認知症の連れ合いとの老後 (失禁対策や介護費用対策も)

認認家族

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補聴器

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夫が補聴器をつけることになった。
2、3年前から夫の耳が遠くなったなとは思ったけれど、私自身も聞こえが悪くなり、聞き返す事が多くなっていたので、お互いに年を取ったことだし、これも仕方がないことだと思っていた。
それでもこの頃は夫の聞こえが一段と悪くなったように思えて耳鼻科受診となったのだが…。
「耳垢もないし、鼓膜も異常なしです。補聴器をつけるようにしたほうがいいですね」と、耳鼻科の先生は事もなげに言った。
老眼になったら老眼鏡は抵抗なくすぐ作るのに、補聴器となると、一瞬たじろいでしまうのはどうしてなのだろう?
考えてもわからない問いの答えは件のごとく宿題にすることにし(この調子なので、宿題は本来なら溜まる一方なのに、ごそっと新旧問わず抜け落ちてしまっている)、耳鼻科で紹介された補聴器店に行った。補聴器には耳かけ型と耳あな型(オーダーメイド)の2種類があり、初めての場合、視聴期間として一週間耳かけ型を貸し出してくれるとのこと。とにかく試してみないことには始まらない。
「うっとうしくてイヤだ!つけない」ということになれば、それはそれで仕方がないと思っていたが、なんと夫は朝から夕方まで外さず、一週間つけていた。
視聴期間が終わって、担当の人に「どうでした?」と聞かれ、
「いやあ、一番聞きたくない奴(私)の声がよく聞こえて……」
そう、言いおった。
周りの声がよく聞こえないから、自分の言いたいことだけを言う天下だった夫が、補聴器をつけたら少しは変わってくるんじゃないか、そんな期待をしたけれど、やはり甘かった。
耳かけ型と耳あな型、どちらにするか。耳かけ型の方が楽だし失くさないと思った。しかし、夫は常時眼鏡をかけているので、それにマスク、そして耳かけ型となるとかなり大変だ。結局、耳の形、聴力に合わせて作る耳あな型にした。
1週間後に出来上がった補聴器をつけた。夫と取り扱いの説明やらを受けていたら、補聴器明やらを受けていたら、補聴器主任技士と書かれた名札を付けた人が来て
「良かったですね。補聴器をつければ認知症になりにくいですから。脳が音の刺激で活性化されるんですよ。だから認知症になりにくいんですよ」
夫の手前、私は何も言えず、ただ黙って頭を下げた。担当の人には一番最初に夫が”認知症で要介護3”だと言ってあるのだが……。
補聴器の耐用年数は使用環境や状況によって異なるが、五年だそうだ。
「電池の寿命なんですが、替えるときの目安として、認知症の人の場合は大体どれ位で?」
しばし、沈黙してから担当の人は、
「沈黙してから担当の人。は、「、それは個人差もありますし、それと認知症の人がこちらで作ったことはあまりないので、データがないんです。」
うーん、そうか、そうだったのか。
しかし…
作るときにもっと上のランクを勧められたが、下から二番目の30万円のものにしてよかった!としみじみ思ってしまった。
ともあれ、夫には補聴器に慣れてもらうしかない。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

医療費控除の対象で良かったよ…ほんと。確定申告で一部戻ってくるからさ
ただ…耐久年数5年て。6万/年ですよ…
ちなみに、
現役の皆様、ご存じですか?
年金も税金を天引きされるんですよ…
ほんと、現役も老後もゼイゼイ税、確定申告あるのみです…
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