98 / 153
第9章 Changing Voice
4.
しおりを挟む
オリンピアのHADESは結局ボーカルも決まってはいるが、雑誌の特集にはわざと顔の全貌を出さずに、一部だけの露出にして、マスコミを煽る戦術のようだ。
音楽よりボーカルの顔に注目を浴びている現在、それにより視聴者の興味を引くかも知れないが、あくまで音楽重視の企画を作っていた須王にしてみれば、別物になった企画として割り切れるようだ。
エリュシオンの選んだ演奏者と広告手法にて、須王が企画者だとオリンピアは言ったそうだが、須王はマスコミ各社へのFAXにて関わりないことを主張した。勿論パソコンの文字で。
朝霞さんは、本当にオリンピアが須王を引き抜けると思っていたのだろうか。このわざとらしい子供のようなやり方で、音楽を神聖視する須王が靡くわけはない。……それを見抜けないはずはないのに。
だから思ってしまうんだ。
オリンピアから須王を遠ざけているのではないかと。
考えすぎかな。
だけど須王にそう言ってみたら、須王はなにも言わなかった。
新HADESプロジェクトは、女帝が休み中はあたしが須王の秘書として動き、彼が言う構想を、あたしがパソコンにまとめる。
なんでも須王のパソコンに差し込んだUSBは、やはりというべき棗くんからのプレゼントで、社内すべてのネットワークを遮断して、セキュリティを強化させつつ、棗くんだけがアクセスできるという魔法のアイテムだったらしい。
確かに社内の膿出しが完全に出来ているとも言い切れない今、プロジェクト変更にて続行する旨を皆の前で宣言したのだから、まだスパイが残っているとするのなら、必ずこのプロジェクト内容を知りたいはずだ。
そのため、信じられる仕事用のパソコンは、あまり使われていないのにあたしのパソコンより高性能のように思える……須王のパソコンのみとなった。
元々須王はメモをするタイプではなく、すべて頭の中に入るという天才的な記憶の持ち主だ。
そのため頭の中で既にYESやNOで進むフローチャートが出来て、こっちの選択が駄目だった場合は、こちらに進むなどの全体像が、頭の中で出来上がっているらしい。
だけどあたし達凡人はまず無理だ。
視覚に訴える資料を見て、そこで判断する。
だから彼の頭の中のものを、あたしがきちんと整理整頓しないといけない。
早打ちは得意ではないけれど、モグモグ、カタカタ頑張る。
その時、突然救急車のサイレンが聞こえ、大きくなってくる。
救急車は嫌だ。
亜貴が倒れた時のことを思い出すから。
それでも――。
「え、ここのビルに来るの?」
そちらの思いに野次馬根性がむくむくと湧き上がる。
パソコンを一度ロックをかけてから(席を外す際はもう常識になった)、他の社員達と並ぶようにして、共に窓の外を見つめると、サイレンを止めた救急車の中から、救急隊員が担架を持ってビルの中に入ってくるようだ。
結局何階に担架が運ばれたのかはわからなかったが、窓から見る限りに置いては運ばれたのは男性で、続いて車に乗り込んだのは――。
「ん? 鹿沼さんと香月課長?」
上からはよくわからないし、見間違いかもしれない。
それでも、もしシークレットムーンの社員が救急車を呼んだのなら、鹿沼さん大丈夫だろうか。亜貴の時のあたしみたいに、テンパっていないだろうか。
ドアが閉まって、救急車が走り出す。
鹿沼さんに浅からぬ縁を感じるあたしは、小さくなっていく救急車をぼんやりと見つめることしか出来なかった。
悶々として三十分。どうしてもあれが鹿沼さんだったのかが気になってしまい、自分を安心させたいためにも、須王が電話を始めた時にシークレットムーンに行ってみることにした。
『さっきの救急車、シークレットムーンか聞いてくる』
そうパソコン画面に表示させて指をさし、なにかを言っている須王を背にとことこと階下に行く。
今日のシークレットムーンは、閑散というよりもざわめいていた。
ちゃんとひとはいるようだ。
鹿沼さん、いてくれれば安心なんだけれど。
「すみませーん、鹿沼さん、いらっしゃいますか?」
腰を屈めながら恐る恐るといったようにして中に入ると、いつぞやのしゅうしゅうさんが対応してくれた。
「――あ、やはりあの救急車は、御社が呼ばれたんですか」
「はい、実はうちの社長が倒れたっす。それを発見した鹿沼主任と香月課長が病院についていったっす」
「そうなんですか、運ばれたの社長さんだったんですか……」
「ヨボヨボでもないっすが、ちょっとうち最近バタバタしていて、いつも飄々としている社長も精神的にやられたかもっす」
「そうなんですか。せめて近くの病院でも、問題なく入れればいいですね」
救急車の搬入先は、こちらの希望が通るとは限らない。
その病院が、満床とか新規を受け付けないとか、入院の受け入れ拒否をされてしまえば、最悪東京を山手線のようにぐるぐるとさまようことになる。
亜貴がそうだった。
一番最初倒れた時に、入院先を見つけるまで実に一時間はかかったんだ。
「あ、病院はT大付属病院に搬入されたっす」
「T大付属病院? 本当に?」
なんという偶然!
「本当っす。なんでも社長の侍医がいるとかで、課長から電話がきたっす」
興奮しているのか、やけにしゅうしゅうと空気が漏れて聞こえる。
凄い、野生的……と言えるのか微妙だけれど。
「だったらまずはひと安心ですね。鹿沼さんも香月課長も社長についていらっしゃるのなら、きっと大丈夫。おふたりが抜けた中でのお仕事、大変そうですが頑張って下さいね」
するとしゅうしゅうがさらに大きくなった。
なんだろう、鼻の穴も大きくなっている。
でもまあ、聞きたいことは聞けたし、無事に入院も出来たようだし、不幸中の幸いでいいことにしよう。うん、王様を待たせてはいけないね。
「ではこれで」
「あ、あの……、あの……おお、俺っ、俺っ、木島と……うおおおおっ! あれはまさか早瀬……」
須王が自動ドアの向こうに立っているのが見えた時、背後でなにやら騒いでいたしゅうしゅうさんの雄叫びが聞こえたような気がするが、振り向くのが遅く、ドアがしまったあとだった。
空耳だったのかしら?
「お前、ナンパされてるなよ」
「は? あのひとは鹿沼さんの部下で、前にあったことがあるのよ。ナンパじゃないわ!」
「そうかな……」
須王は不機嫌そうにシークレットムーンを見つめていた。
「あ、香月課長も救急車に乗ったみたい。会えないよ」
「別に会いてぇなんて言ってねぇだろ!?」
須王様、片眉をピーンと跳ねあげさせて、ご立腹。
……そこまで嫌か、香月課長の話題は。
「そうだ、T大付属病院に社長さんが入院したんだって。もしかして会えるかもよ、香月課長と。小林さんみたいな特別棟だったりして」
わざとにやにやしてそう言うと、須王はそっぽを向いて返事をしてくれなくなった。
知人がすぐ敵になって誰が味方なのかわからない現在、どうか鹿沼さんや香月課長達……あたしが好感を抱いた人達だけは、あたしの敵として現われないで欲しいと思う。
無害だと思えた隆くんですら裏切って、突然に姿をくらましたんだ。
どうか、親身になってくれた彼らだけは――。
音楽よりボーカルの顔に注目を浴びている現在、それにより視聴者の興味を引くかも知れないが、あくまで音楽重視の企画を作っていた須王にしてみれば、別物になった企画として割り切れるようだ。
エリュシオンの選んだ演奏者と広告手法にて、須王が企画者だとオリンピアは言ったそうだが、須王はマスコミ各社へのFAXにて関わりないことを主張した。勿論パソコンの文字で。
朝霞さんは、本当にオリンピアが須王を引き抜けると思っていたのだろうか。このわざとらしい子供のようなやり方で、音楽を神聖視する須王が靡くわけはない。……それを見抜けないはずはないのに。
だから思ってしまうんだ。
オリンピアから須王を遠ざけているのではないかと。
考えすぎかな。
だけど須王にそう言ってみたら、須王はなにも言わなかった。
新HADESプロジェクトは、女帝が休み中はあたしが須王の秘書として動き、彼が言う構想を、あたしがパソコンにまとめる。
なんでも須王のパソコンに差し込んだUSBは、やはりというべき棗くんからのプレゼントで、社内すべてのネットワークを遮断して、セキュリティを強化させつつ、棗くんだけがアクセスできるという魔法のアイテムだったらしい。
確かに社内の膿出しが完全に出来ているとも言い切れない今、プロジェクト変更にて続行する旨を皆の前で宣言したのだから、まだスパイが残っているとするのなら、必ずこのプロジェクト内容を知りたいはずだ。
そのため、信じられる仕事用のパソコンは、あまり使われていないのにあたしのパソコンより高性能のように思える……須王のパソコンのみとなった。
元々須王はメモをするタイプではなく、すべて頭の中に入るという天才的な記憶の持ち主だ。
そのため頭の中で既にYESやNOで進むフローチャートが出来て、こっちの選択が駄目だった場合は、こちらに進むなどの全体像が、頭の中で出来上がっているらしい。
だけどあたし達凡人はまず無理だ。
視覚に訴える資料を見て、そこで判断する。
だから彼の頭の中のものを、あたしがきちんと整理整頓しないといけない。
早打ちは得意ではないけれど、モグモグ、カタカタ頑張る。
その時、突然救急車のサイレンが聞こえ、大きくなってくる。
救急車は嫌だ。
亜貴が倒れた時のことを思い出すから。
それでも――。
「え、ここのビルに来るの?」
そちらの思いに野次馬根性がむくむくと湧き上がる。
パソコンを一度ロックをかけてから(席を外す際はもう常識になった)、他の社員達と並ぶようにして、共に窓の外を見つめると、サイレンを止めた救急車の中から、救急隊員が担架を持ってビルの中に入ってくるようだ。
結局何階に担架が運ばれたのかはわからなかったが、窓から見る限りに置いては運ばれたのは男性で、続いて車に乗り込んだのは――。
「ん? 鹿沼さんと香月課長?」
上からはよくわからないし、見間違いかもしれない。
それでも、もしシークレットムーンの社員が救急車を呼んだのなら、鹿沼さん大丈夫だろうか。亜貴の時のあたしみたいに、テンパっていないだろうか。
ドアが閉まって、救急車が走り出す。
鹿沼さんに浅からぬ縁を感じるあたしは、小さくなっていく救急車をぼんやりと見つめることしか出来なかった。
悶々として三十分。どうしてもあれが鹿沼さんだったのかが気になってしまい、自分を安心させたいためにも、須王が電話を始めた時にシークレットムーンに行ってみることにした。
『さっきの救急車、シークレットムーンか聞いてくる』
そうパソコン画面に表示させて指をさし、なにかを言っている須王を背にとことこと階下に行く。
今日のシークレットムーンは、閑散というよりもざわめいていた。
ちゃんとひとはいるようだ。
鹿沼さん、いてくれれば安心なんだけれど。
「すみませーん、鹿沼さん、いらっしゃいますか?」
腰を屈めながら恐る恐るといったようにして中に入ると、いつぞやのしゅうしゅうさんが対応してくれた。
「――あ、やはりあの救急車は、御社が呼ばれたんですか」
「はい、実はうちの社長が倒れたっす。それを発見した鹿沼主任と香月課長が病院についていったっす」
「そうなんですか、運ばれたの社長さんだったんですか……」
「ヨボヨボでもないっすが、ちょっとうち最近バタバタしていて、いつも飄々としている社長も精神的にやられたかもっす」
「そうなんですか。せめて近くの病院でも、問題なく入れればいいですね」
救急車の搬入先は、こちらの希望が通るとは限らない。
その病院が、満床とか新規を受け付けないとか、入院の受け入れ拒否をされてしまえば、最悪東京を山手線のようにぐるぐるとさまようことになる。
亜貴がそうだった。
一番最初倒れた時に、入院先を見つけるまで実に一時間はかかったんだ。
「あ、病院はT大付属病院に搬入されたっす」
「T大付属病院? 本当に?」
なんという偶然!
「本当っす。なんでも社長の侍医がいるとかで、課長から電話がきたっす」
興奮しているのか、やけにしゅうしゅうと空気が漏れて聞こえる。
凄い、野生的……と言えるのか微妙だけれど。
「だったらまずはひと安心ですね。鹿沼さんも香月課長も社長についていらっしゃるのなら、きっと大丈夫。おふたりが抜けた中でのお仕事、大変そうですが頑張って下さいね」
するとしゅうしゅうがさらに大きくなった。
なんだろう、鼻の穴も大きくなっている。
でもまあ、聞きたいことは聞けたし、無事に入院も出来たようだし、不幸中の幸いでいいことにしよう。うん、王様を待たせてはいけないね。
「ではこれで」
「あ、あの……、あの……おお、俺っ、俺っ、木島と……うおおおおっ! あれはまさか早瀬……」
須王が自動ドアの向こうに立っているのが見えた時、背後でなにやら騒いでいたしゅうしゅうさんの雄叫びが聞こえたような気がするが、振り向くのが遅く、ドアがしまったあとだった。
空耳だったのかしら?
「お前、ナンパされてるなよ」
「は? あのひとは鹿沼さんの部下で、前にあったことがあるのよ。ナンパじゃないわ!」
「そうかな……」
須王は不機嫌そうにシークレットムーンを見つめていた。
「あ、香月課長も救急車に乗ったみたい。会えないよ」
「別に会いてぇなんて言ってねぇだろ!?」
須王様、片眉をピーンと跳ねあげさせて、ご立腹。
……そこまで嫌か、香月課長の話題は。
「そうだ、T大付属病院に社長さんが入院したんだって。もしかして会えるかもよ、香月課長と。小林さんみたいな特別棟だったりして」
わざとにやにやしてそう言うと、須王はそっぽを向いて返事をしてくれなくなった。
知人がすぐ敵になって誰が味方なのかわからない現在、どうか鹿沼さんや香月課長達……あたしが好感を抱いた人達だけは、あたしの敵として現われないで欲しいと思う。
無害だと思えた隆くんですら裏切って、突然に姿をくらましたんだ。
どうか、親身になってくれた彼らだけは――。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる