拾った子犬は英雄様

丸井まー(旧:まー)

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4:最高の時間

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 アロルドは、ドキドキと胸を高鳴らせながら、無造作に服を脱いでいくデニスをガン見していた。

 夕食の後片付けの後、外に出て、デニスに抱っこされた状態で月を見上げた。アデラ曰く、あと10日程で満月になるらしい。そして、いよいよお待ちかねの入浴の時間である。
 アロルドは、興奮してふんふん荒い鼻息を吐きながら、ぶんぶんと尻尾を振りまくった。

 全裸になったデニスを見上げて、アロルドは眼福過ぎて、いっそ天に召されるかと思った。中背中肉の身体のデニスは、服から露出している部分はうっすら日焼けしているが、服に隠されている部分は眩しい程色白だった。そして何より、ぶらんと萎えているペニスが中々にデカい。半分皮を被っているのが実に愛らしい。あまり自慰をしないのか、キレイなピンク色をしている。太くて長いペニスの下にぶら下がる陰嚢も大きめで、子犬の姿じゃなかったら間違いなく勃起している自信しかない程興奮する。今すぐにでも、デニスのペニスや陰嚢を舐め回したい。

 全裸のデニスがしゃがみ、ふわっと優しく荒い鼻息を吐いているアロルドの身体を抱き上げた。直にデニスの肌の感触と温もりを感じる。自分の長めの毛並みがいっそ邪魔に思えてくる。今すぐにでも毛を全部剃り落として、もっともっとデニスの肌の感触を味わいたい気持ちでいっぱいである。抱っこされているので、薄い胸板にある存在感が薄い小さめの淡い茶褐色の乳首が間近に見える。可愛らしくて堪らない。本気で今すぐ舐め回したい。

 アロルドが、デニスの身体を舐め回したい衝動を必死で堪えていると、デニスが小さめの木の桶の中にアロルドを下ろした。シャワーを手に取ったデニスがしゃがんで、アロルドに優しく微笑みかけた。


「今からお湯をかけるから、念の為、目を閉じててね」

「わふっ! (目なんぞ閉じれるかぁ!)」


 アロルドは目をくわっとかっ開いた。デニスがシャワーで温かいお湯をアロルドの背中からかけ始めた。デニスはすぐ目の前にしゃがんでいるので、デカいペニスや陰嚢が間近に見える。アロルドは、いっそ鼻血を吹き出すんじゃないかと思うくらい興奮していた。目をくわっとかっ開いて、デニスのペニスや陰嚢をガン見する。右の内腿の股間に近い位置に、小さな黒子を見つけた。色っぽくて正直堪らん。
 アロルドがはぁはぁしながらデニスのペニスや陰嚢を舐め回すようにガン見していると、頭にシャワーをかけられた。瞬間、くわっとかっ開いている目にお湯が入ってくる。


「きゃいん! (いってぇ!)」

「あっ! ごめんね。目に入っちゃったね。コニー。目を閉じてくれるかな」

「……わふ(……仕方がない)」


 アロルドが渋々目を閉じると、優しく頭や顔にお湯をかけられて、デニスが優しい手つきで長めの毛を梳くようにして洗ってくれた。全身を洗ってもらうと、アロルドは本能的にぶるぶるっと身震いして、全身のお湯を飛ばした。デニスが桶にお湯を溜め、アロルドの身体をお湯に浸けてくれた。温かいお湯でじんわりと身体が温まっていくのが素直に心地よい。アロルドは、再び目をかっ開いて、自分の身体を洗い始めたデニスをガン見し始めた。デニスが自分のペニスの皮を剥いて洗うところなんて、本当に最高過ぎて、もう一周回って泣きたくなった。デニスは素晴らしく可愛らしくて、最高に美味しそうだ。デニスのデカいペニスと陰嚢を舐め回し、是非ともアロルドのアナルにペニスを突っ込んで、優しくも激しく抱いて欲しい。

 アロルドは、ここ2年程、自慰の時は必ずアナルを弄っていた。同性愛に厳しいお国柄だが、男所帯の軍にいると、特に戦時下においては、男同士で性欲処理をする話を耳にしていた。男同士の場合は、アナルにペニスを突っ込む。そこしかペニスを突っ込む穴が無いのだから、まぁ当然だろう。初めて自分のアナルを弄ったのは、終戦を迎え、事後処理が落ち着いてきた頃だった。前々から優しい癒し系の男に抱かれたいと思っていたが、自分でアナルを弄るのは少し怖くて、触れたことがなかった。が、歳も30代半ばになり、自分は誰からも愛されることはないだろうと諦観して、自分で自分を愛してみることにした。アナルには、自分の指しか挿れたことがない。花街に、所謂大人の玩具と呼ばれる性具が売られていることくらいは知っていたが、買いに行く勇気も自分で使ってみる勇気もなかった。

 アナルを弄り始めた最初のうちは違和感と異物感しかなかったが、根気よく弄っていると、そのうち、腸壁をやんわり擦るだけでも気持ちよくなってきて、直腸内にあった小さな痼に触れると、脳みそが痺れるような強烈な快感を得られるようになった。

 髪と身体を洗い終えると、デニスがアロルドの目の前にしゃがみ、こてんと首を傾げた。なにこれ可愛い。アロルドはデニスの可愛い仕草に、またぎゅいんっとテンションが上がった。


「コニー。桶だとすぐにお湯がぬるくなるから、一緒にお湯に浸かる?」

「わふっ! (是非ともぉぉ!)」


 アロルドは、はぁはぁと興奮した息を吐きながら、全裸のデニスに優しく抱き上げられて、抱っこされたまま、浴槽のお湯に浸かった。デニスが、ちゃんと頭部はお湯に浸からないように抱っこしてくれているので、なんの心配もない。アロルドは、今なら天に召されてもいい……と思いながら、石鹸混じりのデニスの体臭と滑らかな肌の感触を堪能しまくった。

 最高過ぎた入浴の時間が終わると、身体をしっかりと乾かしてもらったアロルドは、デニスに抱っこされて居間に向かった。居間では、アデラが古ぼけた本を読んでいた。アロルド達に気づいたアデラがおっとりと微笑み、声をかけてきた。


「温かいミルクを作ってあるから、2人とも飲んでね。私はお風呂に入ってくるわ」

「ありがとう。姉さん」

「わふ(かたじけない)」


 アデラが居間から出ていくと、デニスが台所に向かい、アロルド用にほのかに湯気が立つミルクを小鍋から深い皿に注いでくれた。自分の分はマグカップに注いで、皿とマグカップをお盆にのせて、アロルドを片手で抱っこしながら、お盆を持って居間に移動した。居間は暖炉に火がついていて、とても暖かい。興奮し過ぎたせいか、喉が渇いていたので、温かいミルクがじんわりと身体に染みていく気がする。

 居間のテーブルの上でミルクを飲み終えると、デニスがアロルドを優しく抱き上げて、自分の太腿の上にアロルドをのせ、ふふっと笑った。


「コニーは可愛いね。……あ。んー。もしかしたら、年上の男の人かもしれないから、こう言っちゃうのは失礼かな?」

「わふんっ! わふわふ!(もっと言ってくれて構わない! 是非とも俺を愛でてくれ!)」

「ん? 『可愛い』って言ってもいいの?」

「わふっ! (勿論!)」

「ふふっ。コニーは本当に可愛いなぁ。明後日、コニー用の石鹸を買うついでに、コニー用のブラシも買おうかなぁ。ふわふわの毛並みが素敵だよねぇ。ブラシで梳いたら、もっと可愛くなりそう」

「わふんっ!! (是非ともぉぉ!!)」


 デニスに愛でてもらえるのならば、何をされても構わない。むしろ、どんとこい。世の中には、性器にバターなどを塗って犬に舐めさせる変態もいると小耳に挟んだことがある。デニスが望むのならば、大喜びで舐める所存である。邪魔なバターなどいらない。素のデニスの味を思う存分味わってみたい。我ながら変態ちっくな思考回路だが、デニスが本当にアロルドの理想過ぎるから仕方がない。

 アロルドは、優しく背中を撫でてくれるデニスの手の感触にうっとりしながら、デニスに抱っこされて、台所に寄ってから二階のデニスの部屋へと向かった。ベッドに寝転がったデニスの頭の近くに丸くなり、一緒の毛布と掛け布団をかけてもらうと、入浴の時に興奮し過ぎたせいか、急速に眠くなってくる。アロルドはデニスに優しく背中を撫でてもらいながら、夢もみないくらい深い眠りに落ちた。


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