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アフターストーリー『ディズニー♡プリンセスナイト』
白鐘ここね編:あなたの未来に、わたしを残したくて
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レストランを出たあと、
夜のミラコスタの廊下はまるで夢の中みたいだった。
金色の灯りに照らされたカーペットの上を、わたしたちは手をつないで歩いていく。
「……うれしいな、また……こうして歩けてるの」
隣を歩く彼に、わたしはふわりと微笑みかけた。
あの夏の、図書室の午後。
あの言葉とキスが、ずっと心の奥で光ってる。
「もうね、何回目かわかんないの、わたし……あなたに恋してるの」
彼が少し驚いたようにこっちを見たけど、
わたしは顔を上げて、ちゃんと目を見て言った。
「……わたし、自分のこと……すごく臆病だって思ってた。でも、あなたといると、勇気が出るの」
部屋の前に着いたとき、わたしは手を握りなおした。
「入って……いい?」
部屋の中は、落ち着いたベージュとオフホワイトのインテリア。
窓からは、ディズニーの夜景が見える。
ベッドが広くて、シーツがふかふかで……心のどこかが、くすぐったくなる。
「……さっきのパレード、すごく綺麗だったね」
そう言いながら、わたしは自分のスカートのすそを少し持ち上げた。
「じゃあ、わたし……お風呂、準備してくるね」
バスルームにはミルクの香りが広がっていて、
泡がふわふわに浮かんでる。
「あのね、一緒に入っても……わたし、大丈夫。あなたとなら」
そう言って振り返ったわたしに、彼は目を見開いたまま小さくうなずいた。
お風呂の中で、わたしは彼の肩にそっともたれた。
「……ぬくもりって、こんなに安心するものなんだね」
泡に隠れた肌と肌がふれ合うたび、
くすぐったくて、くちびるがほころぶ。
ここねの肢体は繊細で、
肩から背中にかけてのラインがすべるように細く、
腰はなだらかで、脚はまっすぐ長く、白磁のような肌がほのかに桜色に染まっていた。
ベッドに並んで座ったとき、
シーツがさらりと足元をすべって、彼の手がわたしの指に重なった。
「……ねえ、あなたも、怖かった? あの夏」
「……でも、怖くてよかった。あの恐さが、わたしたちを繋いでくれたんだと思うから」
わたしはベッドに彼をそっと押して、
胸に顔を埋めた。
「……もう、さびしいのはいやなの。ちゃんと触れてたい」
そして――唇が、重なった。
やさしくて、でもどこか熱を持ったキス。
彼の手がわたしの背に回る。
わたしの脚が自然と彼の膝の上に乗り、シーツの間にふたりの影がゆっくりと沈んでいく。
身体が重なるその瞬間、
ここねの目には涙が浮かんでいた。
「……だいじょうぶ。全部、あなたにあげるって決めたの」
鼓動がひとつずつ、重なって、
吐息がひとつ、溶けて――
静かな夜の中、愛のぬくもりが、ふたりだけの世界を満たしていった。
翌朝。
光がカーテンの隙間から差し込んでくる。
わたしは彼の胸に顔をうずめたまま、そっと目を開けて――
そのまま、もう一度目を閉じた。
「……あと五分だけ、こうしてたいな」
そして、彼の首に手を回して、朝のキスをひとつ。
小さな声で、笑うように。
「――おはよう。だいすきだよ。今日も、あなたの“未来”になれたかな」
夜のミラコスタの廊下はまるで夢の中みたいだった。
金色の灯りに照らされたカーペットの上を、わたしたちは手をつないで歩いていく。
「……うれしいな、また……こうして歩けてるの」
隣を歩く彼に、わたしはふわりと微笑みかけた。
あの夏の、図書室の午後。
あの言葉とキスが、ずっと心の奥で光ってる。
「もうね、何回目かわかんないの、わたし……あなたに恋してるの」
彼が少し驚いたようにこっちを見たけど、
わたしは顔を上げて、ちゃんと目を見て言った。
「……わたし、自分のこと……すごく臆病だって思ってた。でも、あなたといると、勇気が出るの」
部屋の前に着いたとき、わたしは手を握りなおした。
「入って……いい?」
部屋の中は、落ち着いたベージュとオフホワイトのインテリア。
窓からは、ディズニーの夜景が見える。
ベッドが広くて、シーツがふかふかで……心のどこかが、くすぐったくなる。
「……さっきのパレード、すごく綺麗だったね」
そう言いながら、わたしは自分のスカートのすそを少し持ち上げた。
「じゃあ、わたし……お風呂、準備してくるね」
バスルームにはミルクの香りが広がっていて、
泡がふわふわに浮かんでる。
「あのね、一緒に入っても……わたし、大丈夫。あなたとなら」
そう言って振り返ったわたしに、彼は目を見開いたまま小さくうなずいた。
お風呂の中で、わたしは彼の肩にそっともたれた。
「……ぬくもりって、こんなに安心するものなんだね」
泡に隠れた肌と肌がふれ合うたび、
くすぐったくて、くちびるがほころぶ。
ここねの肢体は繊細で、
肩から背中にかけてのラインがすべるように細く、
腰はなだらかで、脚はまっすぐ長く、白磁のような肌がほのかに桜色に染まっていた。
ベッドに並んで座ったとき、
シーツがさらりと足元をすべって、彼の手がわたしの指に重なった。
「……ねえ、あなたも、怖かった? あの夏」
「……でも、怖くてよかった。あの恐さが、わたしたちを繋いでくれたんだと思うから」
わたしはベッドに彼をそっと押して、
胸に顔を埋めた。
「……もう、さびしいのはいやなの。ちゃんと触れてたい」
そして――唇が、重なった。
やさしくて、でもどこか熱を持ったキス。
彼の手がわたしの背に回る。
わたしの脚が自然と彼の膝の上に乗り、シーツの間にふたりの影がゆっくりと沈んでいく。
身体が重なるその瞬間、
ここねの目には涙が浮かんでいた。
「……だいじょうぶ。全部、あなたにあげるって決めたの」
鼓動がひとつずつ、重なって、
吐息がひとつ、溶けて――
静かな夜の中、愛のぬくもりが、ふたりだけの世界を満たしていった。
翌朝。
光がカーテンの隙間から差し込んでくる。
わたしは彼の胸に顔をうずめたまま、そっと目を開けて――
そのまま、もう一度目を閉じた。
「……あと五分だけ、こうしてたいな」
そして、彼の首に手を回して、朝のキスをひとつ。
小さな声で、笑うように。
「――おはよう。だいすきだよ。今日も、あなたの“未来”になれたかな」
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