部下に秘密を知られたから口止めとしてセフレになったのに思ってたのとなんか違う!

丸井まー(旧:まー)

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24:夢の中の時間※

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 ダミアンは白い息を吐きながら暗い道を歩いていた。もうすっかり冬本番になっている。
 魔導具制作は順調で、あと一か月もかからずに全て作り終える。全て完成したら、規定の位置に配置して起動させるだけだ。アルノーから任された大仕事の終わりが近い。

 ダミアンは自宅に帰り着くと、静かに手を洗いに行き、台所へ向かった。もうナタリアは寝ている時間である。明日は休みだ。アルノーも公休日の筈だから、いっそ今からアルノーの家に行ってしまうか。アルノーはもう寝てしまっただろうか。

 ダミアンはアルノーの家に行くかどうかぐるぐる悩みながら温めた夕食を食べ、後片付けをした後、ナタリア宛のメモを居間のテーブルに残し、思い切って家を出た。
 玄関の呼び鈴を押してアルノーが出てこなかったら大人しく帰るつもりだ。
 ダミアンは足早にアルノーの家へ向けて歩き始めた。

 アルノーの家に着くと、居間の辺りに灯りが見えた。アルノーはまだ起きているみたいだ。アルノーに触れられる期待で胸が高鳴る。
 ダミアンはいそいそと玄関の呼び鈴を押した。

 すぐにドアが開き、アルノーが顔を出した。きょとんとした後、アルノーがふわっと嬉しそうに笑った。


「こんばんは。アル。明日は休みだから来ちゃいました」

「こんばんは。入ってよ」

「えぇ」


 ダミアンは家の中に入り、寝間着の上に分厚いガウンを羽織っているアルノーをゆるく抱きしめて、アルノーの唇に触れるだけのキスをした。
 アルノーの涼やかな目が嬉しそうに細くなるのを見ると、愛おしくて堪らなくなる。
 夢の中にいる時間の始まりだ。ダミアンはアルノーの頬にキスをすると、アルノーを風呂に誘った。

 風呂でちょっと悪戯をして、お互いに興奮したまま寝室へと移動した。
 しつこい程丁寧に愛撫した後、今は座位の体勢でアルノーのアナルにペニスを挿れ、お互いの唾液を味わうかのように舌を絡めながら、ダミアンはアルノーの薄い尻肉を掴んで固定し、下から腹の奥深くの肉の壁を突き上げまくっていた。

 ダミアンに縋るように首に腕を絡め、快感に涙を零しながらくぐもった喘ぎ声を上げるアルノーが可愛くて堪らない。ダミアンがアルノーの舌を咥えて優しく吸うと、アルノーのアナルがきゅっと締まった。

 アルノーが絡めていた舌を離し、喘ぎ混じりにおねだりしてきた。


「ちくびっ、すってっ! あぁっ! いいっ! いいっ! すごいっ! きもちいいっ! もっと! もっと! あ、あーーっ!」

「んー」


 アルノーの可愛いおねだりに応えて、ずこずこ腹の奥深くの肉の壁を突き上げまくりながらアルノーのピンと勃った乳首を吸えば、アルノーがダミアンの頭を抱きしめて大きく喘いだ。じゅーっと乳首を引っ張るように強めに吸うと、アルノーの身体がビクビクッと震えて、更にアナルがキツく締まる。
 堪らなく気持ちよくて、ものすごく興奮して、アルノーへの愛おしさで胸がいっぱいになる。


「あっ! あぁっ! も、だめっ! またっ! いっちゃ、いっちゃうっ! あ、あ、あぁぁぁぁっ!」


 ダミアンの腹に熱い液体がかかった。ダミアンはイッて痙攣するように震えているアルノーの身体をぎゅっと抱きしめて、興奮するがままに貪るような荒々しいキスをしながら、自分もイクべく、腰を突き上げまくった。
 間近に見えるアルノーの濡れた青い瞳が美しい。ダミアンは無我夢中で舌を絡め合いながら、一際強く肉の壁を突き上げて、そのままアルノーの体内に精液を擦り込むように射精した。

 とろんとした顔で、はぁー、はぁー、と荒い息を吐いているアルノーの唇に何度も優しく吸いつき、汗で顔に張りついている髪を優しく整えてやる。アルノーが嬉しそうにうっとりと笑って、ダミアンの唇にくちゅっとキスをして、誘うようにダミアンの下唇をつーっと舌でなぞった。

 ダミアンはアルノーの唇に何度も吸いついて、唇を触れ合わせたまま囁いた。


「次はどの体位がいい?」

「後ろからして。いっぱい突いて」

「ははっ。お望みのままに」


 アルノーがゆっくりと腰を上げて、射精して半分萎えているダミアンのペニスを引き抜いた。
 ダミアンはアルノーが少しでも楽なように横向きに寝転がらせ、ダミアンの背中にくっついて、アルノーの長いさらさらの髪をかき上げてうなじを露わにした。
 汗の味がするうなじを舐め回しながら、手で軽くペニスを扱けば、ダミアンのペニスはすぐに完全復活した。

 アルノーのうなじに強く吸いついて小さな痕を残すと、ダミアンはアルノーの熱く蕩けたアナルにゆっくりとペニスを押し込んでいった。ぴったりとくっついたまま、小刻みに腹の奥深くの肉の壁をトンットンットンッとペニスの先っぽで突きつつ、身体を震わせて喘ぐアルノーの身体の下に手を差し込んで片手で乳首を弄り、アルノーのゆるく硬くなっているペニスの濡れた亀頭を親指の腹ですりすりと擦る。ぎゅぎゅっとアルノーのアナルがダミアンのペニスを締めつけてくる。

 快感に啜り泣きながら喘ぐアルノーのうなじを舐め回し、強く吸いついていくつも痕を残す。アルノーはいつでも髪を下ろしているから、恐らく他人に痕を見られることはないだろう。夢の中にいる時だけでも、ダミアンの痕を残したい。
 アルノーが悲鳴じみた声を上げながら潮を吹いてイクまで、ダミアンは全力でアルノーの熱い身体を弄りまくった。

 ダミアンは低く唸ってアルノーの中に精液を吐き出すと、掠れた息を吐いているアルノーの唇に触れるだけのキスをした。
 既に六回はしている。これ以上はアルノーの負担になるだろう。できたら、明日の昼間にも一回でいいからしたいので、今夜はこれでお終いにしておく。

 ダミアンは正常位で挿れていたペニスをアルノーのアナルから引き抜くと、イキ過ぎて呆然としているアルノーの濡れた頬をべろーっと舐め、優しく唇に吸いついた。
 アルノーが無防備な顔で嬉しそうにふにゃっと笑い、すぅっと寝落ちた。
 ダミアンは寝落ちたアルノーの頬にキスをしてから、閉じ切らないアルノーのアナルに浄化球を入れ、眠るアルノーの身体を抱きしめた。

 夢の中にいられるのは、あと何回だろうか。任されている大仕事が佳境に入っているので、ダミアン自身も忙しいし、アルノーも年明けにある全体予算会議の準備などで忙しい時期だ。
 ダミアンはアルノーの美しい髪を意味もなく弄りながら、ぼそっと呟いた。


「愛してる。アル」


 ぐっすり眠っているアルノーには聞こえていない筈だ。だからこそ、想いを口に出せる。ダミアンはアルノーの頬にキスをして、静かに目を閉じた。
 夢の中にいる時間を大切にしなければ。夢から醒めなくてはいけない時は近いのだから。
 ダミアンは愛おしい体温に幸せを感じながら、眠りに落ちた。

 翌朝。ダミアンがいつもの時間に目覚めると、腕の中でアルノーがぐっすり眠っていた。問答無用で美しい寝顔を暫し眺めて、アルノーの唇にそっと触れるだけのキスをした。
 アルノーを起こさないように身体を離し、ベッドから下りて階下の風呂場へと向かう。

 今朝はアルノーに何を食べさせようか。アルノーが喜ぶものがいい。ダミアンは熱いシャワーを浴びながら朝食のメニューを考え、脱衣場で身体を拭いてから、置かせてもらっている髭剃り用の剃刀で丁寧に髭を剃った。
 ダミアン用の歯ブラシも、髭剃り用の剃刀も、そう遠くないうちに不要となって捨てられるだろう。

 ダミアンはぎゅっと胸が苦しくなるのを感じて、パンッと自分の頬を強く叩いた。苦しい想いに泣くのは逃げ出した後だ。夢の中にいる間は、ただ幸せに笑っていたい。

 ダミアンは手早く髪を一つの三つ編みにすると、アルノーの笑顔を見るために、気合を入れて台所へ向かった。


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