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24:少しずつの進歩
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デニスが家に帰り着くと、いつも通りコニーがお出迎えをしてくれた。可愛いコニーを抱き上げて頬ずりしてから台所に行くと、クリストフが来ていた。一緒に料理をしていた2人がデニスに気づき、珍しく興奮気味に話しかけてきた。
「おかえり! デニス! 聞いてちょうだい! 今度こそ大幅にコニーが人間の姿に戻れる時間を増やせそうなの!!」
「おかえり! デニス! 今回は絶対上手くいく自信があるんだ! 倍近い時間、人間の姿に戻せる筈なんだ! 先にお風呂に入っておいで! 晩ご飯は完全に日が暮れた後! 早速実験するよ!」
「ただいま……えーと、2人ともお疲れ様? じゃあ、とりあえずお風呂に入ってくるねー」
「うふふ。お祝いのお酒の準備もしなくっちゃ!」
「この間買ってきたワインを開けようよ。アデラ」
「いいわね! 美味しいチーズも出しちゃいましょう」
「最高!」
いつになく2人のテンションが高い。もう何か月もコニーにかけられた魔法を騙す魔法の研究をしているから、研究の成果が表れるのが嬉しいのだろう。デニスも、なんだかワクワクしてきた。コニーが人間の姿に戻れる時間が増えると、一緒にできることも増える。食事やお喋り、もしかしたら、また触りっことかできるかもしれない。
デニスはうきうきしながら、二階の自室に向かい、着替えを取って、風呂場に向かった。
コニーと一緒にお風呂に入ると、アデラとクリストフも順番にお風呂に入った。コニーのブラッシングをして待っていると、最後にお風呂が入ったアデラが出てくる頃には、完全に日が暮れていた。
アデラが興奮気味にデニスに声をかけた。
「デニス! コニーにキスをして!」
「はぁい」
デニスは、用意しておいた毛布でコニーを包んでから、コニーの口にキスをした。コニーの身体がすぐに白く光り、急いでソファーの上にコニーを置くと、数拍後に、毛布で身体を包んだ人間姿のコニーが現れた。
「今の時間! クリストフ! 正確に記録をつけるわよ!」
「よしきた! コニー君。体調に問題は? 違和感とかない?」
「あー……問題ないので服を着てもいいだろうか」
「「どうぞ!」」
本当に今日はいつになく2人のテンションが高い。デニスも壁にある時計を見て、今の時間を確認した。
服を着てきたコニーも一緒に、夕食を食べ始める。いつもは食べ終わって少しお喋りをしていると子犬の姿に戻るのだが、今日はまだ戻る気配がない。
「半刻は経ったわね」
「うん。まだ戻る気配はなさそう」
「どのくらい人間の姿でいられるのかな」
「デニス。まだ戻る様子がないし、もしよかったら、皿洗いの仕方を教えてくれないか? 人間の姿でいられる時間が伸びるのなら、俺もなにか手伝いたい」
「いいですよー。じゃあ、一緒に後片付けしましょうか」
嬉しそうに微笑むコニーの言葉に、なんだかデニスも嬉しくなる。デニスは、『とりあえず第一関門達成!』とワインで乾杯しているアデラ達をそのままに、空になった皿をコニーと一緒に台所に運んで、コニーと一緒に皿洗いを始めた。コニーが慣れない手つきで真剣な顔をして皿を洗うのを見守りつつ、なんかいいなぁと思った。コニーと一緒に食事をして、お喋りをするのも楽しいが、こうして些細なことを一緒にできるのもなんだか嬉しい。
デニスはコニーが洗ってくれた皿を一緒に拭きながら、だらしなく笑った。
一刻が過ぎても、コニーが子犬の姿に戻る気配がない。4人で居間のソファーに座り、今は暇潰しも兼ねて、カードで遊んでいる。人間の姿のコニーとカードで遊ぶのは初めてだ。なんだかすごく嬉しいし、楽しい。
「一刻過ぎても子犬にならないわね」
「これは想定以上に時間が伸びてる可能性が大きいね」
「素直にありがたいな。一度一緒にこうしてカードで遊んでみたかったんだ」
「楽しいですね。コニー」
「あぁ」
コニーがはにかんで笑った。人間の姿のコニーは本当にすごく格好いいのだが、なんだか今のコニーは可愛く思える。デニスは嬉しそうなコニーにほっこりしながら、カード遊びを楽しんだ。
コニーが子犬の姿に戻ったのは、人間の姿に戻ってから、二刻を少し過ぎた頃だった。アデラとクリストフが、手を取り合って大喜びした。
「四倍! 四倍の時間だよ! アデラ!」
「やったわね! クリストフ! コニー! なにか違和感とかない?」
「わふん」
「大丈夫みたい」
「ふははー! これはもしかしたら、本当にコニー君の魔法がとけるかもしれないよ!」
「えぇ! 慎重に進めるべきだけど、これは大きな進歩よ!」
「やったね。コニー」
「わふん!」
デニスがコニーを抱き上げると、コニーが嬉しそうに尻尾をぶんぶん振った。コニーをやんわり撫でると、甘えるように掌に頭を擦りつけられる。うちの子世界で一番可愛い。デニスはでれっとしながら、コニーを思う存分撫でまわした。
デニスは明日も仕事なので、先にコニーと寝ることにした。アデラとクリストフは、魔法の成功のお祝いでお酒を飲むらしい。2人とも本当に嬉しいのだろう。デニスもすっごく嬉しい。二刻も人間の姿に戻れると、コニーと一緒にできることがぐっと増える。
デニスは、コニーを抱っこして自室に向かいながら、ふと思った。どうして自分は、こんなにも嬉しいのだろう。コニーはもう家族同然だからだろうか。でも、魔法がとけてしまったら、コニーはこの家からいなくなってしまう。それは酷く寂しいし、素直に嫌だなって思う。
自分でもうまく言葉にできない感情が、デニスの頭の中をぐるぐる回っている。
デニスは布団に潜り込み、定位置で丸くなっているコニーに話しかけた。
「コニー。あのね。コニーが人間の姿に戻れるのは本当に嬉しいんだ。でも、コニーの魔法が完全にとけて、この家から出ていっちゃうのは嫌だなぁ。僕」
「わふっ!?」
コニーの垂れ耳が、驚いたようにぴょんと動いた。
「うーん。コニーのことを完全に家族だと思ってるからかなぁ。コニーと一緒に何かできるのがすごく嬉しくて楽しいんだよねぇ。人間の姿に戻っても、ずっと一緒にいて欲しいなぁ。……なんて、僕の我儘だね。ごめんね。コニー」
「わふわふ!!」
「ん? あ、今日はもう人間の姿に戻るのはダメだよ。身体に負担がかかるかもしれないから。次の満月って4日後だよね。その時に、いっぱい話そう?」
「……わふ」
コニーが何か伝えようとしているのか、デニスの唇に口を触れさせようとしたので寸前で止めた。一晩に何回も人間の姿に戻って、コニーの身体に何かあるといけない。幸い、次の満月は4日後だ。その時に、ゆっくりと話せばいい。
デニスは、コニーの背中をやんわりと撫で、なんとなくコニーを抱きしめて、目を閉じた。
翌朝。顎にふわふわしたものが触れる感覚で目覚めたデニスは、朝から可愛いコニーを見て、だらしなく笑った。
「おはよう。コニー。起こしてくれてありがとう。身体に変化はない?」
「わふ」
コニーが首を横に振ったので、一安心である。寝間着から着替えて、コニーを抱っこして階下に向かい、顔を洗って髭を剃ってから居間に行くと、居間がものすごく酒臭かった。アデラとクリストフが、ソファーで寝ている。空になっている瓶がいっぱいある。2人でどれだけ飲んだのだろうか。デニスはちょっと呆れて、コニーを抱っこしたまま、まずは居間の窓を開けた。
「コニー。片付けが終わるまで、僕の部屋で待ってる? お酒臭いでしょ」
「わふ……」
コニーの鼻に微妙に皺が寄っている。コニーにはキツいくらいの臭いらしい。デニスはぱたぱたとコニーを自室に連れて行ってから、大急ぎで居間の空瓶を台所に運び、バタバタと外に出て、急いでコニー用のミルクを搾って、卵を分けてもらうと、台所で朝食を作り始めた。
多分、酒に強いアデラとクリストフでも、あの量を飲んだら二日酔いになっていると思う。手早く卵入りの雑穀粥を作り、コニーのご飯も作ると、コニーを迎えに行って、少しだけ酒の臭いがマシになった居間に向かった。
寝ていた2人を起こすと、2人とも見事に二日酔いになっていた。とりあえず、気分がスッキリする薬草茶を淹れて、2人に飲ませてから、デニスは急いでコニーと一緒に朝食を食べた。
玄関のところでお見送りをしてくれるコニーに、しゃがんで話しかける。
「ごめんだけど、あの2人のこと、よろしくね」
「わふっ!」
「ふふっ。ありがとう。コニー。いってきます」
「わふ!」
デニスはコニーに見送られて、いつもより急いで出勤した。遅刻はギリギリ回避できたのでよかったが、とりあえずアデラとクリストフには、暫くお酒禁止令を出そうと思う。飲み過ぎは身体によくない。
デニスは今日も真面目に働きながら、昼食の時間までには、飲み過ぎてぐったりしていた2人が復活しているといいなぁと祈った。
「おかえり! デニス! 聞いてちょうだい! 今度こそ大幅にコニーが人間の姿に戻れる時間を増やせそうなの!!」
「おかえり! デニス! 今回は絶対上手くいく自信があるんだ! 倍近い時間、人間の姿に戻せる筈なんだ! 先にお風呂に入っておいで! 晩ご飯は完全に日が暮れた後! 早速実験するよ!」
「ただいま……えーと、2人ともお疲れ様? じゃあ、とりあえずお風呂に入ってくるねー」
「うふふ。お祝いのお酒の準備もしなくっちゃ!」
「この間買ってきたワインを開けようよ。アデラ」
「いいわね! 美味しいチーズも出しちゃいましょう」
「最高!」
いつになく2人のテンションが高い。もう何か月もコニーにかけられた魔法を騙す魔法の研究をしているから、研究の成果が表れるのが嬉しいのだろう。デニスも、なんだかワクワクしてきた。コニーが人間の姿に戻れる時間が増えると、一緒にできることも増える。食事やお喋り、もしかしたら、また触りっことかできるかもしれない。
デニスはうきうきしながら、二階の自室に向かい、着替えを取って、風呂場に向かった。
コニーと一緒にお風呂に入ると、アデラとクリストフも順番にお風呂に入った。コニーのブラッシングをして待っていると、最後にお風呂が入ったアデラが出てくる頃には、完全に日が暮れていた。
アデラが興奮気味にデニスに声をかけた。
「デニス! コニーにキスをして!」
「はぁい」
デニスは、用意しておいた毛布でコニーを包んでから、コニーの口にキスをした。コニーの身体がすぐに白く光り、急いでソファーの上にコニーを置くと、数拍後に、毛布で身体を包んだ人間姿のコニーが現れた。
「今の時間! クリストフ! 正確に記録をつけるわよ!」
「よしきた! コニー君。体調に問題は? 違和感とかない?」
「あー……問題ないので服を着てもいいだろうか」
「「どうぞ!」」
本当に今日はいつになく2人のテンションが高い。デニスも壁にある時計を見て、今の時間を確認した。
服を着てきたコニーも一緒に、夕食を食べ始める。いつもは食べ終わって少しお喋りをしていると子犬の姿に戻るのだが、今日はまだ戻る気配がない。
「半刻は経ったわね」
「うん。まだ戻る気配はなさそう」
「どのくらい人間の姿でいられるのかな」
「デニス。まだ戻る様子がないし、もしよかったら、皿洗いの仕方を教えてくれないか? 人間の姿でいられる時間が伸びるのなら、俺もなにか手伝いたい」
「いいですよー。じゃあ、一緒に後片付けしましょうか」
嬉しそうに微笑むコニーの言葉に、なんだかデニスも嬉しくなる。デニスは、『とりあえず第一関門達成!』とワインで乾杯しているアデラ達をそのままに、空になった皿をコニーと一緒に台所に運んで、コニーと一緒に皿洗いを始めた。コニーが慣れない手つきで真剣な顔をして皿を洗うのを見守りつつ、なんかいいなぁと思った。コニーと一緒に食事をして、お喋りをするのも楽しいが、こうして些細なことを一緒にできるのもなんだか嬉しい。
デニスはコニーが洗ってくれた皿を一緒に拭きながら、だらしなく笑った。
一刻が過ぎても、コニーが子犬の姿に戻る気配がない。4人で居間のソファーに座り、今は暇潰しも兼ねて、カードで遊んでいる。人間の姿のコニーとカードで遊ぶのは初めてだ。なんだかすごく嬉しいし、楽しい。
「一刻過ぎても子犬にならないわね」
「これは想定以上に時間が伸びてる可能性が大きいね」
「素直にありがたいな。一度一緒にこうしてカードで遊んでみたかったんだ」
「楽しいですね。コニー」
「あぁ」
コニーがはにかんで笑った。人間の姿のコニーは本当にすごく格好いいのだが、なんだか今のコニーは可愛く思える。デニスは嬉しそうなコニーにほっこりしながら、カード遊びを楽しんだ。
コニーが子犬の姿に戻ったのは、人間の姿に戻ってから、二刻を少し過ぎた頃だった。アデラとクリストフが、手を取り合って大喜びした。
「四倍! 四倍の時間だよ! アデラ!」
「やったわね! クリストフ! コニー! なにか違和感とかない?」
「わふん」
「大丈夫みたい」
「ふははー! これはもしかしたら、本当にコニー君の魔法がとけるかもしれないよ!」
「えぇ! 慎重に進めるべきだけど、これは大きな進歩よ!」
「やったね。コニー」
「わふん!」
デニスがコニーを抱き上げると、コニーが嬉しそうに尻尾をぶんぶん振った。コニーをやんわり撫でると、甘えるように掌に頭を擦りつけられる。うちの子世界で一番可愛い。デニスはでれっとしながら、コニーを思う存分撫でまわした。
デニスは明日も仕事なので、先にコニーと寝ることにした。アデラとクリストフは、魔法の成功のお祝いでお酒を飲むらしい。2人とも本当に嬉しいのだろう。デニスもすっごく嬉しい。二刻も人間の姿に戻れると、コニーと一緒にできることがぐっと増える。
デニスは、コニーを抱っこして自室に向かいながら、ふと思った。どうして自分は、こんなにも嬉しいのだろう。コニーはもう家族同然だからだろうか。でも、魔法がとけてしまったら、コニーはこの家からいなくなってしまう。それは酷く寂しいし、素直に嫌だなって思う。
自分でもうまく言葉にできない感情が、デニスの頭の中をぐるぐる回っている。
デニスは布団に潜り込み、定位置で丸くなっているコニーに話しかけた。
「コニー。あのね。コニーが人間の姿に戻れるのは本当に嬉しいんだ。でも、コニーの魔法が完全にとけて、この家から出ていっちゃうのは嫌だなぁ。僕」
「わふっ!?」
コニーの垂れ耳が、驚いたようにぴょんと動いた。
「うーん。コニーのことを完全に家族だと思ってるからかなぁ。コニーと一緒に何かできるのがすごく嬉しくて楽しいんだよねぇ。人間の姿に戻っても、ずっと一緒にいて欲しいなぁ。……なんて、僕の我儘だね。ごめんね。コニー」
「わふわふ!!」
「ん? あ、今日はもう人間の姿に戻るのはダメだよ。身体に負担がかかるかもしれないから。次の満月って4日後だよね。その時に、いっぱい話そう?」
「……わふ」
コニーが何か伝えようとしているのか、デニスの唇に口を触れさせようとしたので寸前で止めた。一晩に何回も人間の姿に戻って、コニーの身体に何かあるといけない。幸い、次の満月は4日後だ。その時に、ゆっくりと話せばいい。
デニスは、コニーの背中をやんわりと撫で、なんとなくコニーを抱きしめて、目を閉じた。
翌朝。顎にふわふわしたものが触れる感覚で目覚めたデニスは、朝から可愛いコニーを見て、だらしなく笑った。
「おはよう。コニー。起こしてくれてありがとう。身体に変化はない?」
「わふ」
コニーが首を横に振ったので、一安心である。寝間着から着替えて、コニーを抱っこして階下に向かい、顔を洗って髭を剃ってから居間に行くと、居間がものすごく酒臭かった。アデラとクリストフが、ソファーで寝ている。空になっている瓶がいっぱいある。2人でどれだけ飲んだのだろうか。デニスはちょっと呆れて、コニーを抱っこしたまま、まずは居間の窓を開けた。
「コニー。片付けが終わるまで、僕の部屋で待ってる? お酒臭いでしょ」
「わふ……」
コニーの鼻に微妙に皺が寄っている。コニーにはキツいくらいの臭いらしい。デニスはぱたぱたとコニーを自室に連れて行ってから、大急ぎで居間の空瓶を台所に運び、バタバタと外に出て、急いでコニー用のミルクを搾って、卵を分けてもらうと、台所で朝食を作り始めた。
多分、酒に強いアデラとクリストフでも、あの量を飲んだら二日酔いになっていると思う。手早く卵入りの雑穀粥を作り、コニーのご飯も作ると、コニーを迎えに行って、少しだけ酒の臭いがマシになった居間に向かった。
寝ていた2人を起こすと、2人とも見事に二日酔いになっていた。とりあえず、気分がスッキリする薬草茶を淹れて、2人に飲ませてから、デニスは急いでコニーと一緒に朝食を食べた。
玄関のところでお見送りをしてくれるコニーに、しゃがんで話しかける。
「ごめんだけど、あの2人のこと、よろしくね」
「わふっ!」
「ふふっ。ありがとう。コニー。いってきます」
「わふ!」
デニスはコニーに見送られて、いつもより急いで出勤した。遅刻はギリギリ回避できたのでよかったが、とりあえずアデラとクリストフには、暫くお酒禁止令を出そうと思う。飲み過ぎは身体によくない。
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