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1:子犬を拾う
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王都から少し離れた森の中にある小さめの家が、デニスの家だ。デニスの両親は、デニスが10歳の頃に亡くなっており、デニスは8歳年上の姉に育ててもらった。
デニスの姉は魔女である。姉は、主に魔法薬を作っている。デニスは、姉のアデラが作った魔法薬も扱っている小さな店で働いている。アデラの友人が経営している店で、給料はそんなに高くないが、アデラの魔法薬の売り上げも合わせたら、2人で生活するには十分な収入がある。
季節は本格的な冬が間近だ。デニスが1日の仕事を終えて、通勤用の馬を置かせてもらっている王都入り口近くの貸し馬屋に向かっていると、道の隅っこに薄汚れた茶色いものが見えた。なんとなく近寄ってみれば、どうやら子犬のようである。子犬は弱っているようで、小さな掠れた息を吐いていた。もうそろそろ日が暮れる時間帯だ。日が暮れたら、一気に冷え込む。弱っている子犬では、きっと寒さで死んでしまうだろう。
デニスは、弱っている子犬をそっと優しく抱き上げて、自分のコートの中に入れた。小さく震えている子犬を、早く温かい家に連れ帰ってやりたい。アデラは動物好きだから、この子犬を連れて帰っても怒らないだろう。
ぴすぴすと微かに鼻を鳴らしている子犬を懐に入れたまま、デニスは急いで貸し馬屋に向かった。
愛馬のシルビーに乗って、できるだけ急いで森の中の家に帰ると、デニスは、シルビーを家に隣接している家畜小屋に入れて、家の中に入った。
家の中に入り、台所に行くと、鍋をかき混ぜていたアデラが振り返った。ふわふわと美味しそうなシチューの匂いが漂っている。
アデラは、デニスと同じ色合いの赤茶色の髪をしている。瞳の色は、アデラは鮮やかな金色、デニスは地味な茶色だ。瞳の色が金色なのは、魔女の証である。デニス達の亡くなった母親も魔女だった。
アデラがおっとりと笑い、デニスに声をかけてきた。
「あら。おかえり。デニス」
「ただいま。姉さん。悪いんだけど、この子を診てくれないかな。弱ってるみたいなんだ」
デニスは懐から薄汚れた子犬を出し、アデラに見せた。アデラがきょとんとした後、じっと子犬を見つめた。
「姉さん?」
「デニス。その子、魔法がかけられているわ」
「え?」
「汚れているし、弱っているわね。とりあえず、身体をキレイにしてあげて温めましょう。温かいミルクを作るから、飲ませてあげましょうね。デニス。お風呂でその子をキレイにしてあげてちょうだい。その間にミルクを用意しておくから」
「うん。わかった」
デニスは、再び震えている子犬を懐に入れると、コートを着たまま風呂場へと向かった。デニスの家の風呂場は、アデラの魔法で、薪を使わなくても、いつでも温かいお湯が出るようになっている。小さめの桶にお湯を溜めて、デニスはそーっと静かに子犬を桶の中のお湯に浸けた。長めの毛を梳くように優しく子犬の身体を洗ってやる。お湯がすぐに真っ黒になったので、子犬を桶から出して、汚れたお湯を捨て、急いでキレイな温かいお湯を桶に溜めて、また子犬を桶の中のお湯に浸けて洗ってやる。何度もお湯をかえてやると、子犬はキレイになった。淡い茶色の体毛をした垂れ耳の可愛らしい子犬だ。デニスは、少し温かくなった子犬の身体が冷めないうちに、急いで脱衣所に置いてあるふわふわのタオルで優しく子犬の身体を拭いてやった。
長めの毛が殆ど乾いた頃に、ぴすぴすと小さく鼻を鳴らしながら、子犬がゆっくりと目を開けた。子犬の瞳は濃い緑色をしていた。デニスは目を開けた子犬を寒くないようにタオルでぐるぐる巻きにしてから、内側が汚れたコートを脱いだ。下に着ていたセーターも汚れていたので、その場で脱いで洗濯籠に入れてしまう。少しひやっとするが、問題ない。デニスは白いシャツ姿で、タオルでぐるぐる巻きにした子犬を優しく抱き上げ、アデラがいる台所へと向かった。
台所へ行く途中にある居間で、アデラが深めの皿に温めたミルクを用意してくれていた。家畜小屋で雌雄の牛を飼っているので、朝に搾ったばかりのミルクである。居間のテーブルにミルクを入れた皿を置いてくれていたので、デニスはそっと子犬をテーブルの上に下ろした。子犬は、ぴすぴすと鼻を鳴らし、皿に顔を突っ込む勢いで、ぺろぺろとミルクを飲み始めた。すごい勢いで皿のミルクが減っていく。どうやら、デニスが思っていたよりも弱っていなかったようである。子犬のミルクを飲む勢いに、デニスはほっと息を吐いた。
夢中でミルクを飲んでいる子犬を見下ろして、アデラが首を傾げた。
「この子から、知ってる魔力の感じがするのよねぇ」
「姉さんの知り合いがこの子に魔法をかけたの?」
「多分。魔女としては優秀なんだけど、ものすごーく困ったちゃんな人なのよねぇ。デニス。この子、元は人間よ」
「えー。人間を子犬の姿に変えちゃったの? その人」
「単なる推測なんだけど、痴情のもつれが原因な気がするわぁ。その人、とにかく惚れっぽいのだけど、相手が自分に振り向いてくれないと、逆恨み? して、厄介な魔法をかけたりしてたのよねぇ」
「うわぁ。傍迷惑な人だねー」
「そうねぇ。戦場では大活躍だったけど、裏では色々やらかしてたのよねぇ。他の魔女や魔法使い達と彼女の尻拭いをするのが大変だったわぁ」
アデラが遠くを見つめて、溜め息を吐いた。5年前に隣国との戦争が始まり、アデラも国から招集を受けて、戦争に行っていた。戦争は、『救国の英雄』と呼ばれている凄い軍人のお陰もあって、3年前に自国の勝利という形で終戦を迎えた。アデラは、基本的に戦争の時の話をしない。きっと、すごく大変な思いをしたのだろうと、デニスは自分から戦争の話は聞かないでいた。デニスは、アデラが戦争の時のことを思い出すのが嫌で、あまり深く突っ込まないことにした。
深皿にたっぷり入っていたミルクは、全て子犬の腹の中に入ってしまった。満腹になって眠くなったのか、子犬が目を閉じて丸くなった。そのまま、すぴすぴと寝息を立て始めた。
「デニス。この子、寝ちゃったし、私達もご飯にしましょうか。これだけミルクが飲めるのなら、多分大丈夫でしょうし」
「うん。この子、僕のベッドに寝かせていい?」
「いいわよ。……あ、待って。よし。男の子ね。貴方のベッドに寝かせてあげてきなさい」
「うん」
デニスは、温かくなった子犬を優しく抱き上げて、二階の自室に向かった。いつも枕を巻くのに使っている大判のタオルをシーツの上にやんわりと丸めて、その上に子犬を下ろす。寒くないように、上から毛布をかけてやると、デニスは子犬のふわっとした頭をやんわりと撫でてから、衣装箪笥から出したセーターを着て、階下の居間へと向かった。
居間に行くと、アデラがテーブルに夕食を並べてくれていた。ふわふわと優しい匂いがするシチューとアデラお手製の干し葡萄のパンが今日の夕食である。アデラと向かい合って座り、食前の祈りを口にしてから、夕食を食べ始める。今日も美味しい夕食を食べながら、デニスはアデラに話しかけた。
「姉さん。あの子、うちにいてもらってもいい?」
「いいわよ。明日の昼間に、具体的にどんな魔法がかけられているのかみてみるわ。仲良しの人じゃないけど、一応知ってる魔女がかけたものだもの。魔法がとけそうなら、といてあげないと可哀そうだわ。私じゃ手に負えない場合は、助っ人を頼むわね」
「うん。お願いします。魔法をといてあげるとして、当面の名前がないと不便だよね。うーん。……コニーはどうかな?」
「いいんじゃないかしら。可愛いわ」
アデラがおっとりと笑って頷いてくれたので、子犬の名前はコニーに決まった。ちゃんと魔法をといてあげる予定だが、それがいつになるのか分からない。元が人間なら、子犬の姿でも多分意思疎通ができるだろうし、色々と配慮をしてやらなくては。デニスは、コニーが快適に過ごせるように、自分なりに頑張ろうと決意した。
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デニスは、弱っている子犬をそっと優しく抱き上げて、自分のコートの中に入れた。小さく震えている子犬を、早く温かい家に連れ帰ってやりたい。アデラは動物好きだから、この子犬を連れて帰っても怒らないだろう。
ぴすぴすと微かに鼻を鳴らしている子犬を懐に入れたまま、デニスは急いで貸し馬屋に向かった。
愛馬のシルビーに乗って、できるだけ急いで森の中の家に帰ると、デニスは、シルビーを家に隣接している家畜小屋に入れて、家の中に入った。
家の中に入り、台所に行くと、鍋をかき混ぜていたアデラが振り返った。ふわふわと美味しそうなシチューの匂いが漂っている。
アデラは、デニスと同じ色合いの赤茶色の髪をしている。瞳の色は、アデラは鮮やかな金色、デニスは地味な茶色だ。瞳の色が金色なのは、魔女の証である。デニス達の亡くなった母親も魔女だった。
アデラがおっとりと笑い、デニスに声をかけてきた。
「あら。おかえり。デニス」
「ただいま。姉さん。悪いんだけど、この子を診てくれないかな。弱ってるみたいなんだ」
デニスは懐から薄汚れた子犬を出し、アデラに見せた。アデラがきょとんとした後、じっと子犬を見つめた。
「姉さん?」
「デニス。その子、魔法がかけられているわ」
「え?」
「汚れているし、弱っているわね。とりあえず、身体をキレイにしてあげて温めましょう。温かいミルクを作るから、飲ませてあげましょうね。デニス。お風呂でその子をキレイにしてあげてちょうだい。その間にミルクを用意しておくから」
「うん。わかった」
デニスは、再び震えている子犬を懐に入れると、コートを着たまま風呂場へと向かった。デニスの家の風呂場は、アデラの魔法で、薪を使わなくても、いつでも温かいお湯が出るようになっている。小さめの桶にお湯を溜めて、デニスはそーっと静かに子犬を桶の中のお湯に浸けた。長めの毛を梳くように優しく子犬の身体を洗ってやる。お湯がすぐに真っ黒になったので、子犬を桶から出して、汚れたお湯を捨て、急いでキレイな温かいお湯を桶に溜めて、また子犬を桶の中のお湯に浸けて洗ってやる。何度もお湯をかえてやると、子犬はキレイになった。淡い茶色の体毛をした垂れ耳の可愛らしい子犬だ。デニスは、少し温かくなった子犬の身体が冷めないうちに、急いで脱衣所に置いてあるふわふわのタオルで優しく子犬の身体を拭いてやった。
長めの毛が殆ど乾いた頃に、ぴすぴすと小さく鼻を鳴らしながら、子犬がゆっくりと目を開けた。子犬の瞳は濃い緑色をしていた。デニスは目を開けた子犬を寒くないようにタオルでぐるぐる巻きにしてから、内側が汚れたコートを脱いだ。下に着ていたセーターも汚れていたので、その場で脱いで洗濯籠に入れてしまう。少しひやっとするが、問題ない。デニスは白いシャツ姿で、タオルでぐるぐる巻きにした子犬を優しく抱き上げ、アデラがいる台所へと向かった。
台所へ行く途中にある居間で、アデラが深めの皿に温めたミルクを用意してくれていた。家畜小屋で雌雄の牛を飼っているので、朝に搾ったばかりのミルクである。居間のテーブルにミルクを入れた皿を置いてくれていたので、デニスはそっと子犬をテーブルの上に下ろした。子犬は、ぴすぴすと鼻を鳴らし、皿に顔を突っ込む勢いで、ぺろぺろとミルクを飲み始めた。すごい勢いで皿のミルクが減っていく。どうやら、デニスが思っていたよりも弱っていなかったようである。子犬のミルクを飲む勢いに、デニスはほっと息を吐いた。
夢中でミルクを飲んでいる子犬を見下ろして、アデラが首を傾げた。
「この子から、知ってる魔力の感じがするのよねぇ」
「姉さんの知り合いがこの子に魔法をかけたの?」
「多分。魔女としては優秀なんだけど、ものすごーく困ったちゃんな人なのよねぇ。デニス。この子、元は人間よ」
「えー。人間を子犬の姿に変えちゃったの? その人」
「単なる推測なんだけど、痴情のもつれが原因な気がするわぁ。その人、とにかく惚れっぽいのだけど、相手が自分に振り向いてくれないと、逆恨み? して、厄介な魔法をかけたりしてたのよねぇ」
「うわぁ。傍迷惑な人だねー」
「そうねぇ。戦場では大活躍だったけど、裏では色々やらかしてたのよねぇ。他の魔女や魔法使い達と彼女の尻拭いをするのが大変だったわぁ」
アデラが遠くを見つめて、溜め息を吐いた。5年前に隣国との戦争が始まり、アデラも国から招集を受けて、戦争に行っていた。戦争は、『救国の英雄』と呼ばれている凄い軍人のお陰もあって、3年前に自国の勝利という形で終戦を迎えた。アデラは、基本的に戦争の時の話をしない。きっと、すごく大変な思いをしたのだろうと、デニスは自分から戦争の話は聞かないでいた。デニスは、アデラが戦争の時のことを思い出すのが嫌で、あまり深く突っ込まないことにした。
深皿にたっぷり入っていたミルクは、全て子犬の腹の中に入ってしまった。満腹になって眠くなったのか、子犬が目を閉じて丸くなった。そのまま、すぴすぴと寝息を立て始めた。
「デニス。この子、寝ちゃったし、私達もご飯にしましょうか。これだけミルクが飲めるのなら、多分大丈夫でしょうし」
「うん。この子、僕のベッドに寝かせていい?」
「いいわよ。……あ、待って。よし。男の子ね。貴方のベッドに寝かせてあげてきなさい」
「うん」
デニスは、温かくなった子犬を優しく抱き上げて、二階の自室に向かった。いつも枕を巻くのに使っている大判のタオルをシーツの上にやんわりと丸めて、その上に子犬を下ろす。寒くないように、上から毛布をかけてやると、デニスは子犬のふわっとした頭をやんわりと撫でてから、衣装箪笥から出したセーターを着て、階下の居間へと向かった。
居間に行くと、アデラがテーブルに夕食を並べてくれていた。ふわふわと優しい匂いがするシチューとアデラお手製の干し葡萄のパンが今日の夕食である。アデラと向かい合って座り、食前の祈りを口にしてから、夕食を食べ始める。今日も美味しい夕食を食べながら、デニスはアデラに話しかけた。
「姉さん。あの子、うちにいてもらってもいい?」
「いいわよ。明日の昼間に、具体的にどんな魔法がかけられているのかみてみるわ。仲良しの人じゃないけど、一応知ってる魔女がかけたものだもの。魔法がとけそうなら、といてあげないと可哀そうだわ。私じゃ手に負えない場合は、助っ人を頼むわね」
「うん。お願いします。魔法をといてあげるとして、当面の名前がないと不便だよね。うーん。……コニーはどうかな?」
「いいんじゃないかしら。可愛いわ」
アデラがおっとりと笑って頷いてくれたので、子犬の名前はコニーに決まった。ちゃんと魔法をといてあげる予定だが、それがいつになるのか分からない。元が人間なら、子犬の姿でも多分意思疎通ができるだろうし、色々と配慮をしてやらなくては。デニスは、コニーが快適に過ごせるように、自分なりに頑張ろうと決意した。
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