目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸

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スープを食べ終え、エリックは泣きつかれたのもあり、うとうとしはじめとうとう寝てしまった。


「…可愛いわね。本当に私の子なのね。」


「そうですよ。とても可愛がっていらっしゃいました。」


「そう。体が動くようになったら一緒に遊んだりしたいわ。」


寂しい思いをさせたくない。
さっきのように泣いてる姿はみたくないものね。


「アンナさん、スープご馳走様でした。」


「奥様、…いえ…シャルロット様、私は貴方の侍女ですので以前のようにアンナとお呼びください。それから旦那様からですが、今日は1日疲れただろうからゆっくり休んでほしい。明日また話しをしよう。とのことです。」

アンナは自分で伝えろって話ですよ、とブツブツ言っている。

「それから、明日体調がよろしかったら湯浴みしましょうね。」


「…ありがとう、アンナ。何から何まで助かるわ。」


「…!!!!いえ!私はシャルロット様の侍女ですので!!ゆっくり休んでください。…失礼します!!」


アンナはエリックをかかえ出ていった。


ふふっ。…あれは、部屋を出たら泣きそうね。




侍女のアンナから聞いた話だと、旦那様はハロルド様。男の子は息子のエリック4歳。私とハロルド様は5年前に結婚したということ。アンナは結婚する前から私の侍女で、嫁ぐときについてきてくれたらしい。テオドール様との関係も、本人がいっていたことと変わりはないようだ。




…ハロルド様はやっぱり戻ってこなかったわね…

…やっぱり?

やっぱりってなんだろう。胸がチクッと痛む。


あぁ…でも、やっと長い一日が終わる。
起きてからいろんなことがあって疲れた…今日は、もう寝ましょう。


明日動けるようになったら、以前の私のことを少しでも知ることのできるものがあるか探してましょう。お屋敷の中も把握したいわ。




シャルロットは胸がなぜ痛むのか考えるのをやめ、目を閉じた。








夜も深くなった頃、シャルロットは目を覚ます。




……誰かいるようね……誰…かしら…?

暗くて誰かわからない…



その時、雲に隠れていた月が顔をだし月明かり窓から差しこんだ。そして、ベッド横に立つ人の顔が照らされる。



…貴方は……!!
    
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