言いながら、集まった人々に手振りで誘導する。貴族たちを玉座近くに集めて、外側に騎士を配置した。
「皇子たちにはしばらくの間、蟄居してもらう予定です。剣を向けてくるなら、致し方ありませんが」
「わかってるよ」
もう間も無くここに迫ってくる皇子たちは、皇帝を暗殺したのがリュシアーナだと知り、反抗するだろう。金翼騎士団やその皇子の騎士団もリュシアーナを認めることはない。
――ここからは、ルカ頼りだ。
問答無用で向かってくるなら、犠牲は厭わない。
ルカが一番前で乱入者を迎える形になり、リュシアーナのすぐ近くに騎士団長が控えた。
(まずはこの山場を乗り越えないといけないわ)
帝国騎士団の騎士団長がいるとはいえ、破閃が使える騎士の多くは、皇族の騎士団に所属する者ばかりだ。そうなると、対抗できるのは、ルカだけだ。
ルカはどこから持ってきたのか、シュリヤが使っていた鍔のない刃の薄い剣を抜いていた。
ルカだけで、魔法使いの国の国主が到着するまでの間を乗り越えなければならない。だから、ルカの力を見せつけて、心を折る。それが今の最適解だ。
そして、心を折れば、しばらくは大人しくしているだろう。もし、皇子たちが、リュシアーナに賛同していない貴族たちと手を組んだとしても、短期間で玉座を取り返すまでの計画性と行動力があるとは思えない。
(魔法使いの国の国主が到着するまでが勝負よ。ここだけは乗り切って、改革を進めてみせる)
リュシアーナは、外が騒がしくなってきたのを感じて、真っ直ぐ前を見つめた。
ルカが騎士に命じて、謁見室の扉を全開にする。そして、ルカはへらりと笑うと、幻影魔法を使った。天井に現れたシャンデリアが煌々と輝き、室内は青い薔薇で飾り付けられた。さらに謁見室に続く通路でさえ、薔薇で埋め尽くしたのだ。
美しい光景に周りから感嘆の声が漏れる。花びらが風もないのに舞い降りてきて、幻想的な光景が生み出されていた。
――そうして、この演出に気づいた者たちが、謁見室へと誘われるようにして現れる。
姿を見せたのは、三人の皇子だった。それぞれの騎士団を連れて、呆然と薔薇で埋め尽くされた謁見室に足を踏み入れる。
「このばかっ、おまえ、こんなの時に何してるんだ」
先頭で剣を抜くルカを見て、第三皇子ゼノンが声をあげた。背を向けたルカの表情は窺えないが、飛び出そうとしたゼノンを青剣の第二騎士が抑える。彼は、騎士団長の息子のはずだ。
リュシアーナがすぐそばにいる騎士団長を一瞥したが、彼は表情ひとつ変えなかった。おそらく、息子には何も言っていないのだろう。
様変わりしている謁見室を見回していた第一皇子エヴァリストの目が玉座にいるリュシアーナで止まった。その目が大きく見開かれる。
彼が何か言う前にリュシアーナは、声を張る。
「ご機嫌よう、皇子様方。愚帝アルミロ・ファリーナはわたくしが討ち取りました。ここにわたくし、リュシアーナ・ボナートが皇位を簒奪いたしましたことを宣言しますわ」
そして、にこりと微笑んで見せてから、続けた。
「――わたくしがファリーナ帝国の新たな皇帝になりましたの」
しんと、その場が静まり返った。
「は……リュシー……?」
「貴様が父上を害したと言うのか!!」
エヴァリストの間の抜けた声と第二皇子ラウルの激高が重なった。
「皇子様方の命までいただくことは考えていませんわ。あなた方にはしばらくの間、蟄居していただきます。時期がくれば、その血筋に免じて叙爵して差し上げましょう」
リュシアーナはどちらも意に介さず、ただ彼らの行く先を告げる。
「皇帝を暗殺した逆賊めが! 貴様らの蛮行を見逃すと思うのか!!」
だん!と、ラウルが足音を立てて抗議する。今にも剣を抜きそうな勢いだ。その時、ルカが三人の皇子に向かって、手を伸ばす。
すると、皇子たちの体が宙に浮いた。騎士たちの手が届かない位置で磔にされたかのように手足を伸ばして浮いている。そして、彼らの剣がひとりでに動いて、首元に添えられた。
「魔力……」
誰かが呟いた。
突きつけられた剣に皇子たちは、息を呑む。一瞬にして、三人が人質にとられ、その騎士たちが動揺し、行動しあぐねている。
「君は……一体……」
エヴァリストが冷や汗を浮かべて、ルカを見ている。ルカがくすりと笑った。
「知りたい?」
そして、こんな状況でも揶揄うつもりだ。
「さっさと放せ! おまえはゼノンの騎士だろう! 何をしている」
「このためにゼノンの騎士になったんだ。順番が逆かなー」
叫ぶラウルにも軽い調子で返している。ゼノンはただただ愕然としていた。どうしてルカが裏切ったのか理解できていない顔だ。
(わたくしもいつか、あちら側に回るのかしら)
「なんで……?」
その間にも二人の兄皇子が喚いていたが、ゼノンの小さな呟きが響いた。
「なんでって、気づいてないのか?」
ルカの声が不意に低くなった。皇子たちが口を閉じる。しかし、その緊迫した空気にふふっとルカはなぜか笑う。
「本当にここの皇子たちってぼんくら! エヴァリストの領地は全部リュシアーナが統治してるし、ラウルのところもシェリルが大半の資金を援助してやってる。気づいてないのか!」
はははっと、快活にルカは笑う。心当たりがあるのかないのか、エヴァリストやラウルは、苦い顔つきのままだ。
「ゼノンは俺が全て取り仕切って体面を保っている始末だ。どの皇子も女に支えられて成り立っているくせに主張だけは激しいな!」
謁見室の中心でルカは、けたけた笑う。ルカの好きに喋らせるのをやめて、リュシアーナは先に皇子たちを無力化することにした。
「あなた方の主君を失いたくなければ、剣を床に置いてください。しばらくは各自の宮に軟禁させていただきます」
リュシアーナが告げると、白狼、赤星、青剣の騎士たちは様子を窺いながらも素直に剣を床に落とした。皇子たちが人質にとられている今、彼らに抵抗する選択肢はない。
ルカが床に落ちた剣を浮かせて回収しようと、その手を伸ばした。
しかし、その時、騎士たちの背後から、一直線に突っ込んでくる影が見えた。
「ルカ!」
リュシアーナが警告するのと、相手の剣が白光したのは同時だった。
ルカはその剣を避けた。しかし、その拍子に拘束が緩んだ。
人質にとられていた皇子たちが落下し、自分の騎士たちに受け止められる。
「こっちが殺さないからって、好きにしすぎ」
ルカは乱入者の剣を避けて、蹴り飛ばす。乱入者は、その蹴りを受け流しながら、後ろに下がった。
金翼騎士団の第三騎士リアン。黒い布で目元を覆った騎士によって、有利に進んでいたことがひっくり返される。
皇子もその騎士も拾った剣をリュシアーナに向けた。
さらにそこに他の金翼騎士団の騎士が追いついてきた。そして、留めとばかりにその騎士たちの間を割って、白髪の男が姿を表す。
紅蓮魔導師が、その手に炎を浮かべて、敵対する意志を見せたのだ。
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